黒歴史回収の為にダンジョンに潜っていたら偉い事になった件について   作:カンさん

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黒歴史回収の為にダンジョンに潜っていたら偉い事になった件について

(あー……これは死んだな)

 

 約18年ぶりの死の予感に、思わず達観してしまう。

 

:うわああああああああ!!

:いやだいやだいやだいやだいやだ

:だから男がガチダンジョンに潜ったらダメなんだよ!

:Dtuberが◯ぬと聞いて

:お前が◯ね

 

 配信中に流れるコメントを見ると、リスナー……戦友達が絶望しているのが良く分かる。

 だからダンジョン入る前に何が起きるか分からないから覚悟して、と言ったのに……。

 でもまぁ古い人で3年前からオレのことを見てくれているから、心配だったのだろう。入る前にも沢山の人に「行かないで」「やめてくれ」と言っていたし。

 

 ……()()だからか、ボンヤリと余計な事を考えてしまう。思い出してしまう。

 流れていく血の流れがまるで残り時間のようなこの感覚。

 握っているのかどうか分からなくなっている剣。

 痛みが無くなり、何処か心地よく感じ、安心感すら覚える肉体。

 霞んでいく視界。朧気となる現実。届かなくなる夢と未来。

 そして、最期の最期に思い知らされる孤独感。

 

 ああ、()()()()()

 

 まさか二度目の人生で、こうして再びダンジョン最深部で死ぬ羽目になるとは思わなかった。

 

:誰か助けに行ける探索者居ないのか!?

:Dライブ公式が救助要請したって言ってる!

:『勇者』が今向かっているってモノログで言ってるけど、間に合うかどうか……

:センくん! 何とか生きて!

 

 意識が朦朧としていくなか、オレはどうしてこうなったのか……走馬灯の様に思い出していた。

 

 

 

 

 オレは一度死んで、そして新しく生まれ変わった。

 有識者曰く転生者と呼ばれる存在らしい。らしい、と何処か曖昧な言い方なのは基本的に創作上で扱われたりしており、実在しないと見られているからだ。

 オレの存在がその常識を覆したっぽいけど。

 

 オレ視点だと死んだと思ったら赤ん坊になってたんだけど、どうやら2000年先の未来に生まれたらしくて、その事を知った時は凄く驚いた。

 

 今世の親がダンジョン探索者だった事もあり、家に置いてあるマジックアイテムで調べる事ができた。母親が(父親は居ない。既に死んでるかも)子よりもダンジョン探索に熱中している人間だったから簡単に調べる事ができたのも大きい。

 

 2000年前と違って現代ではダンジョン探索はかなり安全かつ深い所まで探索ができる様になったらしい。それにより幾つかのダンジョンを完全攻略し、今では人の居住区として使われているとか。他にも医療用ダンジョン、娯楽ダンジョン、ダンジョンレストラン等々……。

 

 本当に変わったんだな……2000年前、少なくとも俺にとってはダンジョンは地上を地獄に変える災害としか見ていなかったのに、今では人の生活における基盤になっている。

 

 さらに2000年前と変わったと感じたのは男女の貞操観念だろうか。

 俺が生きていた時代では、ダンジョンの恩恵(呪い)により男性の身体能力が底上げされており、専ら発生したダンジョンの攻略対応をしていたのは男性だった。

 

 しかし俺が死んだ後に開発されたマジックアイテム『ダンジョンドライバー』により、ダンジョンの恩恵(呪い)が魔力保有率の底上げである女性の方が、男性よりも深く、安全に攻略できる様になったらしい。

 

 魔力で造られた仮初の肉体でダンジョンに潜り、その肉体が死んでもダンジョンドライバーに備え付けられた魔法により地上に帰還できる。

 とあるダンジョン探索者が発明したこのマジックアイテムにより、女性優位の世界となり、さらに男性ダンジョン探索者の死者が多かった事もあり、人口比率が女性に傾き――女性はダンジョン探索者になって世界を開拓し、男性はそれを支え、子種を捧げて次世代の探索者を増やすための存在となった。

 2000年の間で人口比率はある程度戻ったみたいだが、男女の貞操観念は逆転したままだった。だから、男性は何処か女性に媚びる者が多くて、2000年前の記憶を持つオレは戸惑う事が多かったりする。

 

 さて、世界が平和になり、かつて生きていた時代よりも複雑になったこの世界で、オレの二度目の人生はどうなるか……と、ある程度調べ終わった後に、自身の未来について想いを馳せていると──突然親に教会に置き去りにされた。

 

 オレが二度目の五歳児になった時の話である。

 

 どうやら普通の子どもと違って大人しすぎたのが気持ち悪かったようで捨てられてしまった。

 まぁ、人生二度目な上にネグレクトされていたので、悲しいとは思わなかった。

 しかし反省はしないといけない。子どもらしくないと排他されてしまう。

 だからオレは他人の前では親に捨てられて落ち込んでいる子どもを演じ、教会の神父様や同じように捨てられた子ども達からの同情を買いながら、大人しく過ごす事にした。

 

 それから数年経ち、育ててくれた教会の為に稼ごうと魔法インターネットで職を探していた時の事だ。教会に置かれた魔法TVで見覚えのある物が映り、思わず心臓が止まるかと思った。

 

 そこに映っていたのは2000年前に何度も見た物で、他の誰にも渡したくないと強く思った。

 ニュースを見る限り、ソレを見つけたダンジョン探索者は持ち帰る事ができずに撤退したらしい。そして後日再び探索するも見つからなかった、と。

 

 テレビのコメンテーターが残念そうにしながら解説をするが、オレは心底ホッとしていた。

 

 だって。

 

 何故ならば……!

 

 それ、前世のオレが遺した黒歴史なんですよ……。

 何が聖遺物じゃい! それただのオレの落書き帳!

 何か高名な学者が「これはダンジョン黎明期に起きた出来事について書かれてるに違いない」ってコメントしてたけど的外れ過ぎる!

 多分「ダンジョン暗いし寒いです、まる」くらいしか書いてないよ!

 早く全てを解明したいって? やめろ! 死ぬわ! 心が!

 何故ソレがあるのか。何故この時代にまだ遺っているのかは知らないがーーこの時だろう。

 オレがダンジョン探索者になろうと思ったのは。

 

 

 

 

 神父様に「ダンジョン探索者になりたい」と懇願するも、男がなれる訳がないと吐き捨てられてしまう。

 やはりそうか、とオレは頭を抱えそうになる。

 ダンジョン探索者になる為には『ダンジョンドライバー』を手に入れる必要があり、その為には試験に合格しないといけない。しかし、男がその試験を合格する事は不可能だと言われている。

 

 その理由は魔力不足。

 人間はダンジョンから恩恵(呪い)を受けている。男は身体能力の向上と魔力の獲得。女は魔力の獲得のみ。しかし、この魔力の獲得量が女性の方が圧倒的に多く、男性の倍以上を保有している。

 そして現代のダンジョンに入る際に使用を義務付けられている『ダンジョンドライバー』を起動するには男の魔力保有量では十分な効果を発揮する事ができない。

 

 ダンジョンドライバーを使うと、肉体が異次元空間に収納されて魔力で造られた仮初の肉体--魔力戦闘体を得る事が出来る。その肉体の身体能力は身体能力向上の恩恵を受けている男よりも強く、頑強で、足も速く、何よりも死んでも死なないのが特徴だ。

 

 魔力戦闘体が破壊された際、ダンジョン探索者は地上に転移される。ダンジョンドライバーの最大の利点だろう。これによりダンジョン攻略の効率が2000年前と比べ物にならない程に改善されていた。

 

 しかしこれだけ利便性があるという事は、それだけの魔力を使う。男の持つ魔力では魔力戦闘体を維持するだけで精いっぱいであり、戦闘をする為の魔力が残らないらしい。

 

 女性ならその豊潤な魔力で色んなスキルをセットして、ダンジョン探索を行う事ができるが……。

 

 故に男は絶対にダンジョン探索者になれない。それが今この世界の常識だ。

 

 しかしその常識に縛られていてはオレの目的は達成できない。

 どうしたものかと悩んでいたのだが……一人の女性が、オレの元に訪れた事により、活路を見出す事になる。

 

 その女性はオレの母親と知り合いらしい。所謂元同業者で、しつこくオレの母親との間に友好関係はないと言って来た。

 オレの元に訪れたのは、酒の席でオレを教会に捨てた事を言いふらしていたのを聞いて、どんな奴か見に来たとの事。

 

 ダンジョン探索者は性格クソな女しか居ないのか?

 

 しかし、彼女にとってオレは予想外の存在だったらしく、顔を合わせるなりスカウトしてきた。

 

 Dtuberに。

 

 Dtuberとは、魔法インターネットにある映像記録閲覧サイト『ダンジョンチューブ』に、映像記録を載せたり、遠見の魔法道具を用いてリアルタイムで映像を見せる者の事だ。

 このDtuberだが、女性はダンジョン攻略をし、男性はエンタメ配信をしている。

 チラッと調べた感じだと雑談をしたり、ゲームをしたり、歌を歌ったりしているらしい。

 そして何より男性Dtuberだが、全員が顔が整っているのは当たり前で、中には純粋な人間じゃなかったりする。

 そういう種族という訳ではなく、ダンジョンドライバーを用いて姿形を変えている。創作上のエルフや精霊になったり、ショタになったり美少年になったり……明らかに女性をターゲットにしている容姿をしていた。

 

 本来ダンジョンドライバーを使う際に、本来の自分と乖離が大きいと戦闘に支障が出るらしい。

 しかしオレが見た男性Dtuberの場合はその辺りがデメリットになっておらず、むしろ容姿を変える事をメリットにして元の体と掛け離れた姿になっている人が多い。

 

 そのDtuberにオレはスカウトされた訳だが……悩みに悩んだ。

 

 オレの最優先目標はダンジョン最深部にある例のアレであり、その為にはダンジョン探索者にならなくてはならない。Dtuberになる必要はない、のだが……。

 

 ダンジョンドライバーを使う事ができる。これが魅力的だった。

 

 オレはその女──社長と交渉に交渉を重ねた結果、Dtuberになる事にした。

 その際にオレが社長に求めたのはダンジョン探索者用のダンジョンドライバー。

 そして社長がオレに臨んだのはダンジョンチューブにおけるチャンネル登録者数100万人越え。

 その契約の元に、オレは社長の下でDtuberとなりーー。

 

 

 

 

 そして3年後、オレはチャンネル登録者数100万人を持つDtuber『戦場(いくさば)センシ』となり、100万人記念ライブを終えた後に活動を休止する事を宣言。ダンジョン攻略に集中したいからな。

 ちなみにその時にダンジョン災害が起きて母親が死んだらしいけど、特に気にしていなかった。

 いや、だって金をせびってくるし……トラブル起こしたくなくて渡して愛想よくしておいたけど……。

 血の繋がった他人に掛ける情けは無いというか……。

 

 ともかく。

 

 社長が用意した戦闘用のダンジョンドライバーは、普段のDtuberとして活動する時に使ってる物とは性能が全然違った。

 ダンジョンの攻略は順調に行えた。性差による魔力不足により、ロングソードを一本だけ収納するスキルしかセット出来なかったけど、オレとしては2000年前を思い出して懐かしかった。

 

 しかし最深部に辿り着いて――オレはいくつかの失敗を犯した。

 

 一つ、最深部では魔力戦闘体を破壊されると地上に戻れない事を失念していた事。

 一つ、最深部ボスがイレギュラーにより強化されていた事を見抜けず一撃でヤられてしまった事。

 

 そして何より──己の強さを見誤った事。

 

 前世と今世では肉体が違う。経験値が違う。その事を何処か楽観的に考えた結果――片目は潰れ、左腕の肘から先は無くなり、脇腹は抉られている。

 

 そして、社長にダンジョンに潜る時は必ず配信する様に言われ(今にして思えば無茶をさせない為だったのかもしれない)、それに従った結果ーー3年前からオレを見てくれていたリスナー……戦友たちにこんなみっともない姿を見せてしまった。

 

「ご、め……」

 

:もう喋るな

:いきていきていきていきていきていきていきていきていきていきて

:『黒吹ノワール』死ぬな馬鹿、生きて帰って来い

:『赤霊スピア』救助が来るまで持ちこたえて!

:『甲賀シノビ』死んだらダメ!

:同期……

:センシも幸せかもな。最期を苦楽を共にした同期に看取られて

:↑お前演技もないこと言うなよ!!!!!センきゅんは死なない!!!!

:いや死ぬだろ現実見ろよ

:D豚に現実見ろは酷で草

:消えろアンチども

 

 最期の最期になってもコメントはよく荒れるなぁ。

 3年前から割とよく見る光景に思わず笑みを浮かべる中、ズシン……ッと大きな足音がオレのすぐ近くで発生した。

 そちらに目を向けると、そこには三つの頭を持つモンスター……ケルベロスが居た。

 オレが与えた傷に怒り心頭なのか、グルルル……っと唸り声を上げていた。三つのうち二つの頭はグッタリとしている。

 ……ったく、許してくれよ。オレの肉を散々食っただろうに。

 

「--グオオオオオオオ!!」

 

 雄叫びを上げて噛み付いてくるケルベロス。牙が肉に食い込むが、死にかけだからか痛みを感じなかった。

 吹き出す血を見て、ああ、まだ残っていたんだ……と思うくらいだ。

 

:あああああああああ!

