芋者奮闘録 作:舞い降りるズゴック
待ちに待った学園祭。イベント毎に外部から客が来ることは珍しくはないが、今回は一般客も訪れている。もちろん招待制ではあるが。
そんな人々をもてなすために、我らが一年一組が企画したのは……。
「いらっしゃいませご主人様♡」
「ど、どうも」
「いらっしゃいま……って、弾じゃないか!よく来たな!」
「おぉ、一夏!なんだお前、燕尾服着てんのか?」
今回の客はなんと中学時代の親友、
とはいえ、流石に女装させるわけにも行かず(一部推進派がいたが鎮圧された)、一夏は執事役をやることになったのだ。
「まぁな。あ、そうだ。飛鳥、こっち来てくれ!」
「どうした一夏、ってなんだ弾か」
「おいなんだとはなんだこの野郎」
一夏に呼ばれて持ち場から離れてくると、そこには懐かしき赤髪バンダナの姿があった。
「で、どんな気分だ?メイド喫茶に来て野郎二人に接客されるのは」
「た、確かにッ!!せっかくメイドさんいるのでなんで執事に接待されなきゃ……ん?し、しつ……?おい一夏、
「今更かよ……」
俺の服装をマジマジと見る弾。一夏の格好と比較すれば、燕尾はないし、なんかグラサンかけてるしで、執事にしてはイカつさを感じるものである。
「あぁ、俺ボディガード役だからな」
「……なんで?」
そう、一夏の服装論争が始まる中、俺だけ第三の選択肢出てきて満場一致で決まったのである。しかもメイド喫茶発案者の
もちろん理由は聞いてみたが、
『執事をするにはバイオレンスさが勝つ』
『対面に座られたら複数のビーム刃が脳をよぎる』
『女装の素質はある。でもあるだけ』など。
……いやそれほぼIS乗ってる時のイメージじゃん。
「まぁ、警察の世話になる前にストップ掛けてやるから安心しろ」
「ストップの掛け方によっては警察の世話になった方がマシじゃねぇかな?」
その後、何事もなくメイド喫茶を後にした弾を見送り、制服に着替えた俺は一旦現場を抜けることにした。
……そろそろ約束の時間だ。
「すまない、待たせたな飛鳥」
「明日葉さん!それに……」
「息災のようだな、飛鳥くん」
「………お久しぶりです。戸高さん」
壮年の男性を連れた金髪の女性と握手する。女性の方はコンパスの広報を務める
……口には出せないが、戸高さんはもう一人の親と言っても過言ではないほど世話になった人物だ。今はコンパスで警備員をやっているらしい。
「……明日葉さんに便乗する形にはなってしまったがね。会えてよかった」
「とんでもない、誘ったのは私の方なのですから。…………まぁ、積もる話もあるだろう。私の事は気にしなくていいから、案内してやれ」
「……わかりました」
明日葉さんの言葉に頷きながら、先程手を合わせた時に渡されたものを芋者の拡張領域内に収納する。恐らくこれで明日葉さんがIS学園に来た目的は果たされたのだろう。
あれから戸高さんと明日葉さんと一緒に、鈴がいる二組の中華料理を堪能したり、剣道部や茶道部を訪れた。あと弾が生徒会の人と良い雰囲気になってたのを陰から見てたりもした。
そろそろ生徒会のイベントも近くなってきたので一旦二人とは別れ、人気のないルートを通って目的地へ向かうところだ。
「……明日葉さんが渡してきたのは、データか?暗号化されてるな。えーと内容は…………ッ!!?」
「失礼、進藤飛鳥君だね?」
後ろから声を掛けられると同時にディスプレイを閉じる。内容が内容だったので見られては不味かったが……。
「驚かせてすまない。なにしろ、世界に二人しかいない男性操縦者の姿が見えたものでね」
謝罪の言葉と共に名刺を渡される。どうやら文章は見られなかったらしい。
「それはどうも。でも商談なら、俺より一夏の方が都合良いと思いますよ?」
「……一理あるな。彼は明確に所属している組織はないし、なによりあのブリュンヒルデの弟だ。注目を集めるのも無理はない」
まぁ、俺は既にコンパスに所属しているし、どこぞの著名人と繋がりがあるわけでもない。IS界隈からしてみれば本当にポッと出の一般人でしかない。
「だからといって、君の評価が下がるわけではないだろう?
「…………そうですか、ならそれに応えられるよう精進していきますよ」
「皮肉や冗談で言ったつもりはないのだがね……。まぁ、今回は直に君の人となりを知れただけ良しとしよう」
また会おう、と残して去っていった。正直気にはなるが、そろそろ行かなければ生徒会の手伝いに間に合わない。
手に持った名刺をしまってステージへと急ぐ。
(名刺にあった名前は……キィノ・レバードだったか。一応覚えておこう)
早足展開な気はしますが、そうでもしないとグダリそうで怖かった……!
次回、芋者の新シルエット登場します。ただ今の段階だと全部このシルエットでいいじゃんってなるような性能してるので必死にデバフ考えてます()