夢見3兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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無言低評価されたので怒りの初投稿です。


第二話 継承と受験と/剣仙たちの実技試験

――Side 緑谷出久

 

季節は秋になり、クリスマスや年末イベントが来月に控えた11月の半ば。

 

「コレで……最後!」

 

公園入口に用意されたトラックにかつて動かすのが精一杯だった業務用冷蔵庫を積み込んだ。

 

「見事だよ緑谷少年! 見てみるといい! ゴミはきれいに無くなって、キレイなかつての海浜公園が戻ってきた!」

 

マッスルフォームのオールマイトがそう告げる。

 

ゴミだらけの浜辺からゴミが消えて、キレイな海と砂浜が広がっていた。

 

「こっちもオールマイトの治療が終わった。流石に年齢の衰えはどうにもならんが、怪我を治した直後よりは格段に力を取り戻している」

 

「医食同源、あとはあーちゃんたちのご飯食べてればOFAを渡しても力の衰えはかなり緩くなるからね」

 

「まあ、それで持たせたとしても10年。できれば5年以内に引退しないと力の衰えが露見して闇に蠢く者達が活発になるのでご注意を」

 

「うーむ……まあとりあえず」

 

オールマイトはおもむろに髪の毛を千切って僕に渡してきた。

 

「食え!」

 

「ここで!?」

 

思わず叫ぶ僕。

 

「継承方法がストロングスタイルだな」

 

「だねぇ」

 

「なかなか例がない方法ですね」

 

とりあえず受け取って、僕は一気に飲んだ。

 

「オレ水ないと噛まずに固形物飲み込めないから、アレができるのすごいと思う」

 

「お兄ちゃんその辺苦手だよねぇ」

 

「まあ……兄様ですからね」

 

なんか世間話してる三人を横に僕の身体に力が満ちるのを感じた。

 

脳裏に一瞬視えた8人の影。

 

これってもしかして……

 

「オールマイト」

 

「ん? 何かな緑谷少年」

 

「僕で9代目ですか?」

 

「! よくわかったね」

 

「8人の人の影が一瞬脳裏に見えたので」

 

僕がそういうと、オールマイトは嬉しそうに頷いた。

 

「そのとおりだよ。私が8代目、君が9代目だ」

 

「あら、お兄ちゃんと同じだ」

 

綾さんの言葉にそういえば朧さんは八葉一刀流の9代目剣仙なのを思い出す。

 

「……重要なのは受け継いだものをどう使うか、ココまで渡してくれた人たちに胸を張って伝えられる使い方をしたのか、そして……誰に受け継がせるのか、それとも自分で終わらせるのか、覚悟を決めていずれ選ぶという自覚をしておけ」

 

「……はいっ!」

 

八葉一刀流を継承した彼の言葉には経験が齎した『重み』があった。

 

「試運転は夢幻回廊の第1層から第8層まで使ってくださいね。OFAの力で爆発四散しても夢オチになりますので」

 

「……はいいっ!」

 

言い方酷いけど、爆発四散したら目も当てられないから仕方ない……。

 

「とりあえず朝の海浜公園での鍛錬はおしまい!あとは自主練なり、夢幻回廊で鍛えるなりして受け継いだ力を使えるようにしてくれたまえ、緑谷少年!」

 

「はいっ!」

 

「一応連絡先伝えておくけど、基本夢幻回廊で連絡よろしく! あと来年から雄英高校の教師をするから、そこで待ってるぞ!」

 

「わかりましたっ!」

 

「では解散!」

 

「もし何か困った時は夢見プロダクションに連絡してくれ」

 

「緑谷君のキーワードは『お人好し』、『黄金の精神』、『茨の道』、『プルスウルトラ』だ。間違えると緑谷じゃないとして電話の直しになるから」

 

「なる……ほど……?」

 

 

 

 

 

 

そんな会話をしたのがと2ヶ月少し前。

 

僕は雄英高校の門をくぐった。

 

――受験の為に!