:やめろクソ犬!!!!!

:そろそろか?

:これは死んだな

:これだから最深部配信はやめろと

:生の〇体が見れるのは最深部配信だけ!

 

 コメント欄が加速していく。みんなが何を言っているのか見る事はできないけど、何となく予想はできる。

 オレは死ぬと、殺されると思っているんだろう。目の前のケルベロス同様に。

 

 --でも、すまんな犬ッコロ。

 

(まだ、死ねない!)

 

 半ばから折れた剣を振り上げ、オレの胴体に噛み付いているケルベロスの目に突き刺した。

 痛みに悲鳴を上げたケルベロスは、嚙んでいたオレをブンッと投げ飛ばした。

 地面に叩き付けながらもオレは笑う。ざまぁみろって奴だ。

 

:グロイ

:血と肉が飛び散って……

:吐いた

:もう配信止めろよ……

:もう見たくない

:やめてくれ……

 

 さて、一矢報いたがこれからどうしようか……。

 正直もう体は動かない。目も霞んでコメントが読めない。下層へと昇る階段には辿り着けないだろう。もし昇れたとしても、下層に居るモンスターに殺されてしまう。

 

 かと言ってあのケルベロスを倒すのは……無理、かな。こっちは既に死に体なのに対し、向こうはまだピンピンしている上に傷が治り始めている。オレが潰した頭も動き始めた。

 

 

 それでもオレは死ねない。死なない。死にたくない。

 アレを回収するまでは絶対に。

 

 そしてもし死ぬとしても──。

 

「オレは絶対にもう一度……!」

 

 半分になった視界の中、こちらに飛び掛かってくるケルベロスを見据えて──オレの意識は途絶えた。

 

 

 

 

1:名無しの戦友

エリア4第15企業ダンジョン、ダンジョンライブ!所属の戦場センシについて語るスレです

 

・スレを立てる時は「××××◯◯△△」の詠唱術式を刻みましょう

・魔力反応隠匿推奨。お使いのマジックアイテムの設定で使用可能

・次スレは>>950が立てるように。無理な場合は代理人を指定してください

・まとめマホサイト等に転載禁止

 

戦場センシ

モノログ

【☆☆☆☆☆〜〜〜】

Dtube

【☆☆☆☆☆〜〜〜】

ダンジョンライブ!公式マホサイト

【☆☆☆☆☆〜〜〜】

 

前スレ

【ダンジョンtuber】戦場センシ#88【ダンジョンライブ!】

 

 

2:名無しの戦友

立て乙

 

3:名無しの戦友

おつおつ

センシロスが激しくて掲示板もモノログも荒れてたけど、ようやく落ち着いてきたな

 

4:名無しの戦友

ただのセンシロスじゃねえぞ

 

5:名無しの戦友

ド級のロス

 

6:名無しの戦友

ドロスだ

 

7:名無しの戦友

つまんな

 

8:名無しの戦友

まぁ、3周年記念&チャンネル登録者数100万人ライブ終わったと思って一週間後に、急な活動休止宣言だからな

 

9:名無しの戦友

何かやらかした訳じゃ無くて、プライベートな理由らしいね

 

10:名無しの戦友

公式と揉めた訳でもなく、何なら公式自体はめっちゃ引き止めてた感あるな

 

11:名無しの戦友

他の二期生も理由は知らない

 

12:名無しの戦友

ノワールは知ってそうだけどな

 

13:名無しの戦友

名言してないけど、三日前のダンジョン災害?

 

14:名無しの戦友

そうそう。アレで死者が出て、また変な団体がうるさくなってる

 

15:名無しの戦友

ダンジョンを使うな、て奴か。今の生活でダンジョンはもはや基盤なのに何言ってるんだかな

 

16:名無しの戦友

Dtuberもめっちゃ目の敵にしてるしな

 

17:名無しの戦友

まぁダンジョンドライバーで魔力戦闘体作るにはダンジョンの魔力が必要だからな

 

18:名無しの戦友

男がDtuberとして使ってたら「女に媚びる情けない男!」

女がダンジョン探索者として使ったら「資源の無駄遣い!ダンジョンを舐めるな!」

マジで終わってる

 

19:名無しの戦友

スレチだぞいい加減

 

20:名無しの戦友

すまんすまん

で、その災害と何か関係あるの?

 

21:名無しの戦友

いや、その災害が起きた地区ってさ、もしかしたらセンシの故郷かもしれなくてさ

 

22:名無しの戦友

え?マジ?

 

23:名無しの戦友

それでもしかしたら親族が巻き込まれたかもしれない可能性があるって

 

24:名無しの戦友

杞憂だと言いたいけど、急な活動休止宣言だもんな。しかもモノログのあの文章おそらくマネージャーが発信してる

 

25:名無しの戦友

ノワールも「あの災害……」って言ってたしな

 

26:名無しの戦友

センシなにお兄ちゃんを不安にさせてんだよ

 

27:名無しの戦友

本当反応が兄で草

 

28:名無しの戦友

ノワ×センはてぇてぇ

 

29:名無しの戦友

黒き戦場からしか得られない要素がある

 

30:名無しの戦友

ツンデレお兄ちゃんがツンツンした態度取るんだけど、センシは素直だから全然険悪にならないんだよな

 

それがてぇてぇんだけどな

 

31:名無しの戦友

わかる〜

 

32:名無しの戦友

はさまりてぇ

 

33:名無しの戦友

>>32

◯ねアバズレ

 

34:名無しの戦友

>>32

薔薇に挟まるクソ女は焼却よ〜

 

35:名無しの戦友

でもエロ同人ではよく二人仲良く穴兄弟になってるぜ

 

36:名無しの戦友

戦犯アートでもよくコラボしてる

 

37:名無しの戦友

それをコラボって言うのヤメロォ!

 

38:名無しの戦友

え!?なにこれ!?

 

39:名無しの戦友

戦犯アートにはお世話になってます

 

40:名無しの戦友

巨根センシすこです

 

41:名無しの戦友

どうした

 

42:名無しの戦友

>>38

何があった?

 

43:名無しの戦友

なんだなんだ

 

44:名無しの戦友

これ!

【ダンジョン】戦場センシ【攻略】「☆☆☆☆☆〜〜〜」

 

45:名無しの戦友

は!?

 

46:名無しの戦友

ダンジョン攻略!?

 

47:名無しの戦友

男が!?無理だろ!

 

48:名無しの戦友

おいおい自殺……にはならんけど急にどうして!?

 

49:名無しの戦友

男は魔力が足りなくてまともなスキルセット出来ねぇだろ!?

 

50:名無しの戦友

脱出転移術式のリソースが多過ぎて男の魔力じゃあねぇ……

 

51:名無しの戦友

そもそもDtuberとして成功しているのに何故?

 

52:名無しの戦友

上層でやられて終わりだろ

 

53:名無しの戦友

>>51ホントコレ

 

54:名無しの戦友

>>51

3年で100万人は凄いよな。一期生の二人もまだだし

 

55:名無しの戦友

そろそろだから

 

56:名無しの戦友

ノワールもそろそろだし

 

57:名無しの戦友

いや本当マジで何でだ?

 

58:名無しの戦友

もしかしてさっきの話が本当とか?

 

59:名無しの戦友

さっきのって故郷云々?

 

60:名無しの戦友

そういえば今回のダンジョン災害の被害者の映し絵見たけど、何処となくセンシに似てた気がする

 

61:名無しの戦友

いやDtuberは女に媚びる為に姿変えてるやろwwwww

情弱乙wwww

 

62:名無しの戦友

>>61

情弱はてめぇだ。センシは女と同じ様に容姿を変えてねぇんだよ

 

63:名無しの戦友

そのせいで自称ガチ恋勢の犯罪者からストーカー被害受けてたよね

 

64:名無しの戦友

本人全然気にしてなくて、むしろ同期がショック受けたけどな

 

65:名無しの戦友

ノワール「一緒に住んでも良いんやで?」

センシ「大丈夫っす」

 

66:名無しの戦友

くさ

 

67:名無しの戦友

むしろてぇてぇ

 

68:名無しの戦友

話戻すぞ

つまり>>58の話が本当だとすると、センシは母親を奪ったあのドラゴンに復讐したい、てことか?

急な活動休止もそれが理由なら筋が通るっちゃあ通る

 

69:名無しの戦友

公式が止めてたのも真実味があるな

 

70:名無しの戦友

いやwww男がダンジョン探索とかアニメの見過ぎwww

 

71:名無しの戦友

でもダンジョン攻略の枠取ってるしな

 

72:名無しの戦友

100万人で頭打ちだからテコ入れだろどうせ

多分攻略済みのダンジョン使って遊ぶだけだろ

 

73:名無しの戦友

あー、ダンジョン攻略探検みたいな?

 

74:名無しの戦友

そうそう

男でも攻略できるし、初心者が本番のダンジョン潜る前に練習で使ってたりしてる

ダンジョンドライバーも貸し出ししてるし

 

75:名無しの戦友

でもセンシはそういう事するタイプじゃないしなぁ

 

76:名無しの戦友

【この書き込みは削除されました】

 

77:名無しの戦友

>>76

お前言って良い事と悪い事があるだろうが

 

78:名無しの戦友

これだからアンチは

さっさとアンチスレに戻れよ

過疎ってるからコッチに来てるのかもしれんが

 

79:名無しの戦友

>>76

通報した

もう書き込みできない様にしてやる

 

80:名無しの戦友

>>76

初配信から追っている戦友の身としては絶対に許せない

一度でもセンシの配信見ればそんな馬鹿げた事言えねーだろうが

 

81:名無しの戦友

センシ相手云々抜きにしても発言がクソ過ぎるし的外れ

 

82:名無しの戦友

>>76フルボッコで草

 

83:名無しの戦友

>>76の人気に嫉妬

 

84:名無しの戦友

もはや愛しさすら感じる

 

85:名無しの戦友

お、削除されたっぽいな

 

86:名無しの戦友

見えないけどどうせいつものだろ、て感じ

 

87:名無しの戦友

とりあえず戦友としてはこの配信は見逃せないな

 

88:名無しの戦友

ダンジョン攻略するかどうかってより

今のセンシの状態を知りたい

 

89:名無しの戦友

>>88それな

一番仲の良いノワールですら知らないからなぁ

 

90:名無しの戦友

自称弟子のワンコも中々に荒ぶっておられる

 

91:名無しの戦友

名誉戦友ガチ勢さん、今日も元気です

 

92:名無しの戦友

3期生はもっと事情知らないだろうしなぁ

 

93:名無しの戦友

とりあえず配信見たら何かしら分かるだろうな

 

94:名無しの戦友

1期生のアルトとリュウセイがモノログで反応してるな

 

95:名無しの戦友

二期生も三期生も呟いてる

 

96:名無しの戦友

おい、センシの兄(他称)と弟子が喧嘩してるぞ

 

97:名無しの戦友

いつもの

 

98:名無しの戦友

ガチ勢同士の醜い争い

 

99:名無しの戦友

争いは同じレベルでしか起きない

 

100:名無しの戦友

なおセンシ本人からはスルーされてる模様

 

 

 

459:名無しの戦友

そろそろか?

 

460:名無しの戦友

スレの消費早かったな

 

461:名無しの戦友

三つくらい消費したな

 

462:名無しの戦友

それだけみんなセンシの事が好きってことよ

 

463:名無しの戦友

>>462お前ノワールか?

 

464:名無しの戦友

くさ

 

465:名無しの戦友

 

466:名無しの戦友

 

467:名無しの戦友

お?

 

468:名無しの戦友

配信きちゃ!!!!

 

469:名無しの戦友

センシ映ってる!!!!

 

470:名無しの戦友

当たり前だろ本人のチャンネルなんだから

 

471:名無しの戦友

ちょっと面白い

 

472:名無しの戦友

割と元気そうだな

 

473:名無しの戦友

ダンジョン災害関係無い感じ?

 

474:名無しの戦友

センシ「本日はダンジョン攻略をしたいと思っておりますが、この活動はダンジョンライブとは無関係です」

 

ふむ、無関係?

 

475:名無しの戦友

個人的にする、みたいな?

 

476:名無しの戦友

だったら何で戦場センシのチャンネル使ってるんだろ

 

477:名無しの戦友

そりゃさらにチャンネル登録者数増やす為だろwwwwww情弱乙wwww

 

478:名無しの戦友

分かっていたけどいつものセンシじゃ無いな

 

479:名無しの戦友

ちょっと余裕無い感じ

 

480:名無しの戦友

センシ「今回このチャンネルで配信をしているのは、ダンジョンライブ社長に攻略を行う上で、交換条件として出された為です」

 

ダンジョンライブ側から無関係って言ってるかと思ったら、センシから言ってるのか

 

481:名無しの戦友

かなり止めていたしなダンジョンライブ

 

482:名無しの戦友

解雇しろよこんな奴www

 

483:名無しの戦友

流石にしないだろ

 

484:名無しの戦友

100万人越えの男Dtuberなんて希少だからな

 

485:名無しの戦友

質問「何故ダンジョン攻略を?」

センシ「……元々ダンジョン攻略をしたかったからです。昔から憧れてました」

 

はいウソ

 

486:名無しの戦友

分かりやすいウソだ

 

487:名無しの戦友

センシウソ吐くのめっちゃ下手くそだからな

 

488:名無しの戦友

本当の理由は話さないつもりか

 

489:名無しの戦友

ダンジョン災害と関係あるか?ってコメントが結構あるけどスルーしてるな

 

490:名無しの戦友

スルー力はある

 

491:名無しの戦友

スルーしてるって事はつまり……

 

492:名無しの戦友

センシ「皆さんに心配をかけた事はお詫びします。モノログの通りDtuberとしては暫くお休みさせていただきますが、今後ダンジョン攻略をする際は配信をするかもしれません」

 

センシダンジョン攻略割とガチ?

