――Side 夢見朧
朝のホームルームにて
「午後のヒーロー情報学基礎だが、メイン担当のオールマイトの予定がまた変わった。――スケジュールの関係で途中から合流する形になるとのことだ。まったく、振り回される身にもなって欲しいもんだな」
一瞬こっちを見る相澤先生。
オレは沈黙を維持する。
「……とりあえず今日のヒーロー情報学基礎は救助訓練となる。服装は体操服かコスチュームのどちらかだ。様々な状況で活動することになる。そのあたりは各自の判断に任せるから、考えて選ぶように」
その言葉に全員分がはいっ!と返事した。
「――といってもオレたちは何処からでもコスチュームとか出せるし、誤差でしかないがな」
『だねぇ……』
オレの席の机の上で二股尻尾のピンク色の体毛の猫になってる綾をなでながらぼやくと綾がテレパシーで答えてきた。
「……羨ましい」
「めっちゃ喉ゴロゴロ鳴らしてる……」
焦凍や芦戸が何か言った気がするが気の所為か?
「猫の姿なら合法的に触り放題…!? オレもなでさせあだっつ!? 金タライ!? どこから降ってきた!?」
「綾に『突然の不運(微)』と縁を結ばれましたね……」
邪な心で近づいた峰田に金タライが降ってきて激突。
奏がジト目で峰田を見た。
「にしても朧や綾の個性……じゃなかった、能力ってどんなのがあるの?色々出来るように見えるけど、たくさんあるからわからないと言うか……」
個性の部分で綾が睨みつけたせいか言い直して問いかける耳郎。
「……カミサマとしての力は平たく言うとオレは【縁切りとそれに派生した力】で、綾は【縁結びとそれに派生した力】になる。悪縁、良縁、奇縁、腐れ縁なんて呼ばれる縁をオレは断ち切ることができて、綾は結ぶことができる。あとオレと綾共通で人や物に絡みつく縁を見ることができる。それを応用して能力である『直死の魔眼』を表向きの個性としてオレは届け出を出してる」
『あーちゃんは猫耳と尻尾あるしこんなふうに猫の姿にもなれるから、猫又の個性ってことにしてる』
ふぁぁ、とあくびをする猫姿の綾。
「ならオレに可愛い女の子との縁を綾ちゃんなら結べるってこと……!?」
『できるけどさ〜、相手にとって悪縁になりかねないんだよねぇ……縁はその人から見た相手と相手から見たその人の視点違うから』
上鳴の言葉に冷静に告げる綾。
「ガーン! オレ女の子から見たら悪縁なの!?」
「軽そうな雰囲気は……刺さるシチュエーションかつ相手じゃないと友達より上が難しい気がする」
「相手の趣味嗜好や価値観次第?」
『あーちゃんと奏はお兄ちゃん命なので他の男はアウトオブ眼中〜』
「胸に目線が吸い寄せられるのは仕方ないと思いますが、顔と胸への視線時間が1:9なのはいかがなものかと。身体目当てと思われてもおかしくありませんわよ?」
「ぶべらっ」
女性陣の言葉に崩れ落ちる上鳴。
同時に男性陣は上鳴を他山の石としつつ、心の中で合掌した。
「って、朧たちって兄妹だよね!? 兄妹間恋愛ってあかんやつでは?」
芦戸がハッとして問いかける。
「ヨスガノソラするつもりかコイツら」
復活した峰田がそう零すと追加で金ダライが峰田に降り注ぐ。
「……朧と綾は夢見家の養子だから、養子縁組解消で結婚できる。同時に遺伝子的に血縁関係ないから血縁関係云々で止めようがない」
と焦凍が告げる。
「夢見プロダクションとかどうなるん?」
麗日さんが問いかける。
「あまり知られていませんが、私と同じ実子で世羅という私たちの弟がいます。その本人からも引き継ぎの意思確認済みです」
「ならいいか。その世羅君にウチの会社引き続きご贔屓にって伝えといてね!」
「ええ。正式発表の時に麗日さんの会社も招かせていただきますね」
しれっと政治的交渉を行う奏にオレは困惑したりしたがそれはまた別の話。
「このタイプのバスだったか!」
昼休み後、オレたちは殆どがコスチューム(緑谷はコスチュームがフルパワーと爆豪の爆発に耐えられなかったので体操服)に着替え、相澤先生の指示の元バスに乗り込む。
「座席指定を見越して生徒を整列させてバスに入らせる」という委員長としての仕事を真っ当したはずが、想定外で空回りしてたことにショックを受ける飯田を横に、生徒たちは会話に花を咲かせる。
「私、思ったことなんでも言っちゃうの。――緑谷ちゃん」
「えっ、あっ、はぃ!? なんですか蛙吹さん!」
緑谷君と梅雨ちゃんが会話してる。
「梅雨ちゃんって呼んで」
「……つ、つゆ……ちゃ……ん……」
