翌日、俺達はカイドウに街を案内されながら鍛冶師のいる店に向かっている。
辺り一体を見渡しても分かるが、ドワルゴンの国はゴブリンの村と違ってずいぶんと文明的だ。
俺に抱えられてるリムルも、同じことを考えてるみたいだ。
その途中よっていった店の所々に置いてある薄らと光ってる剣を発見した。
光輝「リムル、あの剣・・・」
リムル「おおっ、光ってるな!」
カイドウ「今から会う鍛冶師があれを打ったヤツだよ。」
光輝「ほう。」
あの光ってる剣を作った鍛冶師か。これはかなりの腕の持ち主だな。
そして店を出てようやく、カイドウが言っていた鍛治師がいる建物に着いた。
カイドウ「ここだ。腕は保証するぜ。おい!兄貴、いるかい?」
そしてカイドウがその建物に入り、俺達も後に続く。
中にいたのは、剣を打っているドワーフだった。
?「カイドウか?少し待ってくれ。」
カイドウ「ああ。」
リムル「お邪魔しま〜す!」
光輝「失礼する。」
カイドウ「カイジン、俺の兄貴だ。」
ほう。カイドウの兄か。
見た目からして頑固一徹の職人って感じだな。
「「「あっ!」」」
光輝「ん?お前達は・・・!」
奥から昨日の三人組が来て、俺達を見て驚いていた。
ここに来る途中カイドウから教えてもらったが、この三人はドワーフ三兄弟。その長男ガルム、次男のドルド、三男のミルドというそうだ。
カイジン「ん?お前達、知り合いか?」
ガルム「カイジンさん!このスライムと兄ちゃんですよ!昨日俺達を助けてくれたのは!」
カイジン「おお、そうだったのか!昨日こいつらを助けてくれて感謝する!」
そう言ってカイジンは俺達に頭を下げた。
別に礼を言われることはしてないんだがな俺は。
回復薬を用意したのはリムルだ。だからほとんど、リムルが解決したようなものだ。
カイジン「それで、何の用で?」
カイジンはそう聞いてきたので、俺達はここに来た目的を話した。
するとカイジンは、難しい顔をする。
カイジン「話は分かった。だが、すまん。今、ちょっと立て込んでてなぁ・・・。どこぞのバカ大臣が無茶な注文をしてきてなぁ・・・。」
リムル「無茶な注文?」
光輝「それはどんな注文なんだ?」
カイジン「・・・戦争があるかもしれないって、ロングソードを20本。それを今週中に作れってなぁ・・・まだ一本しか出来てないんだよ、材料が無くて。」
光輝「なら、無理だと言って断ればいいじゃないか。」
カイドウ「旦那の言う通りだぜ兄貴。」
カイジン「馬鹿野郎!俺だって言ったよ、無理だって!そしたら、クソ大臣のベスターが・・・!」
ベスター『おやおや、王国でも名高いカイジン様ともあろうお方が、この程度の仕事も出来ないのですか?』
カイジン「・・・なんてほざきやがるんだ!許せるか?」
嫌な奴だな。そのベスターという大臣。
そんな風に言われたら、誰だってイラってするだろう。
前世で俺も似たようなことがあったから、よく分かる。
光輝「ところで、材料が無いと言ったが、その材料はなんだ?」
カイジン「ああ。魔鉱石っつう、特殊な材料が必要なんだが・・・」
ガルム「昨日、俺達が掘りに行ったんだが・・・」
ドルド「アーマーサウルスが出てなぁ・・・」
ミルド「ウンウン。」
リムル「なるほど・・・。」
光輝「ふむ・・・」
ガルム「どちらにせよ、あの鉱山は殆ど掘り尽くしてて・・・」
ドルド「もう、残ってない様だ。」
ミルド「ウンウン。」
カイジン「しかもなぁ・・・例え材料があっても、20本打つのに、2週間はかかるんだよ!・・・なのに、あと5日で王に届けなければならない。国で請け負い、各職人に割り当てられた仕事だ。出来なければ、職人としての資格の剥奪もあり得る。」
カイドウ「兄貴・・・。」
それはマズイな。なんとかしてやりたいが、どうする。
創世の神になったギーツなら、ロングソード20本作るのも容易いだろう。
俺もギーツになることは出来るが、本物と違って創世の力は使えない。
どうしたものかと考えてると、リムルが話しかけてくる。
リムル「光輝、俺に任せてくれないか?」
光輝「?どうするつもりだ?」
リムル「まあ見てろ。」
そう言うとリムルは、はっはっはっ。と突然笑い出す。
な、なんだ急に?
