BATTLE.1 しゃあっ 呪術師への道
「ヒャハハハ やっぱしタフはめちゃくちゃおもろいでェ」
彼の名前は花沢喜一。累計発行部数1000万部突破の大人気格闘マンガ「タフ・シリーズ」の大ファンの通称"マネモブ"である。彼が今読んでいるのは『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』の鬼龍がゴリラになす術なくボコボコに打ちのめされ無様を晒している回であった。その余りのシュールさに花沢は腹を抱えて大爆笑していた。
「ホ ギ ュ ア ア ア ア ア ア」
「う
あ
あ
あ
あ(pc書き文字)」
しかしそんな花沢の日常もこの瞬間を機に崩れ落ちる。花沢は周りに誰もいないことをいいことにタフを読みながら喧しい笑い声をあげながら田舎道を歩いていると、突如花沢は超巨大なゴリラに出会した。
(うぁぁぁ…ゴっ ゴリラが道を練り歩いているっ 近所に動物園なんてなかっただろうがよ えーっ まっ近所に動物園があったとしても道にゴリラがいることなんてないからバランスは取れているんだけどねっ)
まるで猿漫画の様な辻褄の合わない唐突過ぎる展開とゴリラの怪物を超えた怪物具合に気を取られ、ただただビクビク怯える事しかできない花沢にゴリラは躊躇なく殴りかかってきた。
バキィイィッ
「あっ 一発で折れたっ」
ゴリラの渾身のパンチで普段なら聞く聞く機会などない骨の折れる音が奏でられると同時に花沢の腕があり得ない方向にへし折られる。
(り…両腕が……自宅への切符を掴むワシの両腕が……!)
「ホッ ホッ ホッ ホアーーーーーッ」
「ひいっ やめろやめてくれゴリラ やめろッ『ゴキソッ』ぼうっ」
必死に懇願するも聞く耳をもたれず首の骨をゴリラに折られ絶命してしまった花沢に悲しき現在…
「ホ ギ ュ ア ア ア ア ア !!」
霊長類最強のゴリラに遭遇してはいけない
◇◇◇
「はうっ」
ワシがあの世から蘇ったあっ
しかし、自分の周りの異変に気がつくのはそんな遅くなかった。さっきまで田舎道でタフを読んでいたのになんと今は都会にいるのだ
「なんでやーっ なんで都会におるのじゃあっ う…嘘やろ…こ…こんなことが…こんなことが許されていいのか……」
異変が起きているのは何も周りだけでない。とりあえず今の時刻を知ろうとズボンのポケットに入っていたスマホを取り出して見てみると自分の顔が反射した。その顔はかつての自分の顔ではなく宮沢熹一ことキー坊の顔になっていた。
「どわーーっ?! ワシの顔キー坊になっとるやん?! ううんどういうことだ?」
摩訶不思議なことが立て続けに起こり恐怖を覚えるキー坊(花沢喜一は荼毘に伏したよ)。しかしある現象を思い出すと同時にその恐怖も一気に歓喜へと裏返り、引き攣った顔を緩ませる。
「ワシ…この展開に心当たりがあるんや 異世界転生や!!」
異世界転生とは現実世界の人間がトラックに轢かれたり通り魔に刺されたりして死んで異世界に飛ばされる小説や漫画のお決まり展開の一つ。全ての作品がそうというわけではないが大抵の転生者はチートスキルを手に入れてその世界を無双する。もちろんめちゃくちゃモテる。極限までモテる。
「ムフフフ 圧倒的チート・パワーで無双してやねぇ ハーレムをするのもうまいでっ ルソルソ」
キー坊はナイフとフォークを擦り合わせる原作のキー坊の仕草をマネながら調子に乗っているのも束の間、キー坊が辺りを見渡すと、人生で一度も見たことがないと断言できる奇天烈な生物?を目撃する。
「なにっ なんだあっ」
プアァァアァアアアアア
その生物?は機械音声の様な聞いた人間を不快な気分にさせる鳴き声を発していた。コーヒーカップ一杯分の大きさの歪な形の頭を持った二頭身で背中に翼が生えている化け物。
漫画「呪術廻戦」に出てくる呪霊"蝿頭"の姿であった
◇この呪霊は…?
タフ坊のキャラクター・ボイスは誰がいいのか教えてくれよ
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岩田光央
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小野坂昌也
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福山潤
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岩崎諒太
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サクーシャ