感想ってもらえるのうれしいですね……
次回で最初の話は終えてアビドスの話に移る予定です。
「やあ、レイヴン。気分はどうかな?」
先生がいなくなってしばらく。
私がいた部屋にはウタハがやってきていた。
自分に射していた影が声と共に霧散していた。
「一人で、少し寂しかった」
素直にそういえばウタハは驚いた様子で私の顔を見ていた。
「意外だったな、受け答えの中で君が寂しがりだとは思わなかった」
「誰かがいてほしい」
そう言う私にウタハは「そうか」といいながら近づくと隣に座る。
「突然現れた不審人物のはずが、話すと本当に印象が違ったものになるな」
そういいながら『これをあげよう』と彼女は私に一枚のカードを差し出した。
「これは?」
「君の検査をした部屋があっただろう。あそこの鍵だ」
つまり彼女らの部屋の合鍵ということらしい。
「いいの?」
私は聞く、正直あって数時間の初対面の相手だ。
どうしてここまで気にかけてくれるのか私にはわからなかった。
「なに、おそらく君にはこれからも世話になりそうだと思ってね。
ユウカに君が伝えた来歴は聞いた、ここでの知り合いがいないのであればできる限り手も貸したい」
差し出されたカードを見つめる。
一度の共闘で親しく呼んでくれた戦友を思い出した。
私も彼に親しみを覚えていたが、声が出せない私は一度も彼にそれを伝えたことはなかった。
彼女も彼と同じように私に親しみを覚えてくれたのだろうか。
「ありがとう」
カードを受け取って胸に抱いて、私はウタハに礼を言った。
ウタハはいやいやと手を挙げる。
「礼には及ばないよ。さ、別で先生に頼まれたものもあってね、ついてきてくれるかい?」
「わかった」
ウタハからもらったカードをしっかりと胸のポケットにしまって、
私は彼女の後ろについて歩いて行った。
****
「レイヴン、ただいま。武器選びは済んだかな?」
「まだ、悩んでいるところです」
エンジニア部の部室で、立てかけられた武器を眺めるレイヴンに私は声をかけた。
端的な返答が返ってきて彼女はそのまま武器を眺め続けている。
「やあ、先生、武器を何度も持ち換えて、構えては置きを繰り返して、良く悩んでいるようだよ」
「ウタハ、お疲れ様。武器まで用意をお願いしてごめんね」
「いや、作ったはいいが実際使う機会がなくて眠っていたものがそれなりにあるからね。
使わないで眠らせておくのはもったいないだろう」
「自爆機能は……」
「何もついてない奴だけだよ。残念だがあらかじめユウカに釘を刺されたからね」
そう言ってウタハはレイヴンの方へ向き直る。
「確か、戦闘経験があると言っているとユウカから聞いたが、持ち方がかなり独特でね」
見ているといいとウタハが言うので見ていれば、
レイヴンは腕を90度に曲げて腰だめのような形でショットガンを持った。
そして、今度は腕を伸ばしたかと思えば半身の状態で腰を入れて持っていた。
あの構え方は……何だろうか。
「見たことないだろう」
そう言ってウタハは興味深そうに目を細めた。
歩兵がいる戦場であれば、少なからず構え方は見るはずだ。
つまり彼女がいたのはそういった歩兵はいない戦場ということになる。
ヘイローがない彼女は外から来たとして……いったいどんな場所だったのだろうか。
「さて、そろそろ助け舟を出さないとね」
そう言ってウタハはレイヴンの下へ歩いていき、構え方を教えていく。
レイヴンは素直に頷きながらあの独特な構え方を修正していっていた。
「この二つにする」
「二つか、もちろん構わない」
「ありがとう」
そう言ってレイヴンは選んだ大きいハンドガンを連邦生徒会のコートの裏にしまい込み、
もう一つのショットガンをしっかりと持って構えてを繰り返していた。
楽しそうに見える、見えるのに……表情が変わらない子だと思った。
ユウカと話しているときも、ここで検査をしているときも、彼女の表情が変わるところを私は見れていなかった。
緊張をしているわけではないはず、動きからも彼女の感情はあるように見える。
でも……表情が変わるまでには至らないってことかな。
そう悩みながら眺めていると、満足したのかレイヴンはウタハにお礼を言っていた。
「ありがとう。ウタハ、私の知っている武器の扱いと違うから助かった」
「いいのさ、さっきも言った通り、君とは仲良くしたい」
「そう……ウタハ」
レイヴンは数舜考えて、ウタハを呼ぶ。
「なんだい?」
「私の検査に武器を作ったり、医者とエンジニア両方できてすごいね」
「……ありがとう」
ウタハが私へ伺うように目を向ける。
そのまま隠してほしいと私は頷いた。
彼女は医療系の生徒たちと入れ替わりで来たウタハたちを同じ医療系の知識のある人間だと考えていた。
そして、そこから考えるに彼女は自分の体が機械だとは気づいてない……はず。
追及してこないということは何かあるのだろうとは思いつつも、
今深入りしていいのかという迷いがあって、私はまだ言い出せていない。
今ではないもっと信頼を得てからと私は思いつつ、私はレイヴンに声をかけた。
「レイヴン、決まったみたいだね」
「はい、先生。ありがとうございます」
そう言ってしっかりとショットガンを握るレイヴンは、新しいおもちゃを大事にい握る子供と同じに見えた。
「レイヴン、これを渡しておこう」
ウタハからレイヴンに声がかかって、レイヴンの耳元に何かの装置がつけられた。
「ウタハ、それは?」
「これはヘイローを疑似的にホログラムとして映す道具だ」
そう言ってウタハが耳元の装置をいじると、電子音と共にレイヴンの頭上には三つ円が重なったようなヘイローが表示される。
「ウタハの頭にあるやつだね」
「その通りだ。レイヴン。君に私たちと同じものはないが、体の丈夫さは同じというのは伝えたね。
だが、先生はそうではないというのも」
「私は銃弾で死なないけれど、先生は死ぬん……だったね」
そう言って、レイヴンは私をまじまじと見た。
「なにかな、レイヴン?」
「いえ、私と先生で何が違うのだろうと思いまして」
機械の体だという違いなのだが、ここは黙っておこう。
それに、彼女の皮膚組織は生体細胞なのに私より強いらしいし、
やはり何かしらで根本的に違うようにも感じる。
なんだろうね。と適当にごまかしていれば、ウタハが私を助けるように装置の説明を続けてくれた。
「レイヴン、実はキヴォトスは銃撃戦が日常でね、
先生のように弱いというのが周知されると狙われる可能性もある。身を守るためにヘイローがあると見えている方がいい。
後は、逆に戦うときには先生と同じとみられた方が、ハッタリになるだろう」
「なるほど……ありがとう」
そう言って、レイヴンは耳元の装置を何度もいじる。
途中で部屋を見渡して鏡を見つけるとその前まで移動して何度も繰り返していた。
「表情はないが、喜んでくれているようで何よりだ」
「あ、ウタハもそう思う?」
私が抱いたのと同じ印象を受けたウタハに私は笑いかける。
「ああ……感情に反応して動く尻尾でも作ってみようか」
「ああ、似合いそうかも」
試してみるかとウタハは楽しそうに笑っていた。
ヘイローはモブちゃんとそう変わらない三重円と思ってください。
文章力がなくてすまない…
前書きでも書きましたが感想うれしいです。
分かれている理由はまた物語中で書きたいと思います。
少なくともアビドス編で書けるはず……です。