夢見3兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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原作に無いイベントなので初投稿です。


第2話 留学生登場!とプロジェクト『ケルベロス』

――Side 雄英高校1年A組

 

土日を挟んだ月曜日。

 

「あれ? 綾と奏はいるのに朧がいない? まだドイツから帰ってきてないの?」

 

登校してきた耳郎が不貞腐れ気味の綾と奏、そして空席となってる朧の席を見ながら首を傾げる。

 

「帰ってきてるよ」

 

「なんなら昨日、夢幻回廊で焦凍さんも帰国済みというの聞いていますしね」

 

「……なら何故にそんな不機嫌?」

 

訳が分からんと疑問符を浮かべる耳郎。

 

彼女の問いかけにあとからやってきた生徒も耳を傾ける。

 

「……机が3つ増えてるのが答えだよー」

 

うつ伏せになる綾。

 

「……????? どういうこと……??」

 

理由がわからず宇宙猫顔になる耳郎。

 

「もしかして雄英ヒーロー科に転入生!?」

 

「色々事案になりそうな予感」

 

「金曜日の放課後の一件*1で虎視眈々としてる連中が暴動起こさなきゃ良いが……」

 

そう言ってるとすごく不機嫌そうな轟がはいってきた。

 

「こっちも不機嫌だ……」

 

「朧関連でなんかあった?」

 

葉隠が首を傾げる。

 

「……女が増えた」

 

「……えっ、どういうこと?」

 

聞いてた生徒の過半数が宇宙猫になる。

 

ほとんどの生徒が首を傾げてると、満身創痍で納刀された刀を杖代わりにしてる朧が教室にはいってきた。

 

「なんかすごいボロボロになってる!?」

 

「朧君大丈夫なの!?」

 

葉隠や芦戸が駆け寄って彼の周りをわたわたする。

 

「コラテラルダメージだ……」

 

「いや重症だよね!?」

 

「まあ、甘んじて受けるしかないですわ」

 

何か知ってそうなヤオモモがやってきた。

 

「ど、どういうことなん?」

 

「それより緑谷たちが来るが……出来れば普段通り接してやってくれ……」

 

自席で力尽きる朧。

 

首を傾げる一同。

 

程なくして教室のドアが開く。

 

「お、緑谷だ!」

 

「お茶子ちゃんもいるわね」

 

「……二人共、その腕は一体……」

 

常闇が問いかけると、2人は互いを見て綾の方を向く。

 

「――端的に話すと、この2人、赤い月に関連するある怪物のカウンター的存在みたいでね〜、2人は怪物の覚醒に連動して前世の記憶や力を取り戻したんだよね。前世云々信じないならそれていいけど、お兄ちゃんとあーちゃんは前世云々経験者だから納得かなー」

 

「つまり緑谷と麗日は前世から面識あったと」

 

「正解〜。ちなみに二人共個性と違う、使いこなせれば強い力手に入れたから、体育祭お楽しみに〜」

 

言いたいこと言えたのか、綾はそのまま寝始める。

 

「どんな力手に入れたん?」

 

「二人の前世の間柄教えてクレメンス」

 

「2人は宿命の相手といつ戦うんだ? 無論オレも同行する」

 

「常闇院!?」

 

などと騒いでいると、相澤先生がはいってくる。

 

それと共に一瞬にして全員が各々の席についた。

 

「今日は学年の朝礼だから体育館に移動な」

 

そういうとさっさと出ていく。

 

飯田君がすかさず全員廊下で2列並ぶよう告げる。

 

そして他の教室からでてきてバラバラに移動する生徒を横に、A組とB組も体育館へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――Side 雄英高校1年

 

さながら入学式のようなパイプ椅子が配置された体育館。

 

割り当てられた席に生徒たちが座り、困惑していると、壇上に根津校長が現れた。

 

「ハロー諸君。根津校長なのさ。わざわざ学年集会を開いたのにはちょっとばかり理由があるんだ」

 

そういうと手を叩く。

 

すると篠ノ之束と5人の女子が舞台の裾から姿を現す。

 

