――Side アリーナ中央
「それじゃ、第1種目の発表をするわよ!」
ミッドナイト先生が言葉とともに鞭を地面に叩く。
するとモニターに『第1種目 障害物競走』と表示が出る。
「第1競技は――障害物競争! コースはそこのゲートからスタートしてこのアリーナを一周して戻って来る全長4キロのコースよ! ルールとしてコースを外れずルート通りに一周して戻ってくれば基本OK! だだしドローンなどで実況中継されるから、あまりにもダーティーなことしてると印象よろしくないわね!」
そういって鞭で地面を叩いて続ける。
「補足として空中は基本上空8メートル以上には夢見綾さんの不可視の糸が張り巡らされてるから、高度突破を試みるなら要注意! それと
さあ、スタートラインにつきなさい! というミッドナイト先生の言葉に生徒たちは慌ててスタートラインへと殺到していく……。
――Side 実況・解説席
オールマイトと別れたプレゼント・マイクと夢見三兄妹が戻ってきた。
「実況はマイクがやるし、解説は3人(と奏のスタンド?)で適当にやるからオレ要らなくねぇか?」
相澤先生が眠そうにしながら問いかける。
「いや、いる(断言)」
謎の断言をする朧。
「別にここの仕事やらなくてもいいけど、障害物エリアの安全管理スタッフとか交た「やっぱり解説やるわ」だよね〜」
綾の言葉に対し食い気味に解説役を引き受ける相澤先生。
「とりあえずあーちゃんたちは仕事してくるから、奏よろしく〜」
そういうと朧と綾は去っていく。
のこる3人は眼下に広がる
「……よし、時間だな」
プレゼント・マイクは機器のスイッチを入れた。
「それじゃあ、第1種目 障害物競走の――スタートだっ!」
その言葉とともに多数の足音による地響きが鳴り出す。
「まずはアリーナ出入り口! スタートによる押し合い圧し合いをどうやって突破する!」
「普通に混む前に最速で抜ければいいだろ」
プレゼント・マイクの言葉に相澤先生はマジレスする。
「それができりゃ苦労はしねぇだろイレイザー」
「まあ現実的に言えばところてんのように押し出されるか上を進むとかだろうな」
冷静に状況からあり得る可能性を出す相澤先生。
「そんなこと言ってる間に先頭集団はなんなく出入り口を出て進んでいくぞ!」
「ふふふ、どなたが最初に帰ってくるか、楽しみですね」
プレゼント・マイクの言葉に奏が頷いた。
――Side 先頭集団
『先頭を走るのは緑谷選手に轟選手! それに留学生A組側の3人に八百万選手が団子でヨル選手に爆豪選手がそれに続いてるぞ!』
障害物がなにか分からないので警戒しながら走る緑谷。
それを追いかける轟。
『先頭、第一関門に到着したぞ!』
その言葉とともに緑谷は横に飛び退いた。
間髪なく火球が緑谷の居た場所を通過する。
火球が来た方を向くと入試試験で出てきたおじゃま虫とあちこちの櫓っぽいのに鎮座するタコみたいなヤツがいた。
『第一関門、入試試験のおじゃま虫【ロボインフェルノ】の群れと火球を吐くタコもどきロボ【フレイムオクタくん】の軍勢をかいくぐれ!』
『フレイムオクタくんって何????』
『えー、資料によると……なんか篠ノ之束が朧に言われて作ったらしい』
「「あれ岩オクタだと思う!」」
前世で武器の耐久度再生させるのに使ったヤツの色違いと思いながら攻撃を回避して進む。
あれ、今近くで姫…………麗日さんの声がしたような……?
――Side 実況席
「轟が第一関門のロボ全部凍結させやがった!!!」
「力技すぎるがそれも1つの答えだろ」
叫ぶプレゼント・マイクと冷静に突っ込む相澤先生。
「でもあの手抜き具合からして、中団が通ってる間に再起動しそうなので油断大敵です。……っと、経営科のほとんどとサポート科の半数はリタイアみたいですね」
冷静に解説等をしていく奏。
「おっと!先頭は第2関門『 ザ・フォール!』にたどり着いたぞ! 向こう岸まで点々とある足場に描けられたロープを渡れ!」
「穴掘るの大変だったでしょうね……」
マイクの言葉に奏は複雑そうな顔を見せる。
「ちなみに【穴の底には品種改良した『PNR-334スライム』を入れてあるから落ちても大怪我はない】って資料にメモ書きされてる」
「ソレ束さんが先月特許取った新素材……思う所ある束さんとはいえ酷使しすぎです兄様……」
遠い目をする奏。
「ちなみにここも綾に制空権取られたままなのか?」
ふと相澤先生が疑問を口にする。
「秘密って書いてあるからわがんね。そのあたりどうなの奏さんや」
「ふふふ、ノーコメントです」
のらりくらりと奏ははぐらかしていた。
――Side 先頭集団
『さあ、第2関門をどうやって突破する!?』
「言ってくれる……」
轟は躊躇いなく氷で足場を形成し、そのまま次の足場へと移動する。
低空跳躍という地味に力か技術がいる方法で跳躍する緑谷。
爆豪や八百万が妨害しながらこちらの隙を伺っている。
――まだ中盤、無理にトップを取るメリットは薄い……。
一方緑谷は複雑そうに後方からの妨害を回避、時にシドの水の加護で相殺しつつ後方が団子状態なのに顔をしかめる。
油断すれば即座に首位転落は確実で、連携されたら中団まで転げ落ちかねない。
(だけど、実戦なら常に極限状態でもっと危ないこともある。ささいな慢心が命にかかわることもある。ソレに比べたら――なんてことない!)
