――Side 緑谷出久
高校生活2日目。
いい朝だなぁと雄英高校前までは思っていたのだけど……。
「すみません! オールマイトの授業ってどんな感じですか!?」
「是非感想などをお聞かせください!」
「なにか記事になりそうなネタとかありません!?」
校門前で急にたくさんの人――記者の一団で間違ってないはず――に囲まれた。
「うぇっ!? あの、その」
わたわたしてると、僕と記者団の間に何がが降ってきた。
「あんまり友人をいじめないでくれないかな?」
「! 夢見朧だ!」
「夢見プロダクションCEOの長男で次期社長とも名高い彼か!」
「せっかくですので何か一言!」
記者団の言葉に彼は笑顔で告げた。
「来月発売、天統姫の新アルバム「幻想曲 第七夜」をどうぞよろしく。今から限定生産版サイン付きを今から投げます。早いもの勝ちですよっと」
手品のように手の中から6枚程の色紙とソレに付属するCDを見せたあとに上へ放り投げた。
そして僕は彼に掴まれたと思ったら瞬間的に周囲の風景が変わった。
「あ、ありがとうございます……」
「緑谷を使ってウチの宣伝したようなものだから気にするな」
そういうと彼はさっさと校舎に行くよう促す。
どうやら相澤先生と一緒にマスコミの監視をしてたようで、これから来る面々が無事か確認しに踵を返した。
朝のホームルームにて相澤先生から小言がいくつか出た。
「昨日のVTR見せてもらった。爆豪は私情を挟むなとは言わんが目的を忘れるようじゃやっていけないぞ」
「ッス……」
「朧、綾、奏は遊びすぎ。もう少しやる気を出せ」
「「「気をつけまーす」」」
「八百万と轟は……まあいいか」
((そこで止まると逆に気になるやつ!!!))
「……さて、ホームルームの本題だ。今日は急だか、あることをやってもらう」
相澤先生の言葉に『また臨時テスト……!?』と殆どの生徒が身構える。
「――学級委員長を決めてもらう」
(((めっちゃ学生っぽいイベント来たぁぁ!!!!)))
その言葉に安堵と歓喜の気配がクラスに満ちる。
そして数秒間の切り替えタイムのあと、彼らは口々に挙手して自己アピールなどを始める。
「時間内に決まれば誰でもいい。委員長1人、副委員長1人な。揉めそうだから朧、音頭とってくれ」
そういうと相澤先生は寝袋に包まった。
「えー……自己主張激しいメンツの集まりなんで話し合いは不毛だと思います。なので選挙形式……投票で決めますかね」
そういうと八百万さんがすかさず動き出して人数分の投票用紙と投票箱を用意した。
「投票したい人の名前を書いて投票よろ。一応コレが一覧ね」
と一瞬で名前を黒板に書き出す朧さん。
……あれ? 朧さんの名前だけない。
僕は首をかしげつつ朧さんの名前を書こうとした瞬間に悪寒が走った。
……飯田君みたいな真面目な人が向いてるはずだし……そっちにしようかな。
と思った途端悪寒が消えた。
僕は【飯田】と名前を書いて投票した。
「投票結果、緑谷3票、ヤオモモ2票により、緑谷が委員長、ヤオモモが副委員長に決定しました。ちなみに残りの票配分は1票か0票、一覧に無いオレの名前を書いた無効票6という状態になっています。選挙はこういうことあるので気をつけましょう」
「「「「「「なんで自分を候補から外した!?」」」」」」
自分が委員長になったことに驚き、同時にあのプレッシャーを受けてなお朧さんに投票したと思われる6人の精神力に舌を巻いた。
「……オレは内申点は要らないし、こういう経験をオレが奪うのは妥当じゃない。あと有事の際は生徒を指揮するより単独行動気味に動くことが多いから指示出し役とは相性が悪い。非効率的だ」
(((暴挙かと思ったら割と真っ当な理由だった!!!!)))