 

「オイ、クソデクがなんでココにいるんだよ」

 

振り向くと同時にサイドステップで肩がぶつかるのを回避した。

 

そこにはかっちゃん……爆豪勝己がこっちを睨んでいた。

 

「それは……雄英高校を受験するためだよ」

 

「ハァ? 無個性のやつが受かるわけねぇだろ」

 

半ギレでメンチ切ってるかっちゃん。

 

「――やってみなきゃ、わからないよ?」

 

「!?」

 

何故か一步後ずさったかっちゃん。

 

周りも何故か歩みを止めてこっちを見ている。

 

「……とにかく、僕は全力出すだけだ。結果はあとから付いてくるから」

 

僕はそう言ってかっちゃんより先に校舎に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

――Side 夢見朧

 

「実技試験の会場は訓練場デルタか」

 

「あーちゃんはクシーだね」

 

「私はベータです」

 

「「「じゃ、お互い頑張ろう」」」

 

ハイタッチして別れるオレたち。

 

視界の端に緑谷が見えたが放置。

 

そういえばヤオモモと焦凍は推薦で合格もらってたんだっけか……。

 

などと想いながら試験会場へ向かった。

 

 

 

 

 

「うぅ……緊張する……」

 

試験会場で準備をしてると隣に浮かぶ震える服と可愛らしい声を認識する。

 

彼女は……葉隠透だったか……。

 

「大丈夫か?」

 

「え、あ、うん。大丈夫……だよ……?」

 

ダメそうだな……。

 

「……この位置で手を合わせて」

 

「?」

 

彼女はオレの言葉に首を傾げ(たと思われる)ながら言うことに従ってくれた。

 

オレは彼女の手を挟み込むように叩く。

 

「い゛っ!? 〜〜なにするの!?」

 

「痛いだろう?」

 

「当たり前でしょっ!!!」

 

「でも――震えは止まっただろ?」

 

「え? ――あっ、本当だ」

 

手を閉じて開いて頷く彼女。

 

「あとは君次第。カウントダウンはなさそうだから、準備するといい」

 

「……ありがと」

 

「どういたし『ハイスタート!』よしお互い頑張ろう!」

 

空気の読めぬスタートの合図で、オレはためらいなく駆け出した。

 

後方で慌てふためく面々を置き去りにし、流水岩砕拳と八葉一刀流の八の型でロボを破壊する。

 

「……武器取り出してもいいが、あとが面倒そうなのが……」

 

オレはひとまず瓦礫をいくつか拾って狙撃型のロボを逆撃していくことにした。

 

 

 

 

 

――Side 夢見綾

 

「物間君に貸してあげるよ、人には過ぎたこの力。飲まれないでね?」

 

「……君はさながら神話生物かな?」

 

「違うよ? ――君たち人類が生み出し、忘れられたカミサマのなれの果てってところかな」

 

「……貸してくれるなら使ってみせる! コピーした個性を即興で使い続けたのは伊達じゃないってコト、証明してみせるさ!」

 

 

 

 

 

――Side 夢見奏

 

「はいそこ!後ろからのロボットがいましたよ! そっちは足場に気をつけて! 怪我人は後退しなさい! 死んだら終わりなんですよ!?」

 

「相変わらずお人好しねぇ」

 

「そう言いながらロボットしれっと破壊してポイント稼いでるのが恐ろしい」

 

「私たちも主のポイント稼ぎしなければ」

 

 

 

 

 

 

 

――Side 緑谷出久

 

「やっぱり瞬間でも50%以上はまだ反動がある……。今のところ痺れだけで済んでるのは鍛錬の成果……?」

 

OFAを継承する前に培った技術で人型の1ポイントを倒し、最低限の出力で2ポイント、3ポイントを倒しながら時折出力の限界を確認する。

 

「……?」

 

遠くで揺れる音と共に巨大なロボットが姿を見せた。

 

「……皆逃げてる。逃げ遅れた人が居ないか探さないと」

 

万が一が起きないとも限らない。

 

そう思って、僕は皆と逆の向きに駆け出した。

 

 

 

 

 

 

――Side 夢見朧

 

0ポイントの足元で腰を抜かす2人の娘を見つけたオレ。

 

1人は芦戸三奈で、もう一人は葉隠だ。

 

縮地を使って2人を0ポイントの攻撃から救い出す。

 

「えっ……あれ? どうなってるの?」

 

「あっ!さっきの!」

 

