夢見3兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

3 / 28
後編なので初投稿です(強弁)



第2話 本編開始前から地獄だった轟家 後編

――Side 夢見朧

 

焦凍に忘れ去られたオレたちは半ギレしながらドラクエ2よろしく3人で轟家に突撃を敢行した。

 

なお、両親には伝えてるし、もうすぐ1歳になる弟の世羅の世話とか、仕事が忙しくてソレどころじゃないのもあっただろうがそれは考えないことにする。

 

「どちら様……?」

 

玄関からでてきたのはそろそろ還暦迎えそうな家政婦さん?だった。

 

「焦凍ちゃんに会いに来ました~」

 

綾の言葉に「あれまぁ、かわいいお客さんね。玄関でちょっとまっててね」と玄関まで入れてくれたあと、確認のため家政婦さんは奥に引っ込んだ。

 

「……あ。あの時の……」

 

丁度?玄関を横切ろうとした燈矢を発見。

 

「命の恩人に挨拶が軽い!」

 

「うぇっ、……その、ありがとうございます?」

 

何処ぞの鱗滝さんみたいな声で怒る奏にびっくりして少し飛び上がる轟燈矢。

 

「ヒーロー目指したいって想い、まだ変わってない?」

 

綾が問いかけると、少し迷った顔をしてから答える。

 

「……変わってない……と思う。あのあと父さんから『個性と体質が合っていない。個性を使えないなら無個性と同じになる。だから諦めろ』と何度も言ってくるけど……」

 

「……ヒーロー目指すなら、個性方面はその炎十全に使えて、自滅しないようになればいいよね」

 

綾が追加で告げる。

 

「口で言うのは簡単だが、そんな簡単にできるわけが――」

 

「『できる』としたら、どうする?」

 

綾の言葉に目を見開く燈矢。

 

「……できるなら、そうしたい」

 

「後でお兄ちゃんとあーちゃんがなんとかしてあげるね。もちろんロハじゃないから、もらうものキッチリもらうけど」

 

「それどういう「ごめんなさい、忘れてた」」

 

奥から家政婦と一緒にやってきた焦凍ちゃん。

 

「3人は友達だから、上がって」

 

そう言われたので上がるオレたち。

 

「父さん居るから……話あるんでしょ?」

 

「うん。燈矢くんも一緒」

 

綾の言葉に困惑する焦凍ちゃん。

 

「えっ、まだ宿題が」

 

「ヒーローになるの諦める?」

 

「わかったよ!ついてくから脅すな!」

 

綾の言葉に髪をくしゃくしゃにしてからパーティーに加わる燈矢。

 

「……こっち」

 

ジト目を何故かオレに向ける焦凍ちゃんに困惑したが、とりあえず良し!

 

 

 

 

 

「……昨夜ぶりだな」

 

訓練場のような場所にて、エンデヴァーとオレたちは対面していた。

 

「石頭ガンテツさんは家族と向き合うように努力してるのは見えたのでとりあえず及第点出しとくね〜」

 

「貴様大人に舐めた口を」

 

「一応私たち3歳児なんですがそれは」

 

綾に怒りを見せるが奏のマジレスに口を噤む。

 

「さて、世間話はこの辺で。――燈矢君の個性を貴方の上位互換にすることができるんだけど、『何を対価に貰える』かなーって話をするしにきた」

 

「俺の、上位互換……?」

 

「排熱で熱暴走するから、個性の連続稼働に上限があって、冷却が必要。でも彼の個性を覚醒させれば、『貴方より高火力を、自己冷却しながら使い続けられる』から貴方より瞬間火力も継戦能力は高いよ?」

 

「「「!?」」」

 

エンデヴァー、焦凍ちゃん、燈矢が目を白黒させる。

 

「……本当に?」

 

「嘘言ってどうするの? ナンバー2ヒーローの家族騙したとか知られたらソレこそ夢見プロダクションの金看板大暴落なんだけど」

 

「そう言えば夢見プロダクションの現社長の子どもだっけか……」

 

焦凍が思い出すように零す。

 

