芋者奮闘録   作:舞い降りるズゴック

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 文面で説明してるだけだとどれにどの武装があるのか把握しにくいので、もう一つのシルエットが出たタイミングでまとめていきたいと思ってる。

 


自由の翼はまだ遠く

「飛鳥!……お前、なんか武器変わってないか?」

 

 

「一夏!?他のヤツはどうした!」

 

 

 IS学園上空へ現れた一夏。そうなると、最初に一夏を襲った敵の現状が気になる。まさかとは思うが、そのままにしてきたわけじゃないだろうな。

 

 

「まだステージに残ってる。でも、みんながなんとかしてくれてるみたいだ」

 

 

 センサー越しにステージを見ると、そこには蜘蛛のようなIS『アラクネ』をAICで捕らえているラウラと、それを更に包囲する箒とシャルロットの姿が。

 ……一瞬生徒会長がこっちに手を伸ばしてるのが見えたが、コイツ静止されたのを振り切ったな?

 

 

「……敵はお前が狙ってるヤツだけじゃないぞ」

 

 

「わかってる、だから任せた」

 

 

「言われなくとも!!」

 

 

 少ないやり取りと互いの意図を汲み取り、俺と一夏は同時にその場を離れる。先程までいた場所にビームが降り注いだが、俺は勢いそのままにライジング・フリーダムとのタイマンに持ち込んだ。

 

 

「ソイツで暴れられるのはいい気分じゃない。止めさせてもらう!」

 

 

 プラズマ収束ビーム砲『アムフォルタス』と、その同軸に配備されたビーム砲『スーパーフォルティス』を撃ち込む。

 アムフォルタスは、ライジング・フリーダムの翼にあるシュトルムスヴァーハーとほぼ同じ性質の太いビームを放つことができ、スーパーフォルティスは連射性に優れた小回りの効くビーム武装となっている。

 そこに元々装備していた高エネルギービームライフルを合わせることで、フリーダム程ではないが5つの砲門による弾幕を張ることが可能となっている。

 

 

(ちょっと換装しただけでこの違い、シルエットシステム恐るべしだな。でも、それ以上にアイツの技量が高い……!)

 

 

 セイバーシルエットを初めて使うにしても、飛鳥の射撃の腕が低いわけではない。しかし、十分に動かせていたとしても恐らくあのフリーダムは倒せないだろう。

 フリーダムのパイロットはこちらの動きに合わせて射撃間隔や間合いを図って立ち回っているのだ。実力はもちろん、代表候補生レベルは余裕で超えていると見ていい。

 一夏と合流する以前、交戦を開始した時からずっと同じ対応をされている。

 

 

(いや待て、装備が変わった今でも同じ対応だと(・・・・・・)?)

 

 

 初手で一夏のみを狙ったのであれば、襲撃に来た目的は白式の強奪ということで納得はした。だが問題はその後の対応、特にフリーダムの動きに違和感がある。

 

 襲撃に踏み切ったのであれば、もちろん敵の戦力は把握してあるだろう。公式な記録だけでも俺の戦いを知っているなら近接拒否は正解だ。

 今のジャスティスの状態も強力な射撃武器を持ちながら、ブーメランやカルキトラなどの主力武装が残ったままなのでどの間合いでも高火力が飛んでくるのは変わらない。

 ただ、それにしてもフリーダムは異様に近づいてこない。一夏が戦っているアラクネやサイレント・ゼフィルスですら接近戦はしているというのに。というか、一撃必殺持ちの白式の方こそ近接戦を行うべきではないだろうか。

 

 

(近づいてこないフリーダム、それと撃ち合えるだけの射程と威力を持った射撃武装……賭けに出るか?)