「ということで決まりましたよ」
「合理的だが、つまらんな」
「真面目にオレは前線で撹乱しつつ各個撃破する切り込み隊長ポジで露払いが性に合ってるんで」
「露払いどころか全部薙ぎ払いそうに見えるぞ」
「ハハッ」
とりあえず色々思うところがあったけど、学級委員長になってしまったので頑張ろうと思う。
――Side 夢見朧
教室で昼食を取るオレたち。
焦凍は自前の弁当を持ってなかったのでこころなしか悔しそうに食堂に向かっていった。
「にしても3……いやヤオモモもそうだし4人か。よく食べるねぇ」
重箱弁当を平らげていると同席してる芦戸がそう零した。
「見てるとなんがこっちも満腹な気がしてきた。……ダイエットになりそう」
「あーちゃんとお兄ちゃんは半ば趣味だけど、奏はそこそこ燃費悪いしヤオモモは脂質を変換するから食べて溜め込んでおいて損がないんだよ」
「兄様から伝授された食没を駆使すれば、いくらでも身体に栄養や水分を溜め込めますので活用しない理由がないんですよね。まあ代わりに体重関連がすごいことになりますが」
綾と奏は冷静にメリットとデメリットを告げる。
「えっ、スゴッ。アタシ酸使いすぎると脱水症状起こしちゃうから水分溜め込んだりできるなら教えて欲しいんだけど」
「習得できるかは当人次第。教えるコトはできるしオレたちが準備すれば修行環境を整えるのはそこまで難しいものじゃない」
「ならアタシにも教えて欲しいなぁ」
「……今日の放課後にソレも含めて時間を用意する」
「それは待ち遠し」
芦戸が言い切る前にアラートが鳴り響く。
「なっ、何が起きてるの!?」
「異常事態!?」
「……校内にマスコミが入っていただけに見えるが――綾、ヤオモモは皆を頼む。奏はついてきてくれ」
オレはそういうと教室を飛び出して駆け出す。
気配がした場所――職員室に飛び込んたときには、黒い影が消え去るところだった。
「……逃げられた?」
「たぶんな」
「夢見! そこで何をしてる!」
職員室に戻ってきてる先生たちの姿があった。
「先生方――今から職員室で何か消えたものや触られた形跡があるものがないか確認お願いします。オレが飛び込んだのとほぼ同時に消え去った黒い影を見ました」
「! 分かった。確認しよう。他の先生方もお手数ですがお願いします!」
相澤先生が代表して答えた。
そして根津校長も合流した確認作業が行われた。
「1年教員共用の前期カリキュラムがなくなってるな……」
「あとオールマイトの名前プレートおいてあった座席を中心にものが動かされたあとがあるわね。指紋採取とかできれば犯人わかるかしら……」
「……狙いはオールマイト?」
「犯人像はオールマイトに恨みを持っているか、オールマイトのストーカーのどちらかのように思えますが……」
「とりあえず確定情報と推定情報を分けて考えようか」
根津校長の言葉に先生たちは頷く。
「確定情報は『オールマイトのネームプレートがおいてあった座席を中心に触られた形跡がある』と『1年教員共用の前期カリキュラムがなくなっている』だね」
「推定情報は『犯人はオールマイトを意識してるように見える』ことですかね」
セメントス先生が確定情報から推定情報を提示する。
「そうだね。……そして追加の確定情報は夢見朧君の証言『職員室に入った時に黒い影が消えさるところだった』だ。――ここから犯人側に『一定距離を移動できる個性の持ち主がいる』という推定情報が手に入ったね」
「……かなり不味くね?」
根津校長が出した情報を聞いたプレゼント・マイクは険しい顔をする。
「ああ、由々しき事態だ。しかも朧君が駆けつけて黒い影を目撃してなかったら侵入者や侵入者の行動の発覚が遅れるか或いは気が付かれずに終わったかもしれないってことだ」
「……ココにいる教職員と2人に箝口令を敷きますか?」
「まあそうなるね」
そういうと根津校長はこちらを向いた。
オレが頷くと根津校長は少し考える素振り見せてから告げる。
「オールマイト君、明日の1年A組のヒーロー情報学基礎はUSJでの救助活動訓練をやることになってたよね?」
「そうですが……何か?」
首をかしげるオールマイト。
