らいぶ・ざ・ろっく 作:後藤のアトリエ
1:名無しのパリピ
演奏系動画投稿者ギターヒーローについて語るスレです。
基本的にギターヒーロー関係ならOK。
荒らしは即通報&NG設定。
みんな仲良く語りましょう。
次スレは>>950
******……
827:名無しのパリピ
次の配信いつだっけ
828:名無しのパリピ
>>827
次は土曜日だぞ
829:名無しのパリピ
>>828
サンクス
830:名無しのパリピ
最近は動画投稿頻度下がったなー
831:名無しのパリピ
学生ですし
832:名無しのパリピ
花の女子高生だぞ
833:名無しのパリピ
花……?
834:名無しのパリピ
パリピアフログラサン女子高生だろ! いい加減にしろ!
835:名無しのパリピ
草
836:名無しのパリピ
あんな女子高生がいてたまるか(実在
837:名無しのパリピ
ここ最近で1番のホラーだよ
838:名無しのパリピ
うーん、草
839:名無しのパリピ
やめろ、腹筋が筋肉痛になってしまう
840:名無しのパリピ
肥満じゃなくなっちゃうでしょうが!
841:名無しのパリピ
>>840
ならない定期(菓子つまみながら
842:名無しのパリピ
それは無い
843:名無しのパリピ
それはそう
844:名無しのパリピ
4月のこの時期は友人グループがだんだん固まってくるが……
845:名無しのパリピ
おいバカやめろ
846:名無しのパリピ
ヒーローちゃんは友達できたかなぁ!?
847:名無しのパリピ
>>846
……なんて奴だ、言いやがった
848:名無しのパリピ
とも……だち……?
849:名無しのパリピ
なんで友達になる必要があるんですか
850:名無しのパリピ
友達って料金払わないといけないんでしたっけ
851:名無しのパリピ
>>850
そうだぞ、1日1万円だ
852:名無しのパリピ
たっかライブハウス行くわ
853:名無しのパリピ
そのお金で飯食いに行くわ
854:名無しのパリピ
俺はスペチャに突っ込むぜ
855:名無しのパリピ
まあ次の配信は温かい目で見守ろう
856:名無しのパリピ
流石にかわいそうだからな
857:名無しのパリピ
大人しく「友達できた?」って聞くだけにしとく
858:名無しのパリピ
鬼で草
859:名無しのパリピ
「ゔっ」
860:名無しのパリピ
何の成果(友達)も得られませんでした……
861:名無しのパリピ
配信者として業界でも食っていけるからなっ!
友達なんていらんいらん
862:名無しのパリピ
まあオリジナル曲の再生数軒並み100万超えだもんなあ
863:名無しのパリピ
MVも未熟なところはあるけど独特なセンスでウケがいい
864:名無しのパリピ
なお本体は万年ピンクジャージ花?の女子高生
865:名無しのパリピ
声も壊れたラジオ
866:名無しのパリピ
>>865
1曲だけボーカルあるやつは結構いい感じだろっ!
……普段のはアレだけど
867:名無しのパリピ
普段(モスキート音)
868:名無しのパリピ
普段(黒板をひっかく声)
869:名無しのパリピ
マジで声帯どうなってんだろうな
870:名無しのパリピ
そろそろギターヒーローの生態を真面目に研究する人も出てきそうだな
871:名無しのパリピ
ついに学会デビューか
872:名無しのパリピ
飛躍し過ぎで草
873:名無しのパリピ
ギター買ったし、ギターヒーローの講座見まくるぜ
874:名無しのパリピ
>>873
よっ! 未来のギターヒーロー!
