………なんで、そんなこというの?
あかちゃんだよ?じぶんの、かけがえのないこどもなんだよ?
「先輩、どうしたんですか?そんなに顔を強張らせて………」
じぶんはおなかをまもるようにしてさやかからきょりをとる。
そんなじぶんのこうどうをみて、さやかのかおがひきつる。
「どうしたんですか?お腹が痛くなりましたか?そうなんですよね?そうだと、言って下さい………」
さやかがこちらにちかづこうとするたびにじぶんはきょりをとる。おなかをまもるようにして。
「せん、ぱい………」
さやかがふるえるてをゆっくりのばしてくる。
かべにせがあたり、さがれなくなったじぶんはのばしてきたてにかみついた。
「あぅっ!」
すぐにてをひっこめるさやか。
じぶんはへやのすみでおなかをまもりながらいかくしていた。
「ごめんなさい、危害を加えるつもりじゃないんです。………産みたいんですか、先輩」
けいかいしながらこくりとうなずく。
じぶんのたいせつないのち、かわいいこども。
おなかをなでるとこころがぽかぽかする。
このこをうんだら、どれだけしあわせだろうか。
「わかりました。先輩がそういうなら………私はそれを、応援します」
さやかはふたたびてをのばす。
「大丈夫です。何もしませんよ」
かたほうのてであたまをなでられ、もうかたほうでゆっくりと、やさしくおなかをなでられる。
「…………これが、先輩の……………」
さやかはひとしきりなでおわると、そのままほほにてをあてられる。
すりすりとさやかのてにほおずりをしていると、さきほどかみついたてからちがでていることにきづいた。
もうしわけなさそうになきながらぺろぺろときずぐちをなめる。
「くすぐったいですよ、先輩。これくらい大丈夫です」
さやかはふたたびじぶんをなでたあと、へやからでていく。
「………少し、外に出てきます。先輩の子供のことも話してくるので遅くなるかもしれません。良い子で待っていて下さいね」
ゆっくりととびらがしまる。あけようとしてもふしぎとびくともしない。
しかたなくねどこでごろごろ。
ふと、すこしふくらんでいるおなかをなでる。こころがあったかくなる。
じぶんのあかちゃん。じぶんのこども。
そのことをかんがえると、うれしくなる。しあわせになる。
これが、ぼせいなのかな。
ごはんをたべたあとだからか、すこしねむくなってきた。
まるくなってめをつぶる。
うまれてくるこどものことをかんがえながら、じょじょにいしきがおちていった。
ふたなりになるのは
-
さやか
-
先輩