――Side 夢見朧
「バケモノが居るなんて聞いてねぇぞ……先生の話と全然違うじゃねぇか……!」
満身創痍の死柄木が叫ぶ。
その傍でバラバラになっているのに生きている脳無と意識が無い女がいる。
「夢見、あのパワーお化けみたいなの、なんで生きてる?」
「アレは切断面の縁を少し変則的に切ったからですね。『概念的構造としては繋がってるけど物理的な結合は切られている』と言えばいいですかね? ……まあとりあえず、あの状態は『バラバラ人間のバラバラ状態のようなもの』と思っていただければと」
「某海賊の漫画の赤い鼻のヤツのバラバラ状態で、自力再構築できてないってことか、分かった」
「チートが過ぎるぞクソッタレが……!」
こちらに飛びかかってくる死柄木。
オレが躊躇いなく彼を数十のパーツに斬ると、宙でそれらは舞い、地面に落ちた。
無論ちゃんと生きている。
「コレで終わりか」
「いや、まだです」
周囲の空間が歪み、そこから中型*1人形兵器が複数体現れる。
「コイツらの狙いは自分なんで、先に戻ってコレの尋問を綾と一緒にお願いします。まあ、尋問は綾がやるので、根津校長と共に立ち合いということになりますがね」
「ちょっとま」
オレがそういうと、イレイザーヘッドの反論の間もなく、綾の糸が何処からともなく現れる。
そしてイレイザーヘッドと敵連合を名乗った彼らは(死柄木はパーツ毎に分けて)回収された。
「さて……上手く演じると……うん?」
目線を向けた先に2人ほどの人物がいた。
「……ゼムリア大陸の身喰らう蛇の使徒と道化師が何故ココに?」
オレが牽制の一撃を放つと道化師がそれを弾き飛ばし、使徒が発動したワープで2人は消える。
「……どうやらイレギュラーがそれなりに紛れ込んでるみたいだな」
――Side イレイザーヘッド
糸に絡みつかれたと思ったら、いつの間にか校長室のソファーに仰向けで寝かされていた。
「っ! 生徒たちはっ!」
「オールマイト他数名の先生が救援に向かってる。問題ないよ」
起き上がって周りを見るが、ローテーブルに生首状態(生きてる)の手だらけの男と校長席に根津校長、対面に十三号先生。あと近くであやとりしてる夢見綾がいるばかりだった。
「――それじゃ、イレイザーヘッドが目を覚ましたことだし、楽しい楽しい尋問を始めようか」
そういえば朧が尋問云々言っていたな……。
「オレが何かを喋るとでも?」
「喋るとは思ってないよ? だから貴方はそこに居るだけでいい。独り言をあーちゃんが喋っておしまいになるから」
……それは尋問ではないと思うんだが。
「ソレ尋問ではないような……」
十三号先生が代わりに突っ込んでくれた。
「まあ見てれば分かるって」
綾はからからと笑ったあと、根津校長にウィンクする。
校長がボイスレコーダーを取り出すと、綾は黒い糸を手だらけの男のうなじに突き刺してから喋りだした。
「ヴィラン名死柄木弔――本名志村転弧。祖母はオールマイトの師匠である志村菜奈。個性は崩壊……分解と再構築のオーバーホールから再構築処理を破棄させて分解の形質と発動条件を弄った外的変異個性なんだ、面白いねぇ」
「「「「!?」」」」
死柄木を含めた言葉の全員が目を見開く。
しかし綾はどこ吹く風で喋り続ける。
「あとその人生を組んだ首魁の個性もしれっと植え付けられてたけど、お兄ちゃんが切り刻んだ時に消滅させてるからとりあえずヨシかな?」
「お前とお前の兄はなんなんだよ……!」
死柄木弔が口を開いた。
すると凄まじいプレッシャーがオレたちを包んだ。
「――我らに歯向かった人間ごときが我の遊びを邪魔をするとはいい度胸だな?」
「……ッ! やめろ綾!」
オレが叫ぶと更に重圧が増したが、フッと圧は消え去った。
「も〜、先生は焦りすぎ。こっちは人の壊し方くらいわかってるからね? ちゃんと壊れないように尋問するのも慣れてるからさ、素人は黙って立会人しててよ」
その言葉は経験から裏打ちされたであろう自信を持ち、同時に邪魔をするなと言う怒りを感じた。
「しかしオールマイト関係者となってくると、オールマイトにも色々伝えないとかなぁ。それまでに情報まとめておこうか」
――Side 緑谷出久
梅雨ちゃんと峰田君と連携して水難エリアの敵を一網打尽にしたあと、八百万さん、耳郎さん、麗日さん、上鳴君と合流した。
そして中央の噴水広場の近くに移動し、僕たちは十数体のロボットから集中砲火を食らって満身創痍な朧さんの姿を見ていた。
「……アレマズイんじゃねぇの?」
上鳴君の言葉に僕と八百万さん以外は同意した。
何故同意してないかって?