「雄英高校の外部講師と留学生5人が一挙に来たんだ。……と言っても外部講師については先生方から話は聞いてると思う。まあ、聞き忘れたり聞いてなかった人は留学生の事とセットで覚えておいてほしいのさ」

 

そう言ってから一息入れて生徒を確認したあと、根津校長は続ける

 

「まずは外部講師の紹介さ。現在雄英高校入試で使ってるロボットの設計開発の実績やドイツNo.1ヒーローを始め複数人のヒーローのサポートアイテムやコスチュームを製作した実績を持つレオニクス社の元研究者、篠ノ之束先生さ。先生、一言お願いするよ」

 

そういってマイクを束に渡す根津校長。

 

「始めましての人が多いね。篠ノ之束だよ。サポート科の外部講師兼開発工房のアドバイザー兼1年のヒーロー科のコスチューム関連窓口を担当するから、関係してる人たちはよろしくね。基本設計雄英高校にいる間は、サポート科の開発工房にいるつもりだから、そこに顔出しに来てね」

 

ざわめく生徒たち。

 

彼女の研究は多岐にわたるためそこそこ知名度があり、去年は新型形状記憶合金を開発したことで可変型サポートアイテムにブレイクスルーを齎しており、界隈ではそれなりに有名人でもあるのだ。

 

「篠ノ之先生ありがとうなのさ。……さて、次はドイツからの留学生だ。シズクさんから自己紹介お願いね」

 

そういってマイクを紺色の髪の少女に渡す。

 

「始めまして。シズク・マクレインです。父の学びし八葉一刀流を本場で学び、ヒーローとして学んで故国に戻るため、やってきました。日本語が、拙いところあるかもですが、よろしくお願いします」

 

一礼とともに拍手がされた。

 

そしてそのまま隣の黒髪の娘にマイクが渡された。

 

「私はヨル・マクレインと言います。紆余曲折ありまして、マクレイン家の養子になっています。留学につきましては、受け入れ先にかつて私の初恋の人がいたので、二つ返事で受けました! 約束を果たしに来ましたよ、物間寧人!」

 

「……えっ?」

 

とんでもない言葉にざわめく面々。

 

心当たりがなくて困惑してる物間寧人。

 

シズクはあちゃー……と言いたげな顔をしている。

 

「ハイ自己紹介ありがとう! 次はマイさんお願いね!」

 

根津校長がマイクをひったくって青い髪の娘に投げ渡す。

 

それをしっかりと受け止める娘。

 

「はじめまして、マイ・ナツメです! 日本のヒーローに憧れてやってきました! よろしくお願いします!」

 

そう言ってから隣の金髪のお嬢様のような娘にマイクを渡した。

 

「シロナ・ノイエスと申します。世間知らずな小娘ですが、どうかよろしくお願いいたします」

 

経営科の何人かがうん?と首を傾げるが、他の1年生は拍手を送る。

 

その間に最後の赤毛の少女にマイクが渡る。

 

「恋はレン・マクレイン。……よろしく」

 

何人か生徒が、自身の胸を押さえたが大半は不思議な子と思ったようだ。

 

「5人はヒーロー科で勉学することになるからよろしくね。っと、最後に留学生5人の父親であり後見人でもあるドイツNo.1ヒーローのアリオス・マクレインから一言どうぞ」

 

校長がマイクを舞台の裾に投げると、裾から見えた腕がそれを受け止め、アリオス・マクレインが現れた。

 

「ご紹介に預かりました、アリオス・マクレインです。……ココに立つと、嘗て祖国の反対を押し切り、この雄英高校に留学したことを昨日のように思い出します。5人にも良き思い出を、宝と言える何かを得て欲しいものです。――それはそれとして、5人のうち4人は養子ですが、私は実の娘の様に思っています。……もし娘たちが理不尽な理由で泣くような事があれば……」

 

一部を除いた生徒は自分の首が飛ぶ感覚に襲われる。

 

「……その犯人は今の感覚が現実のものになるかもしれない」

 

ほとんどの生徒が顔を真っ青に染める。

 

アカンこの人親バカや……といった顔で。

 

