転生と狐と魔法少女   作:隣乃芝生

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大変遅くなりました。

社内の試験等でばたついておりました・・・


ではどうぞー


四人娘と周りの思惑

「フッフッフッフッ・・・」

 

 国際空港に一人の女性の笑い声が響き、周りの人々がサングラスを付け、高笑いを続ける一人の女性に目を向ける。

 

「見てなさいよ恭也!」

「忍!?周りの人が見てますから!」

 

 空港職員に注意を受けるまで彼女の高笑いは続いた。

 

 色々ありながらも彼女――月村忍とその妹すずかの使い魔リニスの二人が、懇意にしている古物商や美術商からの連絡を受けて北欧へと意気揚々に旅立ち、それから五日後。同空港にて。

 

「・・・・・・・・・・・・」

「忍・・・元気出してください。」

 

 ロビーに迎えが来るまで彼女は落ち込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、何で私が恭也さんと忍さん家に来てるんでしょーか?」

「何というか・・・ジルだと不安だしな。キャスターならガラクタ・・・もとい聖遺物かどうかを鑑定出来るだろ?」

「ぐすん・・・」

 

 後日、月村家の応接室に二人の男女がいた。言うまでもなく高町恭也とキャスターの二人である。

 目の前のテーブルには、ところ狭しと様々な箱やガラクタ、骨董品が並べられていた。それをキャスターは手に取り、

 

「まぁ、レプリカでもアサシンみたく召喚される場合が有りますから、相性とかの問題だと思いますけどねぇ・・・恭也さんの為にセイバー召喚する為の媒介を集めたけれど、結局自分に令呪が出なかったと・・・英霊召喚舐めてます?」

「ぐすっ・・・」

「やめてやれ・・・忍のライフはゼロだから。」

 

 向かい合うソファーの隅で体育座りしている忍に耳と尻尾を揺らしながら呆れたように話す。

 

「悪竜の鱗片に錆び付いたグラディウス・・・聖遺物ですね。血の付いた暴君の短刀・・・ポィッと。円卓の破片とかよく見つけましたね。それから聖旗片にマントの切れ端・・・何ですかこれ?大理石の斧剣・・・見なかった事にしましょう。あはは、どれもこれも一級の聖遺物なのに令呪が出ないとか。それから・・・」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!恭也ぁ!」

「内容は兎も角頑張った。頑張ったから泣くな。」

 

 傍らの段ボールに仕分けしていくキャスターの言葉にかなり参っていたのかマジ泣きする忍。

 

「というかですね。こんなの喚ばれた日には、キャスター的にマジ勝ち目無い云々以前に、町がヤバイんで止めていただけませんか?」

「ぐすん。腹立つから意地でも喚んでやるもん。」

「やめんか。」

 

 恭也に頭を叩かれようやっと普段の忍に戻る。それを呆れたように見ながらキャスターは作業を続けた。

 

「そもそも自分でサーヴァント召喚しなくとも、例えば・・・すずかちゃん辺りにして頂けば?」

「・・・あの子は、只でさえ普通と違う血筋のことを嫌ってるから、やらせたくないわよ。」

 

 一瞬、耳をピクリとさせながらも、作業の手を止めずにキャスターは話を続ける。

 

「そうですか。・・・随分と妹想いですねぇ。」

「勿論よ。大切な家族だもの。」

「そうですよね。私にもなのは様が居るので分かります。大切な方を思う気持ちは本当に。」

 

 軽く腕を伸ばして、少し冷めた紅茶に薄く紅を引いた口を付ける。

 

「そう言えば、すずかちゃんは今日はお出かけでしたか?」

「ええ、アリサちゃんの家に行ってるわ。」

「おや。なのは様とアサシンもお呼ばれしてましたけど何かあったんでしょうか?」

「何でもアリサちゃんが、この間怪我した猫を拾ったらしくてそのお見舞いらしいわ。」

 

 

 

 

 

