芋者奮闘録   作:舞い降りるズゴック

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 どうしよう、完結までの構成が納得いくものできたせいで筆が止まらない。

 


逃れられぬ呪縛

 さて、諸事情でIS未所持な状態なのだが、俺だって人間だ。脳や心臓を破壊されたり、血が沢山流れれば普通に死ぬ。つまりこの迫り来る凶弾一発でも俺の命を奪うには充分なのだ。

 

 

「飛鳥ッ!!」

 

 

「…………は、はは、俺、生きてる?」

 

 

 へたり込む俺に一夏が駆け寄る。結論からいうと、銃弾は当たらなかった。もちろん外れたわけではない、完璧に直撃コースだ。一夏が助けに入ったとしてもこの距離では間に合うとは思えない。

 だから俺を救ったのは、空から降ってきた一筋の光だったのだろう。

 

 

「……何故ここにいる、フリーダム(・・・・・)!」

 

 

「…………」

 

 

 俺達の前に降り立つライジング・フリーダム。先程放たれたビームはジャスティスにも搭載されている高エネルギービームライフルのものであり、小さな銃弾なら一瞬で溶かせる。

 銃弾そのものに当てなくても進行ルートに撃ち込めれば防ぐことはできるのだが、それを俺に被害が及ばぬよう行う技量は末恐ろしい。

 フリーダムはマドカに向けてビームライフルの照準を合わせる。

 

 

「仲間割れか……?」

 

 

「チッ…………まぁいい。今回は見逃してやる」

 

 

 マドカはサイレント・ゼフィルスを展開し、その場から飛び去る。残されたのは俺と一夏、そしてライジング・フリーダム。

 フリーダムの行動は俺を助けるためと見て間違いないだろう。だが、それでこちらに危害を加えないことの証明にはならない。白式を纏った一夏が、俺を庇うように立ち塞がる。

 

 

「……飛鳥を助けたのは感謝する。でも、お前が俺の仲間を傷つけたのも事実だ。これ以上何かするっていうのなら、俺が相手に……!」

 

 

「嫁、飛鳥!無事か!?」

 

 

 一夏とフリーダムが睨みあっていると、ラウラがこちらへ向かってくるのが見えた。

 

 

「…………」

 

 

 フリーダムは最後まで何も語らず、飛び去っていった。

 

 

「今のは……フリーダムか!?何をされた?」

 

 

「いや、その、話せば複雑になるんだけど……」

 

 

 一夏がラウラに今起こったことを伝える中、俺はフリーダムのことで頭がいっぱいだった。

 

 

(フリーダム、まさか俺の知ってるヤツが乗ってるとか……。いや、考えすぎか。助けてもらえるような縁に、もう心当たりはないしな)

 

 

 思考を中断して一夏とラウラの元へ行く。ただ、どこも撃たれてないか確認するのに服全部脱がそうとするのやめて。風邪引くから。

 

 

 

 

 

「やっぱりおかしいですよ!なんで進藤くんがこんな……」

 

 

「……世間の反発もある。受け入れるしかありませんよ、山田先生」

 

 

 キャノンボールファスト中に起きた、亡国機業による襲撃事件。多くの一般客がいる場で行われたそれは、多くの影響を及ぼした。

 その一つとして、複数の専用機持ちを相手に圧倒的な制圧力を見せたフリーダム。その攻撃にジャスティスが晒されなかったことで、進藤飛鳥を不信に思う声は大きくなっていた。

 

 

「しかし、襲撃事件のあった日にISを押収するとは、いくらなんでも手が早すぎる」

 

 

「やはり、何か裏があると?」

 

 

「……介入はあっただろうな」

 

 

 ISを使った大体的な活動の規制。これが今まで飛鳥に下されていた処罰内容であったが、これ以上の厳罰を様々な機関から提示されていた。

 飛鳥を取り巻く環境に、織斑千冬は頭を抱える。

 

 

(ヤツの境遇を考えれば、批判どころか庇護される立場だというのに。……これもISを世に広めた私の責任か)

 

 

 

 

 

「察しはついているが、敢えて聞こう。何用かね?」

 

 

 拳銃を向けられた状態で余裕綽々と応答する。その部屋は本や資料で埋め尽くされた棚に、デスクワークとソファもある。唯一存在する窓から見える景色は、この一室が高層にあることを示している。

 

 

「……向こうの任務はISの強奪が主軸と聞いてます。でも、今回は明らかに狙いが違った。これをどう説明するんです?」

 

 

「それに関しては、個人の暴走……と言いたいところだが、私が焚き付けた(・・・・・・・)形にはなるな」

 

 

 撃鉄を起こす。次の言葉次第では脅しの範疇ではなくなるだろう。

 

 

「これは試練だよ。進藤飛鳥が私の期待通りの人物であるかのね。そして、私の目は正しかったことが証明された」

 

 

 それに、と区切って椅子から立ち上がる。

 

 

「事前に彼の動きを伝えたからこそ、君は彼を守ることができた。そうだね?」

 

 

「…………」

 

 

 銃口が下を向く。少なくとも、この場で流血沙汰になることは無くなっただろう。

 

 

「安心したまえ、私の目的は君の妨げにはならない。……彼を、進藤飛鳥を救いたいのだろう(・・・・・・・・・・・・・)?」

 

 

「……そのためなら、私はなんでもしますよ」

 

 

 先程まで銃口を向けていた少女、フリーダムの操縦者の瞳には暗く、強い決意が宿っていた。

 

 

「さて、今回の件で進藤飛鳥には更なる枷がかけられるが、そうだな…………そろそろ本腰を入れるべきか」

 

 

 デスクから一枚の資料を取り、キィノ・レバードは静かに笑みを浮かべる。

 その資料の中には、次のワードが記されていた。

 

 

 

 

 

 『イージスシルエット』




 ひとまず全体を見直す意味でも、次の投稿は間を空けようと思います。
 ここから飛鳥周りの描写増やす都合上、原作キャラから見た飛鳥の話も挟みたいところ。
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