まっ性癖が強いから別に読まなくていいですよ
「私を呪言で身動きを取れなくしてからパンチで吹き飛ばして逃げ場を無くして"幻突"か……考えたね」
夏油は先程の連携をダメージを肩代わりする呪霊が取り憑いていたのか外傷と呼べるものは全くなかった。それどころか夏油は天を仰いで歓喜の表情で涙を流していた。
「素晴らしい…素晴らしいよ……私は今…猛烈に感動している!呪術師が呪術師を助け合い!連携し!敬うから尊いんだ! 絆が深まるんだ!!
私の望む世界が…!今目の前にある!!!後少しだ…後少しで非術師の猿共がこの世界からいなくなるんだ……!!」
「あのぅ、さっさと始めましょうか異常猿愛者」
「ハハハッ! あぁそうだったね……ごめんねつい一人で勝手に盛り上が
っちゃっt………ん?異常猿愛……あっ やばっ」
夏油はタフの放った単語を認識するやいなや先程の余裕は何処へやら……冷や汗はだらだらと溢れ出て目は細目の彼でも分かってしまうくらいに泳いでいる。
「異常猿愛者って何だそれ 私知らなぇぞ」
「タフ!梅干し!」
「詳細…待ってるぜ……」
「あれパンダ兄ィに真希姉お前ら知らないのか
異常猿愛者=猿渡哲也先生作のタフ・シリーズのファン
累計発行部数1000万部の超人気格闘漫画の読者の総称なんや。
そしてタフ・シリーズのセリフ回し 通称"タフ語録" は麻薬ですね…もうハマっちゃって…ここんとこ毎日です…
まぁワシは天与呪縛で爆発的な身体能力を授かった代わりにタフ語録を喋らなくちゃいけないからバランスは取れてるんだけどね しかも意外とバリエーションもしっかりしてる…!
因みにワシの見た目はその漫画の主人公と同じらしいよ」
「「えっ そうなんですか」」
「タフ?!」
サラッと流されたタフの関連情報三人は夏油に意識を向けながらも、動揺を隠さないでいた。
「ふうん そういうことか じゃあお前のあの変な喋り方って全部タフ語録ってのを使ってたからだったのか」
「タフ しゃけ」
「いやちょっと待てよ 戦友の俺たちは除くとして、目の前の夏油傑もタフと全く同じ喋り方だったってことは…ま……まさか…」
「先程言ったように夏油傑は異常猿愛者と考えられる」
完全に墓穴を掘った夏油は恐れている事態が起こらないことを祈るばかりか弱々しく震えた返事を送る。
「ハ…ハハハ何を言ってるんだよ"キー坊" ただ喋り方が似てるだけでそんな…何?異常猿愛者だっけ?意味わからないけど……とにかく必ず私がそうであると決めつけないで欲しいn
『じゃあどうして何でワシのあだ名の一つがキー坊だって分かったの?自分からキー坊って名乗ってないのに何故…?
もしかしてタフ・シリーズと瓜二つの見た目だからワシのことキー坊だって思い込んじゃってたタイプ?
後さっき技名言ってもないのにあの呪力飛ばしを"幻突"と知ってるんだ』
はうっ」
タフの反論に夏油はぐうの音も出なくなってしまう。その様子を見たタフはその時を待ってたと言わんばかりに邪悪な笑みを浮かべた。
タフ「夏油傑の正体見たり!! 非術師を猿と嫌悪する特級呪詛師の本性は非術師の猿のことを心の底から愛するツンデレ・タイプの異常猿愛者だったのかあっ!!」
「貴様……!!」
パンダ 「おーっ 反応があったやっぱ本当の事言われるとムカつくんだな」
タフ「ククククお猿さんの様に顔を真っ赤にして恥ずかしがることはないよ 猿を愛するのは異常猿愛者の特権よ」
真希「ハハハハハハハ 笑わねェのかい異常猿愛者ッ 笑えねェのかい異常猿愛者ッッ ハハハハハハハハハハハハ」
狗巻「しゃけっ ツナ・マヨネーズ」
異常猿愛者「………………」
タフ「さっきまでの余裕 どこへ!」
こうして二十八歳のおっさんが高校一年生三人とパンダ一匹に愚弄されまくるというなんとも滑稽な構図が完成した。煽りの天才五条悟の教え子達による洗練され尽くした愚弄が夏油のプライドをズタズタに引き裂いてゆく。
「あかんやん 自分が大好きな非術師を皆殺しにするとか抜かしたら 自分が悲しむで
あっ そうか! 君は頭が悪いからそういう思ってもない発言をしないと大好きな非術師に構ってもらえなかったんだね!! カワイソ……
まっ 本気で術師を殺そうと思ってなさそうで ふーっ 良かった ありがとうございました
冷静に考えてみたらそもそも非術師皆殺しにしちゃったらインフラも物流も文化も何もかも無くなって文明が衰退していく一途を辿るしかないのに非術師を皆殺しにするなんて無謀もいいとこなんだよね
そういうことを考えるのは最早人間の姿をした猿だと考えられるが…」
この空間内誰も攻撃は仕掛けていない。三人は夏油の出方を疑い、タフは夏油を愚弄し、夏油はその愚弄に反論する。自分の大義を愚弄されているのは夏油にとっては戦闘以前の問題なのだ。しかし夏油がいくら反論しようとタフに揚げ足を取られて余計愚弄される。不思議やな夏油が可哀想に見えてくるのはなんでや。