******……
――――in ライブハウス〚STARRY〛
「……いやぁ~今日もこないねえ」
「南無南無」
クールな出で立ちをしたミディアムボブヘアの少女は合掌した手をすり合わせて南無阿弥陀仏と唱える。
「まだ来ないと決まったわけじゃないからね!?」
金髪をサイドで一纏めにした少女が慣れたようにツッコむ。
「でも、ライブまであと1週間……」
「んぐっ」
一瞬、喉を詰まらせたような苦々しい表情になり、「なんとか来てくれないかなぁ」と呟く。
「連絡も取れないしねえ、ほんとにどうしよう」
「別のギタリストを探すしかないんじゃない」
「だよねえ」
ドラムスティックを置いて天井を見上げる。
「んしょ、ふぅ」
クール系少女、山田リョウが椅子へ腰を下ろす。
その時、彼女のポケットが振動する。
「ん、通知……あ、ギターヒーロー今から配信するんだ。虹夏、休憩しよう」
「見たいだけでしょ、まあ私も最近見れてなかったら見たいけど」
「じゃあ一緒にみよう」
小さく鼻息を荒くしする。
「……たまにはいっか」と山田リョウの隣へ椅子を持っていく。
スマートフォンの画面に〚配信開始までお待ち下さい〛と書かれたピンクでポップな絵が映る。
「リョウは最近ギターヒーローさんの配信ってよく見てるの?」
「見てる。特に先々週あたりからギター初心者にマンツーマンで教える配信がマイブーム」
「ずっとひとりだったけど他の人とちゃんと話せるんだね」
ナチュラルに毒を吐く金髪の少女、伊地知虹夏に戦慄く。
「……意外と辛辣」
「時々見てたけどさ~、心配だったんだよねえ。話せる人がいないのって、結構寂しいからさ」
(たしかにそうかもしれない)
山田リョウは内心、彼女と出会った時のことを思い出して薄く微笑んだ。
「お、始まるんじゃない?」
配信が始まる。
切り替わった画面には畳が敷き詰められた和室が映る。
「今日はカメラなんだ」
「どゆこと?」
「今月の配信は慣れないギター初心者と2人でやってたから、デフォルメキャラの画面と音声だけだった」
「へぇ~」
配信映像内のマイクに音声が乗る。
『……あっ、えと、声聞こえてますか』
【おk】
【おけおけ】
【オッケーです】
『聞こえてるみたいですね。じゃあまずはイントロから』
エフェクトのかかったギターの音が生ぬるい空気を突き抜けるように響く。
左手の精密な運指にリスナーたちは下を巻く。
毎度のことではあるものの、常に成長し続けるギターヒーローの上達ぶりが目と耳ですぐに分かるこの時間は大切だ。
「良い音」
「すごく上手いねえ」
配信のイントロが終わったところで、2人目が画面内に入ってくる。
『やっぱりヒーローちゃんはすっごく上手ね!』
『え? えへへぇ(いつも褒めてくれるすごく良い人ぉ)』
今までのギターヒーローの配信では考えられないほど明るい声が聞こえてくる。
『今日は通しで弾く練習よね?』
『あっ、はい……えと、
GOさん飲み込みが早いのでそろそろ通しで何度も弾きながら修正していく段階だと思います』
実際は配信外で何度も通しで練習しているが、配信では初めての通し練習だ。
【急に早口なったな】
【俺ら特有】
【わかる、わかるぞ】
【わかりみが深い】
【経験者だらけ】
【類は友を呼ぶ】
『練習する曲名は……』
GOと呼ばれた配信者の声を聞いて虹夏が呟く。
「なんかこのGOさんって人。喜多ちゃんと声似てない?」
「同じく似てるとは思ってた」
「だよねえ……ま、人違いか!」
まさか登録者数30万人のチャンネルに現在神出鬼没のギター担当がいるはずがない。
『……ですっ!』
GOが曲名を口にした瞬間、
「ねえリョウ! これ来週ライブでやる予定の曲だよ!」
「そうだけど、急にどうした」
まだ分からないのかと言わんばかりに虹夏は声を大にした。
「この声! 曲名! この子、喜多ちゃんだよ!」
「まさか」
そんなわけ、と山田リョウはここ最近の配信を振り返りつつ、自分たちの状況と照らし合わせる。
(……っ! もしも彼女がギター初心者だとしたらライブの合わせに来ないのも……)
ライブ経験者や数年練習している人と始めたての初心者では隔絶した差が存在する。
音楽に限らず、自分が全くできないと自覚しながらも人に言い出せないという事例はそう珍しくもない。
仮に喜多の状況がそうだとするのであれば、彼女が来ないという状況に合点がいく。
「弾けないなら弾けないって正直に「……4月の初めの頃は」リョウ?」
虹夏の言葉を遮る。
「4月の初めの頃はギターのギの字もしらない様子だった。
それがたった2週間で急激に上達していった」
――――そして、
『弾きます』
演奏が始まる。
たどたどしくも、左手の指はしっかりと必要な箇所を捉える。
弾くピックの動きも初心者特有の無駄な力は入っているものの、リズムと音を刻む。
「今日で、3週間目……なんだよね?」
虹夏は無意識で生唾を飲み込んだ。
「そう」
短く返事をして、配信画面を食い入るように見つめる。
以降、曲も終盤に入るが2人は音に耳を澄ませ、演奏が終わるまで無言になっていた。
『――――ふぅ』
【……88888】
【拍手!88888】
【すげぇ】
【ほんとに初心者か!?】
【教えがいいよ教えが】
【ギターヒーロー指導者適性:SSS】
【GOちゃんの飲み込みの早さもやばいよ】
【まだ3週間てマジ?】
『ありがとうございました!
今日は何回も通しで弾くので、引き続きよろしくお願いしますっ!』
笑顔が容易に想像できるくらいの明るい声で礼を述べる。
一方、〚STARRY〛にいる2人組はやる気に満ちていた。
「……よしっ! やっぱり今度の月曜に直接会いに行こう! リョウも!」
「えー」
「ちょ、そんな雰囲気じゃなかったでしょ今」
推定、喜多の成長ぶりを見てる熱く燃え上がる虹夏だが、山田リョウのマイペースは健在であった。
「お、ギターヒーロー講座始まった」
「リョウも「見ないの?」……あーもう! 私も見るよ!」
この日、2人はずっと配信を見ていたところを虹夏の姉、伊地知星歌に見られ「……お前らもか」とリアルリスナー仲間を増やしていた。