我が子にもいい加減名前を付けなければいけない時期になってきた。
考えるのをサボっていた訳ではなく、案が色々あり過ぎて悩みに悩んでいたのだ。
そんなこんなで一ヶ月、流石に名前がないと可哀想に思い名前を書いた紙に囲まれながら決断を迫られていた。
大事な我が子の為に簡単には決めたくない、しかし時間をかけ過ぎても我が子の為にはならない。
経過観察や検査の為に外へ出ることも多い。ここらでしっかり名付けておきたい。じゃないとズルズル引きずってさらに時間かかりそうだし。
うんうん唸って頭を抱えて、それでも名前は決まりません。
自分の優柔不断さを嘆いて居ると
「まま、まま。あれ」
我が子が窓の外に指をさしている。
小さな指の先には、大きな満月が地上を照らしていた。
我が子かそれを無心で見つめて居る姿は、黒髪と相まって凄く美しかった。
その姿をみて、自分は名前を決定した。
『
それがこの子の名前だ。
月を眺める我が子に近寄り抱きしめ、名前を教える。
「つきな?」
そう、それが君の名前だよ。
「まま、あれは?」
あれは月って言うんだ。綺麗でしょ?
「つき?つきなは、つき?」
うん。月渚はね、自分の世界一綺麗なお月様だよ。
我が子、月渚と一緒に月を見る。
今は自由に外へ出れないけれど、いつか自分と月渚とさやかでお月見するのもいいかも知れない。
それが出来るようになるころには、どれだけ成長してるだろうか。
すりすりと甘えてくる月渚を撫でながら、自分は小さな幸せに包まれていた。
「あの子は、人間なんですか?」
「分からない。身体構造は限りなく人間に近いことは確かよ」
「『協会』はあの子をどうするつもりなんですか」
「そんなこと、末端の医務官に聞かれても困るわよ。私だってあの子が不幸になる姿は見たくないし。………けど、上が決定したことには逆らえないから。貴方こそ、どうするつもり?」
「私は、私、は……………」
「あの子を守りたい、救いたい、助けたいっていう気持ちは分かる。でも、それで貴方自身が潰れちゃ世話無いわよ。………はい、簡単なカウンセリングは終わり。軽い睡眠薬と吐き気止め出しとくわね」
「私は、先輩に何をすれば良いんでしょうか………」
「そんなこと聞かれても知らないわ。でもまあ、貴方が負う責任じゃない事だけは確かよね。色々な人から言われてるでしょうけど」
「………分かりました。ありがとうございます」
「はい、お大事に」
「はぁ、私の専門は心療内科じゃないってのに。人手不足って嫌ねぇ」
「でも、うちのエースが潰れちゃ困るし、何より私もあの子は気にかけてたから頑張らないとね。さてと、次は魔界で苗床にされた子のカウンセリングかなぁ」
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ふたなりになるのは
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さやか
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