オリ主と剣製の麻帆良日記   作:棚町京

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更新が遅くなり、大変申し訳ございませんでした。



主従

 今、俺たち三人はエヴァを先頭にエヴァの家に向かっている。

 時刻は夜の十時過ぎ。

 そんな夜遅く、

 

 

「イェーーーイ。アハハハハ!!!」

 

 

 俺は大声で奇声を上げていた。

 今、とってもテンション上がってるーーー!!

 

 

「はしゃぐな!今何時だと思ってる!!」

 

 

「え?夜の十時でしょ?」

 

 

「わかっているなら騒ぐな!!」

 

 

 まぁ、確かに騒ぎすぎだとは思うけど別にいいんじゃね?

 

 

「だって願いが叶ったのよ。

 しかも久しぶりの外の空気が吸えて気持ちいいのよ。

 とっても最高だわ!!」

 

 

 ちなみに約二年ぶり。

 ずっと消毒液の臭いに囲まれていたら普通はしゃぐだろ。

 しかも、

 

 

「しかもこんなに体を動かしても大丈夫な体なんてほんとに久しぶりなのよ。

 年数で言うなら五年。

 はしゃがないほうがおかしいわ!!」

 

 

 そう。中一の頃から走るとか充分に体を動かすことをしたことがない。

 さらに高一の頃になると歩くことすらできなかった。

 だから今、歩いているだけでもとても嬉しいことなのだ。

 

 

「そ、そうか。わかった。

 わかったからはしゃぐのだけはやめてくれ。

 せめて家に着いてからにしてくれ」

 

 

「うっ。

 …わかったわ。我慢する」

 

 

 まぁ、常識で考えたら俺のやっていたことはただの変態にしか見えないよな

 

少し抑えよう。

 

 

「わかってくれたならいい」

 

 

 そういうとエヴァは前を向いた。

 俺はエヴァの後ろ姿をじっと見た。

 外見はただのどこにでもいる金髪幼女にしか見えない。

 けど歩き方や喋り方、そしてにじみ出ているオーラというか雰囲気が普通の人間とは全く違うのがわかる。

 これが六百年以上生きてきた吸血鬼か…

 俺はその吸血鬼のところにこれからお世話になる。

 しかも指導もしてくれる。

 これは凄い幸運なことではないか!!

 

 

「ああ、楽しみだなぁ」

 

 

「何がだ?」

 

 

「これからの生活」

 

 

「ふん、まぁおまえはそう思うだろうな。

 着いたぞ」

 

 

「ここかぁ…」

 

 

 着いた先は原作と同じの木で作られたログハウスだった。

 例えるなら山の中にひっそりと建っている木のペンションみたいな感じかな?

 林に囲まれていてかなり雰囲気がよかった。

 

 

「どうした?」

 

 

「いえ。ただ、物凄くいい雰囲気な家だなと思って。

 木の匂いが最高だわ。私こういう家に住んでみたかったのよ」

 

 

「そうか。気に入ってもらえてなによりだ」

 

 

 そう言うとエヴァは家の中に入った。

 俺も茶々丸と一緒に中に入った。

 中はとても整理されていて綺麗な感じだった。

 と、同時に所々人形が置いてあってとても女の子っぽい感じだった。

 

 

「…へぇ」

 

 

「なんだ、その反応は?」

 

 

「いえ、別に。

 ただ、人形がたくさんあってファンシーだなと思ってね」

 

 

「な!!」

 

 

 思ったことをそのまま口にしたことに反応してエヴァが顔を紅らめた。

 

 

「わ、私は人形使いだぞ!!

 そんな私が人形を持っていて何が悪い!!」

 

 

「そういう意味で言ったわけではないわ。

 ただ、可愛い人形がたくさんあるから女の子らしいなぁと」

 

 

「なっ!!!」

 

 

 さらに思ったことを言い返したら、エヴァの顔がトマトのようにさらに紅くなった。

 やべぇ、すごく可愛い!

