私(ぼく)は変わった。ならば世界も変わるのか   作:昼風蓮人

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一章
第1話 初めての


 衝動的に家を出てしまったが俺には行く宛も頼れる人も何もなかった。

だから自分のできることすべてを使ってやるつもりでいた。

 最初の手段としてはSNSの顔の知らぬ友人を頼る事にしてみた。

 

 SNSに『今〇〇のゲーセンにいるけど誰かエンカしない?』と投げてみた。仕事終わりに近い時間だったからか色々な人が反応してきた。初めに来た人を頼ってダメだったら別の人を頼りにすればいいか位の感覚でいたが予想外にうまくいきそうな気配がしてきていた。

 俺はまだ高校生でそれも今は女になっている。その事を加味して基本的にフード付きのパーカーで顔を隠し、下もズボンを履いて誤魔化してはいた。

 1時間ほど経ってからだろうか。SNSで連絡を取っていた人がここに来たらしい。しかしながら人は多い。誰が相手なのだろうか。

 

赤札『〇〇のゲーセン来ました!空き缶さんは何処にいますか?』

空き缶『今入り口の自販機の隣に居ます!

黒いパーカー着てるのが俺です。』

 

空き缶は俺のSNSでのHNで空っぽな自分に相応しいと思ってつけた。そんな話はどうでも良く、返信してからおそらく相手であろう人が目の前に来た。ぱっと見の年齢は20代前半くらいの好青年とも言える人だった。やはりか話しかけるのに躊躇っているのだろう。

 ならこちらから行けばいい

「初めまして私が約束していた空き缶です。私が女で驚きました?」

「は、初めて。お、僕が赤札です。SNS見ていた感じ言動とか話題とかが近かったのでもっと年上の男性だと思ってました。

えっと失礼だとわかってはいるのですがご、御年齢はいくつで?」

「15です。言っちゃえば高1ですね。」

 

 相手は驚いた顔をしていた。それもそのはずだ。夜のゲーセンの前で高校生の女の子が、それも成人男性だと思っていた人がこんな事しているとは。そんななんだろうなと俺が考えていると

 

「親御さんは心配してないかい?僕は空き缶が必要なら送っていくよ。」

 

 彼は誠実な人らしい。そうでなくとも理性的に常識的な行動をできる程度には人として出来ているようだ。でも俺が求めてるのはそれではなかった。

 

「そんなことはいいのでご飯行きませんか?

お話はそこでしましょう。」

 

彼は俺の言葉の意味を理解したようだった。

 

 俺たちは近くのファミレスに来ていた。夕食時だったからか少し混んでいたもののすぐに入れたあたり運が良かった。

 メニューを頼み終わった後にやはりと言うべきか

「なぜ、君はあんな事をしたんだい?」

と聞いてきた。大体予想はついているのだろうが確認のためだろう。ここで隠す理由もない為俺は世間話かのように言った。

「家出中で宿を探してるんです。

どうですか明日の朝まで私と遊びません?

貴方が望むならなんでもしますよ。」

 

彼は動揺していた。私が揶揄うように言ったこの台詞とそれに乗せられた感情に彼は気付いたのだろう、賢い人だ。だからこそこの人ならそれほど悪いことにはならないだろうという気がした。

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