カイジン達が視線を向けるとリムルは、キラキラと輝く石を吐き出した。
おお、とても綺麗だ。
リムル「親父、これ使えるかい?」
カイジン「?・・・お、おいおいおい!魔鉱石じゃねぇか!しかも、純度が有り得んほど高いぞ!」
リムルが出した石を見てカイジンは大声を上げて驚いた。カイドウとドワーフ三兄弟もそれを見て驚いている。
これが魔鉱石なのか。確かに珍しそうな物だな。
カグヤみたいにコレクションにしようかな?
リムル「おいおい、親父。アンタの目は節穴かい?」
カイジン「ええっ?」
リムルがそう言ったため、カイジンはゴーグルを外すして再度石を見ると、更に大きな声を出して驚く。
カイジン「どわぁぁ!魔鉱石じゃない!既に加工された、魔鉱塊じゃねぇか!」
リムル「正解。」
カイジン「更に強力な剣を作れるぞ!そんな・・・この塊全てが・・・!?こ、これを譲ってくれるのか?勿論、金は言い値で払うぞ!」
リムル「さて、どうしようかな。」
そう言って、リムルは口笛を吹く。
性格悪いぞ。
カイジン「く!何が望みだ?できることならなんでもするぞ?」
リムル「その言葉を、聞きたかった・・・」
リムルは、魔鉱塊の上に乗っかる。
カイジンは、ジッとリムルを見つめる。
リムル「・・・誰か、親父さんの知り合いでこっちの村まで来て、技術指導をしてくれる人を探して欲しいんだ。」
カイジン「・・・そんなことでいいのか?」
リムル「俺達にとって最優先は衣食住の衣と住なんだよ。まぁそれと、今後の衣類の調達や武具なんかも頼みたい。」
カイジン「お安い御用さ!」
リムル (交渉成立!やったぜ光輝。)
光輝「フッ。」
カイジンは、頼もしく胸板を叩くとリムルは俺の方を向いてきたので、俺はサムズアップした。
ガルム「だけど・・・」
ドルド「今から剣を揃えようとなると・・・」
ミルド「ウー・・・」
ガルム達が不安げな声を出す。
確かに、もう期限が迫ってるからな。
今から作って間に合うかどうか。
リムル「間に合うのか?」
カイジン「・・・まあ、出来るだけやってみるさ。さぁ!すぐ始めるぞ!」
ガルム・ドルド「「おう!」」
ミルド「ウー!」
カイジンとドワーフ三兄弟は剣を作り始めようとする。
すると、リムルが動いた。
リムル「なあ、さっき一本だけ作ったとか言ってたけど、それを見せてくれないか?」
光輝「俺も見てみたいな。アンタが作った剣を。」
カイジン「ああ。おい!」
ガルムにカイジンが作ったロングソードを持ってきてもらい、俺達に見せてくれた。
光輝「この剣も、店に飾ってあった剣と同じ様に光ってるな。」
カイジン「ああ、魔鋼を芯に使ってるからな。」
リムル「ん?」
カイジン「簡単に言うと、使用者のイメージに添って成長する剣なのさ。」
ほう。凄い剣だな。
俺がその剣を見つめてると、リムルはその剣を貸してくれとガルムに頼んだ。
ガルムは剣を渡すと、リムルは剣を取り込んだ。
カイジン「お、おい!なにしてんだ!」
光輝「リムル、一体何を・・・」
俺はもちろん、カイジン達もリムルの突然の行動に困惑してしまう。
すると、リムルは20本のロングソードを吐き出した。
ま、マジか・・・複製、したのか?