 

 

「ふ、ふん!!なら別にいいだろう。

 それよりもだ!!」

 

 

 あ、話そらした。

 

 

「おまえは今から一緒に別荘に来てもらう。

 早速おまえの能力見せてもらうぞ」

 

 

「もう?」

 

 

「実際にどんなものか見てみないと指導できないだろう」

 

 

「確かにそうね」

 

 

 どんな感じの能力かわからない状態では、教えることもできないし、俺もわからないからだめだろう。

 だったら、さっさと確認しようということだろう。

 まぁ、俺もどんな感じなのか早く確認してみたいからいいだろう。

 というか断る理由もないしな。

 

 

「いいわ。

 けど、別荘ってどこ?」

 

 

「地下にある。付いて来い」

 

 

 と言ってエヴァは地下に向かって行った。

 俺も付いて行くのだがその前に、

 

 

「茶々丸。ちょっといい?」

 

 

「なんですか?棚町さん」

 

 

「さっきのエヴァの顔、保存してくれないかしら?」

 

 

「わかりました」

 

 

 さっきの顔は最高だったからな。

 あれは永久に保存するべきだね。

 

 

 

「オイ。ソコノ女ハ誰ダ?」

 

 

 地下に着いたら、変な声が聞こえた。

 声のした方向に顔を向けると、棚の上に座っている人形がいた。

 

 

「チャチャゼロ。こいつはこれからここで指導することになった棚町京だ。

 これからおまえを連れて別荘でする」

 

 

「オ、久シブリニ体ヲ動カセルノカ。

 ソイツヲ切リ刻ンデモイイノカ?」

 

 

「それはまた今度にしてくれ。棚町、こいつの名前はチャチャゼロだ。

 私の最古の従者にして性格が狂っている人形だ。

 主にナイフの使い方や近接戦闘の指導をする」

 

 

「性格が狂ってるって、どんな感じに?」

 

 

「とりあえず切り刻みたいらしい」

 

 

「オイオイ、マスターニ言ワレレタクハネェゼ。

 マスターダッテ」

 

 

「おまえは黙ってろ!!」

 

 

 うわぁ、横暴だ。

 

 

「とりあえず私についてこい!!」

 

 

 チャチャゼロの口を塞ぎながら言ってきたのでとりあえず付いて行った。

 

 

 

 

 

「うわぁ、すごい…」

 

 

 さっきまでいた地下室から変わって、南国の小島に聳え立つ塔の頂上にいた。

 ただ、防護柵というかそういったのがなくてとても怖い。

 例えると、東京タワーの展望台のところにいるのに、床はあるけどガラスと天井がない感じ。

 高所恐怖症の俺にとってとても怖い。

 

 

「すごいね、エヴァ」

 

 

「?どうした、まさかおまえ高sy「なんでもないわ!!気にしないでエヴァ

 

!!」

 わ、わかった」

 

 

 今の俺の状況を見て、それ以上このことには突っ込まなかった。

 けど、気付かれたから後々このことでいじられるんだろうなぁ。

 まぁ、俺の場合軽いから慣れれば大丈夫だろう。

 多分…

 

 

「さて、早速おまえの能力を見せてもらおうか。確か『想像を力に変える能力』だったか?

 名前どうりならおまえにとって力になる能力をイメージしてみろ。それで発動するはずだ」

 

 

「イメージねぇ…」

 

 

 自分が考えたオリジナル能力もいいけど、最初は好きなキャラが使っていた能力を使ってみようかな。

 好きなキャラ、よしあれにしよう。

 

 

超電磁砲(レールガン)かしら」

 

 

「レールガン?」

 

 

「コインある?

 って自分で用意すればいいか」

 

 

 適当にコインを思い浮かべて、右手に出すように念じる。

 すると、右手の手のひらにコインが出てきた。

 適当に念じたから、絵柄は付いてないけど重量感は本物だ。

 

 

「ふむ、能力だけでなく物質も出せるのか」

 

 

「測定完了。絵柄は付いていませんが重さは普通の重さです」

 

 

「オイオイ、マジカヨ。

 物ニ困ンネェジャネエカ」

 

 

 エヴァは考えるような顔をし、茶々丸は測定結果を淡白に報告し、チャチャゼロは今起きたことに驚いていた。

 

 

「まぁ、そういう能力だし。

 それじゃ、やってみるわ」

 

 

 そうして頭を切り替える。

 思い描くは学園都市第三位”御坂美琴”『超電磁砲』(レールガン)

 それをイメージする。

 すると、体に電気を帯びるようになった。

 

 電気を帯びているのを感じながら、右手にあるコインをコイントスするときと同じようにコインをおき、コインに電気を集めるようにする。

 

 アニメでも聞いたことがある電気の音を感じながら、指で弾いてコインを水平に飛ばすようにしながら発射する!!