 

493:名無しの戦友

いやー、男にはキツイっすwww

 

494:名無しの戦友

怪我する前に諦めて挫折して帰って来て欲しいな

 

495:名無しの戦友

>>494応援したい気持ちがあるけどそれ以上に心配だからな

 

496:名無しの戦友

そろそろ潜るみたいだな

 

497:名無しの戦友

戦闘体のデザインは……センシ初期デザインか

 

498:名無しの戦友

初期デザはセンシの灰色の髪と良く似合う

 

499:名無しの戦友

黒で統一されてて厨二心を擽ぐられる

 

500:名無しの戦友

体を縛ってる所々のベルトがエッチです

 

501:名無しの戦友

毛先の黒をチャパチャパして脱色させてぇ

 

502:名無しの戦友

コートの中で一生を終えたい

 

503:名無しの戦友

きっっっっっしょ

 

504:名無しの戦友

これをおばさん共が書いてると思うと悲しくなる

 

505:名無しの戦友

年下の男に色目使うババァ共

 

506:名無しの戦友

あぁん?誰がババァだ!ジジィだ!

 

507:名無しの戦友

救いようがねぇな

 

508:名無しの戦友

ここにいる時点でお察し

 

 

 

520:名無しの戦友

オープニングトークを終えてダンジョンに入ったな

 

521:名無しの戦友

センシ「スキルスロットには何も入れてないですね。というより基本武器であるロングソードだけでリソースいっぱいでした……」

 

やっぱり男だとそうなるよな

 

522:名無しの戦友

ダンジョンドライバーについて何も知らないんだけど

 

523:名無しの戦友

>>522

ダンジョンドライバーは魔力さえあれば誰でも起動させる事ができるマジックアイテム

起動すると肉体が魔力で作られた仮初の肉体(戦闘体)に置換されて、ダンジョン内のモンスターに攻撃されても痛覚とか感じない

 

524:名無しの戦友

ただ腕とかは普通に捥げるし、欠損が多過ぎると魔力が尽きて戦闘体が崩壊し、元の肉体はダンジョンドライバーに備え付けられている脱出転移術式でダンジョン入り口に戻される

これによりこのダンジョンドライバーが普及される前と違って死者がグンッと減ったし、攻略も滅茶苦茶安全かつ最深部まで進める事ができた

 

525:名無しの戦友

それでも色々と例外があって死者は出る

この前のダンジョン災害とかが良い例

そしてこのダンジョンドライバーを使うには滅茶苦茶魔力が必要で、正直男の魔力だと戦闘体を作るのが精一杯で、現にセンシはスキルスロットにロングソードしか入れる事しかできていない

 

526:名無しの戦友

本来ならスキルスロット4個くらいは使える筈なんだけど……

 

527:名無しの戦友

シールドもしくはバリア入れてないと詰むじゃろ

 

528:名無しの戦友

身体能力上がってるとはいえ、相手はモンスターだからな……

戦闘体、防御方面ホントに脆いよな

スライムの一撃でダメージ喰らうし

 

529:名無しの戦友

脱出転移術式のリソースがデカいからな……

女の場合それ込みでも余裕あるから、シールドかバリアをスロットに入れてるんだけど……

 

530:名無しの戦友

センシ、棒切れのみ

 

531:名無しの戦友

長文に目が滑った

 

532:名無しの戦友

3行で頼む

 

533:名無しの戦友

戦闘体

物凄く

便利

 

534:名無しの戦友

ワロタ

 

535:名無しの戦友

ちょっとキレてそう

 

536:名無しの戦友

草しか生えない

 

537:名無しの戦友

武器の攻撃力って余剰魔力で上がるんだっけ

 

538:名無しの戦友

>>537そうそう

だからあえてシールドだけ入れて一撃特化にしてるダンジョン探索者もいる

 

539:名無しの戦友

センシも一撃特化だな

 

540:名無しの戦友

一撃特化(貧)

 

541:名無しの戦友

センシの逸物はデカいだろうが!!!!同期連中がデカいだけで!!!!

 

542:名無しの戦友

並だよな

勃ってる時の長さも(スピア測定)

 

543:名無しの戦友

ナニを測定したんですかねぇ

 

544:名無しの戦友

ナニだよ

 

545:名無しの戦友

どうやって測定したんですかねぇ

 

546:名無しの戦友

スピアの瞳は男のチ◯コの通常時、臨戦時を速やかに測定するユニークスキルが宿っています

 

547:名無しの戦友

羨ましい

 

548:名無しの戦友

流石セクハラ精霊

 

549:名無しの戦友

エロ過ぎる

 

550:名無しの戦友

お前らセンシの勇士を見ろよ

 

551:名無しの戦友

正直服破れてセンシティブが来ると思って全裸待機してたんですが

 

ただ寒いだけです

 

552:名無しの戦友

>>551

はよ服着ろ

 

553:名無しの戦友

寒くて乳◯立ってきた

 

554:名無しの戦友

>>553

はよその黒豆引っ込めろ

 

555:名無しの戦友

>>554黒ずんでいないが!?!?

 

556:名無しの戦友

スレが汚くなって来た

 

557:名無しの戦友

お前レズかよぉ!

 

558:名無しの戦友

すまないがレズは帰ってくれないか

 

559:名無しの戦友

すまないがレズ以外は帰ってくれないか

 

560:名無しの戦友

なんでだよ

 

561:名無しの戦友

スレチだ馬鹿共引っ込め

 

562:名無しの戦友

センシめっちゃ動き良く無い?

 

563:名無しの戦友

元々身体能力高いらしいしなー

 

564:名無しの戦友

男全体がそうでは?

ダンジョンの恩恵で

なおそのせいで魔力不足な模様

 

565:名無しの戦友

企画とかでもアクロバティックな動きしてたよな

ニチアサのヒーロー並みに

 

566:名無しの戦友

戦闘体の動かし方は元々上手かったって感じ

 

567:名無しの戦友

モンスターの倒し方も上手い

ギリギリで避けながら的確に急所突いて倒してる

 

568:名無しの戦友

男なのに度胸あるなぁ

最近の探索者の間では遠くから魔力弾撃って安全に殺す戦法が流行っているっていうのに

 

569:名無しの戦友

杖や弓、銃といった弾系武器の性能が上がったからなぁ、弾丸強化系スキルも増えたし

 

570:名無しの戦友

それに伴いシールドの性能も上がったな

 

571:名無しの戦友

最近流行ってる対人戦のせいやな

 

572:名無しの戦友

賭け試合がお盛んだ

 

573:名無しの戦友

ワイこの前やってみたけどボコボコにされて1ヶ月のダンジョン攻略成果消えました

泣いてる

 

574:名無しの戦友

可哀想

こんな所に居らずダンジョン潜れ

 

575:名無しの戦友

不憫だな

おら、さっさと働け

 

576:名無しの戦友

気をしっかり持って

はよ探索せんかい

 

577:名無しの戦友

優しいと思ったらスパルタで草

 

578:名無しの戦友

フルボッコでワロタ

 

579:名無しの戦友

お前らー!

 

580:名無しの戦友

一方その頃、センシは上層をクリアしていた

 

581:名無しの戦友

ヤバくね?

 

582:名無しの戦友

ヤバいよな

 

583:名無しの戦友

そうなの?

 

584:名無しの戦友

この際男云々抜きに言うけど、スキル無しでロングソード一本で上層攻略するのは中々難しい

 

585:名無しの戦友

しかも初めての探索だからな……

 

586:名無しの戦友

センシは少なくとも中堅以上の実力があるよ

 

587:名無しの戦友

そうなんだ

 

588:名無しの戦友

魔力弾とか遠距離タイプなら割とイケると思うけど、剣使った近接タイプだと難易度上がる

 

589:名無しの戦友

ちなみにワイは無理

 

590:名無しの戦友

ワイは先ず部屋から出ないとな

 

591:名無しの戦友

>>590ヒッキーはよ外出ろ

 

592:名無しの戦友

>>591でもセンシは無理しないで良いって……

 

593:名無しの戦友

甘えるなー!

 

594:名無しの戦友

それ絶対シチュエーションボイスだろ

 

595:名無しの戦友

センシだとむしろケツに蹴り入れて外に出すタイプ

 

596:名無しの戦友

そこは手を引っ張ってくれるんじゃないのか

 

597:名無しの戦友

シチュエーションボイスか

お兄ちゃんと犬の弟子が本人に感想めっちゃ語りまくってキレられたんだっけ

 

598:名無しの戦友

アレは笑った

 

599:名無しの戦友

それに便乗する同期たちよ

 

600:名無しの戦友

センシ、中層も余裕そうなんだけど

 

601:名無しの戦友

マジで初心者?その辺の初心者と比べると全然動きが玄人なんだけど

 

602:名無しの戦友

もし同じ条件で戦ったら普通に負けるかもしれない

戦闘体の身体能力って一律だし……

 

603:名無しの戦友

自分はセンシのセンシティブ棒をガン見して何もできずに負けます

 

604:名無しの戦友

最悪で草

 

605:名無しの戦友

戦友ちょいちょちキモいの居るよな

 

606:名無しの戦友

名誉きっしょ戦友の勇者をわすれるな

 

607:名無しの戦友

ああ、あの承認欲求の塊コミュ障の……

 

608:名無しの戦友

ダンジョン探索者としての才能に全振りした結果生まれた悲しきモンスター

 

609:名無しの戦友

リスナーを友と呼ぶやべーやつ

 

610:名無しの戦友

センシも戦友って呼んでるやん?

 

611:名無しの戦友

アレと同じにするんじゃねぇ!

 

612:名無しの戦友

ひと月の総ハイコメ額聞いて卒倒した

 

613:名無しの戦友

中層攻略の配信、切り抜かれた模様

しかもめっちゃバズってる

 

614:名無しの戦友

ま?

 

615:名無しの戦友

まじ

 

616:名無しの戦友

マジじゃん

 

617:名無しの戦友

モノログで拡散されてる

 

618:名無しの戦友

ベテランダンジョン探索者が反応してる

 

619:名無しの戦友

同接も最初1万から6万に増えてる

 

620:名無しの戦友

センシの動きめっちゃ褒められてるやん

 

621:名無しの戦友

中には自信喪失してる奴もいるやん

 

622:名無しの戦友

嫉妬して男の癖にとか、Dtuberがーとか、探索者としてーとか、お気持ち表明しているベテラン()さんがたくさん居ますね

 

623:名無しの戦友

マスキュリストがこれが本来の男性の姿!と称えてるのもまぁまぁ地獄

 

624:名無しの戦友

普段Dtuberを女に媚びてる名誉女性集団って言ってる癖に

 

625:名無しの戦友

肯定派にも否定派にもやべー奴らが居てこの世の地獄だな

 

626:名無しの戦友

注目集まるって事はそれだけ沢山の人間が押し寄せて来る訳で……

 

627:名無しの戦友

切り抜き動画再生数100万超えたぞ!

 

628:名無しの戦友

センシの登録者数も増えていますねぇ!

 

629:名無しの戦友

正直伸びた理由が理由だから嬉しく無いな……

 

630:名無しの戦友

男性ダンジョン探索者という珍しさで来ているだろうからなー

 

631:名無しの戦友

そうこうしているうちにセンシ、中層突破して下層に到達

 

632:名無しの戦友

ヤバいな

 

633:名無しの戦友

センシもしかして転生者だったりする?

 

634:名無しの戦友

>>633 小説かな?

 

635:名無しの戦友

>>633 やろう系主人公か?

 

636:名無しの戦友

>>633 センシ「あれ?オレまた何かやっちゃいましたか?」

 

637:名無しの戦友

セクハラ精霊撃退して泣かした時似たような反応するから否定し切れない

 

638:名無しの戦友

ワロタ

 

639:名無しの戦友

流石てぇてぇブレイカー

 

640:名無しの戦友

それでも私達はてぇてぇするけどな!

 

 

 

 

669:名無しの戦友

下層もクリアっと

センシめっちゃ強いな。実力かなり上澄み

 

670:名無しの戦友

ガチ勢のクランがスカウトしたいって言ってるくらいだしな

 

671:名無しの戦友

でも流石に最深部は行かないよな……?

 

672:名無しの戦友

最深部だと脱出転移術式が発動しないからな

 

673:名無しの戦友

え?マジ?じゃあもしやられたらどうなるの……?

 

674:名無しの戦友

魔力戦闘体が崩壊して、生身のままダンジョンに放り出される

でも男性はダンジョンからの恩恵で魔力量アップが少ない代わりに、身体能力強化されてるからワンチャン逃げれるか……?

