夢見3兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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第3話 4歳のパーティーで出会った少女

――Side 夢見朧

 

夢見家と轟家の交流が始まりおよそ1年。

 

オレたちは4歳になった。

 

そんなある日。

 

「今夜はウチが主催するパーティーがあるから3人とも参加ね」

 

突然告げられた言葉に宇宙猫と化するオレたち三兄妹。

 

「突然が過ぎる!」

 

「何故今(幼稚園帰宅後)言った!?」

 

「うっかりが過ぎるかなって」

 

「子どもたちが辛辣!」

 

母さんはしょんぼりする。

 

「……壁の花になってられないかなぁ」

 

「お兄ちゃんに同じく」

 

「正直イオンたちから聞いてる限り、社交界とかに良い印象ないので……」

 

「大人から子どもに話しかけることはあまりないから、大丈夫なはずよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

と言うやり取りが有ったのが3時間前。

 

「ということでございまして! ぜひともお父上に我がリーヴェルト社の楽器の購入の口添えをしていただけないでしょうか!」

 

「いやいや、リーヴェルト社よりも安くて質の良いオーレリア社のモノを!」

 

「貴様のところはしょっちゅう壊れる安かろう悪かろうの典型例だろうが! 御子息殿! 我が鬼龍院の楽器なら丈夫で永く使える名品ですぞ!」

 

面倒な開催側挨拶を逃げ出したまでは良かったがムサいオッサンに囲まれ、アピール合戦に絶賛巻き込まれ中である。

 

「……」

 

オレは懐からある楽器を取り出してゼルダ世界のとあるリト族族の吟遊詩人が奏でる曲を演奏する。

 

「「「………」」」

 

歌のない明るさをもちながらも何処か影のある曲を2巡ほど奏でると、何処からともなく拍手された。

 

「流石夢見プロダクションの後継者候補だ」

 

「聞いたことない曲でしたな。もしや御子息の作曲した曲でしょうか」

 

「あの楽器は……コンサーティーナ……アコーディオンよりクセの強い楽器を使いこなすとは……」

 

ざわざわする中でオレは取り囲む3人に告げる。

 

「今の自分は、このコンサーティーナ以外違いがわからぬ若輩者。いずれ学んでいくでしょうが、今は皆さんの楽器の良さがわからぬ身。プレゼンは有り難いですが、やはり父にお願いいたします」

 

猫かぶってそう告げた。

 

「むむむ……ではいずれ」

 

「その時は触って確かめられるよう、実物を持っていますので!」

 

「その時はよしなに!」

 

大人3人はオレから父へとタゲを変更して突撃を敢行した。

 

「…せっかく出したし、なんか演奏してるか」

 

人生のメリーゴーランドあたりで良いか。

 

 

 

 

 

――Side 八百万百

 

私の家が出資している夢見プロダクションからパーティーのお誘いが来ました。

 

両親から主催も同い年の子どもたちを出すし、社交界デビューに丁度いいとのことで、参加しました。

 

両親と共に主催者である夢見の方々に挨拶したのですが、何故か養子入りした長男がしれっと何処かに逃げたとプロダクション社長の夢見直人さんが苦笑していました。

 

パーティーの主催側として挨拶もしないのは常識がないと思い、出会ったら一言言わねばとその時は思いました。

 

しかし――何処からともなく聞こえる変わった音色の演奏を聴いているうちに、その気がさっぱり失せてしまいました。

 

それよりこの演奏者の顔が見てみたい、そう思ったのです。

 

 

 

 

そこには天にも届くような大樹がありました。

 

 

 

いえ、コレは私の第一印象。

 

とても大きな存在感なのに、ただ穏やかにあり続ける様がそう錯覚させたのかもしれません。

 

自然体なその人に、私は魅入っていました。

 

私と歳も違わぬというのに、このような雰囲気を纏った人など、今まで見たことありません。

 

彼の手にある私が知らない楽器。

 

それを手繰り奏でる曲は言葉にできないモノを宿しているかのよう。

 

息をしていないことに途中で気がつくくらい、何もかも忘れていました。

 

 

 

余韻を残して終わる演奏。

 

ああ、終わってしまった……。

 

「……随分と聞き入ってたな」

 

幼い声にハッとする。

 

目の前には演奏していた人がこちらを観察するように見ていました。

 

「いけませんか!?」

 

「いや?むしろ音楽家冥利に尽きるってやつだ。……音楽は良い。時を超え、国境を超えて受け継がれていくからな」

 

なにか、もう届かないものに思いを馳せるような顔を彼はしばらくしていた。

 

「っと、自己紹介してなかった。夢見朧。夢見家の養子で、何処にでもいる音楽好きな遊び人だ」

 

 

 

 

 

――Side 夢見朧

 

「この年で遊び人を自称してて恥ずかしくありませんの?」

 

「老舗がやってきた涙ぐましい企業戦略を真っ向から否定してて悲しい」

 

八百万百の言葉にオレは肩を竦める。

 

「一体どういうことですの?」

 

「簡単なことだ。昔から生き残った老舗のうち、一族経営してるところはだいたい有能な人物が社長となると同時に一族に婿入りしている。そして経営等に向かない男子はドラ息子扱いしつつ金を使わせて文化のパトロンとして老舗へのコネを補強する役回りをしている」

 

いくつか例を挙げれば、聡い彼女は納得する。

 

「確かに婿養子というのは歴史を見ればよくあることですわね」

 

「戦国時代なんて、下手すりゃほぼほぼ他人を息子にして家督渡してるところもある。……話は逸れたが、まあ、オレに与えられた仕事はそういうドラ息子ポジってところだろうね」

 

「……その歳でそれだけ頭回る方が無能なんて考えられないのですが……」

 

「十で神童 十五で才子 二十過ぎれば只の人って言うからな」

 

「私たちまだ4つですわ」

 

「……いずれわかるさ」

 

「逃げましたわね」

 

「なんのことやら」

 

打てば響くとはこのことか。

 

幼いのにかなり聡い。

 

将来がアレなので子供の頃から頭回ると思っていたが……。

 

「さて、そろそろ名前を聞かせてもらっても?」

 

「! 私としたことが」

 

彼女はそう言って咳払いする。

 

「――私は八百万百。八百万家の一人娘でございますわ」

 

彼女はカーテンシーをしながら自己紹介。

 

 

 

コレが彼女との出会い。

 

 

音楽がもたらした出会いだった。

 




夢見コソコソ小話
サボりの代償
このあと挨拶サボったことをこってり絞られた。

夢見家の音楽事情
それぞれで好きな楽器が異なる
朧 コンサーティーナ、ピアノ系
綾 バイオリン、弦楽器系
奏 サクソフォン、クラリネット
紡 鉄琴、木琴
直人 ホルン、トランペット
世羅 チェロ、コントラバス

緑谷と麗日強化する代わりにティアキンガノンドロフが敵に参加するインフレは

  • かまわん、やれ
  • だめです
  • お茶子に英傑の加護渡すならあり
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