「嘘なら承知せんぞ」

 

鬼のような顔でそう告げるエンデヴァー。

 

「もちのロン。代わりにちゃんとできたら焦凍ちゃんをお兄ちゃんの表向きの嫁に貰うね?」

 

「「「「!?」」」」

 

驚くのはオレ、焦凍ちゃん、燈矢、エンデヴァーだ。

 

「まて綾!オレそんな話聞いてない!打ち合わせだと数年後に国外留学する時の後ろ盾するって話だっただろ!」

 

オレが振り向いてそう言うと

 

「言ってなかったからねぇ」

 

何食わぬ顔で言い放つ綾。

 

「養子側に後見人がいない状態で、養子縁組を未成年で切るのは少々骨が折れますし、遺産相続考えると私達が内縁の夫婦で世羅が望むならプロダクションを丸投げするのが安牌かなって」

 

身も蓋もないことを言い出す奏。

 

「……私売られた?」

 

「妹を売り渡して力を手に入れる……それがヒーローのやることか……?」

 

「娘はやらん!」

 

轟家側は阿鼻叫喚の地獄絵図だった。

 

 

 

 

 

 

そのあと轟家他メンバーが騒ぎを聞きつけて乱入し、地獄絵図具合が悪化したりしたが割愛。

 

 

 

 

 

結びましょ、結びましょ

 

良縁悪縁はたまた奇縁?

 

結んで変えるは何かの縁

 

変えてしまえば戻りゃせぬ

 

縁結ぶが我が力。

 

結んだあとはアナタ次第

 

 

 

 

 

 

断ち切ろうか断ち切ろう

 

悪縁奇縁はたまた良縁?

 

断ち切り変えるは何かの縁

 

変えてしまえば戻りゃせぬ

 

断ち切り変えるは我が力

 

切ったあとはアナタ次第

 

 

 

 

 

 

――Side 轟焦凍

 

……綾と朧が奇妙な言葉を紡いだあとナニカ見えないモノが燈矢兄に絡みつき、別のナニカが断ち切られたように見えた。

 

「……はい、コレで『蒼炎』の個性は眠っていた凍結の部分が覚醒して『蒼炎氷雪』に進化したよ」

 

「氷方面は自己凍結と周辺の天候を一時的に雪に変える事に特化してるから、焦凍の凍結の戦術はほぼほぼ使えないと割り切って。代わりに火力面は焦凍より格段に高い。太陽の表面温度の6000℃の倍近い温度を使えて自己冷却を欠かさなければ継戦能力はエンデヴァー以上になるよう体質併せて弄ったから」

 

「……」

 

困惑してる燈矢兄。

 

「……本当に大丈夫なんだろうな……」

 

クソ親父がやりきった顔してる朧たちに問いかける中、燈矢兄の雰囲気が変わった。

 

「……本当に氷の個性が使えるんだ」

 

夏雄兄が零した言葉の通り、部屋の中が突然寒くなり、雪が振り始め、燈矢兄の身体に氷がまとわりついた。

 

「……」

 

そして燈矢兄は手のひらから青い炎を出し、壁に向かって放つ。

 

一瞬にして雪が蒸発して暴風が吹き荒れた。

 

「……本当に火傷してない」

 

手のひらを見る燈矢兄。

 

「そのくらい火力抑えて単発で使うなら、ぶっちゃけ氷なしでもイケるようお兄ちゃんが色々弄ったからもう少し火力上げてもいいけどね」

 

「……そうか?」

 

氷を外して同じようにもう一度焔を放つ燈矢兄。

 

「……本当だ。スゴイ」

 

何処か他人事のような声の燈矢兄。

 

「父さん。コレでオレもヒーローに成れるよな?」

 

クソ親父を見る燈矢兄。

 

「ココで答えを間違えたらバッドエンドだよ。さて、ヒーローとしては模範生、家族の父親としてはゴミカスな轟炎司は正解できるのでしょうか!?」

 

綾が茶化すような口調で言っているが、綾の目は笑っていない。

 

……家族を顧みれなかったクソ親父が答えられるのか?

