◇◇◇
「はうっ」
ワシが目を覚ました時、既に治療室に運ばれていた。反転術式を施され、両手はすっかり元の状態に戻った。
「宮沢さん意識取り戻しました!!」
医師の言葉に三輪、メカ丸、真依の三人は医務室に入ってくる。
「タフ君大丈夫何ですか?!」
三輪はタフの安否を心配し、
「特級呪物、"宿儺の指"は既に回収さレ、任務完了ダ。」
メカ丸は任務に関しての情報の提供、そして問題は………
「アハハハハハww 遂に星の王○様みたいな髪型した無様なウンコ・スター略してウン・スタがお目覚めのようねww」
真依はまるで足を挫いて転んだシマウマを発見したライオンの様に悪辣な笑みを浮かべて、タフを全力で煽っていた。
「高一にもなってウンコとおしっこ漏らすなんて恥ずかしくないんでちゅか〜〜〜www もしかしてキー坊の坊は赤ん坊の坊なんじゃないの〜〜www?」
「ふーっ………殺したくなってきた。」
この時のタフは真依に対する好意は一切なく本気で殺意を放ったが真依にはまるで効いていなかった。
「あア…後お前に電話がかかってたゾ……スマホを確認してみるといイ」
「えっ」
タフはメカ丸からそう告げられスマホ画面を開くと画面がおとんから電話が掛かってきた履歴でびっしりであった。
タフはおそるおそるおとんに電話を掛けてみた。
プルルルルル……プルルルルルル……プルルルルルル
「ああ おとん? 一体どうs
「どうしたもこうしたもあるかあっ!!この馬鹿息子が──っ!!!」
「はひっ…」
電話を描けると同時に鳴り響くおとんからワシへの説教 ここにいないはずなのに、おとんに拳骨を喰らわされたかの様に感じた。
「特級呪霊相手に舐めてかかったらしいじゃないか!」
「えっ 何でそのことを知ってるのん?」
「メカ丸が映像記録を私に送ってきてくれたんだ。」
任務中、特級呪霊の戦闘方法を記録する為にメカ丸は小型ドローンの傀儡を地上に残し、タフと特級呪霊の戦闘を記録していた。
つまり、タフが特級呪霊に腰掛けていたシーンや特級呪霊を足で踏みつけるシーンなどありとあらゆるタフのイキリ・シーンが記録されていたのだ。
「挙げ句の果てにその舐めてかかっていた特級に不覚を取って両手を消し飛ばされる始末……今回は地上にあの呪霊しかいなかったからいいものの他に呪霊がいた場合禪院真依の身に危険が及んでいた可能性だってあったんだぞ!恥を知れ!!!」
夜蛾学長の正論を超えた正論によってぐうの音も出ず、「ククク……ククク………」とタフは薄ら笑いを浮かべる事しかできなかった。
「熹一!! お前は暫く東京に帰ってくるな!! その間京都で自分のしでかした事を反省しろ!! 勿論その間任務を行うのも禁止だ!!」
そして遂には東京に帰ってくる事と呪霊討伐を縛りで禁ざれ、タフの顔はこの世の終わりに直面したかの様になっていた。
「ハッw 今の貴方すっごい無様よウン・スタw」
「も…もう愚弄しないでください……い…今傷ついてますから……」
「フッハッwwwwッッwwwハハハハハッッッwwwww」
タフの目からは膨大な涙が溢れていた。それに真依はツボに入り笑いまくっていた。しかし一通り笑った後、真依は去り際タフの耳にぼそっと囁いた。
「……でも…私の事守ってくれてありがと……」
「ッッッッ???!!!!」
ここまでのツンと愚弄を耐え、ようやくデレを獲得したタフ。そのデレは数十時間砂漠を彷徨い、遂にオアシスにたどり着いたかの様な幸福感であった。
流した涙の味はどこか甘じょっぱかった。
◇◇◇
京都に滞在する事になってから数日経過し、日曜日を迎えたが未だにタフの心は沈んだままである。
(はぁ〜〜〜っ な〜んでこんな事になっちゃったんかな〜〜〜……)
心が沈み過ぎてタフは心の中でタフ語録を呟く程の余裕がもう無くなっていた。
(ワシさあ〜〜ブラック・フラッシュ禁断の"三度打ち"して自分の力に酔いしれててさぁ〜〜イキってるのは必然というかさあ〜〜っ!!……別にええやん特級呪霊祓ったんやから!!!というか五条先生だって絶対普段の任務で舐めプしとるタイプやんあの性格は!!!絶ッッッ対学生時代任務の時帳の貼り忘れとか平気でやっとったタイプやろ!!)
