ミレニアム編のこと用意しないと……ミレニアムではモモイが好きです。
明るい子って……見てるだけで元気になれますよね。
そして、書いてて思いました。
カイザー可哀想になるくらい戦力過剰だなあ
久々に強化人間として繋がった感覚は、まるで今の状態が自分の自然であると感じるようなそんな感覚だった。
少しおかしな表現だろうか。
せっかくの新たな体はそのままでもあの人の望む普通の人間のように暮らせていたのに。
自分の手足ではない、別の自由に動く手足が生えるような感覚。
肉眼で見えるはっきりとした視界ではない、頭に直接流される機械的な表示に彩られた視界。
五感で把握する肉体での周囲把握ではなく、センサー類の情報を頭に直接流して把握するずっと広い周囲の感覚。
車椅子の体と機械の体を合わせて感じるものは、まるで初めて翼を広げたあの空のようで────
COM<メインシステム戦闘モード起動>
MAINSYSTEM
●―――――――――――――――●
COMBAT MODE ACTIVE
■EYE LATENCY...///■■NORM
■BODY STATE...//■■■ IDLE
■ARM CS...//■■iii■ ■NORM
■AC SYSTEM...//■■■ ■iON
────ひどく、心地がいい。
アイビスを見据える。
「ホシノ、行くよ」
短くそれだけ友人へ言って、私は飛んだ。
久方ぶりの超加速は、アイビスの元まで私を難なく送り届けてくれた。
迎撃する様に放たれた銃撃を左右に躱す。
接近した私めがけて振りぬかれたオシレーターの斬撃を、体をひねって真上へ加速して躱し、引き抜いた二つのショットガンをホシノの爆撃で禿げた機械部分へと打ち込んでいく。
以前も思ったが基本が人型の私の肉体は非常に小回りが利いた。
先ほどの回避も本来のACならば上にではなくすれ違うように躱しただろう。
ジャガーノートの時に実感した通りだった。
変形機構もなく、あの時に比べて単調なそれへ再度銃を向ける。
久方ぶりのACの接続によるものか、皆との戦闘によるものか、パチパチと音を立てるような高揚感に私は口角を釣り上げる。
とても、気分がいい。
あの時のように大人数での大一番ならきっと、あの人の真似が好い。
私はインカムをつけて、ホシノと、カタフラクトと、遠目に見えた紫の角へ向けて楽しく呼びかけた。
「全員準備はいいな! 楽しい遠足の始まりだ!」
パルスシールドもなく、分身もなく、コーラルのエネルギーを利用した超加速もない。
確かにキヴォトス基準で考えれば超兵器、だがそれは今まで私が体験してきたそれに比べれば木偶の坊に等しかった。
彼女との違いは戦闘が始まってしまえば嫌でも目に入ってきた。
私の体が戦闘前の気分の落ち込みを取り戻せとでも言うように。
彼女なら、私の回避を見越して、裏をかくようにコーラルで加速するはず。
彼女なら、切りかかったなら即座に離脱して私の反撃は受けない。
彼女なら、私一人に気を取られて、接近するカタフラクトから目を放すなんて迂闊なことはしない。
彼女でないアイビスの動きは非常に読みやすく、容易い。
何度目かの射撃を躱す。
私は視界の端でカタフラクトが射撃の構えをとるのを確認した。
わざと引き付けるように後退する。
カタフラクトを越えるダメージを与えた私にアイビスはまんまと接近する。
最初の誘導用
『撃てぇ!!』
カタフラクトのメンバーの重なった声がする。
私に近づくアイビスを横薙ぎに、誘導されたミサイルの群れが襲い来る。
躱そうとブーストを吹かそうとすることを見越して、私は懐から手りゅう弾を投げた。
これも、この人間サイズだからこその武装。
私の爆発で動きの停まったアイビスに、カタフラクトの射撃は見事に当たる。
爆発を受けて二度目の爆発を起こして落ちるアイビスを視界に収めて降下しながら、通信越しの皆へと声をかける。
「よく当てた」
『いやいや、わかりやすい隙を作ってもらってありがたいよ』
通信機越しのカタフラクト組からウタハの声を聞く。
そのままカタフラクト頭上へ降り立ちながら、遠目に見えるホシノへ語り掛けた。
「ホシノごめん。銃借りっぱなしで」
『んーん。しっかり使っちゃって』
オシレーターを下ろした彼女が、それを構えたまま首を振る。
アイビスと同じオシレーター。ホシノは撃てるのは一発と言っていた……もしそれが本当なら。
「ホシノ、オシレーターの攻撃、遠距離のレーザーであってるよね?」
「うん。まっすぐ飛ぶはず」
私の確認にホシノが頷く。
よしと私は自分の中でどうするかを決めながら、私は足元のカタフラクト組へと声をかける。