「・・・所で忍さん?この異様にただっ黒いオーラの本は?」

「あ、それ骨董屋さんにオマケで貰ったの。何でもゾロアスター教の――」

 

 

 

 

 

 

 

 さて時は少々戻って場所は変わり、バニングス邸にて、

 

「元気ないね・・・」

「ずっとこの調子なのよ。時々魘されてるんだけど、どんな怖い目に遭ったのかしら・・・」

「かわいそうなの。」

「ひどいことするね。」

 

 アリサの部屋でなのはにすずか、ジルの4人が集まり籠の中で毛布に包まった2匹の猫を見守っていた。

 猫のあちらこちらに巻かれた包帯などの治療の跡が痛々しい。それを見て同情し、憤るアリサ。心配するなのは。悲しむすずか。取り敢えず友達を悲しませた犯人を探してヤル気マンマンのジル。

 

「猫ちゃん拾ったのは、例の事件の日だったんだよね?何か関係があるのかなぁ?」

「未だに原因が分からない大轟音に謎の未確認飛行物体でしょ?何か間違いだってニュースが流れてたけど、きっとこの海鳴で何かが起こってるのよ!」

「そうなのかなぁ・・・(ライダーとは関係無い・・・よね。多分・・・)」

「う~ん。」

 

 一旦、猫たちの籠から離れてオヤツが置かれたテーブルの席に座る。

 

「そもそも、あの猫の件もそうだけど、この海鳴市も私たちの通う学校も変な事件が多いのよ。」

「どんな事件なの?」

 

 ジュースのストローに口を付けながらなのはが尋ねた。

 

「購買の似非神父に聞いた話だから眉唾なんだけど・・・何でも私たちが学校に通う直前からなんだけどね。夜の学校に女の人の幽霊が現れるんですって。」

「にゃあ!おばけ!?」

「そうなの!?」

「ふーん。」

「?ジルはお化けとか平気なの?」

「うん。私たちがお化けをこわがるわけないもの。」

 

 いきなりの怪談に怖がっていたなのはだったが、ジルの言葉に自分のサーヴァントを思い出して気を取り直す。

 

(うん。キャスターさんとジルちゃんが居るから何があっても大丈夫・・・あれ?サーヴァントが霊体ってことは・・・お化けって本当に居るって事なの?)

 

「?何かなのはが百面相してるけど、まぁいいわ。それでねその女の人なんだけど、人間とは思えないような速さで学校を走ったり突然消えたりしたんだって。」

「本当に出たんだね。それで?」

「で、その幽霊は今も時々出てきてるんだけど、うちの学校であった怪奇現象が無くなるっていうの。もしかしたら学校中をその幽霊が除霊しているんじゃないかって。」

 

 話を聞いていた全員が首を傾げた。除霊をする幽霊というある意味自己否定する幽霊とは一体何なのか。

 

「変な幽霊さんだね。」

「でも助かったの。」

「そうよね。でその幽霊さんなんだけど、青い着物を着ていて狐の耳と尻尾が付いてるらしいの。」

「ぶっ!!?」

 

 ピンポイントで心当たりがあるなのはが、思わず飲んでいたジュースを噴出した。

 

「うわっ!?何すんのよなのは」

「な、なのはちゃん!?」

「おねぇちゃん、大丈夫?」

「ご、ごめんねアリサちゃん・・・げほっ、げほっ。」

 

 何とか落ち着いたなのはが謝り、続きを促す。

 

「うちの学校関連だとあとは、いじめっ子達が最近震え上がってる事とかかしら?」

「どうして?」

 

 学校のいじめっ子が大人しくなったなら良いことでは無いのだろうか?と疑問に思ったらしくすずかが尋ねる。

 

「それがね。いじめをしたら逆にボコボコにされるんだけど、確かに顔を見たはずなのにボコボコにした人の事だけを誰も覚えてないんですって。」

「なにそれ恐い。」

「・・・(ジルちゃん?)」

「・・・ぷぃっ」

 

