ククク…秤戦の導入は薔薇丸戦のオマージュだあっ
BATTLE.17 しゃあっ パチンコ屋行きの虹色電車
◇◇◇
神戸市へ向かう電車の第三車両にはタフと秤以外の人間は誰も乗っていなかった。いや、正確には
二人が無言のまま睨み付け合って数十秒、最初に口を開いたのは秤だった。
「少し長くなるが………いいか?」
「マイ・ペンライ!」
「俺はな……"熱"を誰よりも愛しているんだ。俺は初めての姉妹校交流会を溢れんばかりの熱を抱きながら待っていたんだ……」
「"初めて"ってのは大概どんな事でも興奮するよなぁ……初めてのおつかい、初めての学校、初めての映画、初めての恋愛、初めての呪霊討伐、そして初めてのギャンブル……」
「初めてを身体と心に刻み込む時ほど俺にとって楽しいものはない……初めてを待ち望む時は誰だって熱を帯びるモンだ……。」
「そしてその"初めて"は予想と期待を大きく超えなきゃいけねぇ……予想、期待通り、或いはそれ未満だったらかえって冷めちまう……」
「待ちに待った初めての姉妹校交流会一日目…結果はまさかの穴埋めの一年のほぼ一人勝ちという大番狂わせだ……
確かにこれは俺の予想を大きく超えてたよ……だが問題なのは
一年が活躍しすぎて俺の出番がくわれちまってマトモな活躍が出来なかったんだ………」
「二日目の個人戦で俺の今持ちうる全ての熱をぶつけようと思ったんだが…言っちゃ悪いが相手が余りにも弱すぎてな………全てぶつける前に壊れちまったんだ……… 最悪な事に今度は俺の予想と期待を大きく下回った。」
「こうゆう事はギャンブルやってりゃ日常茶飯事だが……それでもこちとら初めての姉妹校交流会だったんだぜ?
今俺は不完全燃焼で冷めきっちまってるってワケよ……。」
「なあ…
秤の長いを超えた長い姉妹校交流会に対する不満がやっと終わり、話手がタフに移り変わった。
「ふうん つまり 先輩は異常熱愛者ということか……あの…実はワシも
貴方とめちゃくちゃ闘いたいんスよ…ワシはな…セッ○スもケンカもやりたいと思ったらいつでもどこでもでもやるんだよ……でも一つ勘違いしないでもらっていいっスか?」
「何だ?」
「ワシは先輩の熱の受け皿になる気はさらさらないんだ。ワシの熱も先輩にぶつけて、そして先輩はワシに負かされるんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。」
「ハハッ! カ〜ッ イイネェそのセリフ! じゃっ 早速…始めるとするか……
掛かってこいよ……漫画の主人公になりきっちまってるキモオタ」
ブチッ
「てめーっ それを言ったら殺されても文句は言えねぇぞ ゴオッ」
秤がタフを煽り、その言葉に対してタフは秤に親の仇と言わんばかりの鬼の形相で殴りかかる。煽り耐性がなさすぎるだろーがよ えーっ
それを秤は顔一つ動かさずに静かにかつ滑らかに弁財天印を結ぶ。
「領 域
「なにっ」
展 開」
「坐殺博徒」
刹那、二人は先程まで電車の中にいたはずが、突然数多くの改札口に円状に囲まれている不思議なフィールドに放り込まれていた。
(領域展開…聞いています…五条先生曰く"呪術の極地である"と……
◇この領域の目的は…?)
そして、タフの脳内に溢れ出した…この領域の情報……
「坐殺博徒」は実在のパチンコ台をモデルにした領域だ!!
ルールは簡単!!
図柄を3つ揃えれば大当たり!!
大当たりを引けば秤はあるボーナスがもらえるゾ!!
どんなボーナスかは当たってからのお楽しみだ!!
