芋者奮闘録   作:舞い降りるズゴック

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 あーじゃないこーじゃないって書き直し続けてる間に気づいたら評価バー赤くなってた件
 


候補その3:ビーム跳弾

「と、いうわけで機体に傷が残ってるんだよ」

 

 

「な、なるほど。私が留守にしている間にそのようなことが……」

 

 

 イギリスから帰省して間もないセシリアを捕まえてアリーナへと連れ込んだところ、芋者の胸部装甲に大きな傷がついていることに驚いたセシリアに経緯を説明した。

 装甲が特殊なのもあって、俺の腕とIS学園の設備じゃ内部パーツの修復が精一杯だった。あとは金属板ベタッとくっつけての応急処置だ。

 

 

「そういうことだから、しばらく模擬戦は禁止で射撃訓練の時だけ引っ張り出すようにしてる」

 

 

「私にお呼びがかかったのはそういうことでしたのね。いいでしょう、このセシリア・オルコットが完璧に指導して差し上げますわ!」

 

 

「あ、いや。訓練っちゃ訓練だけど、ちょっと方向性違うんだよ」

 

 

 意気揚々としてるところ悪いが、ここで止めないと数十分ほどセシリアの射撃講座に付き合わされる。細かい数値まで入ってくるから教わる側も大変なのだ。

 伝わりにくいという意味では箒や鈴と同レベルである。アイツらは逆に擬音使いまくったり感覚とか言い出すけど。

 

 アリーナ上空にホログラムの的を3つ程出現させ、ライフルとシールドブーメランで3つの内両端の2つを貫く。

 残る最後のターゲットだが、シールドはその場で滞空させ、ライフルの照準はその静止したシールド(・・・・・・・・)に合わせた。そのままライフルの引き金を引くと、当然ビームはシールドへ向かい、一瞬の光と共に消滅してしまう。

 

 

「狙いが外れた……わけではなさそうですね。何をしようとなさったのかしら?」

 

 

「えっと、俺がいつも使ってる盾、ビームにはめっぽう強くてさ。それを利用してビームを弾かせて曲げられないかと思ったんだ」

 

 

 そう、これはシン・アスカがフリーダムガンダムを堕とす際に使用した超絶変態技巧を再現するための特訓だ。盾の投擲+ビームによる追撃、この二段構えの攻撃は意表を突きやすいし応用も効く。

 本家では投げた盾にベストなタイミングでビームを当てるという難度の高い技であるが、芋者の場合は盾そのものの攻撃力と速度が高く、飛ばしたあとの調整も可能ではあるのでより簡単にはなっている…………ハズなのだが。

 

 

「あとはビームの出力と盾で反射できる角度の調整なんだけど、ビットみたいに細かい指示はできないし、実戦で一々調整してたら隙だらけだしなぁ……」

 

 

 確かに難度は下がっているが、それでも問題は残っている。盾の角度が悪ければ四方八方に飛び散るし、ライフルの火力が高すぎれば盾が押し負けて狙いがブレる可能性もある。

 そもそも材質云々の問題で反射などできない可能性だってある。

 

 

「というわけだから、セシリア。アレ撃ちまくってくれ」

 

 

「数打てば当たるという問題ではない気がしますが!?」

 

 

 なんにせよ試行回数は多い方がデータは取れる。それに、セシリアの武装は俺のビームライフルより絶妙に出力が上だったり下だったりするものもあるのでこれ以上ない適任だ。

 不満を口にしながらも、シールドブーメランの面へ射撃を行うセシリア。その精密さはISのセンサー越しでもなければ伝わらない。同じ箇所に命中させていると思えばミリ単位でズレてたり、ビットを素早く移動させて角度や距離を調整していたりと練度の高さが伝わる。

 しかし、それだけ正確な射撃を持ってしてもビームの反射現象は起きなかった。

 

 

「やっぱそう簡単には行かないか……」

 

 

「全くですわ。そもそも盾でビームを曲げるなんて発想がよく出ましたわね。私ですらBT偏光制御射撃(フレキシブル)は修得できてはいないというのに」

 

 

「ふ、フレ……なんだって?」

 

 

「あら、ご存知なくて?確かにこの技術はBT兵装あってのものですけど、そこから着想を得たのではなかったのですね」

 

 

 セシリア曰く、フレキシブルとやらは高いBT適正のある操縦者がBT兵器の稼働率を最大にすることにより、精神感応でビームの軌道を自在に操作できる技術らしい。

 確かにやってることは盾を絡めてのビーム跳弾より遥かに実用的だ。セシリアでも使いこなすことはできないという難易度を除けば。それにしてもなるほど、自分の意志一つで曲げることができるのか。

 

 もちろんBT兵器なんてもの芋者にはないのでフレキシブルなどできっこないのだが、なんとなく一発撃ってみた。ビームが盾に命中。

 

 

「あ」

 

 

「は?」

 

 

 そして曲がった(・・・・・・・)

 

 

「おー、すげー。曲がる曲がる。見てよセシリア、できるようになった」

 

 

「納得いきませんわッ!!!!!」

 

 

 何度も撃って成功したことを確認する俺に対し、セシリアはどこかデジャブを感じるセリフと共に掴みかかる。

 言いたいことはわかる。自分がアレだけ試したのに次の瞬間には頼んできたヤツが成功させてるのだ。逆の立場だったら俺でも詰め寄ると思う。

 

 

「私の努力は一体なんでしたの!?しかもそんな雑な撃ち方で!!もしや揶揄っていましたの?未だにBT偏光制御射撃を使えない私を微笑うために無知なフリをしていましたの?」

 

 

「いやその、曲がれって頭に浮かべながら撃ったら成功しただけで別にそんなつもりは…………あの、セシリアさん。レーザーはマズイです。ほら、俺のIS一応修繕中。そんなチャージしたもの当たったらタダじゃ済まな」

 

 

「問答無用ですわ!!」

 

 

 こうしてビーム跳弾を修得した俺は、息つく暇もなく弾幕回避の訓練を強制された。

 

 後日、セシリアはフレキシブル修得に更に力を入れるようになったとか。




 本家芋者がビーム跳弾できるかは知らないけど、パイロットがパイロットだからできそうの精神で強行しました。そのためのご都合主義タグ。
 次の次ぐらいの話で別キャラ視点か福音戦みたいな過去回想を予定してます。
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