 何故か気まずそうにジュースを飲みながらそっぽを向いたジルに嫌な予感を感じたなのはは、後でもう一人と共に話をしなければならないと決める。

 

「あとはそうね。パパに聞いたんだけどこの町で悪い事してた人達の拠点が吹き飛ばされたって話があるの。」

「ふ、吹き飛ばされた!?」

「ええそれでね。その犯人は、吹き飛ばした悪い人を証拠と一緒に頑丈なロープで縛り上げて行くらしいんだけど、悪い人たちが貯め込んでいたお金や宝石を根こそぎ略奪してるんだって。」

「さんぞくみたいね?」

 

 ジルの疑問にアリサが答える。

 

「ジル惜しいわ。何でも犯人は一人で、しかもかなり美人で、海賊の格好してるらしいわよ。で、この海賊さんなんだけど財宝だけが目的じゃないらしくて、他にも何か探してるらしいの。」

「美人の海賊さんかぁ・・・恐いけど会ってみたいね!」

「現代を生きる謎の女海賊って呼ばれて・・・すずか?何か顔が青くない?」

「すずかちゃん頭痛いの?」

「・・・どうしたのスズカ?」

 

 顔を青くして頭を抱えたすずかに気付いた3人が声を掛ける。

 

「大丈夫・・・ちょっと貧血起こしただけだから。」

 

 そう言えば最近やけに羽振りが良かったなぁ・・・と思いながら溜め息をつくすずか。帰ってから容疑者Rとどう話をしようかと悩む。そんなすずか達の様子に疑問を抱くアリサ。

 

「ねぇ、あんた達…何か隠してない?」

「隠してないよ!?」

「隠してないの!?」

「お菓子お代わり。」

「話を聞きなさいよジル!と、言うわけであの子達を怪我させた事件やこの海鳴のよくわからない事件の謎を解明すべく・・・」

 

 机の真ん中のお菓子を取り敢えず、ジルの前に寄せてから、机に『部活動申請用紙』を置いた。

 

「私達は、ここに聖祥小学校探偵部を設立するわ!」

 

「「はい?」」

「モグモグ・・・何をするの?」

 

 突然のアリサの行動に、思わず目を丸くする二人を置いて、ジルが尋ねる。

 

「具体的には、この海鳴の怪現象を調べるの。」

「あぶなくない?」

「大丈夫よ。ちゃんと男手も予定してるし。」

 

 部員欄を見ると『庶務』として、

『岸波伯野』

『岸波白野』

 と書かれていた。

 

「男の子は伯野君だけなの。」

「白野ちゃんは・・・確かに時々イケメンだけど・・・」

 

 そこまで言って、すずかはふとアリサの言葉に疑問を抱いた。

 

「アリサちゃん『予定』って?確か二人とも新聞部じゃなかった?」

「ああ、まだ聞いてないから。でも、新聞部には聞いてOK貰ってるから大丈夫よ。」

「うわぁ・・・」

「確かに二人とも断らなそうだけど・・・」

 

 用意周到な友人に呆れるなのはとすずか。よく見ると既に自分たちの名前も記入済みであった。

 

「(伯野君と一緒が良かったのかな?)」

「(・・・わざわざ自分で部活作って、引き抜いてまで一緒になりたかったんだね。)」

「(私たちはカモフラージュ?)」

「(うーん違うと思うよ?でも、もう周りにはアリサちゃんが・・・っていうのはバレバレなんだけどなぁ。)」

 

 ひそひそ話をするなのは達に怪訝な顔をするアリサ。

 

「何話してるのよ?」

「何でもないよ?頑張ろうねアリサちゃん!」

「何でもないの!頑張ろう!」

「何でもないよ?あと、お代わり。」

「食べるの早いわよ!?」

 

 ともかくもこうして、(約二名自分達の知らない所で)海鳴市の様々な謎を解明すべく、聖祥小学校探偵部なる物が組織されるのであった。

 