 

 

 

 

 

 

 

――Side 雄英高校1年A組

 

「ということでマイ・ナツメ、シロナ・ノイエス、レン・マクレインの3人がA組、シズク・マクレインとヨル・マクレインはB組に配属された」

 

教室に戻ったあと、相澤先生の紹介でA組に割り振られた3人が改めて挨拶する。

 

「ちなみに3人は特殊な性質を持っている」

 

そういうとレンだけそのまま、残る2人が前の黒板へ身体を向けた。

 

「飯田、なんか適当な数値書いてレンに見せろ」

 

「え? あっはい!」

 

ヤオモモがしれっと渡したホワイトボードに飯田が42と書いて見せると

 

「「42」」

 

とシロナ、マイの2人は息ぴったりに揃えて答える。

 

「「「「「!?」」」」」

 

「それ見るヤツ変わってもできるのか?」

 

障子は冷静に分析してあり得る可能性を潰すために問いかけると、3人は頷く。

 

「誰にやらせても結果は同じだけどね」

 

「……お互いが互いの一部みたいな感覚で、同期してるなら何時でも分かる」

 

「代わりに無理矢理引き離すとこの体質になったせいか、精神面が不安定になるのよね」

 

マイ、レン、シロナが連携してるように語る。

 

「お互いの状態が常にわかってる……なんかどっかで見たことあるなそれ」

 

「ペイン六道*2じゃない?」

 

「あっ、そっかぁ(納得)」

 

などと話していると、相澤先生が続ける。

 

「雄英における3人は朧の監督責任は朧にある。……3人はそれを踏まえて行動するように」

 

その言葉に3人は険しい顔で頷いた。

 

 

 

 

 

 

「で、3人の個性とかってその感覚共有?なの?」

 

放課後になった直後。

 

芦戸の言葉に3人は首を横に振る。

 

「これは偶然に近い産物なので……」

 

「恋たちもよくわからない」

 

「専門家っぽいのも居ないから、謎のまま」

 

3人が別々の方向を向きながらそう告げた。。

 

「はえー……なら3人の個性は?」

 

「レンは『振動』(と魔弾)……触れたところを振動させられる。固有振動数が分かれば、大抵のものを砕けるし、空間を揺らせば地震とかも起こせる」

 

「すご……シロナさんは?」

 

「シロナで構いませんよ? 私の個性は『入れ替え』(と泡沫の魔眼)です。右目で見た2つの何かを入れ替えるという個性でして、向き入れ替えた時の向きなども一応調整できます。ただ、2つの物体を同時に視界に入れておかないと発動しないので、私だけだとあまり強くありませんわ」

 

「3人揃ってこそってことか……マイさんは?」

 

「私は『ベクトル操作』(と肉体改造)。非生物の持ってるベクトルに干渉して色々な事が出来るかな。わかりやすく言えば砲弾の飛んでる方向を明後日の方向に変えるとか」

 

「強そう(こなみ)」

 

「連携という点では、ある意味これ以上のレベル存在するか怪しいとあーちゃんは思います」

 

「だな」

 

綾と朧が頷く。

 

「でも、朧は私たち3人相手に普通に倒した」

 

「? 戦ったことあるみたいね?」

 

恋の言葉にさらに踏み込もうとする梅雨ちゃん。

 

「だって――」

 

続きを言う前にシロナとマイが口を押さえる。

 

「はいソレは機密保持で怒られるから駄目です」

 

「ごめんね蛙吹「梅雨ちゃんと呼んで」梅雨ちゃん。今回の留学生、シズクちゃん以外訳ありなのよ」

 

「そうなのね。正直かなり気になるけど、無理矢理聞くつもり無いから安心して頂戴」

 

「ありがとね」

 

シロナの言葉に笑顔を向ける梅雨ちゃん。

 

その後思い出したように問いかける。

 

「そういえば、3人も雄英高校体育祭出るのかしら?」

 

「基本1年A組のイベントにはA組として出ることになってるハズ」

 

「……めんどくさいけど、朧に迷惑かけられないから、頑張る」

 

