いつも感想ここすきありがとうございます!
祝勝会の話を入れようとしたところ長くなったのでエピローグはまだ先です。
レイヴンのことを話さないといけないですからね!仕方ないですね!
主人公はレイヴンですからね!!
思い返すとすれば、まずは今後のカイザーの動向についてでしょうか。
レイヴンさんの授業料の清算と……『お話し』をレイヴンさんがされて、カイザー理事はほぼすべての私たちの条件をのんでくれました。
『私が昔あれと同じ種類のやつにやられたのをやってあげるって言っただけ』
とはレイヴンさんの言葉で、人間を『何かする』為の技術を使うぞと脅したというのは同席した先生からの解説です。
ちょっぴりどんなことをするのかを聞くだけでも頭に電極を……などと話し始められた時にはストップをお願いしました。
ミレニアムの皆もいるし命に関わったり絶対しない、私が受けた中では軽いところからだからなどとレイヴンさんはおっしゃっていましたが……
私の隣で聞いていたミレニアムのウタハさんも止められたところを見るに『何かする』技術は封印したほうが良いもののようです。
電極……軽いということは入れられたことがあるんですよね……想像したくないので、考えないことにします。
それはさておき、条件は飲まれたものの、カイザーコーポレーション自体は理事の解任のみで会社が大きく揺らぐことはなさそうです。
ヴァルキューレの案件にして大きくカイザーにメスを……というのも考えていたのですが、誘拐は621さんとしての体が住民登録されていなかったために立件が難しく。
ホシノさんの一件はカイザー理事が前に出てきていた関係上尻尾切りになりそうというのが現実のようです。
特にレイヴンさんに関しては────
『ちょっと! レイヴンの捕まっていたであろう牢屋から物的証拠は押さえてきたのよ!』
と便利屋のアルさんはおっしゃっていました。
事あるごとにうちのレイヴンがうちのこがとおっしゃっていて大切なのがよくわかります。
私たちも本当はそうしたかったのですが────
『それを取って来た時の名目が立たないでしょ。基地への攻撃はホシノさんの救出で何とかなるけど……そもそもレイヴンやレイヴンの世界のことを公にするの?』
そうカヨコさんに言われて悔しそうにしていました。
レイヴンさんのいた世界のことをぼかさないといけない関係上というのも大きく、今回はどうしても無理ということになりそうです。
彼女の存在がもっと公になればというのもありますが、それはレイヴンさんの今後にも関わってしまうと思いますし。
ですが、証拠は証拠、もしものために取っておこうということでアビドス管理の元写真やカメラのデータ等含めて持つことになりました。
『こいつを持ってれば暫くカイザーは私たちにも強気に出れない。
もし次しっぽを出して捕まえれたなら、それこそ好きに出来るぞ』とはメットさんの談です。
やっとつかんだチャンスを潰そうとしやがってなどと恨み節たっぷりにデータを見る彼女はすごくにこやかな笑顔だったのを覚えています。
さて、レイヴンさんについてはここまでなのですが、ホシノ先輩については大きく問題にできるようになりました!
先生というシャーレの権力を鑑みてというところが大きいというのはヒナさんの見立てです。
『アコが動いたことからもシャーレの特殊性がわかるでしょう?』
とそう言って行政官さんの方を見ておられました。
そんな問題を大きくして、カイザー理事も何とかして飲ませた結果から言えば、借金自体はまだありますが、大幅な減額と今後の利子について無利子ということになりました。
レイヴンさんは当初────
『借金はチャラにしてもらう。義理があるならまだしも、こんな奴から借りた金、なぜ返す必要がある。
私の以前戦った借金まみれも「借りた金をなぜ返す必要がある」って言ってた』
と言われていたのですが、いつかの銀行強盗の時と同じくホシノ先輩がそれを止めました。
『ダメだよレイヴンちゃん、少なくとも過去のアビドスが作っちゃったものなら、せめて元本は返さないと。
されたのはいけない事でも、それはそれ、これはこれ、だと思うな』
さらにセリカちゃんの────
『そもそも借りたんだから返すって普通でしょ。そいつがダメな奴なんじゃないの?』
『「普通」は返す……確かにノーザークはダメな奴だけど……うーん』
その『普通』という言葉に説得され、レイヴンさんは仕方なく減額というところで納得してくれました。
減額幅は大きく50%! 今までの借金を思えば天と地です。
今後の学校の動向で返済はかなり現実的と私は思っています!