「カタフラクトは誘導時と同じ感じで攻撃して。ブレードで今度は動きを止めてみるよ」
『よしきた』
メットの返答を聞いて、私は立ち上がったアイビスをもう一度見つめる。
変形機構がないゆえに、彼女と違ってゆっくりと起き上がったアイビスが、私の方を向いて飛ぶ。
最初の高揚が残る口元をそのままに、合わせるように私も飛んだ。
*****
生物と機械の中間みたいな見た目の翼だった。
あの明けの朝に見た綺麗な夜色の羽を周囲へと舞い散らしながら変貌したその翼を広げて、レイヴンちゃんが飛んでいく。
羽毛を残しながらも機械の部品へと大部分が生え変わった翼から蒼炎を吹かして飛んでいく彼女は、昼間の砂漠に黒い流れ星のように見えた。
遠目から見ても、レイヴンちゃんの動きは速すぎる。
ケイトさんが一人で十分というのにも頷けるだけの速度を彼女は持っていて。
アイビスの攻撃をレイヴンちゃんは空中を踊るように回避し続けていた。
さっきの発言通りなら、彼女のブレードが私の攻撃合図。
レイヴンちゃんから反対方向へカタフラクトが回り込むのを見て、私はわきに抱えたそれで標準をしっかりとつける。
『一発だけです。レイヴンを思うなら二発は絶対に撃たないでください』
そう口を酸っぱくするように何度も何度も忠告された兵器を構えて私は自分の出番を待つ。
遠目に見えた普段では見ることのないその口元の吊り上がりに目を細めて。
何処か獲物を狩るような光を灯した彼女の顔は、その耳も相まって以前聞いた彼女のあだ名を思い出す。
カタフラクトの砲撃を躱したアイビスを追いかけるように加速して、その腹部を蹴りつけた彼女がブレードを振り上げる。
相手を追い詰めるようなその様子はそのあだ名にぴったりのように見えた。
「ウォルターの猟犬……だっけ」
その名に違わない笑みと眼光をもって、彼女がアイビスを切りつけたのが見えた。
*****
私の切り付けに動きを止めたアイビスを見て、今だと私はホシノへ視線を送る。
その私の目配せに間髪入れず、桃色の光線がアイビスの胴を貫いた。
いつか私がエアから撃たれた紅の光線と色違いのそれは計画通りの隙を狙ったホシノからの攻撃。
目を思わせるような形に一瞬だけヘイローを変えて放たれた彼女の攻撃は、アイビスの上半身と下半身を綺麗に分断した。
『やった!!』
メットからのそんな歓声が響く。
確かにやった、これでもうアイビスは役に立たない。
だが……
『まだだよ!』
ホシノの声と共に残った上半身が私へ向けて加速する。
残った最後のブースターを使って私へ向けて飛んでくる。
振り上げられた近接攻撃は私へ向けた最後の攻撃なのだろうが……甘い。
その最後の攻撃は視界の端から飛来した紫の弾丸に弾かれていた。
『間に合ったようね』
その声を聞きながら私はアイビスへと距離を詰める。
パルスブレードを構えてその頭へとめがけて振り上げる。
この一振りでキヴォトスにあるであろう、彼女の全ては消え失せるだろう。
あの一騎打ちでした覚悟の通り。
主から貰った月光色の光剣でアイビスの体を叩ききる。
真っ二つになったその間を通り抜けて、私は空へと遠く離脱する。
残されたアイビスの爆発を背に降下しながら、私はホシノと、カタフラクトと、最後のアシストをしてくれたヒナに手を振る。
背後の爆発にはあの場所で聞いた彼女の声のようなものもなく。
すがすがしい気分で私は手を振れた。
「さあ、皆の所へ行こうか」
*****
私の予想通りに、アイビスはレイヴンに攻撃を掠らせることすらできなかった。
当然の結果とは思っている。彼女はそれだけの力を持っていると私は知っている。
それでも、流石だと私は惜しみない称賛を送りたかった。
さっきのアイビスを最後にこの世界の私の情報は消えるでしょう。
黒服にもアイビスの情報は渡していない。
彼女がこの世界でコーラルという世界を破滅させる可能性におびえることはもうない。
私自身も、この世界で可能性を追い求めようとは思っていない。
望むのは一つだけ。
カイザー理事の元へとカタフラクトを走らせる今のレイヴンのように。
その穏やかな気持ちのまま人生を謳歌できることを望んでいます。
貴方の限りない幸福の人生を祈っています。
このキヴォトスに流れ着いた時から変わらない、この場所……貴方の二つの体の内から。
エアちゃんが自分から言及しています通りエアちゃんは最初からレイヴンと一緒に居ます。
一度たりとも、話しかけてないだけで。ずっと一緒です。
ずっとずっと一緒です。エアちゃんなので。
ACモードレイヴンのイメージは最終兵器彼女のちせです。
あの翼を黒くして黒い羽毛生やしたらドンピシャです。