 

675:名無しの戦友

>>674 魔力戦闘体の下位互換程度の身体能力だから無理

もし最深部から抜け出せたとしても下層のモンスターに殺されると思う

 

676:名無しの戦友

ほなここで撤退するのが良いな

 

677:名無しの戦友

そしてセンシは果たして……

 

678:名無しの戦友

当 然 進 む

 

679:名無しの戦友

ガ ン ガ ン 行 こ う ぜ

 

680:名無しの戦友

進 撃 の 戦 士

 

681:名無しの戦友

いのちだいじに(切実)

 

682:名無しの戦友

ワロタ

 

683:名無しの戦友

センシ〜やめてくれ〜

 

684:名無しの戦友

でも大丈夫じゃね? これまでノーダメやで

ユニークスキル持ち以外だとそうそう出来ないよ

 

685:名無しの戦友

つまりセンシはユニークスキルを持っていた、て事!?

 

686:名無しの戦友

>>685 今回が初めてって言ってたからそれはないな

 

687:名無しの戦友

マジレス乙

 

688:名無しの戦友

でもまぁ大丈夫やろ

それよりも私達は伝説を目撃しようとしている……!

 

689:名無しの戦友

これで最深部攻略したら、初の男性ダンジョン探索者のダンジョン攻略だからな!

 

690:名無しの戦友

割と歴史的快挙や

 

691:名無しの戦友

2000年の間で男は弱くなった

 

692:名無しの戦友

というより女が強すぎ!

 

693:名無しの戦友

というより魔力ありすぎ!

 

694:名無しの戦友

ドキドキしてきた、色んな意味で

 

695:名無しの戦友

さて、ダンジョンボスは

 

696:名無しの戦友

ケルベロスだな

 

697:名無しの戦友

うむ

 

698:名無しの戦友

ダンジョンボスの中では割と普通くらいか?

 

699:名無しの戦友

センシ気をつけ

 

700:名無しの戦友

 

701:名無しの戦友

 

702:名無しの戦友

ああ

 

703:名無しの戦友

うああああああ!!!

 

704:名無しの戦友

>>698 何が普通くらいだよ!メチャクチャ強いじゃないか!

 

705:名無しの戦友

これまで無双してたセンシが一発でヤられた……

 

706:名無しの戦友

戦闘体解けてるじゃん!

 

707:名無しの戦友

これもしかしてイレギュラーか!?

 

708:名無しの戦友

>>707 なにそれ!?

 

709:名無しの戦友

>>708 原因不明の何かによってダンジョンのモンスターが強くなったり、ボスが変異したりする

この前のダンジョン災害で地上に出て来たあのドラゴンもそれ

 

710:名無しの戦友

待って待って待って待ってセンシやばい!どんどん追い詰められ

 

711:名無しの戦友

 

712:名無しの戦友

うあ

 

713:名無しの戦友

腕が

 

714:名無しの戦友

もう見てられん

 

715:名無しの戦友

一つ頭潰したけど、これは

 

716:名無しの戦友

……耐えられない奴は配信閉じろ

そして耐えられる奴は覚悟しろ

 

717:名無しの戦友

>>716 何が言いたい

 

718:名無しの戦友

言いたく無いが

 

719:名無しの戦友

センシが死ぬ現実、だ

 

720:名無しの戦友

うわああああああああああ!!

 

721:名無しの戦友

脇腹を食い破られた

 

722:名無しの戦友

ふざけんなクソ犬私の推しの肉を食いやがって

 

723:名無しの戦友

センシ逃げてくれ

 

724:名無しの戦友

なんで立ち向かうんだよ

 

725:名無しの戦友

もう一つの頭潰したが、爪で片目が

 

726:名無しの戦友

というより頭自体が

 

727:名無しの戦友

もうむりはく

 

728:名無しの戦友

 

729:名無しの戦友

剣が

 

729:名無しの戦友

武器も無くなった

 

730:名無しの戦友

逃げられない

 

731:名無しの戦友

逃げたところで下層のモンスターに殺されるだろ……

 

732:名無しの戦友

救援は

 

733:名無しの戦友

最深部だからどんだけ急いでも……

 

734:名無しの戦友

公式も動いているが

 

735:名無しの戦友

コメント欄閉じた

 

736:名無しの戦友

それが良いよ

 

737:名無しの戦友

 

738:名無しの戦友

センシ喰われて

 

739:名無しの戦友

血が吹き出してるけど、少ないな

 

740:名無しの戦友

大分血を流してたからな……

 

741:名無しの戦友

センシ!

 

742:名無しの戦友

もう抵抗しないでくれ、苦しいだけだ

 

743:名無しの戦友

壁に叩き付けられるの痛い筈なのに、もう痛覚が

 

744:名無しの戦友

ケルベロスふざけんな

 

745:名無しの戦友

センシが頑張ったのに傷が治って

 

746:名無しの戦友

頭も復活した

 

747:名無しの戦友

 

748:名無しの戦友

ダメだ

 

749:名無しの戦友

死ぬ

 

750:名無しの戦友

センシ!!!!!!

 

751:名無しの戦友

ああああああああ!!!

 

752:名無しの戦友

いやあああああああ!!

 

753:名無しの戦友

 

754:名無しの戦友

 

755:名無しの戦友

なにあれ

 

756:名無しの戦友

 

757:名無しの戦友

アレってもしかして

 

758:名無しの戦友

英雄の魔導書?

 

 

 

 

 ──違和感。

 

 矮小な存在であるその少年に、ケルベロスは最大限警戒していた。

 ダンジョンの力により顕現すると同時に、視界に入ったセンシを全力を持って排除しに向かった。そうしなければならない、と本能が叫んでいたからだ。

 

 ――違和感。

 

 その後、戦闘体を破壊してからも抵抗をされたが許容範囲だった。二つの頭を潰され、残った頭も負傷。その他にも至る所にダメージを受けたが、センシを殺す為の余力は十分にあった。

 

 ――違和感。

 

 それでも拭いきれないこの感触は――何だ?

 力なく倒れ伏せるセンシに、止めを刺さんと飛び掛かりながらもケルベロスは、ずっと心臓を掴まれているかのような嫌な感触があった。

 その違和感を打ち消そうと鋭い爪を振るい――突如目の前に現れた黒い本に弾かれた。

 

「グォ!?」

 

 センシを庇う様に現れたその本は、白い光を放ちながらパラパラとページを捲る。

 ケルベロスはその光景を見る事しかできなかった――否、動けばその命が刈り取られると本能で理解していたから動けなかった。

 

 最終的に至る運命が変わらないというのに。

 

 本はとあるページにてピタリと動きを止める。さらに放っていた光が白から赤へと変わり、センシの下に赤い魔法陣が出現し――薄暗いダンジョンを照らす炎が噴き出した。

 炎はやがて火柱となり、ダンジョンの天井を焦がし、空気を燃やし、全てを赤く染める。

 

「――」

 

 世界を包みかねない炎は、突如中から飛び出した剣閃によって両断される。

 そして現れるのは、全身を紅蓮の甲冑で包んだ一人の騎士。

 

「……」

 

 その紅蓮の騎士は、己の手を握って開いてと調子を確かめ――己を警戒するケルベロスへと視線を向ける。

 

「――よぉ、久しぶり」

 

 兜越しに放たれた声は、男にも女にも、老人にも子どもにも聞こえる……不思議な声だった。

 

「と言っても、お前には分からないか」

 

 独り言を呟く紅蓮の騎士は、西洋剣を構える――ケルベロスが知覚するよりも早く斬撃を飛ばした。それも、灼熱の炎を纏った斬撃だ。

 体毛を斬り裂き、肉を焦がし、骨を断つ。焼き斬られたケルベロスは絶命しかけ、しかし幸運にもダンジョンからの魔力供給により一命を取り留める。

 

「やはりイレギュラーは厄介だな」

 

 いや、もしかしたら不運だったのかもしれない。

 

「しかし時間はたっぷりとある――せいぜい体に染み込ませて貰うぞ犬ッコロ」

 

 死なないとはつまり死ねないのと同意義であり、これからずっと殺され続ける事を意味する。

 

 ケルベロスはこのダンジョンに生み出された時点で詰んでいたのだ。

 このモンスターはセンシを蹂躙する為に生み出されたのではなく、この黒い本を操る――英雄に蹂躙される為に生み出されたのであった。

 

 このケルベロスはこれから、七回死ぬ。

 最初からそう決まっていた事を知っているのは、この謎の戦士のみだ。

 

 

 

 

 ぼんやりとした意識の中、オレは誰かが戦っているのを見ていた。

 

 時に赤き剣を振るい、

 

 時に蒼き槍を突き立て、

 

 時に翡翠色に染められた弓を持ち、魔力で出来た矢を放ち、

 

 時に藍色の杖を掲げて魔法を発動させ、

 

 時に黄色い閃光となって死角から小刀を突き立て、

 

 時に緋色の鎖で相手を縛って操り自傷させ、

 

 時に自我を失い掛けるほどの狂気に身を任せて、紫色の斧で何度も敵の頭をかち割る。

 

 まるで自分が英雄になったかの様な万能感。快楽にも似たその感覚に浸りながらも、沈み掛けていた意識が、再び浮き上がっていく。

 

 そして、目を開けるとそこには──。

 

「……え?」

 

 見るも無惨になったケルベロスだった物が地に伏せて、その前にオレは立ち尽くしていた。

 それもアレだけ死に掛けていたのが嘘の様に、無傷で。

 一体何が起きたんだ……?

 訳が分からず辺りを見渡していると、ふと手に何かを持っていた事に気付く。

 

「これって……!」

 

 見た目はただの黒い本だが、以前テレビで大々的に報道されていた最も古い聖遺物と呼ばれている代物。

 英雄の魔導書。それが世間で呼ばれてるこの本の名で、そして……。

 

「ようやく見つけた!」

 

 オレが死んででも回収したかった本。黒歴史だ!

 英雄の魔導書? 最も古い聖遺物? 違う。この本はそんな大それた物じゃ無い。

 これは、前世に遺してしまったオレの負の遺産だ。

 

「直ぐに処分してやる!」

 

 ……でも何でマジックアイテム化なんてしたんだろう。

 

 

 2000年前、国の施設で兵士として育てられていたオレはその存在意義を変えられた。

 突如発生したダンジョンにより、剣も魔法も無価値な物になり、国と国の戦争は無くなり、代わりにダンジョンから溢れ出すモンスターの対処に追われた。

 いくつかあった大陸がその数を減らし、それ以上に国が消え、さらにそれ以上にたくさんの人が死んだ。

 しかし当時のオレにとってはあまり関係なかった。今世同様親の存在を知らず、施設で戦う術だけを叩き込まれていたオレは、親しい存在が居なかった。

 戦う予定だった国がダンジョンによって崩壊し、最も脅威であるダンジョンに放り込まれる死兵となっただけ。

 何度も死に掛け、共に放り込まれたオレと同じ存在が死ぬ中、オレは日記を書き始めた。いつ死ぬか分からないのなら、死んだ時にオレの存在を遺したいとそう思って。

 

 しかし当時のオレは馬鹿だった。飽き性でもあった。

 三日経つとダンジョンに潜って死に掛けて、何とか生き延びて戻る日々を送っている事に気付いて、書く事が無いと放り投げ。

 誰かに見られたら恥ずかしくて自死したくなる様な詩的な文章、今世ではポエムと言ったか? それを書いたり。

 もし魔法が使えたらと無駄に長く無駄に誇大な表現をした詠唱を書き綴り、馬鹿が考えたとしか思えない魔法の効果を書いたり。

 

 そんな、死んだ時に遺すと思って書いたのに、いつの間にか見られたら死にたくなる、そんな呪いの本を遺してオレは死んだ。

 

 つまり今世風に言うと黒歴史その物であり、それがテレビに映って世間の人間が血眼になって探していると知って──オレは死にそうになった。恥ずかしくて。

 

 

 

 幸い2000年前の文字は失われていた様で解読出来ていないみたいだが……ダンジョン探索者には時折ユニークスキルなる物を獲得するらしく、もし読めない文字を読めるユニークスキルなんてモノが現れたら……オレは死ぬ。尊厳的に。

 全世界の人に黒歴史を拡散されて笑い者にされてしまう。

 Dtuberになって黒歴史で苦しむ先輩や同期の悲惨な姿を知っている分、その恐怖は日が経つ事に増していった。

 だから登録者が100万人を超えると同時にダンジョンドライバーを用意して貰って、直ぐに黒歴史書の目撃例が最も多いダンジョンに潜った。

 

 そして死に掛けながらもこうして黒歴史書を手に入れた!

 後は処分するのみ!

 そう思って破ろうとするも全く破れる気配が無い。見た目本なのに何故!? もしかして2000年間ダンジョンの最深部に放置されたからマジックアイテム化しているからか!? ふざけるな!

 思いっきり地面に叩き付けようとするも、ピタッと衝突する前に止まってフワリとオレの目の前に浮かび上がる。

 ……腹立つな。煽っているのか? 落書き帳の癖に……!

 

 処分できない事を突き付けられたオレは溜め息を吐きながら中身を見る。

 18年経って少し忘れていたから、戒めの為に確認しようとしたのだが……。

 

「……あれ?」

 

 しかしそこには真っ白な紙面しか無かった。

 パラパラと捲るも、全100頁何も書かれていなかった。

 ……もしかしてオレのじゃ無い?

 そう思って表紙を見てみると、2000年前の文字で2000年前のオレの名前が刻まれていた。

 

 何が起きているんだ?

 意味が分からず佇んでいると──地面に転がっていた配信用ゴーレムが浮かび上がった。

 コイツの存在を忘れていた……社長に押し付けられていたとはいえ、壊したら弁償しないといけない。

 魔力の接続が切れて停止してたっぽいけど、どうやらオレの魔力を探知して再起動したらしい。

 まるで岩で出来た目玉の様なソレは、中央のカメラでオレをジッと見つめる。

 多分戦友のみんなが見ているよね……?