 

 

 視界の端で一夏がサイレント・ゼフィルスに大きく飛ばされたのを見て、俺は敢えてフリーダムから距離を取り、セイバーシルエットの持つアムフォルタスの砲身を向ける。

 その狙いはサイレント・ゼフィルスの進行方向。仲間であろうアラクネを助けに行くだろうと読んでの妨害だ。

 

 

「……チッ、想定より抑えられている(・・・・・・・・・・・)と思えばこれか」

 

 

「おいおい、警戒するのはいいが過大評価じゃないか?今お前が吹っ飛ばしたヤツ(織斑一夏)に負け越してるレベルだぞ俺は!」

 

 

 やはり、あのフリーダムの目的は俺を釘付けにすることか。同じ製作元のISであることからデータを知り過ぎていることや、あわよくば奪還を狙う動きをすると読んでの役割か。

 さらに近接主体のジャスティス相手なら射撃を絡めて間合いを取り続ければ、事が終わるまで安全に対処できるという筋書きだったのだろう。サイレント・ゼフィルスがわざわざ俺のビームライフルを破壊したのもそれが原因か。

 

 そうなると、セイバーシルエットの存在は完全に想定外。サイレント・ゼフィルスの邪魔をしたことで、後方からフリーダムが一気に距離を詰めてきているのが何よりの証拠だ。

 

 

「やっと近づいてきたな!てっきり撃つことしか取り柄がないのかとっ!」

 

 

 突き出されたビームサーベルをセイバーシルエットに備えつけられていた『空力防盾』で防ぐ。同じく、カウンターで放っていたビームブーメランによる斬撃も、フリーダムのシールドブーメランによって防がれてしまった。

 その隙にサイレント・ゼフィルスはアラクネとそれを取り囲む専用機持ちのいるステージ上へと向かった。

 

 

「ぐっ……!そう上手くいかないか……!」

 

 

 サイレント・ゼフィルスを逃し、残るフリーダムとの鍔迫り合い。当然カルキトラによる攻撃で不意の一撃を狙う。それを読み切ったのか、フリーダムは即座に盾を放し、腰部アーマーに装備されたもう一本のビームサーベルを片手で抜き放つ。一瞬拮抗したが、脚部スラスターによる後押しでカルキトラの勢いは増し、フリーダムのビームサーベルを見事に弾いた。

 その次の瞬間、強い衝撃が俺を襲った。距離を離していくフリーダムからは、白い煙を放つ銃身が見えた。恐らく、ビームサーベルと同時にレールガンを起動させていたのだろう。押し負けることを承知で次の手を打っていた。

 

 

「っ!逃すかぁ!!」

 

 

 こちらが体勢を整える前に、フリーダムはMA形態へと移行し、撤退していく。こちらもMA形態となって大小混ざったビームと機首のバルカン砲『ピクウス』による弾幕で撃墜を試みる。

 元になったセイバーも可変機構があるためMA形態になれはしたが、空気抵抗の関係で以前ほどの速度が出せず、フリーダムがこちらの有効射程から脱するのはそう難しいことではなかった。

 

 これ以上の追跡は無理だと判断して他の専用機持ち達の元へ戻ると、どうやらサイレント・ゼフィルスによってアラクネが解放されてしまい、自爆でもしたのか大きな煙が残っていた。不幸中の幸いというべきか、怪我人はいないようだ。

 結果として防衛は成功、こちら側の勝利ではある。だが、それ以上に実力差があったのは否めない。また襲撃されることを考えると、俺たちはより一層腕を磨く必要があるだろう。

 

 こうしたアクシデントがあったものの、IS学園の学園祭は無事幕を閉じた。

 それと一夏の王冠(相部屋権)だが、更織生徒会長がどさくさに紛れて頂戴していたらしい。特訓期間中もそうだったが、またしばらく一夏の部屋には迂闊に近づけなさそうだ。




 セイバー対フリーダムとはいえ、初登場補正ある状態でバラしたら不遇通り越して冷遇なので"今回は"普通に活躍してもらいました。
 次回からはまた武装や戦術などの模索回に入ります。キャノンボールファストはさらっと流して専用機タッグマッチ行くかもしれない。
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