急ぎだったので俵担ぎになったけど許してほしい(懇願)。

 

「まだ試験中だから話は後!」

 

オレはスタート位置につけていたマーキングに飛んで2人を降ろす。

 

「あとはアレだけだから、怪我人とかいたら手当とかしといてくれ」

 

オレはそう告げてとんぼ返りする。

 

 

 

0ポイントは何故か赤毛の少年を追いかけていた。

 

「あまり気が乗らないが――陸の型 無手、緋空連斬!」

 

赤毛の少年を追いかける0ポイントの頭と四肢を手刀の斬撃で切り落とす。

 

「うおっ!? お邪魔虫倒しやがった!?」

 

「要救出者の対応で手間取った。怪我はないか?」

 

「お、おう。助かった」

 

「それはよ『実技試験終了〜! 午後から筆記試験だ!』……タイミング悪いな」

 

肩を落とすオレ。

 

「人生生きてりゃそういうこともあるだろ、クヨクヨするのは男らしくないぞ?」

 

「ソレもそうか。夢見朧だ、よろしく」

 

「オレは切島鋭児郎だ、よろしくな!」

 

握手するオレたち。

 

そのまま会場入口に戻ると先程の二人がいた。

 

「あっ、いた!」

 

「あの時はありがとね!」

 

2人に挟まれるオレ。

 

「その二人が朧の言ってた?」

 

「ああ」

 

切島の問いかけに頷く。

 

「あ、名前まだだったね!私は葉隠透! 助けてくれてありがと!」

 

「私は芦戸三奈! 助けてくれてありがとね!」

 

「カーッ! モテモテだな朧! まあソレだけのことしたみたいだし当然か!」

 

切島が肩をすくめた。

 

「実技試験は泣いても笑ってもコレで終わり。あとは筆記で落ちないことを願うしかないな」

 

「分かる。私筆記自信ないから!」

 

そんな会話をしながらオレたちは実技試験の会場を後にした……。

 

 

 

 

――Side 雄英高校

 

「非合理的ですね」

 

モニターを見ながら相澤先生が口を開く。

 

「海外でヒーロー実績を持ち、ドイツとアメリカの大学を飛び級で卒業しているあの3人に受験を受けさせる意味がない。寧ろ彼らが動くことで他の受験者の活躍のチャンスが減ったまである」

 

「相澤先生の言葉はもっともだ。しかし穏健派とはいえ公安の関係者から名前が出て、何らかの依頼をしたことが確認取れている以上、受けてもらわねば『試験無しで通した前例』になりかねない。そこを付け入る隙にするリスクと天秤にかけた結果なのさ」

 

根津校長は申し訳無さそうにそう告げる。

 

「なるほど。……怪しい動きをしないか、自分が見たほうがいいですかね?」

 

「たぶんあの穏健派の依頼だから内容は『たまに公安が数年毎にこっそり入学者にさせてる監査関連』だと思う。あからさまなコトしなければスルーされると思うけどとりあえず様子見をお願いするね。(ボクはボクで同学年に不穏分子が居ないか目を光らせるよう依頼してるけど!)」

 

後半を伏せる狡猾な校長はさながら狸のようだがハイスペックなネズミである。

 

「あのー、彼らがA組なら、1人セットにしてほしい少年が……」

 

オールマイトがそーっと挙手する姿に一同がジト目になる。

 

「「「「(しれっとえこひいきするなしナンバーワンヒーロー!)」」」」

 

その瞬間職員室の心の声が一つになったようだがソレはまた別の話。

 

 




夢見コソコソ小話
水がないと飲めない朧
実は錠剤などの固形物を噛まずに飲むには水がないと飲めない朧。実は本人は知らないが束のとんでもない液体で薬を飲んだことがある。

女誑しの朧
筆記試験の会場にて綾と奏にクロス・ボンバー(挟み撃ちラリアットとも言う)を食らった。

オールマイトのえこひいきの結果
職員室の会議がダンスしたが、緑谷出久君がA組になり、今年だけAB組それぞれ21人になったとか……。

緑谷と麗日強化する代わりにティアキンガノンドロフが敵に参加するインフレは

  • かまわん、やれ
  • だめです
  • お茶子に英傑の加護渡すならあり
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