「なら訓練場βで個性の練習するのいいかもしれないわ。一緒に行かない?」

 

「朧いるはずだから……行く」

 

「恋に同じく」

 

「3人は一心同体ということで」

 

「それじゃ、行きましょう」

 

 

 

 

 

 

――Side 雄英高校

 

放課後の職員室には、1年の主だった職員と校長、そして朧が集まっていた。

 

「根津校長、A組にシズク君を配置しなかった理由を教えてください」

 

開口一番にブラドキング先生が問いかける。

 

「ヨル君の要望、3人組の精神安定に朧君が必要、それらを加味した人数調整だね」

 

そういったあと、書類を取り出して教員に回し読みするように指示する。

 

「……まじかよこれ」

 

「随分と訳ありですねコレ」

 

回し読みするよりみんなで読むほうが良いと集まった先生たちは書類を見て険しい顔になる。

 

「シズク君は朧君から八葉一刀流を学びたいといっていたから留学は渡りに船だったと言ってくれてる。本当にオトナのゴタゴタに振り回して申し訳ないくらいだ。――ということで朧君、ヨル君のケアしつつシズク君と3人組の面倒を頼んだよ」

 

「胃が痛いです(わかりました)」

 

「本音と建前が逆転してるな朧。……ミッドナイト先生、面倒かもしれませんが、朧の他女性関係のケアお願いいたします」

 

「半分くらい朧の自業自得な気もするけどわかったわ。……というか手を出して全員わからせすればいいだけでは?」

 

冷静に告げるミッドナイト先生。

 

「18禁ヒーローが初手フルスロットルしてる」

 

プレゼントマイクが口笛吹く。

 

「一応戸籍所まだ16なので不純異性交遊他、法令や法律引っかかりそうなんでできません」

 

「真面目ナノハ良イガ、ソレデ彼女タチガ暴走シタラ元モ子モナイゾ?」

 

エクトプラズム先生の言葉に朧は膝をつく。

 

「……校内でやらかしたりしなければ、雄英高校は見て見ぬふりするよ?」

 

「正直ハーレム御せる気がしないし、そういうの統括出来るヤツ全員独占欲高すぎて任せられない!」

 

慟哭する朧。

 

先生たちは同情の目を向ける。

 

「とりあえず! 書類にあるとおりだから、先生たちは注意しておいてね! それじゃ、解散!」

 

 

 

*1
原作の他クラスによる敵情視察。心操や鉄哲が初登場

*2
全員互いの視界を共有して1つの個として動ける所が同じ




ドイツのとある研究所の手記

ニュータイプと強化人間
人間は個性無個性及び先天的後天的関わらず一定の割合で通常より遥かに優れた空間認識能力、精神感応能力、反応速度始めとした身体能力を取得する。
コレを発見した人体研究学会の会員はコレをニュータイプと定義し、人為的にニュータイプ化したモノを『強化人間』と定義した。
しかし強化人間について非人道的観点より博士は追放されており、既に博士は死亡しているため、学会にいた面々以外に情報を持つものは居ない……はずだ。
しかし現在日本で■■■*1シリーズと呼ばれる複数体の強化人間が敵に使われている事例確認され、半数はプロヒーローさえ撃破しているため、何者かが強化人間を作っていると思われる。

プロジェクト『連携型強化人間』→『ケルベロス』
先述の通り、強化人間は成果を上げているが、他の強化人間との連携が非常に困難である。
逆に互いを正確に認識・同調できる個体同士で動かせば、より高い成果を出せると思われる。
様々な組み合わせの『素体』に同じストレスを与えて同調させるように仕向ける方向で実験を行うことに。
強化人間成功率が1%なことを考えれば気が遠くなる。
追記
現在3体一組が完成。
これ以外にも5体1組や8体1組ができたが、共振に耐えられず自滅するデータが多数取れた。
ブレイクスルーが必須のため、ひとまず3体一組を作って好事家や後ろめたい連中に売るとしよう。
またこの決定を持って、本プロジェクトを『ケルベロス』とすることにした。

*1
塗りつぶされて読めない

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