 

 雷が落ちた時のような爆裂音を出しながら発射したレールガンは、目で捉えきれないほどの速さで発射され、それにより強烈な衝撃波が発生した。

 それにより地面は抉れた。

 

 

「なんだ、今のは」

 

 

「電気を帯びた弾丸。

 電気を利用した物だから、通常の弾丸より数倍も速く、威力も強烈なほどに強いわ」

 

 

「つまり、元は電気の能力で、その電気を利用して弾丸を発射するということか。

 茶々丸、今の測定結果は?」

 

 

「弾丸の速さは約マッハ5。威力は中級魔法以上。

 また、魔力反応は一切ありませんでした」

 

 

「雷の暴風並の威力でその速さ。

 更に魔力反応はないから、物理攻撃用の障壁でなければならない」

 

 

「恐らく魔法使いはこの攻撃を魔法と認識して、魔法障壁で防御すると思います。

 しかしこの攻撃は先程言ったように、物理障壁で防御しなければいけません」

 

 

「それで防御することができずやられると。

 ふむ…」

 

 

 ちなみに補足としてアスナの魔法無力化も効かないと思う。

 理由は、魔法や気の攻撃ではないから。

 と今はまだエヴァはアスナの能力は知らないから言えないけどね。

 

 

「あとこの能力、本物の雷出せるから」

 

 

 原作では雷を出して周辺一帯を停電させていたから多分出せると思う。

 説明して気付いたけど、あの作品の超能力ほとんどチートだろ。

 ま、別にいいか。この能力自体チートだし。

 

 

「しかし、たとえおまえの能力が強くても、おまえ自身が弱くては意味ないだろ。

 見た感じ、戦ったことないような感じだしな」

 

 

「うっ」

 

 

 確かに、俺は喧嘩すらしたことがないくらいの弱さだよ。

 

 

「けど、戦闘のイメージトレーニングはしていたよ!!」

 

 

「それも重要だが、一番大事なのは経験したかどうかだ。

 経験がなければ、相手の攻撃の予測が立てれないだろ」

 

 

「うっ」

 

 

 なんか俺自身なくしてきたなぁ。

 大丈夫なのだろうか…

 

 

「まぁ、そこら辺は指導と警備によってなんとかなるだろう」

 

 

 ?まてよ。

 これって、俺の能力で何とかなるかもしれない。

 

 

「ねぇ、エヴァ」

 

 

「なんだ?」

 

 

「一回模擬戦してみない?」

 

 

「何故だ?今のおまえでは戦いにすらならんぞ」

 

 

「そこら辺は能力でなんとかカバーするわ」

 

 

「おまえの能力か…

 試す価値はありそうだな。わかった」

 

 

 よし。後は準備する時間をくれたら大丈夫だ。

 

 

「とりあえず、少し準備してもいいかしら?」

 

 

「別に構わんぞ」

 

 

「ありがとう」

 

 

 このまま戦っても負けるのは確実だ。しかし、それは俺の能力を使えば何とかなる。

 『想像を力に変える能力』。

 この能力は俺が想像した能力が使える。

 つまり、原作キャラが持っていたスキルも、使うことが出来るのではないのだろうか。

 例えば某作品で登場していた、セイバーが持っていた『直感』。

 第六感的なセンスを用いた”状況把握、状況突破”。

 簡単に言うと、未来予知の如く相手の攻撃を予測して、その攻撃をどうするか一瞬にして把握し行動するというスキルだ。

 それを使えばなんとかなるかもしれない。

 やってみよう。

 能力はセイバーのスキルである『直感』。

 あとはさっき使った能力と適当に見繕って…

 

 

「準備できたわよ」

 

 

「できたか。とりあえずどのくらいできるかを見るための模擬戦だ。

 私とおまえの一対一でやるぞ」

 

 

「わかったわ」

 

 

 よかった。これでもし原作どうりに、三対一みたいなことになったら戦いにすらならないだろうな。

 多分いつかやるんだろうなぁ。

 考えている内に周りの空気が変わった。

 と同時に『直感』によって体が自然と構えをとった。

 

 

「では、いくぞ!!」

 

 