 

 とりあえず。

 

「えっと、どうやら無事みたいでーす」

 

 ……あ、コメント閲覧術式オフになってる。

 それにしても心配させたかな? でもこうして元気な姿を見せれば安心してくれるだろう。

 そう思ってコメントに目を向ければ。

 

:反省しろ

:反省しろ

:反省しろ

:反省しろ

 

 そこには、明らかに怒り心頭の戦友達のコメントだらけで。

 

「え? え? え?」

 

 戦友達の反応に戸惑う中、オレは一つのコメントが目に止まる。

 

:センシさん、炎上してますよ

 

 ……どうやらオレは思っていた以上にやらかしたらしい。

 

 

 

 

 炎上の理由は色々とあるが、R18フィルターを付け忘れていた事が一番大きな理由らしい。

 ダンジョン探索者はこの機能を必ず付けてダンジョンに潜っている。不測の事態が起きて、無惨な姿を子どもたちに見せない為に。

 しかしオレはそれを忘れて、さらにDtuberとして有名だったから当然子ども達も配信を見ていた訳で……。

 ダンジョンライブには現在苦情が殺到しているらしい。子ども含めた不特定多数が見るダンジョンチューブでなんて物を見せているんだ、と。

 さらにどういう訳かダンジョンチューブ公式サイトからも接続を切る事が出来ず、そちらからも苦情が入っている。アカウント削除は免れたが、厳重注意を受けた。

 

「全く呆れたものだ」

「申し訳ありません。次からは気をつけます」

「次!? 次があると思っているのか!?」

 

 医療用ダンジョンにて精密検査を受けた後、ダンジョンライブのあるダンジョンにて、事務所の社長室にてオレは社長からお説教を受けていた。

 反省の姿勢を見せるも、何故かさらに怒らせてしまう。何故だ。

 

「あ、配信自体はオレ自身しなくても良いと思ってるので」

「そういう事じゃ無い! 死に掛けた上に、()()()()()()()()まだダンジョンに潜るつもりなのか!?」

 

 あー、そっちで怒っているのか。

 最深部から帰る際、潜る時よりも調子が良くて行きよりも早く戻る事が出来た。 

 ただ、この調子の良さには理由があり……。

 

「お前は、もうダンジョンドライバーが無いと死んでしまう体なんだぞ!」

 

 そう。オレはあの時ケルベロスによって殺されたと言っても過言では無い程に致命傷を受けた。にも関わらず欠損した筈の肉体が癒え、こうして普通の人の様に動けているのはダンジョンドライバー……というよりもあの黒歴史書のおかげである。

 ダンジョンドライバーを介して魔力で作った仮初の肉体……それも戦闘用では無く日常生活を送る上で必要最低限な肉体を作ってくれているらしい。

 そして肝心のオレの肉体は、今も緩やかに死に向かって進んでいる。

 医療用ダンジョンの医者にそう診断され、オレは納得した。アレだけの傷を負って無事な理由としては筋が通っている。それに感覚的にも「あ、確かにそうだな」と思った。

 

「……どのくらいだ」

「え? ……ああ、治療費は金貨──」

「違う! ……どのくらい生きられるんだ」

 

 ああ、そっちか。あの医者その事伝えてなかったのか?

 オレとしてはその余命宣告は無意味だと思うんだよな……。

 かなり深刻そうに言われたけど、オレの感覚的に時間的猶予はあるし、何なら助かる可能性も見出している。

 あの黒歴史書から感じる魔力からそう判断した。

 でもどれだけオレが説明しても誰も納得しないから言っても仕方が無い。

 なのでオレは医者に言われた事をそのまま社長に伝える。

 

「3年だそうです」

「──っ」

「でも大丈夫ですよ」

 

 それまでに間に合わせるつもりだし。

 これからの事を考えながら心の中でそう呟く。

 しかし社長は全く納得していないのか、ずっと顰めっ面だ。

 

「何が大丈夫だ……お前は何も分かっていない!」

「……とりあえず、今後もオレは好きにさせて貰いますよ。そういう契約だった筈です」

 

 100万人登録者数を突破という目標を達成し、ダンジョンライブは他のDtuberを抱える会社より一歩リードしている。

 これからダンジョンライブはどんどん大きくなり、どんどん稼いでいく。社長の望む通りに。

 

「……っ」

「ダンジョンを探索する際には配信をしろという指示にも従います。それでもオレの行動が気に食わないのなら……」

 

 その際は、オレとしても名残り惜しいが……。

 

「……好きにしろ」

「ありがとうございます」

 

 諦めたかの様に脱力した社長はそう言い捨て、言質を取れたオレは満足して頭を下げる。

 そしてそのまま社長室を出て行った。

 

 

 

 最初は単なる駒としてしか見ていなかった。

 ダンジョン探索者としての稼ぎ以上のビジネスを見出すと同時に、当時ダンジョン探索者の中で最も容姿の優れたあの女の息子が教会に居ると知って、興味本位に見に行った。あのいけ好かない女の弱点になると思ったからだ。結果としてそんな事は無かったが──それ以上の物を手に入れた。

 

 あの女の息子だけあって容姿端麗で、さらにあの女と離れていたからか性格も悪く無かった。話をしてみると知性も感じられ、体の重心の置き方から平均男子よりも身体能力が高い事が伺えた。

 

 だから私はスカウトした。Dtuberに。

 

 奴の息子……五十嵐センは即決する事なく、悩んで、日を置いてから了承した。そういう警戒心もまた私の中で評価が上がった。

 しかし一つだけ懸念点があった。それはセンが男であるにも関わらずダンジョン探索者になりたいと考えている事。

 私の傘下に入る条件としてダンジョンドライバーを要求して来た時は、面白いと思いつつも奇妙だと思った。

 だから私はそれに了承しつつチャンネル登録者数100万人を条件に付け加えた。

 別に無理だと思っていない。センならいつか必ず達成できると思っていた。その間に心変わりしてくれてら良し。もししなかったら、その時は残念だが足切りを視野に入れていた。売名が終わればそのまま私のダンジョンライブは業界トップを独走できると思ったからだ。

 

 三年が経ち、センは私の見立て通りに登録者数100万人を突破した。

 そしてセンは心変わりせずにダンジョンドライバーを手に入れてダンジョン探索者になった。

 

 そう、センは変わらなかった。

 変わったのは──私だった。

 

 ただの駒だと、金を稼ぐ駒としか見ていなかった筈だったのに、いつの間にか私はセンの事を息子の様に想っていた。

 時間が、ダンジョンライブの皆が、会社の皆が私を変えてしまった。

 ビジネスは夢になり、駒は愛しき仲間に、会社は家の様に想えた。

 

 だからセンに恋慕とは名ばかりの独占欲を抱き、害そうとした愚かな女は直接ぶちのめした。

 

 だからセンの望む事を叶える為に探索者時代に培った人間関係を使い全力でサポートした。

 

 金で、力で、コネで、センを守った。

 

 故に今私は後悔している。

 彼にダンジョンドライバーを渡してしまった事。彼を死地に追いやってしまった事を。もう一年しか持たない体にさせてしまった事を。

 

 何よりも──あの女の息子である事実を、呪いを、解く事が出来なかった。

 

 ──それまでに間に合わせるつもりだし。

 

「……セン、お前はやはり」

 

 あの女の復讐をするつもりなのか?

 お前は知らないんだ。あの女がどれだけ醜悪な存在だったのかを。

 酒場で自慢げに話していた。手の掛からないガキだと思ったら、気味の悪い人形だと酒に酔いながら笑って話してたのを。それをお前は信じなかった。いや、信じたく無かったのか。

 そうでも無ければ、有名になったお前に金を集りに来た親と名乗るあの女に、あんな笑顔を向けないよな。

 あの女が「お母さん嬉しい」「おまえが息子で良かった」と言えば、お前は嬉しそうにしてたよな。あの女が裏で笑っているのを知らずに。

 

「そんなクソの為に、復讐なんて……しなくて良いんだ……っ」

 

 ダンジョン災害であの女は死んだ。それを知ってセンは直ぐにダンジョンに潜った。母の死に対して何も反応を示さなかったが──それが強がりだって分かっていた。

 

 すまない、セン。私はお前の心の悲鳴に応える事が出来なかった。

 お前の母でありたいと思いながらも、そうはなれなかった。

 

 セン──せめて最期は穏やかに。

 

「だから──もうダンジョンには」

 

 その先の言葉を私は言えず、そしてセンを止める事が出来なかった。

 センを殺したのは──私だ。

 

 

 

 

メンバーシップ「戦場の絆」に今後のダンジョン攻略スケジュールを投稿して一息を吐く。

 もしこれで情報が漏れて、オレの行動に快く思わない人たちが妨害して来たら……メンバーの中に裏切り者が居るって事だろう。メンバーシップに入っている人たちをそういう風に見たくないがリスクは考慮しないといけない。

 

 最もダンジョンが多く、最もダンジョンを攻略され、最もダンジョンが使われているエリア4。

 ダンジョン探索者の間では最弱エリアなんて言われており、確かに難易度は他のエリアと比べて低いのかもしれない。

 しかしそれでも攻略されていないダンジョンがあり、そのダンジョンこそがオレが求めているダンジョンだ。

 

 ダンジョンを攻略する際には最深部に辿り着き、ダンジョンコアを確保する必要がある。

 それを成したダンジョン探索者は実力者として見られるのだが、幾つかのダンジョンはコアが存在しない。

 いや、正確にはとあるマジックアイテムと融合してしまい攻略不可となっているというのが正しい。

 そのダンジョンコアと融合しているマジックアイテムの名は「英雄の道導」。俺が持っている黒歴史書こと「英雄の魔導書」の一部だ。

 

 配信を見返した時、ケルベロスを倒した後黒歴史書から魔力の塊が何処かに飛んでいく様子が映っていた。そしてオレが目を覚まして中身を見て真っ白だった事から、肝心の中身が各ダンジョンに散らばったと見るのが妥当だろう。

 

 色々と矛盾があるが……現に、攻略不可のダンジョンの最深部に到達した配信者の動画を見る限り、一枚の紙切れが魔力を放ちながら浮かんでいるのを見た。

 回収はできなかったが、それに触れたダンジョン探索者はユニークスキルを手に入れて強くなり、他の探索者とは桁違いの実力者へと変貌していた。

 ちなみに同じダンジョンに潜って触れても効果が無いらしく、他の英雄の道導があるダンジョンを攻略すると強くなれるらしい。

 調べた所、歴代で最も到達した探索者は50枚の英雄の道導に触れたらしい。

 

 人の黒歴史にペタペタ触れるの勘弁してくれませんかね……。

 

 つまりオレにとって何時書かれている内容がバレてもおかしくない状況の為、迅速に英雄の道導があるダンジョンの攻略をしないといけない訳だ。

 今は別の理由があるけど……。

 

 でもダンジョンに潜るにしても、改めてスキルの見直しが必要だ。

 黒歴史書の魔力によって随分と余裕ができた。平均的な女性よりも魔力保有量が増えていると医者も言っていた。今ならもっと簡単にダンジョン攻略ができる充実なスキル選びができるかもしれない。

 スキルを買うにはお金が必要だが、幸いにもDtuberとして稼いだお金がある。母親に搾取されていても、それでも尚余裕があるのは普段からお金を使わなかったおかげだな。

 

 早速明日攻略する為、オレはスキルを変えるダンジョンに向かう事にした、のだが……。

 

「入るぞ」

「ノワール」

 

 突然扉が開き、勝手にオレの部屋に入って来るのは黒吹ノワール。

 ダンジョンライブ二期生、つまりオレの同期である。

 紫色の長髪に黒のインナーカラー、頭部には黒い角が生えて、金色の瞳は縦に割れている。

 彼は魔界から来た悪魔の王子であり、人間界の事を知る為に配信者をしている……という設定のDtuberである

 

「せめてノックしてくれないか?」

「ふん。ボーっとしているお前は反応しないだろうが」

「そんな事はないが……」

「それと、回復して日が浅いから心配している、という訳ではないからな。勘違いするなよ」

「……」

 

 そしてリスナーや同期からツンデレと言われている。

 配信でも似たような言動を繰り返しており、辛辣な言葉の後に相手を気遣う様子を見せる。それがウケている様で、評価は高くそろそろ登録者数100万人に届きそうなDtuberだ。

 

「まぁ、そう言うなら」

「無理はするなよ」

「一瞬で前の言葉と矛盾したぞ」

 

 オレにはできない芸風だな……。ただ他の同期曰く()でやっているらしい。マジかよ情緒どうなってんだ、と初めは思っていたがツンデレとはそういうものらしい。

 ちなみに今みたいなやり取りをリスナー達は「てぇてぇ」と言って喜んでいるが、あまり理解していない。

 

「それで何の用件?」

「……二期生全員で遊園地ダンジョンに行く話になった。それを伝えに来た」

「何でオレ含めた予定を既に確定させてんだよ。せめて確認を取れよ」

 

 シノビもスピアも突っ込まなかったのか、と残り二人の同期を思い浮かべてため息を吐く。多分スピアのゴリ押しだろう。テンションで生きている男だからな。

 仕方ない。こうなったら二期生は止まらない。もし断ったら面倒だ。具体的には夜な夜な魔法フォンにメールを送られて来るくらいには。

 

「それで何時行くんだ?」

「明日だ」

「明日!?」

 

 1週間後とか、その辺だと思っていたから驚いてしまった。

 急にも程があるぞ!