リムル「魔鉱塊のロングソード、20本完成だ!」
カイジン・ガルム・ドルド・ミルド・カイドウ「「「「「ええーーーー!!」」」」」
四人の職人と1人の兵士の声が響いた。
無論、俺も驚いてしまった。まさかこんなことが出来るとは思ってなかったからな。
その後、俺は少しリムルと話をしていた。
光輝「リムル、魔鉱石はどこで手に入れたんだ?」
リムル「ああ、ヴェルドラが封印されてた洞窟で大量に手に入れたんだ。こういう時のためにたくさん取っといて正解だったよ。」
光輝「へぇ〜・・・ヴェルドラ?」
リムル「ああ、俺がこの世界に来て初めて出来た友達だ。」
光輝「ほう。リムルの友達か。今はどこで何をしてるんだ?」
リムル「・・・実は、ヴェルドラは今俺の胃袋の中にいるんだ。」
光輝「・・・は?」
そんなこと言ったから俺は理解出来なかった。
そんな俺にリムルはヴェルドラのこと、何故胃袋にいるのかを話してくれた。
リムルの話によると、ヴェルドラはこの世界に4体しか存在しない竜種の1体で、数百年前に勇者と戦い、そして敗れ、『無限牢獄』で封印されたらしい。
その『無限牢獄』の封印を解くためにリムルが所持してるスキル『捕食者』を使用してヴェルドラを捕食し、外側と内側から解析して無限牢獄を破ろうとしてるらしい。
俺はリムルの話を聞いてまた驚いてしまったよ。
にしても、捕食者か。スライムが待っていいスキルではない気がするな。まあ、それはさておき。
光輝「勇者もすごいけど、そのヴェルドラと友達になるリムルもすごいな。」
リムル「まあな。光輝、封印が解けたらヴェルドラのこと、紹介するよ。」
光輝「楽しみにしてる。」
俺達がそう話してると、カイジン達に期限までに剣を納品出来たお礼に飲みに誘われる。
光輝・リムル「「打ち上げ?」」
カイジン「ああ!おかげさまで無事に納品できたんだからな!」
リムル「別に良いって・・・」
リムルが、やんわりと断ろうとすると。
ガルム「まあまあ!エルフの可愛い姉ちゃんが沢山いるから!」
リムル「エルフ!」
ドルド「そうそう!夜の蝶って言ってね!若い子から熟女まで!紳士御用達の店さ!」
リムル「蝶・・・」
ミルド「ウンウン。」
リムル「喋れよ!」
光輝 (本当に喋らないんだな・・・)
それよりリムル、エルフって聞いた瞬間また変なこと考え始めたな。
にしても夜の蝶か・・・なんとなくだが、どんな店なのか予想出来たぞ。
カイジン「おいおい、旦那が来ないと、始まらないぜ・・・。」
リムル「まあ、そこまで言うなら、行こうぜ光輝。」
光輝「え、俺も?」
カイジン「もちろんだぜ。光輝の旦那も来てくれねぇと。」
って事で俺も行くことになり、俺達は夜の蝶にやってきた。
エルフ「あら!カイジンさん、いらっしゃい!」
エルフ達『いらっしゃ〜い!』
リムル (うっひょー!)
光輝(うわ〜やっぱり・・・。)
予想してた通りだが、これは刺激が強すぎるな。目のやり場に困る。
もし俺が未成年だったら、絶対に倒れるな。
そう考えてると、1人のエルフが駆けつけてきてリムルを抱きしめた。
エルフ1「うわ〜!可愛い〜♡」
エルフ2「ちょっとぉ!ワタシが先に目ぇつけてたのにぃ〜!」
そうして、リムルは他のエルフ達にもみくちゃにされた。
まあ、リムル本人は楽しんでるみたいだからいっか。
すると、俺の方にもエルフが数人やってきた。
エルフ3「わ〜!イケメンだ!」
エルフ4「本当ね!カッコいいわ〜!」
エルフ5「お兄さん、私達とお話しない?」
そう言って腕を絡んできた。
なんか、柔らかい物が当たってるんだけど・・・!
俺はどうすればいいか分からず顔を背けてしまう。
カイジン「え〜と・・・旦那方、楽しんでくれてるみたいで、何よりだ。」
リムル「・・・そ、そうか?」
光輝「お、俺は別に楽しんでるわけじゃ・・・」
そう答えると、カイジンとドワーフ三兄弟はニヤリと笑った。
そして俺達はテーブル席に座り、出された食事や酒を食べて飲んで、楽しんでいた。
今回はほとんどリムルが活躍したため、光輝の出番はほぼないです。
次回は、光輝の運命の人が出ます。誰なのかお楽しみに。
リクエスト、シズをどうするかの案も募集しています。
それではまた次回。