 

 そんな風に話し合ったり、猫を撫でたり名前を考えたりしていたとき、

 

「ん?」

「どうしたのよなのは?」

 

 なのはは自身の魔力がいつもよりかなり消費された事に気付いた。

 

「何でもないよ。」

 

 と、そこへなのはに電話が掛かってきた。

 

「もしもし?」

『あ、なのは様なのは様♪ご歓談中の所、申し訳ございません。貴女の愛妻、キャスターです。今よろしいですか?』

 

「・・・どうしたの?」

『おっと、愛妻とかはスルーですかなのは様。いえ、ちょっと炎天を連発したので・・・大丈夫でしたか?』

「何かあったの?」

『いえいえ、ちょっと海鳴市と周辺都市崩壊の危機を未然に防いだだけです。』

「本当に何があったの!?」

 

 予想の斜め上を行く事態のようだ。

 

 その声を聞いて、流石に周りがギョッとなる。

 その中の一人。すずかの頭に語りかけてくる声があった。

 

〈すずか・・・聴こえますか?〉

〈リニス!?何があったの?〉

 

 最近リニスから教えてもらった念話で、何が起こったのか尋ねる。

 

〈私は猫の集会で外にいたのですが・・・いきなり窓が開いたと思ったら、本の様なものが地面に投げ付けられてそれを追うように出てきたキャスターがその本を凄まじい魔力の炎で焼き尽くしてました。〉

 

〈それって・・・〉

〈ええ、昨日見かけた嫌な感じがする本で間違いなかったと思います。〉

〈お姉ちゃん・・・〉

 

〈今、外に追いかけてきた所を首根っこ掴まれて、地下に連行されてます。私は無実だ~と言ってますが…〉

〈たしか、ゾロアスター教関連だったよね・・・ギルティだよ!!〉

 

 と、なのはも会話を終えたらしく電話を暫く眺めた後、周りの友人達を見回す。

 

「・・・忍さんにお兄ちゃんやノエルさん達が、大事なお話するから、すずかちゃんは、今日私の家に泊まるようにって。」

「え~と。なのはちゃんお世話になります。」

「あ、いいな。私も行きたい。」

「お泊まり会?」

「準備しなきゃ!お母さんに連絡するね。」

 

 四人が準備や連絡の為に慌てて部屋を出ていく。

四人の賑やかな話し声が遠くに消えていった。

 

 

 

 

 その、誰も居なくなった部屋で、

 

「・・・起きてる?」

「うん。」

 

 二人の女性の声が聞こえた。

 

「まさかあの化物の攻撃で、死にかけた私達を拾ってくれたアリサちゃんの友達が、例の女の子だったとはね。」

「驚いたわね。それとあの姉妹のなのはちゃんだっけ?あの子も凄い魔力持ちよ。スカウトしたいくらい。」

 

 声は籠から聞こえた。

 

「でも、気付いたでしょ?妹だって言う女の子。」

「ええ、あの女と同じ感じがした。多分あの時聞いたサーヴァントってヤツよね。」

「でも、何かしら?アイツと違って何か・・・すごく嫌な感じがするのよ。」

「体が動くようになったら調べてみないとね。」

 

 先程まで目を閉じて眠っていた筈の猫達が、体を起こして人の言葉を話していた。

 

「この家を拠点として傷が癒え次第に、計画の障害となりうる存在を調査せよ・・・か。」

「お父様に顔向け出来ないわ。勝手に調査をして、二人揃って返り討ち。・・・大怪我して今や人型になることすら儘ならないなんて。」

「この世界では『好奇心猫を殺す』とか言うらしいわよロッテ。本当に死にかけたけど。」

「笑えないわよアリア。これじゃ計画所じゃないわ。」

 

 アリアと呼ばれた猫の自嘲するような言葉に、ロッテと呼ばれた猫が呆れたように応えた。

 