 それに明日はダンジョンに潜る予定だから、申し訳ないけど無理だ。

 此処は後の対応が面倒だが、断るしかない。

 

「ノワール、すまないが明日は―ー」

「集合は朝の8時だ。遅れるな」

「いや、ノワール。だから明日は」

「それとダンジョン前に朝食を摂る予定だ。何も食って来るなよ」

「だからノワール。明日は」

「それと、ダンジョンの後にはオフコラボ予定だ。台本はスピアが作っているから安心しろ」

「ノワール、話を聞いて―ー」

 

「黙れ」

 

 ……ノワールの雰囲気が変わった。

 部屋に入って来た時から様子が可笑しいと思っていたが……やっぱり何か企んでいたな。

 沈黙が部屋を包み込み、ノワールは俯いていてどんな顔をしているのか分からない。

 ため息を吐き、今度は遮られない様にオレの言葉を伝える。

 

「明日はダンジョンに潜るから無理だ」

「行くな」

「もう決めた事だ」

「ダメだ」

「それに、しばらくは時間が取れそうもない」

「……そうやってまた死にかけるのか?」

 

 そう言ってノワールはオレに詰め寄ると、服の襟を掴んでこちらを強く睨みつけた。

 その瞳には怒り以上の別の何かの感情が込められており、オレはそれを知らなかった。

 戸惑い、言葉を詰まらせるオレにノワールが叫ぶ。

 

「お前、どれだけ皆に心配を掛けたと思っている……!」

「それは……」

「社長にも止められたんだろ!? これ以上死に急ぐ必要はない筈だ!」

 

 ノワールの言う通り、炎上の件で怒られた後にダンジョンに潜るなと言われた。

 しかし、この件に対して社長は止める事は出来ない。

 オレは元々ダンジョンに潜る為に、攻略する術を手に入れる為にDtuberになった。ダンジョンライブに貢献した。それで不都合が起きて、オレの自由意思を縛るのは契約違反だ。

 だからこれ以上オレのやる事を止める場合は―ーダンジョンライブを去らなくてはならなくなる。

 

 その事をノワールに言っても仕方はない。それに。

 

「お前には関係ないだろ」

「な……!?」

 

 オレがダンジョンに潜るのは、オレの事情であり、オレの意志である。

 これにダンジョンライブも、社長も、そして目の前のノワールも関係ない。

 だから心配される筋合いがないのだ。心配しなくても良いのだ。

 責任は全てオレにある。探索の果てにオレが死んでも、全て自己責任だ。だからノワールは気にせずにこれまで通りに配信をしてて良い。

 

「お前……!」

「話は終わりか? だったらオレは行くぞ」

 

 まだ何か言いたそうにしているノワールを振り切り、部屋を後にする。

 これ以上付き合っていてもノワールは納得しないからな。

 時間が経ったらそれとなくフォローするか。それでもダメだったら他の同期に助けて貰おう。

 

 そんな楽観的な事を考えていたオレは気付かなかった。

 ノワールがどんな表情を浮かべているのか、を。

 

 

 

 

 部屋を後にしたセンシを見届けて、俺は力なくその場に座り込んだ。

 センシが明日ダンジョンに行くことは知っていた。だからそれを止める為にディズニーダンジョンに行くだなんて嘘を吐いた。

 これまでのセンシだったら文句を言いながらも「仕方ないな」と言って、俺達の無茶ぶりに応えてくれた。

 それが楽しかったし、嬉しかったし、彼の優しさだと知っていた。

 

 でも、センシは変わってしまった。

 あの頃のセンシはもう居ない。

 

 全部――あの女のせいだ。

 

 センシの母と名乗るロクデナシは、昔センシを捨てた癖に彼が有名になると擦り寄って来た。

 普通ならそんな人間に真面に取り合う必要はないし、しないだろう。

 社長もセンシの母に怒りを露わにし、初めてやって来た時は金輪際関わらせない様にしようとしていた。俺も同じ気持ちで居たのだが―ーセンシは違った。

 

 あいつは母の愛に飢えていた。

 だから自分を捨てた母にあんな笑みを浮かべて接する。それを見たセンシの母が―ー嘲笑っていた事に気が付かずに。

 

 センシはようやく母親が自分を見てくれたのだと嬉しく思ったのかもしれないが、それは違う。あのクソ女はセンシを良い金蔓としてしか見ていなかった。

 

 何度俺が目を覚ますように言っても「大袈裟だよ」と言って取り付く島もなく――あの女は最悪の形で死んで、センシを壊した。

 

 記念ライブを終えて幸せの絶頂期に居たセンシに、己の死という呪いで地獄に叩き落とした。

 センシは明言しなかったが……母親を殺したあのドラゴンを、ダンジョンを、憎んでいる。

 そして周りを巻き込まない為に、もし死んでも自己責任だと、その覚悟があるとあの配信で言っていた。

 

 違うんだセンシ。

 

 俺たちはお前に生きていて欲しいんだ。死んで欲しくないんだ。

 

 良いじゃないか。安全な所で平和に過ごしても。

 

 あんな母親は忘れて幸せになってくれよ。全部忘れてくれよ。

 

 だからどうか――戻って来てくれ。

 

 またくだらないやり取りをして、喧嘩して、そして笑って過ごす。それで良いじゃないか

 

 そんな俺の想いはセンシに届かず――一つの雫が頬を伝った後、床に落ちた。

 

 

 

 

『この後20時から!

 

 ダンジョン攻略を終えて落ち着いたので、生存報告も兼ねて配信します!

 皆さんご心配をお掛けしました。

 

 【雑談】戦場センシの腹拵え【ダンジョン攻略感想】

 #戦場センシ

 #常在戦場』

 

 

 

 モノログでの宣伝通り、夜の20時にオレは配信を開始した。

 

「こんばんわ〜。ダンジョンライブ二期生の戦場センシです。久しぶりの配信ですね」

 

:まだ休め

:生きていて嬉しいけど休んで欲しい

:何でアレで生きてるんだ? というか傷が

 

「生存報告も兼ねてるし、調子はすこぶる良いから大丈夫だよ。後何が起きたのかは正直オレも聞きたいんだよね」

 

:元気ならええ

:記憶無いの?

 

「うーん。実はあのケルベロスにやられて意識を失った後の事覚えて無いんだよね」

 

 だから配信していた配信ゴーレムに残っていたログを見て物凄く驚いた。

 

「アレってさ……オレがやったんだね」

 

:せやで

:見ててビビった

:炎に包まれたかと思ったら、姿変わって無双始めたからな

 

 そうなんだよね。でもオレは全く覚えていない。

 気絶している間に黒歴史書を使って色んな武器を使って、色んな方法でケルベロスをボコボコにしていた。少なくとも2000年前にあんな力を持っていた覚えはない。当然今世でも見覚えは無い。

 

:でも見覚えと言うか、聞き覚えがあるんだよな

:魔力濃度が高くて記録乱れてよく見えなかったけどな

:配信ゴーレムが機能不全起こすとかやばい魔力濃度

:よくセンシは無事だったよな

:果たして本当に無事だったか……

 

 まぁ無事か無事でないかで言うと無事ではないんだよな現状。

 ドライバーを解除すると多分普通に死ぬ。その前に何とかしないといけない。

 そしてリスナー達には伝える気はない。無駄に心配させてしまう事を社長の反応から学んだ。

 ……他のダンジョンライブの皆にも言わない様に後で社長に言っておかないとな。

 帰って来た時に滅茶苦茶心配されたし、怒られたしな……。

 オレ、怒られるのめっちゃ苦手なんだよな。前世の経験からどうしても体が委縮してしまう。

 

:Ðtuberとしての配信はまだやっていくの?

:最近一期生の二人がダンジョンバトルにハマっているからセンシにもして欲しい

:ガチダンジョンでプロ顔負けの動きしてたから、大会に出たら優勝しそう

:同期とチーム組んでやって欲しい

 

 ダンジョンバトルか……確か攻略済みのダンジョンと特殊なドライバーを使ったゲームだっけか。

 確か、記念ライブする前くらいに一条先輩達が遊んでいたのをノワールが言っていた気がする。

 ライブの後のダンジョン探索の事を考えていて、話半分に聞いていたけど……。

 

:一条元々ゲーム上手かったけど、ダンジョンバトルは才能あり過ぎる

:もし女だったらエリア4最強ダンジョン探索者になっていたかもしれない

:勇者より強いのは流石にないだろwww

:でも男女差はセンシのおかげで払拭されたんじゃない?

:流石にそこまでじゃないでしょ

 

「え? なにそれ?」

 

 気になって聞いてみると、どうやらオレがダンジョン最深部を攻略した事により、インターネット上では大騒ぎらしい。

 これまではダンジョンドライバーの恩恵を十二分に受けられないから、男にダンジョンドライバーを使わせても意味がないと言われていた。しかし今は、男性も積極的に使った方がダンジョン攻略がこれまで以上に進むのではないか? と議論されているらしい。

 

:でもさ、ダンジョン災害が起きたら戦闘体壊されてそのまま殺されるだろ?

:確かに。通常の下層までの探索なら、もし戦闘体が破壊されても術式で帰って来れるけど

:ダンジョン災害が起きると危険地帯が地上にまで及ぶからな

:むしろ脱出して地上に生身で放り出されてから殺されるパターンが増えるかも

 

 しかし杞憂を口にするコメントが多くあり、総じてやはり男性が使うには色々と危ないと言っている。

 ……うーんでもさ。

 

「ダンジョン災害で人が死ぬのにさ、男も女も関係ないと思うぞ」

 

:え

:どうしたセンシ

:怒ったん?

:どうした急に

 

「いや、話聞いていて思ったけどさ。ダンジョン災害が起きてダンジョンドライバーの利点が潰されて殺されるって言ってるけどさ……それって使用者が女の場合もそうじゃんって話」

 

:いや、確かにそうだけどさ

:流石男! 現実が分かっていないwwwww

:言いたい事は分かるよ? でもさこれで男が死んだら……

 

「前々から思っていたけど、ダンジョン探索者になるなら命賭けるのは当たり前じゃないのか?」

 

 前世の時はそうだった。一度潜る度に常に死ぬ覚悟と生き抜く覚悟を持ってダンジョンに挑んでいた。だから前世の最期では後悔をしていなかったし、何なら己の実力不足のせいだと納得していた。

 しかし失敗しても死なないからか、もしくは男女の価値観の違いからか、どうもリスナー達の言っている事に納得できない。

 

「リスクもリターンも飲み込んでこそのダンジョン探索者じゃないのか? ってオレは思うね。そこで死んでも自己責任だと思う」

 

 と、オレは偽りのない本音を語ったのだが……。

 

:これだから夢見がちな男は……

:現実見ろよ

:前回のダンジョン探索が運良くいったから調子乗っているのかな?

:流石Ðtuberだわ。私たち本当の探索者を舐めてる

:チヤホヤされると声がデカくなりますよね!

 

 どうも歓迎されていないらしく、前回のダンジョン探索配信から来たであろう視聴者から辛辣なコメントが怒涛に押し寄せ、さらに……。

 

:センシ、その発言はどうかと思う

:ダンジョン災害で家族を失った人も居るんやぞ。それで自業自得は……。

:それに私たちはセンシを心配しているんだからさ、無理してダンジョンに潜らないで欲しい

:心配している人たちの事も考えて欲しい

:これまで通り楽しくやろうよ

 

 リスナー達も苦言を申し、オレに対してダンジョン探索を辞めるように言いだし始めた。

 全員が全員オレに対して否定的ではない。中には肯定的なコメントを送ってくれている人たちもいる。しかしそれは少数派で……オレの考えは理解して貰えなかった。

 

「……とにかく、オレはモノログでも言っていた様にしばらくダンジョン探索を続けますので、それまでDtuber活動はしません。今日はその報告です」

 

:じゃあその魔力体使うなよ

:ダンジョンライブ所属名乗っておいて何言ってんだ

:都合の良い時に都合の良いことを言う、それが男だ

:いやセンシは見た目弄っていないんですが

:そんなウソ信じているのかよwwwww

:そろそろアンチ消えろうざいわ

:これだからD豚は現実が見えていない

 

「おい、コメント同士で喧嘩するな! ああ、もう―ー」

 

 その後しばらくコメント欄は盛り上がり、結局上手く収集付ける事ができずに配信を終え―ーオレの発言とリスナー達の反応が切り抜かれ、ネット上に拡散された結果炎上した。

 チャンネル登録者数が増減を繰り返し、社長からも注意されてしまう。

 

 ままならんな、とオレは世間と自分の認識の差にため息を吐く。

 果たして間違っているのはオレか、世界か―ーもしくは正誤も何も無いのかもしれない。

 

 

 

 

 大陸変動やダンジョン災害の発生により、現在この星は7つのエリアに分けられている。

 そのうちの一つエリア4は最も安全かつダンジョンが多く、人類の生活圏として存在している。

 エリア4では沢山のダンジョンが攻略され、そのまま攻略されたダンジョンは人類のインフラとして活用されている。

 医療用ダンジョン。国会ダンジョン。住宅ダンジョン。教育機関ダンジョンと様々な活用がされ、さらにダンジョン間が魔力で繋がっている事を活用しネットワークの構築も行われた。結果、情報の閲覧、共有が活発化しダンジョン攻略の助けにもなっている。