やる事も無く、ベットでゴロゴロしながらタフは心の中で思いっきり現状に対する不満をぶちまけた。
(しゃあけど…おとんがワシの事真剣に叱ってくれるって事はワシに死んで欲しくないって事なんやよな〜〜…そう考えてくれるだけで幸せな気持ちがするワ!……だってワシの本当の親父は………)
色々考えている内にタフはゴロゴロとしたある事を思いついた。
(そうや!ワシ…こんな憂鬱な日に何処へ行けばいいか心当たりがあるんや…南京町や!!)
南京町
神戸三宮から徒歩10分で到着する日本三大中華街の一つである。
(南京町か……老◯記の豚まんがうまいぞ)
スマホで調べて見た所、ここから南京町までの交通費が片道約3000円でタフは南京町に行くことを躊躇するが、夏は任務漬けで遊びに行ってないし、お金に余裕はある。何より今のどんよりした自分のメンタル・ケアには必要な犠牲であると割り切り、タフは南京町に向かう事にした。
◇◇◇
新幹線と徒歩でで約一時間、タフは南京町に到着した。この時点で中華のいい匂いが漂ってくる。
「あーっ 腹減ったなあっ!! 昨日まで食欲無くて
そういって近くの屋台にタフは寄っていく
「小籠包500億個寄越せ」
「それジョークか? 面白い事をいうなあ この客は」
「ムフフフ…冗談なのん 5個欲しいのん」
「毎度ありーっ 500億円寄越せ」
「どわーっ ワシの持ち金500円しかないヤンケ これで勘弁してくれヤンケ」
「クククククありがたく思いなその下衆以下の金で俺のゴキゲンな小籠包をくれてやるよ」
「あざーっス!!」ガシッ
などと、まるで漫画の一シーンの様に店員と駄弁りながら小籠包が蒸されるまでの時間を待つタフ 数分後、タフに湯気をたてているホカホカな小籠包5個を渡された。
早速ベンチに座り、出来立てアツアツの小籠包を頬張る
「うまっ うめーよ」
(モチモチとした皮、噛み応えのある餡、旨みを大量に含んだ肉汁がワシの心と身体を満たす……普通に"最高"だ。)
小籠包を5個食べ終わり、ひとまず幸せな気分になったタフは老○記の豚まんを買いに行く。
「ふいーっ やっぱり此処の行列は地獄やのぉ」
老○記は人気を超えた人気の為、毎度行列が出来るのだ。
「ん…?そこにいるのは宮沢熹一か?」
「えっ」
自分の名前を呼ばれ反射的に振り返るとそこには
「うぁぁぁ… き 京都校3年一同が南京町を練り歩いているっ」
「何よ? 悪い?」
「おおっ ブラザー! こんな所で会えるとは! やはり俺たちは見えない何かで繋がっているんだな……」
「行列に並んで退屈しているだろう…少し話そうじゃないか」
上から順に異常かわいい愛者 西宮先輩、異常高田ちゃん愛者 アオヤン、そして………………
姉妹校交流会で里香ちゃんにドテッ腹を殴られ脱糞した加茂先輩…
交流会当時加茂先輩の事をワシは"ウンチカモ先輩"と陰で愚弄しまくっていたが、まさかこんな形でワシの身に帰ってくるとは思わなんだ。
ふうん…呪いって廻るんだな
今だったら分かる……加茂先輩は里香ちゃんへの恐怖を溜め込むのではなく恐怖を捨て去るために脱糞したんだ 究極の武者震いに近いものだ。
「チイッ 何で揃いも揃って京都校3年が南京町にいるんだよ ヒュンカッカッ」
その質問に3人はそれぞれ顔を合わせる。どうやら別々の事情があるようだ。
「……俺は任務がたまたま神戸市付近だったんでな……南京町が有名と聞いて来てみたんだ。」
「私は加茂くんと同じ任務ついでに、後パンダまんを写真に納めたい」
「俺は『待ってください アオヤン 今日は高田ちゃんが南京町に取材に来てるからとか…まさかそんな理由で来てるとかじゃないですよね?』……パーフェクトだブラザー…やはり俺たちは心の友の様だな…」
……まあ退屈なのは事実だしこれからお世話になるしで、タフは彼らと南京町で交流する事となった。
ワシ…小籠包を買うシーン既視感があるんや…半分ワシの実体験や!
タフ坊のキャラクター・ボイスは誰がいいのか教えてくれよ
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岩田光央
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小野坂昌也
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福山潤
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岩崎諒太
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サクーシャ