「な…なんや このゴミの様な情報は ギュンギュン 」
◇確変 予告演出 擬似連 規定回数消化 ゲーム・フロー リーチ・アクション チャンス・アップ などなど パチンコに関する知りたくもない情報を強制的に理解らされるタフに哀しき現在……
「貴様ーっ こんなゴミ情報をワシの脳に植え付けて愚弄する気かーっ ギャンブルバカはあの世でパチンコ台のハンドルでも握ってろっ」
ビュッ カッ 「ぐえっ」
秤が突然指で何かを弾きタフの眉間に正確にぶち当てた
(こ…これは…保留玉やっ)
タフが保留玉に気を取られている隙にタフの両脇腹に電車のシャッターが出現した。それに気づいたタフはその場でジャンプして両側から迫り来るシャッターを間一髪でかわす。
先程の保留玉やシャッターは秤が自分の領域のルーレットを回す時に発生する演出を攻撃の一種として転用した物で、それらの攻撃が一発以上発生した場合、秤のパチンコにリーチが掛かる。
「秤先輩のパチンコにリーチが掛かりおった…しゃあけど…残念ながら演出が弱いわっ」
秤の攻撃である保留玉とシャッターは色が振り分けられており、虹(大当たり確定)、金、赤、そして緑の順で大当たりになる確率が高いのだが、今回の秤の攻撃である保留玉とシャッターは両方とも緑色かつ、リーチ・アクションも一番大当たりの期待度が低い交通系ICカードリーチでチャンスアップすらない。
(よしっ 外れたあっ まっ 一発目から大当たりが出るはずがないから当然を超えた当然なんだけどねっ)
秤のパチンコは 5 5 2 で見事に外れてしまった。しかし先ほどタフが言った様に、このパチンコで大当たりを引く確率は僅か1/239。仮に30回回したとしても大当たりを引く確率はたったの約11%という鬼畜仕様なのだ。
「しゃあっ 今度はこっちのターンじゃあっ 一瞬で極めたらあっ」
タフは関節技を極める為に秤に近づこうとするものの、秤はバックステップで距離を取るばかりで、タフとまともに立ち会おうとしない。
「なんだー貴様ーっ 逃げるなーっ」
「逃げてるわけじゃねぇんだよキー坊…待ってるんだ俺は。お前と肉弾戦をやってやろうっていう熱が来るのを待ってるんだぜ!さあ!仕切り直しだ!」
そう言って秤は再度パチンコを回す。
「コイツァ受けるゼェ 何せなんの計画性もなくまたパチンコを回そうとしやがるんだかr なにっ」
タフは秤の攻撃である保留玉飛ばしを避けると同時に驚愕した。なんと大当たり確定の虹色の保留玉だったのだ。タフは一瞬目の錯覚なのではないかと思っていたが、次の攻撃である虹色のシャッターを目の当たりにする事で幻想は砕けた。タフは前方と後方から迫り来るシャッターを今度は避けず思いっきり下から両方とも蹴り上げ粉々に砕いた。
あわわ 電車中に虹色のシャッターの残骸が飛び散って電車が虹色に輝き出したでやんす
秤のパチンコがリーチになり、リーチ・アクションが現れる。
リーチ・アクションは大当たり期待度MAXの華金終電リーチである。
虹色の保留玉、虹色のシャッター、華金終電リーチが秤のパチンコを支える、タフにとって"最悪"だ。
秤のパチンコの結果は見事なまでのラッキー・セブンの大当たり。さらに奇数で揃ったことで確変突入が確定してしまった。
大当たりを引いた秤は身体中から軽快な音楽を鳴り響かせる。
(あうっ い いきなり始まるのかあっ)
タフは大当たりによって付与される秤のボーナスを警戒するあまり近づこうとせずに防御態勢をとっていた。
そして遂にその時が来た!
「漲る
「こ…こいつ 目が完全にイってる」
◇この勝負の行方は…?
あの…タフ君呪術師とばっか闘ってるんスけど…マネモブ達はそれでいいんスかコレ
タフ坊のキャラクター・ボイスは誰がいいのか教えてくれよ
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岩田光央
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小野坂昌也
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福山潤
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岩崎諒太
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サクーシャ