 そんな便利なダンジョンを用いて豊かになった人類は、ダンジョン攻略以外にも娯楽を求める様になった。その中の一つに男性Ðtuberの存在があり、そのタレント達を育成、メディア露出をしていく為だけに用意されたダンジョンをダンジョンライブの社長が手に入れた。

 ダンジョン探索者時代に自ら攻略し確保した為、ダンジョンを購入する必要が無く、またそれまで稼いでいた彼女の資金、そして類まれなる才能を持つタレント達により、ダンジョンライブは業界において急上昇を遂げていた。後追いのようにDtuberを募集、育成している会社もあるがダンジョンライブには及ばない。

 

 だからこそ戦場センシの暴走とも言える彼の行動は、良くも悪くも様々な業界から注目される事となる。

 

 その事を誰も理解していなかった。

 

 

 

 

戦場センシがダンジョン攻略の配信枠を取る前から、彼が再びダンジョンに潜るという情報はネット上で拡散されていた。

 以前の配信の発言で炎上していた彼は注目の的であり、リスナー、アンチ含めて様々な意見が散見されている。

 やはり多いのは彼のダンジョン攻略を快く思わない意見であり、彼の存在を拒絶するダンジョン探索者、彼の安全を考慮してもう辞めて欲しいと心配するファンたちと、抱く感情が真反対にも関わらず同じ意見を抱いていた。

 

 しかし、センシは止まるつもりがなく―ーそれをリスナーたちは理解していた。

 

「なので今後は私もダンジョンに潜る回数を増やそうと思います」

 

:出会い厨乙

:ちょっと強いからって調子乗るな

:センシに何かしたら許さんからな

 

「酷い……でも皆さんクソ雑魚だから、全然傷つかないですね」

 

:こいつホンマ

:昔はコメントに一喜一憂するコミュ障だった癖に

:英雄ダンジョン攻略してからイキり始めた

:さらにセンシを推し始めてからマウント取って来た

:これがエリア4最強ダンジョン探索者の姿か……?

 

 戦場センシと同じように、ダンジョンにて配信を行う一人の少女が居た。

 しかし彼女はセンシと違いDtuberではなく、ダンジョン探索者である。男性の様に容姿を変える事無く、ただ強さだけを求めた魔力戦闘体を展開し、死地に向かう狂人の一人。

 

 名は結衣坂ユウナ。過去に3度英雄の道導に触れた実力者であり、その際に手に入れたユニークスキル「瞬火終到」の効果から、他社からは畏怖を込めて「勇者」と呼ばれている。

 

 ポニーテールにした茶髪のインナーカラーは紅に輝いており、彼女の魔力の色を映している。瞳も紅色であり、しかしその目元は前髪で隠されている。

 

 勇者などと呼ばれているが、彼女の性格は暗く他人とのコミュニケーション能力が乏しく、彼女を知る者は皆「陰者」と呼んでいる。

 

 しかし、性格に難があっても人類史上最強の一角のダンジョン探索者。

 彼女の実力は多くの人間に認められており、有事の際には頼りにされている。過去に何度もダンジョン災害に対処しており、以前ダンジョン災害にて地上に出たドラゴンを撃退したのも彼女である。

 

「前回は私が助ける前に帰っちゃったので……次危ない時があったら、私が助けるんです」

 

 そして彼女は戦場センシのリスナー……つまり戦友である。

 さらにメンバーシップ「戦場の絆」に加入して3年目になる古参勢でもある。センシの配信の時に投げるハイエンドコメント……通称ハイコメでは、毎回上限金額を設定して彼に貢いでいる。

 

 本来なら早々に困窮する筈だが、ダンジョン探索者として上澄みの彼女にとって金は腐るほどある為、ハイコメで投げれる金額の上限を煩わしいと思っている程だ。

 

:金と力のあるオタクは厄介だな

:向こうはお前の事認知してないで

:分からんぞ。なんせ勇者さまだからな

 

「ふへへへへ……そ、そうですよねっ。私、勇者だから、センきゅん私の事知っているかも……!」

 

 さらにユウナは妄想する。今後センシがダンジョンでピンチに陥った時に、颯爽と自分が現れて助ける。するとセンシは最強で勇者である自分に惹かれて、そして―ー。

 

「ぐへへへへへへへへっ」

 

:きっしょ

:また自分の世界に落ちてる

:なんでこいつが勇者って呼ばれているんだ……

:配信始める前は謎の実力者って言われたし……

:コミュ障な所もクールって解釈されてたし……

:最年少で英雄の道導に触れて期待されてたし……

 

 ネット小説のダンジョン探索者配信モノのテンプレシーンを妄想している彼女に対して、彼女のリスナー達は呆れ果てた。

 彼女たちはユウナの強さに憧れて集った勇者のファンだ。当然、初めはユウナのコミュ障陰キャ承認欲求のモンスターのくっそ面倒な性格に戸惑いもしたが、今では慣れたものだ。

 だから彼女がセンシが大好きで、こうしてセンシと会うためにダンジョン攻略をすると聞いても「ああ、確かにコイツならそうするな」と納得している。

 

 しかし―ー。

 

:絶対さ、もし遭遇しても緊張して何も話せないだろ

:陰者だからな……

:センシ、別にオタクに優しい男って訳じゃないしね

:何ならリアリストで、センシを出待ちしてたって知ったら軽蔑しそう

:耐えられる?

:無理だろ。コイツのメンタルはスライム以下だぞ

 

 ダンジョンにおける最も弱いモンスターはスライムであり、ユウナのメンタルはそれと同程度である事を彼女たちは知っている。

 知らないのは妄想の世界に飛び立った勇者本人のみ。

 

 その後、しばらく雑談した後に勇者はダンジョン探索に向かったが、センシに会う事はできなかった。

 

 

 

 

 

 2000年以上前、まだダンジョンが現れていない頃は魔法が最も強い力だった。

 限られ、優れ、そして希少な人間のみが魔法を扱い、扱えない者を虐げる時代が続いていた。

 しかしダンジョンが現れ、魔法の力が通じず、人類が滅亡の危機に陥り――一人の賢者が、後にダンジョンドライバーと呼ばれるマジックアイテムを作った。

 発動までの術式を保存し、魔力を流すだけで発動できる様にシステム化。これにより誰でも強力な魔法を扱えるようになった。ダンジョンが人類に魔力の恩恵を与えたのも大きかった。

 それまで畏怖されていた魔術師はその存在が廃れ、2000年経った今、如何に多くの人間に扱って貰えるか、希少性を捨てて多様性豊かに、強力な一撃を叩き込むのではなく継戦能力を高め、魔力の効率性が求められーー新しく、強く、唯一無二の魔法を開発するよりも、既にある魔法の改良に力を入れる者がほとんどだった。

 

「変わったな……」

 

 以前よりも良い素材が使われたロングソードをダンジョンドライバーに登録しながら、センシは2000年の間で変わった魔法の常識に想いを馳せる。

 前世の彼には魔法の才能が無く、彼にとって魔法は特別な存在だった。

 魔法で何度死にかけたか……。

 魔法を扱う人間は傲慢な者が多く、気に入らない事があれば魔法を使って当たり散らしてくる。特にセンシは施設育ちで権力者からすれば虫けらも当然な存在であり、魔法の特訓だとか、訓練を付けてやるだとか、または遊び感覚で魔法を使って来く者が多かった。

 その度に死にかけ、そして同じ施設の子ども達が実際に死んだ事もあった。

 

 だから今こうして生活の基盤になっている魔法に、センシは複雑な感情を抱いている。

 

「……オレには扱えそうにないな」

 

 物理、魔法攻撃を防ぐ「シールド」。ダンジョンの壁に干渉して障壁を生成する「バリア」。これらは必須と言われている為入れているが、遠距離からの攻撃魔法はどうにも肌に合わない。

 黒歴史書のおかげで魔力問題は解消されたが、センスの部分はどうにもならない。やはりオレは剣片手に突っ込むくらいしか出来そうに無いな。せめてそれを補助するスキルを取り入れたい。

 

「んー……」

 

 そもそもスキル自体、無限と言っても過言ではない程に数があるんだよな。

 スキルは基本的に4つの種類に分けられている。

 装備している基本武器を強化するスキル。

 魔力体に干渉して強化や変化を及ぼすスキル。

 必須と言われている「シールド」や「バリア」の他にも、空中でジャンプしたり魔力反応を消すと言った支援タイプのスキル。

 そして太古の魔法の再現や、特定条件下のみで発動できる必殺スキルなんてものがある。

 詳しく調べている訳じゃないが、その総数は1000以上あるんじゃないだろうか?

 オレが前世で死んで割とすぐにダンジョンドライバーが開発されて、スキルの作成もされたから実際はもっと多いのかもしれない。改良されて破棄されたり、作成されたけどそのまま忘れられたスキルとかあるだろうし。

 

 だから膨大な数のスキルから、たった4つを選んで最適なスキルスロットの構築は難しい。

 その為にはスキル一つ一つを理解する必要がある。

 ネットにある最強スキル組み合わせ論、なんてものは当てにしない。正直よく分からないから……。

 

 故にオレがスキルを選ぶ指標は前世の自分の戦闘スタイル。

 その時の経験。足りなかった知識。補うべき欠点。開拓すべき力。それらを考慮して、今世の自分を、戦場センシをリ・ビルドする。

 今必要なのはそういう考えだろう。

 

「さて……」

 

 しかし悩んでしまう。初めて潜った時は魔力が足りず、スキルを入れる余裕が無かった。

 今は逆に魔力が有り余っているが為に、選択肢が増えて彷徨っている状態。

 どうしたものか……。

 スキル名が書かれたデータチップを睨みつけながら云々と唸る。このままだと冷やかしと判断されて追い出されてしまうかもしれないな。

 

「――ねぇねぇお兄ちゃん。お兄ちゃんはこの刀身伸縮系のスキルを選んだら良いと思うよ?」

 

 そんな事を考えていると、いつの間にか隣にいた一人の少女に話しかけられた。

 かなり幼い見た目だ。10歳くらいだろうか? 頭からローブを被っている上に、オレの方が背が高いため顔が見えない。辛うじて声で少女だと分かるが……何故か頭の中に残らない様な気がする。それなのに、無意識に気にしない様に脳が理解を拒んでいる……気がする。

 

 まぁ、いいか。

 

 この店のロゴが付いたエプロンがあるし、店員だろう。ダンジョンドライバーがあれば見た目なんていくらでも変えられるし。

 それよりも、だ。

 

「何故そう思ったの?」

「えっとね。お兄ちゃんの立ち振る舞いは以前の配信で見たけど、他の探索者の様に魔法系の必殺スキルや弾丸系のスキルを駆使してオールラウンダーに戦うタイプではないんだよね。でもでも! 剣一本のみでは限界がある事を自覚しているよね。だったら、今の戦闘スタイルを崩さずに遠距離攻撃をするならこのスキルしかないよ! ……その為に作ったし」

 

 話し方は幼女のソレだけど、彼女の言葉には説得力があり、オレは何故かすんなりと受け止める事ができた。

 言われてみると確かにそうだな、と思う。他にも斬撃を飛ばすスキルがあるが、刀身伸縮のスキルと比べると魔法に近い感じがして苦手意識を抱いていた。

 

「他にはコレなんかはどう? 君なら長所を活かす使い方にも、新戦法にも使えると思う!」

「なるほど……」

 

 スキルの説明を見てみると、確かに戦術の幅が広がる印象を受けた。それに2000年前に同じような武器を触ったことがある。さっきのスキルと合わせた連携も思い付いた。

 

「あとお兄ちゃんはシールドよりもバリアが良いよ」

「それはオレもそう思っていた」

 

 空中に浮かぶ半透明な盾なんて、魔法というイメージしか湧かない。

 でも、バリアよりもシールドの方が人気だし性能が高いんだよな。魔力効率もバリアの方が高い。今のオレは黒歴史書で問題ないけど……。

 

「お兄ちゃん。お兄ちゃんの強みは常識に囚われない事だからね?」

「常識に囚われない……」

 

 ……そう言えば、スピアが薦めて来た漫画で気になるシーンがあったな。

 バリアならもしかして……。

 少女の言葉にオレの中でダンジョンで試したい事が増えていく。

 なんだか、ワクワクして来たな。

 

「あとお兄ちゃんはみんなに顔がバレているから、ダンジョンの出入りには気を付けてね。特に勇者とか名乗る陰キャとか!」

「陰キャ?」

 

 確かに、モノログを見るとダンジョンに潜るオレを探そうとしている人間が一定数以上居る。

 オレへの好奇心、悪意、下心……理由はどうあれ、ダンジョンに潜る前に絡まれると厄介だと感じているのは確かだ。

 この少女の言う通り細心の注意を払いつつ出入りには気を付けよう。

 

 ……待てよ? あのスキルを使えば……。

 

 オレは少女が薦めてくれたスキルと、これだと思ったスキルを購入する。

 これで4枠全て埋める事ができた。ダンジョンに潜って使用感を確かめるのが楽しみだ。

 

 レジに向かい会計を済ませて、まだスキル売り場に居る彼女の元に向かい、

 

「ありがとう。助かっ……」

 

 オレは、礼を述べようとして。

 

「……あれ?」

 

 はて、オレは今まで誰と話していたんだ?