 

オレたちは諦めとひとつまみもない可能性を考えながら一家の大黒柱を見る。

 

「……確かに俺を超えるヒーローになれる力だ。――だが力だけあっても、ヒーローにはなれない。…………俺はお前たちと向き合う。燈矢、お前のこともちゃんと見る。だから……俺を見ろ。そして俺に聞け。父親として、ヒーローの先達として、できる限り教える……」

 

「うーん、肯定しつつもソレだけじゃ駄目と諭してるのはマル。没交渉から会話の窓口が開いただけマシ……かな……?」

 

「昨日のショックが相当衝撃だったのか、家族と向き合うきっかけが欲しかったのか分かりませんが、歩み寄りしようとできたのは及第点かと」

 

うーんと唸る綾と奏。

 

「何を今更」

 

その言葉に私達は声の主――夏雄兄――を見た。

 

「炎で火傷するまで燈矢兄ばかり見て、焦凍が生まれてからはずっと焦凍をみてきたのに何を今更!」

 

「……夏雄……」

 

「っ!」

 

ハッとして訓練場を飛び出す夏雄兄。

 

「……ハイ、ココは追いかける場面! 辛かろうと家族と向き合え腐れ親父!」

 

「貴様後で覚えていろ!」

 

何処からともなく鞭を出した綾がクソ親父の尻を文字通り叩いて後押しした。

 

敵みたいな言葉を残して去っていくクソ親父。

 

「……夫を、燈矢をありがとうございます」

 

母さんが3人に頭を下げた。

 

「ただのお節介なので」

 

「放置するのが後味悪いと思ったからやっただけなんで」

 

「才能を埋もれさせるのはもったいないと思って心の赴くままやりました」

 

奏、朧、綾はお礼を言われることじゃないと言いたげな顔で否定?する。

 

「でも、おかげで少し、父さんは私達を見てくれるようになったから」

 

「ずっと焦凍生まれてからは焦凍ばっかりだったからな」

 

冬美姉と燈矢兄の言葉に私も頷く。

 

昨日までのまま、私がヒーローになるまで続いていたら、何処かで家庭崩壊していたと思う。

 

まだ夏雄兄のことが未解決だけど、昨日よりは良くなったと思う。

 

「3人とも、ありがとう」

 

「なら今度から幼稚園で挨拶くらいしてくれよな」

 

「……してなかったっけ」

 

「やだ、この子……自覚ない……」

 

どうやら挨拶してなかったらしい。

 

気をつけないと。

 

 

 

 

次の日、朧に『挨拶』したら綾に怒られた。

 

ハグは挨拶の1つのはずだけど……。

 

「無言でお兄ちゃんに抱きつくな!色情狂かと思った!」

 

……しきじょうきょうがなにか分からなかったが、良くないのはなんとなくわかった。

 

あと無言だったのも反省。

 

ちゃんと声かけてからハグしなきゃ……。

 

 

 

 




夢見コソコソ小話
轟家と交流
クソ不器用なりに家族に向き合い始めた轟炎司。
同じ父親の夢見直人に意見を求めたりするようになったとか。(同じ男親だからなんとか聞けた。なお適切な答えかは……)
母親同士はメル友でたまにお茶するくらいの間柄に。
子どもたちは互いの家に遊びに行ったり、(主に轟家)親子喧嘩の避難先になったりと比較的良好な交流になる。
この関係は三兄妹が欧州留学&ヒーロー活動開始後も続く。

炎司と夏雄
何を今更と反発したが、距離感とか摑みかねての反発に近い。
距離感間違えるクソ親父に反発しながらも互いの距離感を他の家族から見た炎司と同様に形成していくと思われる。
なお夏雄はヒーローとか全く考えてなくて、炎司も性格的に向いてないと思われてるので、進路については揉めることはなさそうである。

緑谷と麗日強化する代わりにティアキンガノンドロフが敵に参加するインフレは

  • かまわん、やれ
  • だめです
  • お茶子に英傑の加護渡すならあり
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。