夢見3兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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緑谷&麗日強化+ティアキンガノンドロフ参戦が確定したので初投稿です。


第十三話 襲撃事件翌日

――Side ???

 

とあるバーにて、手だらけでツギハギだらけの男が物思いに耽っていた。

 

『どうしたんだい、弔。そんな物思いに耽って。もしかして失敗した事を後悔してるのかい?』

 

近くのテレビモニターの電源がついて、4分割された『Sound Only』と描かれた枠の1つが声とともに強調される。

 

「……まあ、そんなところだ」

 

『何事も最初から成功するとは限らない。躓くこともあるだろう。だが大丈夫さ。――私が居る。何度でもやり直せるさ』

 

「ソレより夢見朧とか言うバケモノが何者か教えてくれ。……アイツのせいでこんな身体になったからな」

 

その言葉の後、暫く沈黙が続く。

 

が、渋々といった様子で『先生』は口を開く。

 

『アレは届け出的には個性持ちの人間だが、実態は人になりすましてる【種として人から逸脱した正真正銘のバケモノ】だ。アレらの器だけでもかなりの価値がある。人類より遥かに強靭で、そこらの増強系個性の発動状態を上回るフィジカルギフテッドと言ってもいい。全盛期オールマイトの全力攻撃だろうと素で数発は五体満足に耐えるだろうというのが私とドクターの見解だ』

 

『しかし遺伝子データを手に入れても解析しようとすると自壊してしまう。故に研究が進まず、その2人についての研究は事実上凍結しておる。もし器が手に入るならハイエンド脳無全部くれても惜しくない』

 

2つ目の枠が先生に追従するように喋る。

 

「つまり先生たちでもどうにもできないクソキャラがヒーローサイドについてると。……やっかいこの上ないな」

 

『一応彼らの身内を脅かせばそちらを優先して対処するから、ソレを利用すれば彼らのいない状態を作り出せるけどね』

 

『しかし夢見直人という父親……婿養子の方はともかく、母親……夢見紡はオールマイト用に調整したプロトタイプ脳無相手にステゴロできるゴリラじゃからなぁ。しかもよほどのことがなければ夫のそばから離れん。じゃから陽動にそれなりの捨て駒をぶつけねば脅かす状況は作れんのがネックかのう』

 

『出来れば【黒】の【道化師】や【博士】の【劫炎】にお願いしたいところだね』

 

「……」

 

勝手に会話を始めた2人を他所に、死柄木弔は立ち上がる。

 

「弔、どちらへ?」

 

死柄木のようきツギハギされている黒霧が問いかける。

 

「近くを散歩ついでに外の空気を吸ってくる。ゼロナインが勝手についてくるし、護衛とかは要らねぇ」

 

「わかりました」

 

そう言って死柄木弔を見送る黒霧。

 

『おや? 弔は出かけたのかい?』

 

「はい。ゼロナインと共に居るとのことで、ついてくるなと釘を刺されたので放置しました」

 

『そうか……。しかしアレらが雄英にいるとなると、こちらも手が出しにくいね。……まあ、雄英高校体育祭に手を出すメリットは薄いから、暫くは本格的な活動はさせない。精々破落戸を使ってヒーローにストレスを軽く与える程度の嫌がらせをさせるように仕向けるか』

 

会話が済んだのか、『先生』と『ドクター』のSound Only表示が消える。

 

黒霧は再び食器の手入れや酒の在庫確認を始めると、正面の扉が開く。

 

「……正面の扉は鍵をかけておいたはずなのですが」

 

「その程度開けるのは造作もないことだよ」

 

黒霧の言葉に対し、右目の下の頬に赤い入れ墨のはいった少年の見た目の人物がバーに入りながらそう告げた。

 

少年?の手にはピッキングツールがあり、手を振るとツールは何処かへ消えたのか姿形がなくなる。

 

「それよりも、『博士』が良い人材スカウトしてきたから、後で顔合わせさせてね」

 

「カンパネルラ……貴方が紹介すればいいのでは?」

 

黒霧が少年?正論を告げると

 

「生憎死柄木弔や『先生』には嫌われてるみたいでね。接触ハ最低限にしておきたいのさ」

 

そういうと一人の大男と交代するように、カンパネルラはバーを去っていった。

 

「……面倒事押し付けて逃げましたねコレは……」

 

黒霧の言葉は虚しくバーに響いた……。

 

 

 

 

 

 

――Side ???