 言うのと同時に、氷柱のようなものがエヴァの周りに出現した。

 多分魔法の矢で間違いないだろう。

 数は二十。すべて俺を狙っている。

 

 

「まずは小手調べだ。

 これぐらいはなんとしろよ」

 

 

 言ってすべての氷の矢を放った。

 どうするかを考える前に、スキルのおかげで結論が出た。

 まず電撃で前方の矢以外を破壊。

 

 ガラスが割れるような音をしながら、破壊した氷の矢を耳で確認し、前方の矢は先程レールガンを放ったことでできた瓦礫の岩を風で集め、防壁のようにし矢を防いだ。

 

 

「やるな。

 だがそれで終わりと思うなよ」

 

 

 防いだと思ったら後ろからエヴァの声が聞こえた。けど、

 

 

「その行動はもう読んでいたわ」

 

 

「なっ!!」

 

 

 瞬動でエヴァの背後をとった。

 そのまま、右手に溜めていた電撃をエヴァに放った。

 

 

「ぐっ!!」

 

 

 エヴァは咄嗟に障壁で防いだ。

 が片手で防ぐのは厳しいのか顔が少し歪んでいた。

 俺はそれに追い討ちを掛けるために、先程と同じように風を使って、防壁代わりにしていた岩を引き寄せてエヴァに当てるようにした。

 

 

「ちっ!」

 

 

 さすがにまずいと思ったのか、エヴァは瞬動で横に逃げた。

 俺も、エヴァに当てるはずだった岩を避けるために瞬動で避けた。

 そして、また最初と同じように相対するようになった。

 

 

「…いったいどんな能力を使えばここまで動けるのだ?」

 

 

「それはまぁ、そういう能力だし。

 日頃のイメージトレーニングが実を結んだのでしょう。

 だって『想像を力に変える能力』よ。だったらピッタリじゃない」

 

 

 半分本当で半分嘘。

 本当はあのスキルを言ったほうがいいけど、説明するのがめんどくさい。

 というか今そんな余裕ない。

 後で言えばいいでしょ。

 

 

「確かにそう考えたら納得いくな。

 イメージしたことを力に変えるのならそういうことも可能か」

 

 

 現にエヴァも信じてくれたし。

 今はこれでいいでしょ。

 

 

「さて、では再開しようか」

 

 

「そうね。じゃあ今度は私からいくわ」

 

 

 俺は岩を集めてエヴァの視界に俺が映らないように放った。

 

 

「ふん、その程度の攻撃。

 これで充分だ」

 

 

 右手に魔力を込めて岩を殴った。

 

 普通見た目が十歳ぐらいの幼女が、自分の身長より二倍以上ある岩を砕けるはずがない。

 しかし、エヴァはただ岩にパンチをしただけで砕けた。

 そのままエヴァは迎撃しようとしたがしなかった。

 砕けた先にいるはずの俺がいない。

 そのように見えているはずだ。

 俺は放った岩を死角にして、近くまで移動していた。

 エヴァが俺に気付く前に、電撃を込めた右ストレートをエヴァの横腹にぶち込む!!

 

 

「中々の攻撃方法だ。

 しかし、まだ甘いぞ棚町」

 

 

 が、攻撃が当る前に、エヴァは一歩後ろに下がり俺のパンチを避けた。

 そしてがら空きになった腹に、エヴァは魔力を込めた左の拳を、腹に思いっきりぶち込んできた。

 スキルによって何とか読めた俺は、左手でエヴァの拳を防いだ。

 しかし、エヴァの力が強すぎて吹っ飛びそうになった。

 俺は吹っ飛ばないようにするために、体を反時計回りに捻った。

 ここで右手で攻撃することもできるが、相手は合気道をマスターした吸血鬼。

 恐らく受け流しながらカウンターしてくるはずだから、瞬動でその場から逃げた。

 

 

「いい判断だ。

 そこでもし右手で攻撃していたその瞬間、おまえの負けは決定していただろう」

 

 

 やっぱり。よかったぁ。

 このスキルやべぇな。

 素人の俺がここまで戦えるって、普通はありえないだろ。

 まぁ、それでも全然勝てる気がしないけどね。

 

 

「どうした?それで終わりか?」

 

 

「そんなわけないでしょ?これからよ」

 

 

「ふ、そうか。

 では続きといこうか」

 