「まあ名前は追々ね。それはそれとして――貴方の個性、オールマイトによく似てるわね」
「!!!! そそそそんなことないよ!」
……嘘が下手すぎる……。
「自爆リスクのある力がオールマイトと同じとは思えないがな……」
「たしかになぁ。超パワーなのは似てるけど、オールマイトのような反動なしとか、跳躍だけで高層ビル飛び越えとかできるなら個性把握テストでぶっちぎってないとおかしいし」
切島がうーんとオレの意見に消極的同意をする。
「でも増強型の個性は強いと思う。オレの尻尾はクセあるし」
尾白が自虐気味にそう告げる。
「派手さで言えばオレじゃね?」
「上鳴は使いすぎでアホになるからなぁ」
「ボクのネビルレーザーは煌めいてそれで強いよ!」
「青山のは強いけど反動がねぇ……」
ガヤガヤと話す面々。
「やっぱり派手な個性なら轟や爆豪、綾あたりになると思う」
「あーちゃん個性じゃないけど派手って意味ならそうかも〜?」
張り巡らされた蜘蛛の巣のような糸をはじめ、人形を人のように動かしたり糸をカッターにして壁などを切り裂いた実績を彼らは頭の中に浮かべるだろう。
「……別のベクトルで派手なのは朧だよね……」
「「「「たしかに」」」」
「(´・ω・`)」
耳郎の言葉に頷く面々と凹むオレ。
「朧は戦闘訓練だと剣使わなかったし、完全に遊んでたからそう思われても仕方ないと思う」
「ですわね。まあ、刀を使い、本気を出した朧さんに黒星つけたことあるの、4人くらいしかいませんし妥当ですけどね」
焦凍とヤオモモの言葉に生徒がざわつく。
「逆に誰が朧に黒星つけたん?」
「不意打ち気味ですけどアメリカの現No.1ヒーロー。鋼の聖女と彼の師匠2人ですね」
「師匠の片方は墓下だから、今生きてる人でお兄ちゃんに黒星つけた実績持ちは3人だけかな」
「バケモノかよ……」
驚きの目でこちらを見る面々。
「もう全部朧だけでいいんじゃないかな?」
「過労で死ぬので嫌です」
峰田の言葉を切り捨てるオレ。
そんな会話をしていたら、バスは目的地にたどり着いた。
ウソの災害や事故ルーム、略してUSJにやってきたオレたち。
エントランスを進み、中心部近く、噴水のある広場の手前にたどり着く。
そこに待っていたのはUSJの発案者にして管理者。
麗日さんの憧れるスペースヒーロー《13号》だった。
「さて、皆さん……欧米で活躍したことある3人には耳にタコな話でしょうが……小言を1つ2つ3つ……4つ5つほど」
(((増えてる……)))
生徒の言葉を知ってか知らずか、『彼女』は静かに、しかし力強く語る。
個性を人に向ける危うさ。
個性の使用は資格制で一見制限されているが、個々が危険な個性を持ち、振るう可能性がある事実。
この授業は体力テスト、屋内訓練での経験を踏まえつつも心機一転、救助に自分の個性がどのように活用できるかを学んでほしいこと。
君たちの個性は人を傷つけるためではなく、人を助けるためにあるのだと、心得て帰ってほしい。
締めくくりの言葉に生徒たちは歓声を上げる。
いくつもの実績に裏打ちされた言葉には響くものがある、それを改めて認識した者もいるかも知れない。
「よーし、そんじゃまずは……」
相澤先生が説明を始めた時、USJの電気が消え、USJ全体に嫌な気配が満ちる。
「な、なんだ?」
「これが……訓練?」
「いや違う」
噴水の前に現れた黒いモヤ。
その中から人が現れた瞬間にオレと相澤先生の言葉は一致した。
「「一塊で動くな!――敵の襲撃だ!」」
――Side ???
「……オールマイトが居ない……たしかあとから合流するとか言ってたな。なら――生徒を嬲りものにしてノコノコやってきたオールマイトに見せつけたり、人質にするのがいいか。……あれ?いつその話を聞いたっけか……まあいいか」
有精卵たちに悪意の牙が向けられた。
夢見コソコソ小話
綾は猫の姿になれる
綾は人化の応用で猫になれる。
暇な時兄の膝に乗ったり近くの撫でられる場所に陣取って朧に撫でられるために甘えたりする。
緑谷と麗日強化する代わりにティアキンガノンドロフが敵に参加するインフレは
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かまわん、やれ
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だめです
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お茶子に英傑の加護渡すならあり