「不本意だけどその枠は相澤先生と十三号先生の2人体制にしようと思う。その枠の間に警察を入れて校内の調査をしようと思うから、立ち合いをお願いしようかな」
「……なるほど。わかりました。相澤先生、十三号先生、すみませんがお願いします」
オールマイトの言葉に頷く2人。
「あと相澤先生はカリキュラム変更について帰りのホームルームで伝えてほしい。『明日午後行われるヒーロー情報学基礎は十三号先生と自分が担当する』とね」
「ええ、わかりました」
「それじゃ、解散! 他になくなってるものあったらまた報告よろしくねー!」
その言葉でオレたちは解散することになった。
そして何故か帰りのホームルームで相澤先生から明日の変更について伝えられたあと、緑谷が委員長の地位を飯田にぶん投げてソレが過半数に認められたので委員長が飯田に変更された。
……そういえばそんな話あったな……。
「……で、朧たちの強さの秘訣って?」
青山(用事があるし、強さの秘訣に興味なし)、上鳴(新作バンドCD買うために後日とのこと)、峰田(用事があるのでパス)、麗日(特売に間に合わなそうなので辞退)を除いたA組の面々+相澤先生がいる中、瀬呂が問いかけてきた。
「それは他の人が寝てる間、半身となったあーちゃんたちは夢幻回廊という場所で修行してたからです」
そう告げた綾は【現し世】と【夢幻回廊の入口】の縁をつなぎ合わせた。
すると教室だった場所は書き換わり、夢幻回廊と外を分つ出入り口の前に立っていた。
「なっ!?」
「どうなってんだコレ」
「とりあえず落ち着いてね」
綾が宥めている横で、オレは門番兼任してる夢幻回廊のヌシに声をかけた。
「済まないが大所帯通してくれ」
『現世の肉体のまま連れてくるなたわけ。……同行者たちに異常は無いな。今回は居住区の立ち入りだけ許可する。あとは各々眠った時に来ると良い』
ヌシはそう告げると門を開く。
「すげぇ」
「キレイなところねぇ」
「面妖だな……」
驚く面々。
「ここは夢幻回廊。基本現し世で眠り、夢幻回廊のヌシが認めることでたどり着ける場所。現し世と常世の間にある世界だ」
「眠りは死に最も近い状態と言われてるところから来てるのかもねぇ」
オレの言葉に綾が補足する。
「今みたいに現し世から肉体ごと来てない限り、ココでは死んでも現実で飛び起きるだけで済ますので、安心してください」
「「「「今絶賛危ないってこと?」」」」
「自決でもしなければ居住区で死ぬなんて先ず出来ないから安心していい」
焦凍が淡々と告げた。
「とりあえず、ココで得た経験は現実に持ち帰ることができて、夢幻回廊の中で手に入れたモノも一部は現世に持っていける。ここでは居住区で修行したり、あのエレベーターの降りた先にある果てしない回廊で戦闘経験積んだり、戦闘で手に入れたアイテムを居住区のゴーレムに捧げて対価を得たり色々出来る。詳しくはヌシかオレたち三兄妹や焦凍、ヤオモモに聞いてほしい」
その後夢幻回廊の居住区を確認したり、それぞれ個室をゲットしたり、爆豪と芦戸に食没の修行方法教えたり、葉隠が八葉一刀流を学びたいと志願したり、やはり夢幻回廊は肌に合わないと何人かが諦めたりして時間を過ごした。
最終下校時刻の数分前に現世に戻り、最後まで夢幻回廊にいた面々は慌てて解散したがそれはまた別の話。
夢見コソコソ小話
天才にして多才な爆豪
この日の夜のうちに食没の初歩段階に至っている。
この世全てに感謝できている……!?
葉隠透、八葉一刀流の狭き門を自覚なしに突破。
八葉一刀流は剣聖以上が認めた素質ある人間しか教えることはない。
朧も過去に他人から八葉一刀流の弟子入りを志願されたことがあるが、全員素質が無い(上に邪心塗れ)だったので拒否している。
緑谷と麗日強化する代わりにティアキンガノンドロフが敵に参加するインフレは
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かまわん、やれ
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だめです
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お茶子に英傑の加護渡すならあり