 

「ええ、それじゃ」

 

 

「「いく(ぞ)(わよ)!!」」

 

 

 

--五分後--

 

 

「はぁ、はぁ、まだまだね」

 

 

「…手加減しているとはいえ、戦闘未経験者が私相手にここまでやるとは。

 正直驚いているぞ」

 

 

 結局、あの後色々と攻撃を仕掛けたが、それら全て避けられたり、受け止められたりされて一発も当てることなく負けた。

 さすがに戦闘経験ゼロの俺では、ここまでが限界だろうな。

 

 

「しかし、おまえの能力なら電気と風以外も出せるだろ。

 何故出さなかった?」

 

 

「だって、まだどのくらいの能力が出せるのかわからないのよ。

 能力を使おうとしたら、実は出せませんでしたでは話にならないでしょ?」

 

 

「む、確かにそうだな。

 しかし一つの能力でここまでとは…使いこなせれば、封印前の私ぐらいにはなるかもしれん」

 

 

「ないない。今の私では無理よ」

 

 

「今の、か。謙虚に見えて実は狙っているのか?」

 

 

「そりゃあね。それくらい強くなることができるなら狙うべきでしょ。

 けど、今の私では無理だから無難にそう答えたわけ」

 

 

 これからはエヴァが指導してくれるからいけると思う。多分。

 

 

「そうか…

 これから、おまえは私の教えを請う。と同時におまえは私の従者になる。

 それでいいか?」

 

 

「ええ。いいわよ」

 

 

「即答って、言った後だが本当にそれでいいのか?

 私の従者になるのだぞ。私はこの世界では悪の魔法使いだぞ。

 その従者になるというのが、どれだけのことかわかっているのか?

 後悔はしないのか?」

 

 

 とエヴァは言っているのだが、恐らく俺の回答をすべて信じていないのだろう。

 なにせ約六百年生きてきた吸血鬼だ。

 何度も裏切りられてきた経験を持っているからなのだろう。

 どうせ、おまえもそう言って裏切るのだろうと思っているのだろう。多分。

 俺はエヴァの顔を真剣に見つめながら

 

 

「聞く必要はないわ。

 これからお世話になるのだから、結局従者になるのと変わりはないと思うわ。

 それに、エヴァンジェリンの従者になったからと言って後悔はしないわ。

 悪の魔法使い?

 そんなの、この世界に来たばかりの人間にとって関係のない肩書きだわ。

 たったの数時間しか話したり模擬戦したりしたけど、悪だとは全く感じなかったわよ。

 そんな人が、悪の魔法使いと言ってもねぇ」

 

 

「しかし!!」

 

 

「それに」

 

 

「?」

 

 

 

「こんな見ず知らずの、しかもこの世界の人間とは全く違う私を指導してくるんだもの。

 あなたは、とっても優しい魔法使いだわ」

 

 

 

「…」

 

 

 エヴァは俺の話を聞いて愕然とした。

 今話したことは嘘偽りのない俺の本心だ。

 ていうか、原作読んでいて思っていたことだけど、エヴァは絶対悪の魔法使いではない。

 もし仮に悪の魔法使いなら、十五年も中学生を続いているはずがない。

 今までこんな生活をした腹いせに一般人を襲ったりするだろう。

 そういう行動をするのが、世間一般に広がっている悪の魔法使いがすることだろう。

 無限に続く中学生生活を送りながら、ひっそりと暮らしているエヴァを、未だに悪だと言っている魔法使いの連中こそが悪だと思う。

 だから俺は少しでもエヴァの支えになりたい。

 たとえエヴァがいらんと言っても、俺はずっと支え続けたい。

 なら、エヴァの従者になってもいいと思う。

 

 

「…おまえは変わっているな」

 

 

「それは、まぁ違う世界の人間だもの。

 この世界の人間とは違うはずだわ」

 

 

「…そうか。ふ、それもそうか」

 

 

「これからよろしくね。

 マスター エヴァ。」

 

 

「ああ、これからよろしくな。

 従者 棚町いや、京」

 

 

 とても慈愛のある笑顔で、俺を呼ぶエヴァ。

 原作では見たことがない笑顔だった。

 この笑顔が消えないように、またこの関係が崩れないようにエヴァの従者として頑張っていこう。

 俺は心に誓った。

 

 

 

 

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