「兎に角、せめて歩けるようにならないとあの子の所に偵察にも行けないわ。」

「・・・でも、さ・・・もしまたアイツと出会ったら?」

 

 その言葉に何かを思い出したのか、二匹の体が小刻みに震え始める。

 

「それでも、お父様の悲願の為よ・・・」

「そんな事分かってるわよ。けど、私には正直アイツと出会って逃げ出さない自信がないわ・・・」

「・・・ええ、管理局で何度も新人がこうなるのを見てきたけど・・・まさか私達が、こうなるなんてね・・・」

 

 余程の恐怖を体と精神に刻まれたかのように震えながら二匹は続ける。

 

「取り敢えず、今は休むことよね。そして情報を集めなきゃ。」

「そうね。あの女の子達の事も、サーヴァントとか言う化物じみた使い魔の事も。」

 

 用意されていた水を舐め、キャットフードを少しばかり口にして二匹は再び目を閉じた。

 

 

 

 

 

「所で・・・このネームプレートは、どっちがどっちなのかしら?」

「『アリア社長』と『にゃんこ先生』?何かしら・・・雌猫的に不快な感じね。」

「何かのキャラクターの名前かしら?」

 

 後日。起き上がった二匹にそのキャラクターを見せた所、必死に飛び掛かられて名前を変更した金髪少女が一人居たとかいないとか。

 

 

 

 

 

 

 

「全く、忍さんにも困ったものですね。」

 

 月村家から帰宅するキャスター。たっぷりと諸悪の根源を拷m・・・もとい歴史教育をした帰りである。続きは恭也達に任せ、帰路につくキャスターの手の鞄にはすずかの荷物が入っている。

 

「さて、アリサちゃんも来ていますので急いで帰りませんと。」

 

 帰り道で夕飯の献立を思い浮かべながら、別な事も考えていた。

 

(しかし、忍さんもまた『大切な人の為なら嘘が付ける』方でしたか・・・恐らくはすずかちゃん辺りが・・・全く、どうしてこうなったんでしょうか。)

 

 思わず額に手をやり考え込む。

 

(いまだなのは様に話して無いなら、隠し通すつもり・・・血筋の事もそうですが、なのは様は気にされないと思いますけれど・・・それを告白されるにはまだ、勇気が足りないんでしょうねぇ。それと気になるのが・・・)

 

 気付かれないように後ろを見る。巧く姿を隠した山猫が見えた。

 

(先程からずっと後を付けてくる・・・明らかに只の山猫では無いですね・・・何者でしょうか?)

 

 攻撃しようかと思ったが、特に殺気を感じなかったので泳がせておく事にする。

 

「出来ることなら、なのは様と敵対しないで欲しいんですが・・・本当に・・・。」

 

 そうあって欲しいと切に願いながら、帰路を急ぐのであった。そして、

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 キャスターを尾行して観察するリニスもまた、考えを巡らしていた。

 

「・・・すずか・・・アレは本当に只のサーヴァントなんでしょうか・・・」

 

 動物を素体とした使い魔故に気付いた感覚。確かにライダーにも残った野性の感覚が警戒を促した。だけど・・・

 

「恐らく強さはライダーの方が上なのに、何でしょうか・・・」

 

――本能がアレはヤバイと告げている。

 

 足を止めて遠ざかるキャスターを見送る。

 

 突然現れた三体目、アサシンに恐い目に遭わされたらしいすずかを、安全が確認出来るまでは警護する為にライダーは、最近はすずかを霊体化して警護しつつ、空いた時間で願いを叶える本について調べている。リニス自身も町で本について調査したりすずかの警護を代わったりしながら日々を過ごす。

 最も最近は、すずかもアサシンに対して(少し余所余所しいが)普通に接しているようなので少しばかり安心してはいる。

 

「どうか・・・味方であれば心強いのですが・・・」

 

 今夜すずかが泊まると言う高町家を、キャスターとは別の道から目指して壁を走りながら山猫は呟くのであった。


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