だってアレ100%演技だから。
オールマイトのコレクション全部賭けても良い。
だって中央広場にいた敵が誰もいないし、相澤先生も居ない。
コレだけなら『相澤先生を敵が攫って中央広場の敵が全員撤退した』可能性もある。
だけど朧さんの怪我は『自分で付けた傷』で、息の乱れ方が演技そのものだからだ。
隣に移動してきた八百万さんがこっちを見た。
……どうやら同じ意見らしい。
つまり朧さんは、僕たちが介入して戦うことを遠回しに要求してるということだ。
「朧さんはたぶん数による面制圧で劣勢を強いられてるから、僕たちがロボットの頭数を減らすかそれぞれのターゲットを分散させれば十分戦えるはず」
「私と緑谷さんで先陣切りますので、皆さんも可能な範囲でロボットの注意を引いてください。出来れば倒してくださると助かりますわ」
「ウチらがなんとかできるん?」
「いや……ここはやるしかない」
「なら合図に合わせて――ってアレは常闇さん!?」
別の林から飛び出した常闇君が近くのロボ1体の足をダークシャドウで締め上げた。
ソレにより転倒すると、近くにいた他のロボットが常闇君の方を向いた。
「マズイッ!」
僕は躊躇いなく駆け出した。
と思ったら別方向から轟さんが常闇君の方へ走っている姿が見えた。
その後ろには尾白君たちの姿があった。
「ああもう! 段取りとかめちゃくちゃですわ! 行きますわよ!!!」
なし崩し的にロボット対僕たちの乱戦の火蓋が落ちることになった……。
――Side オールマイト
「「「「ないわー」」」」
USJの入口入ってすぐのところで背を向けていたロボットを一撃で倒したらそこにいた生徒たちから冷たい目線を向けられていた。
「えっ、助けに来たのに……酷くない???」
「連携してあと一息まで追い詰めたところで横から綺麗にトドメだけ持っていかれたと言えばわかります??」
「……本当に?」
眼鏡に亀裂はいってる飯田少年の言葉に嘘だと言いたくなるのを堪えて他の面々に問いかけると全員が頷いた。
「……それは……すまなかった……」
いたたまれない気持ちになっていると、中央広場あたりで大きな爆発が見えた。
「とりあえず君たちはあとから来る先生たちと共に避難して!あとは私たちの仕事だ!」
私は後続の先生に5人を丸投げして中央の噴水広場へと向かった。
結果だけ言えば、USJ襲撃事件は襲撃時敷地内にいた生徒の過半数が軽症者こそすれ、重症者は出ずに終わった。
特に滞りなく生徒の治療や事情聴取がされ、敵たちは全員警察に護送されて刑務所に入ることとなった。
「しかし、師匠の孫が……敵になっていたなんて……」
黄昏時の雄英高校の校長室にて。
一瞬だけ面会し、憎悪を向けてきた男を思い出してそう零す。
ココには根津校長と夢見三兄妹、緑谷少年しかいないので安心して話せる。
「オールマイト……」
緑谷少年が心配そうに私を見ている。
ヒーローたるもの「今はただの八木俊典として、弱音はいてもいいんじゃない?」
綾少女の言葉に私は肩を落とす。
そして力が抜けたためトゥルーフォームに戻る私。
「とりあえずいくつか言えることがある」
朧少年の言葉に全員が目線を向けた。
「……オール・フォー・ワンが生きていること。そしてUSJ襲撃事件に現れた脳無やロボットを支援した協力者がいること。……そしてオール・フォー・ワンを倒したあとのケア含めた諸々の対策を今のうちに打たねば戦闘による被害含めて予測の立てようがないということだ」
「しかしOFAはすでに緑谷君に譲渡して、オールマイトが持っているのは残り火のはずだが……どうするつもりだい?」
根津校長の問いかけに夢見朧は笑みを浮かべた。
「それは――」
彼の紡ぐ言葉に私たちは驚くも、ソレが最善だと判断して、頷くしかなかった。
夢見コソコソ小話
夢見三兄妹のヒーラー適正
実は3人揃えばかなり高い。
夢見朧が傷を切り取り、綾が紡いだ糸で傷を埋めて朧が綾と糸の縁を切ることで身体を再生させられる。
また細かい傷などは奏の癒しの歌などで回復できる。
もっとも朧が出し惜しみしてる口寄せの一体にCV能登麻美子な蛞蝓が居たりするので、諸々を考えると朧だけでもかなり高かったりする。
緑谷と麗日強化する代わりにティアキンガノンドロフが敵に参加するインフレは
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かまわん、やれ
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だめです
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お茶子に英傑の加護渡すならあり