――Side 夢見朧
「いいじゃないかぁ。――カッコいいぜ、皆!」
コスチュームに身を包んだ有精卵たちを見たオールマイトが、ニッと笑いながらそう告げた。
トップヒーローにそう言われ、大なり小なり喜びの表情をにじませる面々。
「さぁ、始めようじゃないか。有精卵共!」
飯田君はその言葉にいち早くキッとした顔(ヘルムつけてるからおそらく)に戻り、挙手した。
「先生! 入試で使われたグラウンドβということは、また市街地演習を行うのでしょうか!」
「いいや、今回はその2歩進んだ内容――
敵は屋外で目撃され、ヒーローと戦うイメージがあるが、統計をみれば屋内にて行われる犯罪行為のほうが圧倒的に多い。
窃盗、監禁、拷問、闇取引。
パッと思いつくことだけでもこれだけあるのだ。
「真の賢しい敵は闇に潜む。これより君たちにはヒーロー側と敵側にわかれ、2対2の屋内戦を行ってもらう」
「基礎訓練無しに? 基礎が無くて大丈夫かしら……」
梅雨ちゃんの言葉にオールマイトは頷く。
「個性把握テストを踏まえ、君たちの個性や能力、癖――自分の今という『基礎』を自覚するための実戦さ。――但し、相手は壊せばいいロボじゃないのがミソだ」
オールマイトの回答を聞いて、生徒たちが質問を投げる。
「勝敗の条件は」
「ぶっ潰していいのか?」
「また、相澤先生みたいな除籍とかあるんじゃないんですか?」
「分かれるとはどのような分け方を?」
「このマントすごくない?」
「朧や綾たち海外ヒーロー経験者もランダムだと虐殺になりかねないと思うのだけど」
「ダルいのであーちゃんパスしたい」
「んんん~〜! 聖徳太子ィ〜〜! あと綾少女は私が来る前に何かしらのゴタゴタを片付けてくれたので免除したいけど、戦力バランス的にも無理だゴメンね!」
「悲しみ」
綾の言葉を聞いたあとにオールマイトはカンペを取り出す。
「では、諸々の説明しよう!」
そしてオールマイトがカンペ片手に解説を始めた。
敵のアジトにある核兵器に対処するため、ヒーローが突入するというのが今回のシチュエーションとのこと。
ルールは以下の通り。
制限時間は一試合あたり十五分。
敵側の勝利条件は時間切れまでビルのどこかに設置した核兵器(という設定の爆弾のハリボテ)を全滅することなくヒーロー側から守りきるか、ヒーロー側を全滅させること。
ヒーロー側は制限時間内に核兵器を処理(今回はふれる)するか、ヴィラン側を全滅させること。
両者共通ルールとして、捕縛テープを巻かれたら倒されたことになり、巻かれたあとは試合に参加できない。
またそれぞれにインカムが渡され、ヒーロー同士、ヴィラン同士の通信ができるようになっている。
「設定がアメリカンだな」
「ガチの戦略級核兵器ならオールマイトやスターアンドストライプ、アリオスさんとかのその国トップヒーロー以下最高戦力出撃案件だから、戦術核未満、大方核廃棄物を使ったダーティーボムが殆どだけどね」
綾の言葉にはえーとなる空気。
「さて、気になるチームの組み合わせだが……。コレよりランダムで決める! ……と言っても実力の関係上、朧少年は単独、綾少女と奏少女が同じチームにはならないような抽選にさせてもらうけどね!」
「そんな即席チームで戦うのですか!?」
飯田君が挙手しながらそう指摘する。
「そうだよ飯田少年。現場では即席チームを組んで対処するのはよくあることだからね」
「なるほど! 柔軟な対応も含めた訓練なのですね!」
「そういうこと。……ってことでどんな組み合わせになるかな!スイッチ――オン!!!」
近くのいつの間にかあったモニターに向けてスイッチを押すオールマイト。
するとそこに10+1のチームとA組の生徒の名前があり、名前が消えるとともにそれぞれのチームに名前が割り振られる。
朧以外何度か反転して消えて再ポップなどしてるのでだいたいランダムなのは事実なのだろう。
そして以下のようにチームが決められた。
Aチーム 麗日お茶子&緑谷出久
Bチーム 夢見綾&尾白猿夫
Cチーム 葉隠透&上鳴電気
Dチーム 飯田天哉&爆豪勝己
Eチーム 耳郎響香&蛙吹梅雨
Fチーム 青山優雅&常闇踏陰
Gチーム 障子目蔵&切島鋭児郎
Hチーム 峰田実&八百万百
Iチーム 轟焦凍&瀬呂範太
Jチーム 夢見奏&芦戸三奈
ラスト 夢見朧
ザワザワする面々。
「ココから基本的にはヒーローか敵か、私がクジで選ぶ。ただ、綾少女と奏少女のチームは実力加味して固定で最初の試合。朧少年の最後の試合は朧少年が敵サイド固定、夢見姉妹以外から朧少年の相方に1人とヒーロー側6人でやってもらおうか」
「メンツ次第だとキツイな……」