 

「なんだこれは……」

 

私たち神秘調査団は欧州のとある山奥で偶然見つけた封印らしきものをこじ開け、その中にあるであろう歴史的資料を探すため、突入を敢行したのだが……。

 

そこには翠緑に光る腕とその腕に心臓のあたりを抑えられているミイラを見つけた。

 

空気もこころなしか澱んでおり、腕の光がその不浄さをなんとか相殺してるといった感じだった。

 

「とりあえず周囲の状況を合わせて写真などを残そう。ミイラの身体的特徴が我々と異なるように見える。もしかしたら我々の前の文明のミイラかもしれん」

 

「「はっ!」」

 

調査員たちに指示を飛ばすと、すぐさま記録と撮影を開始する。

 

「……ク……」

 

「? 誰か何か言ったか?」

 

「いえ、なにも」

 

私の言葉に調査員たちは首を横に振る。

 

はて、空耳だろうか。

 

などと思っていたら、ミイラの心臓あたりを押さえていた腕が地面に落ちた。

 

「!」

 

反射的に全員の視線がミイラに集まる。

 

同時に不気味な音と共にミイラが動き出す。

 

「うあああああ!!」

 

誰がが叫んだのを皮切りに、私たちは慌ててはいってきた道から逃げようとしたが、その道が赤黒い何かに塞がれる。

 

「痛い痛い痛い痛い痛い!」

 

何かに触れた調査員が叫ぶ。

 

触れた場所が爛れていた。

 

マズイ、早く逃げないと――

 

何がの風切り音と共に世界が数回回転する。

 

そして最後に見たのが、首から下のない、血まみれの自分の身体だった……。

 

 

 

 

 

 

――Side 塚内直正

 

オレは塚内直正。

 

オールマイトについて他の警察官より少しだけ詳しい警察官だ。

 

オールマイトのヒーロー活動の報告書を纏めるのがオレの仕事の1つだ。

 

なのだが――

 

「――完全に管轄外の事情聴取に駆り出されて手伝わされた挙げ句、敵の主犯格護送中に逃げられた始末書を連帯責任で書かされるのは流石に文句の1つも出るだろうに上は何を考えてるんだ?」

 

自分の縄張りの警察署にて、理不尽な処理の対応に思わず愚痴を零している。

 

「ですよねぇ……」

 

いつの間にか戻ってきた同僚もそれに頷く。

 

「しかし、100人弱の敵と数十体のロボットが襲撃して被害は教員1名の負傷と生徒の軽症だけとは、被害が少なくて良かったですね」

 

「まあ、生徒の中に国外でヒーローしてた実績のある人物が3人ほど居て、やっかいな場所を的確に対処してくれてたのが大きな要因だろうな」

 

「……その3人、たしか海外で大学まで飛び級で出てますよね? 何故高校に再入学したんでしょう。オールマイトといい、何かタイミングが良すぎる気がします」

 

なにか違和感があった。

 

オレはその勘を信じることにした。

 

「さぁね。三兄妹は大方夢見の社長が日本人だから、日本の高校も卒業しておいたほうが良いとでも判断したんじゃないか?オールマイトは各方面との交渉がまとまったのが去年ってだけさ」

 

「なら良いんですけど……なーんか気になりますね」

 

「そんなもんより書類片付けるぞ」

 

「へーい……っと、コーヒー切れちまったので買ってきます〜」

 

「いってらー」

 

軽く流して見送る。

 

何故かなかなか部屋に戻らないことに首を傾げつつ、少し催したのでトイレに向かうことに。

 

 

 

「……ん?」

 

用を足していると、個室からなにか叩く音がする。

 

少し警戒しつつ開けると

 

「!? なんでそんな格好を!?」

 

手足を縛られ、口にガムテープを貼られた、インナーのシャツとパンツ以外剥ぎ取られたらしい同僚がそこにいた。

 

急いで解放すると何者かに殴られて気がついたらこうなってたとのこと。

 

しかもかなり前の時間らしく、オレが会った同僚は同僚に化けた誰かだった可能性が非常に高くなった。

 

すぐさま優雅にバカンスしてるであろう上司とその上に連名で宛先つけて事情をまとめたメールを送信した。

 

警察に忍び込んだ誰かが居る。

 

しかも夢見三兄妹の雄英入学について理由を嗅ぎ回っているらしい。

 

「厄介なことにならなければいいが……っ!?」

 

変装していた奴との会話時間を思い出そうと時計を見た時、丁度真夜中の0時を示してるなと思ったら大きな揺れとともに世界が紅く染まった。

 

「なんだ一体……元に……戻った?」

 

地面から赤黒い瘴気のようなモノがでていたがソレが消えるとともに、紅く染まった世界はもとに戻った。

 

「……一体日本で何が起ころうとしてるんだ……?」

 

その言葉は虚しく虚空に吸い込まれて消えていった……。

 

 




夢見コソコソ小話
今回は登場してないので特にないです。
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