OFAの出力を上げる。
『おいおい緑谷選手! 空中走ってんぞ!』
そのインチキじみた出力は、空中歩行すら可能にした。
『兄様や綾、私ならできますよ? ……ふふ、思ったよりこちら側に早く来ましたね』
あっ、コレ鍛錬の負荷が上がるやつと察した緑谷は、集中力を乱し、危うく先頭集団から脱落しかけた――。
――Side 実況席
「第2関門も順調に突破されてるな」
「まあリタイアも増えてサポート科も8割リタイア、経営科に至っては一人残して全滅してるので良くも悪くも篩に掛けられてますね」
相澤先生の言葉に奏は頷きつつも補足をする。
「……んー……」
「どうしたマイク。実況してる場合じゃないなら交代してもいいが」
首をかしげるプレゼント・マイクに相澤先生は疑問を投げかけた。
「いや……ヨル選手以外のB組がA組より順位低いのがなんでかなーと思ってさ。個性とか考えればもっと上位に食い込んでもおかしくないと言うか……」
資料をヒラヒラさせるマイク。
「……可能性はいくつかあるが、憶測に過ぎないからノーコメントだ」
「私もノーコメントです」
「二人共教えてくれないなんて、疎外感!」
ガーンとショック受けるマイク。
「それより最終関門に先頭集団がたどり着いたみたいだぞ」
相澤先生の言葉にマイクは歯噛みしつつも実況へ思考を切り替えた。
――Side 先頭集団
『最終関門は怒りのアフガン! 平たく言えば地雷原! 敷き詰められた地雷を超えて、一番にゴールするのは誰だ!? ちなみに地雷は競技用に調整されてるから音と光、それなりの衝撃という安心設計!但し音と光で失禁しちまうかもなぁ!』
『地雷を見抜けるか、地雷をものともしない精神力があるか……。1つ言えるのは上位通過狙いほど苦しむ障害物ってことだな。それはそれとしてドローンが変な所映して雄英にクレームきても俺知らね』
『補足として素人が目を凝らせばわかるように埋めてあるみたいなので警戒するなら慎重に行くのもありですし、前の人が進んだ道ならたぶん大丈夫ですが……』
緑谷は躊躇いなく空中歩行で通過する。
『飛べる人や足場作れる人には関係ないですね』
という声に対して間髪入れずに後方から爆発が起きた。
『おいおい脳筋かよヨル選手!スイッチ踏み抜いても爆発しようと関係ないってか!』
本能的に嫌な予感を感じた緑谷は全力で1位保持するため、OFAのフルパワーを発動した。
――Side 実況席
30分程後。
「思った以上に先頭集団の着順が写真判定必要で草生える」
「あって良かった写真判定ってな。判定役がオールマイトなのが不安定しかないが」
「一応他先生立ち会いで奇数人にしてチェックしてるので大丈夫かと」
と会話してると最後の選手がゴールしたようだ。
同時に近くのモニターの1つがある映像を映した。
「えーここで足切りが入りまして、次種目にいけるのは「上位46名」となっています。例年より少し多いですがまあ……色々あったんでしょう」
「おっ、そうだな」
その言葉と共にミッドナイト先生が次種目の説明を始める。
そして1位の持ち点が1千万ポイントと言われた瞬間、1位以外の選手45人の目の色が変わったような気がした……。
夢見コソコソ小話
画面外にて第一関門の安全管理スタッフとして綾が、第二関節関門の安全管理スタッフとして綾が脱落者や死亡判定した生徒を回収していた。
その時に女子生徒から熱い視線を両名は向けられたりしたようだがアイドルのスタンスで受け流したようだ。