芋者奮闘録   作:舞い降りるズゴック

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 心なしかIS×ガンダムものの二次創作が増えてきて嬉しかったりする。ウチはほぼ芋者一筋で書かせてもらってるので、すんごい新鮮な気分になれます。もっと増えろ(強欲)

 


姿隠して角隠さず

「…………進路クリア、と。拍子抜けだな」

 

 

 人気のない通路だが、油断はできない。なるべく音を立てないように、廊下を突き進んでいく。

 俺は今、アメリカが保有する秘匿空母の中に潜入している。なぜそんなところに?と言われても、運が悪かったとしか言いようがない。その場で通信を聞いてしまったというのもあるし、なにより頼みを断りきれなかった。そいつ(・・・)は準備を整えてからいくとのことで、俺は『とっておき(・・・・・)』を引っ張り出してまで急ぎこの船へと乗り込んだのだ。

 

 

(……芋者普通に使ってたら、お偉いさんにいちゃもん付けられるからな。戦闘するにしても、ダメージは最小限に抑えないと)

 

 

 芋者の行動は、半ば監視されている。もしアメリカ保有のこの船で問題を起こそうものなら、社会的に抹殺されかねない。そうならないためのこの『とっておき』だ。うっかり壊さないようにしたい。

 

 

(しかし……狭いっ!!量子化できないとはいえ、これは……!)

 

 

 『とっておき』の都合上、ISを展開したまま進んでいるのだが、下手をすれば壁に機体がぶつかりそうだ。使い慣れてない分、緊張が抜けない状態で船の内部を進まなければならなかった。

 

 

「……ん?なんだこの破壊お」

 

 

 段々と近づいてきた豪快な破壊音と共に壁がぶち抜かれ、ISが目の前を通過した。あまりの突然な出来事に心臓が止まりかけた。文字通り一歩間違えれば激突してたのだ。それも恐らく瞬時加速と同等のスピードで。

 穴の空いた壁を戻るように、先程のISがもう一度目の前を横切る。間違いない、あれはアメリカ代表(・・・・・・)のイーリス・コーリング。そして専用ISの『ファング・クエイク』だ。ここはアメリカの保有する秘匿艦、いてもなんらおかしくはない。

 恐る恐る空いた壁を辿ってみると、そこにはイーリス・コーリングの猛攻を必死に対処する一夏の姿が。

 

 

(なんでアメリカ代表と戦ってるんだよアイツは……楯無さんは、いない?)

 

 

 相手は代表、それこそ楯無さんと同格なのだが、その当人がいないとなると……なるほど、囮にされたか。しかし逆に捨て置かれたということは、一夏の実力でも目的達成の時間までは耐えれると判断してのことだろう。

 だが、ここで友人を捨て置くほど俺もドライじゃない。リスクを冒してでも助け舟を出すことにした。

 

 

「オッラァァ!………ッ!?」

 

 

「うおっ!?な、なんだ?ビーム攻撃?」

 

 

「……テメェら、二人だけじゃねぇのか?」

 

 

「いやいやいや、そんなわけ……!でも、一体誰が?」

 

 

 どこからともなく放たれた第三者からの攻撃。少なくとも頓着状態にはできるはずだ。そして、その第三者としてビームを撃った俺は、急いでその場から去っていた。穴だらけの通路で逃走経路が悟られないことを祈ろう。

 

 しばらく進んでいると、今度は楯無さんを遠目に見つけることができた。どうやら、セントラル・ルームの電子端末にハッキングを仕掛けているようだ。情報はディスプレイに表示されているようなので、俺は『とっておき』による探査性能を持って覗き見ることにした。

 

 

(スコール・ミューゼル……確か、亡国企業の実働部隊『モノクローム・アバター』のリーダーか)

 

 

 思い起こされるのは、オータムのアラクネ、織斑マドカのサイレント・ゼフィルス、そして未だに謎の多いライジング・フリーダム。

 このうちオータムとマドカはモノクローム・アバターと見ていいだろう。というのも、逆にライジング・フリーダム側の情報が無さすぎるからだ。いくら楯無さんといえど、いきなりリーダー格を割り出すのは難しい話だろう。必然的にオータムとマドカの上には、スコールがいると考えられる。

 

 

(死亡者リスト……スコールは十二年前に亡くなってる?つまり同名の別人か、あるいは…………ッ!?)

 

 

()見間違いか(・・・・・)?いや、まさか……」

 

 

 ディスプレイに映る様々な情報の中に、目を疑うワードがあった。だが、それについて思案することはできなかった。

 楯無さんの背後に火球がゆっくりと迫っていた。気づいてる様子はない。画面を食い入るように見ている。

 

 俺は飛び出して、その火球を掲げているIS『ゴールデン・ドーン』目掛けてビームを放った。

 

 

「「ッ!?」」

 

 

 ビームの発射音に、楯無さんとゴールデン・ドーンのパイロット、スコール・ミューゼルが反応する。ビームを撃ち込まれたスコールは火球を消して回避行動を取る。楯無さんは専用機であるミステリアス・レイディを纏って臨戦体制を取った。

 

 

「……てっきり一人かと思ったけど、IS学園には面白いものがあるのね。更織楯無さん?」

 

 

「スコール・ミューゼル!今度こそ逃がさない、と言いたいところだけど…………そこッ!姿を見せなさい!!」

 

 

 姿の見えない何者かに対し、ランス内蔵のガトリング砲による牽制が行われる。

 もう『ミラージュコロイド・ステルス』は意味を為さないだろう。俺は楯無さんの警告通り、姿を見せる。

 

 

「…………更織楯無さん?それは、その……IS、といっていいのかしら?」

 

 

「知らないわよ、こんなの……!?まさか、アナタたちの協力者(・・・)絡みじゃないでしょうね?」

 

 

 俺の『とっておき』がその姿を見せると同時に、シリアスな空気が困惑一色へと染まった。まぁ、俺も逆の立場ならめちゃくちゃ警戒するだろうな。

 頭に被さった『キャバリアーアイフリッド』を外すと、紫のモノアイと白いブレードアンテナが現れる。真っ赤な潜水服の様な謎の機体の登場に、戦慄が走る。

 

 俺の『とっておき』の正体、それは…………

 

 

 

 

 

 ズゴックだ。




 ギャグ回に使う予定だったのに真面目な場面で使用されることになったズゴックよ。どこから用意されたものか書くと察する人多そうなので、その辺りは次回明らかにしようと思います。タイトルがタイトルだから、あんまり意味なかった気がしなくもないですが。
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