可能性の怪物である緑谷、剣聖に指が届いてるヤオモモ、綾や奏に勝率2割ある焦凍のうち2人以上きたら(手を抜くのが)キツくなると思って思わず零す。
「やっぱり4人くらいにしとく?」
「……いえ、プルスウルトラということでがんばりますよ。綾と奏が居ないならどの組み合わせ相手でも相方次第で勝ち筋はあるんで」
オレの言葉にオールマイトはニッと笑う。
「流石八葉一刀流9代目剣仙!それじゃやっていこうか!」
第一試合は綾&尾白が敵で奏&芦戸がヒーロー側だ。
「さて、どうなると思うかな? 朧少年」
観戦のためのモニタールームにて、オールマイトが問いかけてきた。
生徒の視線も集まる。
「……本命は時間切れの敵勝利。対抗で芦戸と敵2人捕縛のヒーロー勝利。大穴で綾と奏が遊びすぎてハリボテ破壊して勝敗なしでオールマイトに怒られるオチですかね」
「どれも割とありそうなのが……! ハリボテアレ一応使い回すんだけど壊されたら困るなぁ」
顔を覆うオールマイト。
「……だそうだが、ヤオモモイケるか?」
「もちろん大丈夫ですわよ!」
「……とのことなので備品破壊しても大丈夫です」
しれっと隣に居てふんすふんすしてるヤオモモの頭撫でながらそう告げる。
「本当にそうなったらお願いするね、八百万少女!」
「わかりましたわ!」
ヤオモモがすっげーイキイキしてる。
誰かの役に立つのが嬉しい娘だからな……。
「それじゃ、準備は良さそうだね。――試合開始!」
その言葉にモニターに映る芦戸と奏が綾と尾白のいるビルへと入る。
『……ストップ』
『えっ、何?』
奏が廊下の途中で進むのを止める。
『綾の糸がありますね。触れたらほぼ確実に気が付かれますけど触れずに進むのは無理ですね。芦戸さん、酸で溶かせるか確認お願いしますね』
『オッケー』
そう言って身体から分泌した酸を張り巡らされた糸にかけると糸は溶ける。
『なんか普通に溶けたよ?』
『溶けない糸をココで出すほど綾も鬼ではないですよね』
そういいながら進む2人。
一方、敵サイド。
ハリボテが置かれてる3階の角部屋にて。
『あーちゃん初回の訓練で溶かせない糸で出入り口封鎖とかするほど鬼畜じゃないよ奏〜』
『いきなりどうしたの???』
困惑する尾白。
『今あーちゃんが仕掛けた1階廊下の糸が解除されたんだけど、そこであーちゃんが初手詰みしてくるような鬼かと思われてたから思わず返事しちゃったんだ』
『あっ、そういう? ……索敵能力も高いんだね』
『それほどでもー? でも……奏の発言にちょっとトサカにきたからプランB――あーちゃんが奇襲して片方と戦う間、尾白君がもう一人を二階で迎え撃つプラン――に変更で』
『アッハイ』
尾白が言い終わる前に窓から飛び出す綾。
尾白は部屋を出て2階へと向かう。
すると1階を調べ終えたヒーローチームが反応する。
『……芦戸さんその窓に酸を!』
おもむろに近くの窓を指差す奏。
『えっ?あっはい!』
窓がぶち破られるのと同時に酸が突入してきた綾にかかる。
が、その綾は糸になって溶けて消える。
『あれ?偽物?』
『芦戸さん足止めお願いします!私は予定通り爆弾奪取に向かいますので!』
『わ、分かった!』
「流石血が繋がらぬとはいえ姉妹ですわね……」
ヤオモモの言葉に一同が耳の意識をこちらに向けた。
「しれっと互いに姉妹で戦う前に互いの相方と戦う状況作り上げたからな。我が妹ながら恐ろしい」
そしてそれぞれが手解きするように戦闘しながらアドバイスを送り、そのあと姉妹対決して時間切れになった。
夢見コソコソ小話
シーフヤオモモ?
綾や奏がいる時は友達の距離感で朧の近くにいるが、2人がいない時は朧のすぐ近くにポジションを取るようにしてる。
それと朧が褒める時に近くにいるとボディータッチすることが多いので、褒めたりされたときはそれとなく頭を差し出していたりする。
姉妹のコンビネーション
第一試合について、綾は糸、奏は音を使って互いを最初の時点から認識しており、「とりあえず相方が本気で戦って実力確認できるよう」意図的に姉妹対決を後回しにして互いの相方と先に戦っている。
緑谷と麗日強化する代わりにティアキンガノンドロフが敵に参加するインフレは
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かまわん、やれ
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だめです
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お茶子に英傑の加護渡すならあり