最後に……アビドスの生徒会について。
先生によって、アビドスの生徒会は正式に対策委員会が引き継ぐということになりました。
ホシノ先輩は────
『今回はごめんね。おじさんこんなことになると思ってなくて』
そうしょんぼりした様子で頭を掻き。
『レイヴンちゃんにも迷惑かけちゃったし、ごめんね~レイヴンちゃ~ん』
そう言ってレイヴンさんにもペコペコしていました。
ともかく、今回の件のお詫びはしばらく会議でしっかり意見を出してもらうことにして───
今からは大事なお迎えの時間です。
*****
戦闘自体はお昼ごろからだったと思う。
皆の戦力もあり二時間もなく戦闘自体は終わったけれど、カイザーの事後処理や交渉を行っていたのもあって、時間はもう夕暮れ時。
アヤネちゃんがメインで動いてくれていたとはいえ、私へのヴァルキューレによる事情聴取や、そのほかの事務作業、特に対策委員を後任にする作業なんかには最後の生徒会である私が必須だ。
今から明日の予定に気が重いし昨日から動きっぱなしで流石に疲労が結構来ている。
正直に言えば────
「うへ~~もう動けないよ~、お腹空いたぁ~~」
思わず口をついて本音が出る。
昨日カイザーから連れ去られてからまともなものを食べてない。
それもまだ日も上がってない時に食べたものでそこからは飲み物以外口にしていない。
お腹が空いて、やっと帰路につけて、もうヘロヘロの気分だった。
ああでも───
そのヘロヘロさもなんだか心地よさを感じる。
それはきっと、全部守れたんだと思うからだろうか。
隣のレイヴンちゃんを見れば、あれだけ動いていたはずの彼女はいつも通りの無表情で前を見ていた。
そして、私を挟むようにもう片方には先生がいて、レイヴンちゃんとは違う何処かあたたかな微笑みをした口元。
この二人が居なければどうなっただろうと想像をする。
そもそもの物資難だった私たちに誰も来なかったなら……ああ、考えるまでもない。
それが、今は違う。
アビドスは存続した。アビドス以外の人も手伝ってくれた。
二人が来てから、アビドスの未来は変わった。
私の前を歩く後輩たちを見る。
今回の一件で途中から私は突っ走ってばっかりだったことを思えば、なんだか一段と頼れるようになっちゃったな、なんて私は思ってしまう。
談笑する彼女たちを見て、これからもこれを見れるのだと、皆と過ごせるんだと思って、思い出す。
『「奇跡」というのはもっとすごくて、珍しいもののことですよ』
ああ、そう言えば私との日常を奇跡だと言ってくれたあの人に私はこんな生意気を言ったのだったっけ。
今考えてもなんて口の利き方だとは思う。けれど、あの時の私は本当にそう思っていた。
いつも一緒にいるなんて大したことじゃない、これが「奇跡」なんて……と。
でも───
『……ううん、ホシノちゃん。私はそうは思わないよ』
先輩がそう否定した。その意味を私はかみしめる。
あの人をなくして、気づいたその大切さをもう一度私は胸に灯す。
先輩の大切なもの、私の守るべきものを意識する。
私の「奇跡」を意識する。今度は守るためと捨てない様に。
そう思いを新たにした時だった。
パンっと一つ手を叩く音がして、皆が足を止める。
「あれ?」
私の素っ頓狂な声が出る。
そんな私をよそに、皆はすました顔で「いい香りですね」なんて言っている。
何だろう、何が起こるのかと思う私の前で、後輩たちが私の方へ振り向くのを見た。
もう学校の正門は目の前で。私は何があるのかと左右の先生とレイヴンちゃんを見る。
けれど、その二人も、言ってしまえば後ろの皆もわかっているかのようにすまし顔。
「あれ? あれれ~?」
そうして困惑する私に、後ろからポンと肩を叩かれる。
振り向けば一番の後輩ちゃんが……メットちゃんが私を見ていた。
「ほら、帰って来た時はそう言う儀式があるだろ?」
その言葉に私は思いいたる。
そして、その私の予想を裏切らない答えが目の前の四人から聞こえる。
『ホシノ先輩、おかえりなさい!!』
合わせて言われた迎えの言葉。
大きくなった後輩を感じたところの言葉にすごく暖かいものが胸に湧き上がるのを感じる。
本当に、頼れるなあなんて思いながら。それを必死に抑えて、いつもの先輩らしくと思って、私は返す。
「え、ええ~。そういう事なのはわかるけど……えへへ」
熱さとは別で湧き上がる返さなければならない言葉への羞恥を私は言ってみる。
けれど、それは見透かされているようで後ろの後輩は、逃げるなんて許さないとばかりに私の肩を持つ。
「わたしの先輩だろ? カッコいいとこ見せてくれよ」
その言葉に合わせるように、後ろからはアルちゃんと、ミレニアムの会計ちゃんと風紀委員長ちゃんの追撃の声もする。
「ホシノさん、これは聞かないとどうしようもないわよ」
「そうですよ。せっかくのお迎えですから」
「そうね、私も言っておいたほうがいいと思うわ」
その言葉に私は頬を掻く。
この年でこんな大勢に囲まれてその言葉を言うとは思っていなかった。
いざとなると気恥ずかしくて、私は先生を見る。
一緒に言おうとか言ってくれないかななんて年甲斐もなく思いながら。
けれど───
「うん、ホシノ、私も言ってほしいな」
そんなことは当然なく、期待のまなざしを私は向けられる。
そして、止めを刺すようなレイヴンちゃんの声もする。
「ホシノ、言って」
まっすぐ私を見る顔はさっきまでの無表情とは違って微笑んでいて。
その美人な顔と紅に変わった瞳のまっすぐさに押されて私は苦笑しつつ後輩たちへ目を向ける。
隣にいる友達にもしっかり届くように、彼女へも一度だけ目を向けて───
「……ただいま!」
短い言葉を放った。