「………殺す…殺す…殺す殺す殺す殺す!!!!!」
「ここで栗須語録を使うとは…見事やな(ニコッ おめでとう!君は異常猿愛者になった……非術師を愛することを目的とする異常猿愛者にふさわしい者となった」パチパt
「う お お お お お お お お(異常猿愛者書き文字)」
タフによる愚弄が数分間続いた後夏油が誠に不本意ながらも一時的に大義を捨てて呪霊を繰り出しながらタフに接近して攻撃を試みる。髪を振り乱し、血が登りすぎて真っ赤になった顔、歯茎を剥き出しにして向かってくる姿は正に
「「「人間というより猿だな……」」」
「しゃけ!」
「きぇあああああ───っっっ!!!」
「「「大勢に無勢だ いっけぇっ!」」」
「しゃけ!」
カサカサカサカサカサカサ
「あっ 一発で形勢逆転されたっ」
夏油はムカデの呪霊を百数体繰り出し真希、パンダ、狗巻の三方向へ向かわせて自分はタフに一直線で突き進み、心臓目掛けて掌底を繰り出す。
「フンッ!!!」
「おーっ こわっ……お返しやっボッ………な なんだあっ?!」
グニグニ……ヌルルル……ブスブスッ
カサカサカサカサカサグチュグチュグチュ
タフは肩でそれを受け止めて更に"弾丸滑り"で受け流し、カウンターを放つが、
蛸の呪霊がカウンター攻撃を持ち前の弾力で衝撃を分散してから足でタフの腕を絡ませて足先を突き刺し、更に受け流した肩からムカデが這って肉を食い潰す音と激痛が刻み込まれる。
(ワシ…この技に心当たりがあるんや……蠢蟹掌や!)
蠢蟹掌
灘神影流の技の一つ
心臓に掌底を放って“虫”を蔓延らせ、二度目で心臓を食い破らせる。しかし二度撃ちは禁忌とされている。この技を受けている時に他の相手に撃つと“虫”が移る。
その技を夏油は自身の術式 呪霊操術によって改良して、虫の代わりに呪霊を植え付けて、そこから二度打ちを行うことなくこの技が打たれた対象の部位を食い破るより凶悪な技に昇華していた。
「しゃあっ 灘・真・神影流 魂貫拳!」
タフは自分の身体に魂貫拳を打ち込んで呪力を操作してムカデにぶち当てて祓う。
「"逃走"をします」
タフは懐の短刀呪具を取り出して絡みついている蛸呪霊の足を切り落としてから一時夏油から距離を取り真希達と合流、灘神影流解毒法 "総身退毒印"で蛸とムカデの呪霊の毒を排出した。
ボコソッ ボコソッ ボコソッ
「ヴヘヘヘヘ どうもお久しぶりです タフです」
「殺す!!!」
「来るぞタフ!気をつけろ!!」
「フッ⋯ 弱い生物ほど群れを作りたがる⋯ 仲間を作りたがる」
続いて夏油は空を飛ぶ術式を持つマンタの呪霊に乗り、そこから巨大な僧の呪霊を真希達に、ヤツメうなぎの様な口をした呪霊をタフに一斉に向かわせる。
(闇猿(闇堕ちした異常猿愛者)はワシの知らない数多くの手数を持ち合わせている……安易に技をポンポン繰り出すのはまずいっスね)
タフは空間を壁として捉えて空中を蹴り飛び、次から次へと溢れてくる殆どの呪霊を捌ききれずに度々身体を食い千切られながらも"幻突"で祓い、フェイントで"魂貫拳"を打ち込んでタフの呪力がまだ祓われていない呪霊を経由して駆け巡り現在進行形で呪霊を繰り出している為呪霊と身体が繋がっている状態の夏油の手を破壊する。
パァソ
「クッ……」
「しゃあっ ワイヤー・展開」
シュルッ………ピィィィィソ
「なにっ?!」
タフは両先端に指にハメる用の輪っかがあるワイヤーの輪っかの片方を自分に、もう片方を真希にハメさせ、タフがウツボの呪霊を祓いながら夏油の周りを一回転しワイヤーを軽く巻きつかせてすかさず合図と同時に輪をハメた指を引き抜き、夏油をワイヤーで真っ二つに引き裂こうとする。
バシュバシュバシュ
夏油は白衣の格好をした般若の仮面を付けた呪霊二体組の "死神医療チーム" を繰り出してワイヤーを奴らが持っている刃物で切り落とさせる。
死神医療チームの術式は二体が一本ずつ持っている計二本の刃物で対象を傷つければその対象の心臓を奪うことができるというもn
「オラッ!」ボッ
「爆 せ ろ」
「「はうっ」」
「全く、まだ乙骨が来ていないのにしつこいな…
「なんでもいいですよ」
夏油は時間がたって冷静さを取り戻し、切り札の呪霊を繰り出した。
ズルリ………
「えっ」
数ヶ月前、タフは母の墓参りに、タフを読みながら一本の田舎道を歩いていると、ある怪物に出会した。
「 ホ ギ ュ ア ア ア ア ア ア」
特級ゴリラ呪霊"ハイパー・コング"
タフはその姿が目に入った瞬間身体が硬直sグチャッ
世界中のマネモブ達に愛と勇気をね!
与えてあげる前提で、───まず怖がらせるだけ怖がらせてあげちゃうよ──ん!!
一生残る恐怖と衝撃で、一生残る愛と勇気をね!!(ジュビロ書き文字)