 

 

 

 

 

 

「また会いましょう――センシ様」

 

 

 

 

10:名無しの戦友

しっかしセンシは強いな

これで英雄ダンジョンを3つ攻略したんだろ?

 

11:名無しの戦友

ますますあの考察の信憑性が上がるな

 

12:名無しの戦友

英雄の子孫ってやつ?

 

13:名無しの戦友

英雄ってまず子ども居たのかって問題が……

 

14:名無しの戦友

でも英雄の魔導書を手に入れた理由が説明できないじゃん

 

15:名無しの戦友

これまで何度も目撃情報あったけど、確保しようとした瞬間転移して逃げてたからな

 

16:名無しの戦友

自立して動くマジックアイテムとかやべぇよな

 

17:名無しの戦友

映像にもあったけど、明らかにダンジョン黎明期の魔法使ってるから、そらやべーよ

 

18:名無しの戦友

そんなヤベーアイテムに選ばれたって事は、子孫じゃないにしても何かしら関係あるじゃろ

 

19:名無しの戦友

でも全然使わないね

 

20:名無しの戦友

使ってはいるんじゃね? ほら魔力とか

 

21:名無しの戦友

でも他の英雄ダンジョン攻略者みたいなユニークスキル無いし

 

22:名無しの戦友

やっぱり男だから?

 

23:名無しの戦友

>>22

まーだ性差別してるやつ居るんか

 

24:名無しの戦友

いやでもこれまで男性ダンジョン探索者居なかったから、男のテストケースもない訳で……

 

25:名無しの戦友

そう言われると、そうだけど……

 

26:名無しの戦友

現状確かめようが無いというか、これから分かって行くというか

 

27:名無しの戦友

センシ自体存在がおかしいけどな

女顔負けの身のこなしは分かってたけど、スキルの扱いも普通に上手い

 

28:名無しの戦友

センシのスキルスロット判明した?

 

29:名無しの戦友

>>28

どノーマルなバリア

鉤爪付きワイヤー生成スキル『虎爪』

魔力噴出スキル『ブースト』

そして剣系アイテムの刀身を伸ばすスキル『龍牙』

 

30:名無しの戦友

>>29

君良く有能って言われない?

 

31:名無しの戦友

ほえー、高機動近接タイプやな

 

32:名無しの戦友

ワイヤーで壁や敵と繋いで、バリアでジャンプして、ブーストの噴出という高速移動がエグい

 

33:名無しの戦友

>>32

しかもあんなアクロバティックな動きしながら、キッチリと急所を斬って殺ろしてる

 

34:名無しの戦友

そうか? 女なら誰でもできるやろ

男は良いなー笑 女が当たり前にできる事ができたら褒められて笑

 

35:名無しの戦友

>>34 アホ言うな

スキルは基本的に同時使用は無理

個人的にではなく、魔力戦闘体の性能限界で、だ

にも関わらずここまで一瞬でスキル使ってるって事は、スキルの切り替えがエグいって事だ

 

36:名無しの戦友

>>34

女は元々マルチタスクに秀でた脳みそしてるから、ぶっちゃけ男なのにここまでスキル切り替えできるセンシがヤバい

 

37:名無しの戦友

>>34

さらにセンシは剣で斬る瞬間に刀身にブースト使って攻撃力上げてる

こんな使い方見た事ないし、お前は絶対思い付かないだろ

 

38:名無しの戦友

>>34

さてはおめぇにわかだな

 

39:名無しの戦友

>>38

センシの?ダンジョン攻略の?

 

40:名無しの戦友

>>39

両方だろ

 

41:名無しの戦友

 

42:名無しの戦友

>>34の人気に嫉妬

 

43:名無しの戦友

それにしてもどれも珍しいスキルだよな

 

44:名無しの戦友

大体みんな弾系や魔法系入れたり、属性付与だったり性能強化入れたりするよな

 

45:名無しの戦友

近接タイプだと魔力刃の方が人気だよな

 

46:名無しの戦友

魔力刃は戦闘体の何処からでも刃生やせるからな

 

 

47:名無しの戦友

その分耐久値が普通の武器と比べて低いけど

 

48:名無しの戦友

便利さでは勝つよな

 

49:名無しの戦友

腕捥げたり、武器破壊されたら丸腰だからな

 

50:名無しの戦友

だから近接とかいうモンスターにダメージを受けやすい役職は魔力刃入れてたりする

 

51:名無しの戦友

その点センシの武器ってそこまで耐久無さそうなんだけど、何で?

 

52:名無しの戦友

>>51さっき言ってたブーストの使い方だけど、アレ一瞬魔力纏わせてモンスターの外皮を砕いてから中の肉を削いでいるんだと思う

 

53:名無しの戦友

そんな事できるの?

 

54:名無しの戦友

出来ているからセンシがヤバいって言われてる

 

55:名無しの戦友

センシの動き何処か見た事あると思ったら、某アニメの隊長だ!

 

56:名無しの戦友

ああ!潔癖症ドラゴンスレイヤーの!

 

57:名無しの戦友

最後は主人公により人類の9割が死んで、ドラゴンは全滅しました

 

58:名無しの戦友

そういえば同時視聴でアタック・オブ・ドラゴン見てたな

 

59:名無しの戦友

アニメ見て同じ事してんのかよ草だわ

 

 

 

74:名無しの戦友

そう言えばセンシの使う龍牙、なんか長くね?

 

75:名無しの戦友

ワイも思った

 

76:名無しの戦友

普通の龍牙が15mだとすると、センシのは60m?

 

77:名無しの戦友

遠距離タイプの射程くらいあるやん

 

78:名無しの戦友

センシの龍牙、長いんだ……ふむ

 

79:名無しの戦友

>>78通報した

 

80:名無しの戦友

>>78判決、死刑

 

81:名無しの戦友

恐ろしく早い死刑

 

82:名無しの戦友

妥当

 

83:名無しの戦友

龍牙で伸ばせる距離って魔力量で決まるんだっけ?

 

84:名無しの戦友

確かそのはず

 

85:名無しの戦友

正確には発動した瞬間に込めた魔力量かな

みんな感覚でやってるけど、龍牙の起動時間って割と一瞬なんだよね

 

86:名無しの戦友

瞬間的な魔力か

 

87:名無しの戦友

そうそう

普通の人の4倍たくさん魔力を込めてるって訳だ

 

88:名無しの戦友

何でみんなやらないんだろ

コレがあるなら魔力弾要らないじゃん

 

89:名無しの戦友

難しいんだよ

どんだけ魔力があっても瞬間的に込める魔力はセンスと技術が必要

理論上は可能だったけど、みんな苦労してやるくらいなら弾のスキルを入れた方が楽だし確実だし強い

 

90:名無しの戦友

じゃあセンシは変態って事か

 

91:名無しの戦友

変態なのはリスナーだろ

 

92:名無しの戦友

百理ある

 

93:名無しの戦友

一理じゃねーのかよ

 

94:名無しの戦友

あと、剣を振るうタイミングも合わせないと壁に引っ掛かって折れたりする

 

95:名無しの戦友

それに剣先以外は攻撃力が乏しいから、剣先を当てる必要にあるわね

 

96:名無しの戦友

……センシバンバン当ててね?

 

97:名無しの戦友

普通の龍牙でも難しいのに、何で当てられるんだ

 

98:名無しの戦友

あたおか

 

99:名無しの戦友

もうセンシだからな、と思い始めた

 

100:名無しの戦友

バリアの使い方もおかしいよな

 

101:名無しの戦友

それな

 

102:名無しの戦友

ああ、あれね

 

103:名無しの戦友

複数のモンスターが襲って来た時に、壁と床から生やしたバリアで分断して各個撃破

 

104:名無しの戦友

正直目から鱗だった

 

105:名無しの戦友

あんな使い方想定してないやろ製作者も

 

106:名無しの戦友

シールド自体が性能上がって、魔力効率の差で割と不遇枠になってたけど

センシのこの使い方のおかげで流行りそう

 

107:名無しの戦友

囲まれた時にはカタパルト脱出してたのにはワロタ

 

108:名無しの戦友

バリアで挟んで圧死

死ななければ龍牙で一刀両断

 

109:名無しの戦友

バリアとは、こう使うのだ!

 

110:名無しの戦友

多分違うと思います

 

111:名無しの戦友

平均よりも魔力の多い人は真似できるし、ダンジョン教会からも推奨されてる汎用スキルだから、この発見はデカいぞ

 

112:名無しの戦友

確かバリアには属性付与が出来たはず

 

113:名無しの戦友

属性攻撃を防ぐ為だったけど、普通に攻撃手段になるやん

 

114:名無しの戦友

バリアとは一体

 

115:名無しの戦友

知らないのか? 敵はバリアで攻撃すると死ぬんだぜ

 

116:名無しの戦友

シールドでは出来ない事!

 

117:名無しの戦友

バリア革命!バリア革命じゃ!

 

118:名無しの戦友

モノログで早速試した奴居るぞwww

 

119:名無しの戦友

はや

 

120:名無しの戦友

手が早い

 

121:名無しの戦友

『エターナル・フォール・イフリート!』

 

122:名無しの戦友

いや草

 

123:名無しの戦友

てかやってるの勇者やないかい!

 

 

 

201:名無しの戦友

そういえば、センシに会おうと英雄ダンジョンに入る奴が増えたな

 

202:名無しの戦友

その筆頭が勇者だけどな

 

203:名無しの戦友

何してんねん人類最強……

 

204:名無しの戦友

噂だと夜王も反応したとか

 

205:名無しの戦友

ババァははよエリア1攻略しろよ

 

206:名無しの戦友

>>205さてはオメー勇者だな

 

207:名無しの戦友

あの2人事あるごとにモノログで喧嘩するよな

 

208:名無しの戦友

かたや最年長人類最強、かたや最年少人類最強

そして同じDtuberを推している

 

209:名無しの戦友

世界一激しく醜い同担拒否

 

210:名無しの戦友

夜王は前世から推しているって言ってたけどな

 

211:名無しの戦友

でもセンシには前世無かったんやろ?

完全に一般人からあの業界に入って3年でトップDtuberになってるのはヤバイが

 

212:名無しの戦友

他の同期や先輩後輩は声優の卵だったりアイドルだったり、元配信者だったりしてるのにな

 

213:名無しの戦友

社長はどこからスカウトしたんだろうな

 

214:名無しの戦友

元々教会に居た所をスカウトしたとか

 

215:名無しの戦友

センシ本人も言ってたな

 

216:名無しの戦友

しかも女子禁制だからな

 

217:名無しの戦友

かなりホッとする

 

218:名無しの戦友

ダンジョンライブのDtuberは異性とのコラボしないけど、センシはさらに女の影が無いから安心する

 

219:名無しの戦友

後追いのDtuber会社はその辺開拓しようと異性間のコラボも積極的なんだっけ

 

220:名無しの戦友

せやな

 

221:名無しの戦友

女性Dtuberもいるけど、やっぱり男と比べて全然伸びないよな

 

222:名無しの戦友

女はダンジョン潜っておけという風潮がある

 

223:名無しの戦友

まぁ、女が戦いに使えない劣化ダンジョンドライバーをわざわざ使って見た目変えた所でなぁ

 

224:名無しの戦友

ニーズの差がある

 

225:名無しの戦友

話戻すけど、センシ出待ちしてる奴らは何を目的にしてるんだろうな

 

226:名無しの戦友

そらお前……

 

227:名無しの戦友

言わせんなよ

 

228:名無しの戦友

勇者が言ってたぞ

ピンチ救って惚れられたいって

 

229:名無しの戦友

処女の悲しき妄想

 

230:名無しの戦友

妄想をデカい声で1人で言うやべー奴

 

231:名無しの戦友

ピンチになる前に助けろや

 

232:名無しの戦友

>>231ぐうの音も出ない程正論

 

233:名無しの戦友

勇者に聞かせてやりたいよ

 

234:名無しの戦友

多分メンタル崩壊して溶けるよ

 

235:名無しの戦友

承認欲求の塊のくせしてメンタル弱弱

 

236:名無しの戦友

でもこれまでセンシの目撃情報無いけど、あの英雄の魔導書で雲隠れしているんじゃない?

 

237:名無しの戦友

それはあるな

 

238:名無しの戦友

ダンジョンに潜るけど、何処のダンジョンに潜るかは言ってないしね

 

239:名無しの戦友

普通に考えて知らない人に待ち伏せされてるの怖いよ

 

240:名無しの戦友

元々ストーカー被害もあったしなぁ

 

241:名無しの戦友

本人に危機感が足りなさ過ぎる

 

242:名無しの戦友

でもダンジョン潜ってる時の動きからして返り討ちにできるくね?

 

243:名無しの戦友

ダンジョン外だと基本ドライバー使えないだろ

 

244:名無しの戦友

それは女も一緒だろ

 

245:名無しの戦友

むしろ男はダンジョンからの恩恵や体格的にダンジョンの外だと、女よりも強いやろ

なお魔力強化

 

246:名無しの戦友

俺の方が身体能力上だ!と調子に乗ってるショタを分からせるのが良いんだよな

 

247:名無しの戦友

いきなりの性癖開示、本気だね

 

248:名無しの戦友

何が本気だよ

スレチだバカ

 

249:名無しの戦友

でもセンシとなら

 

250:名無しの戦友

そろそろやめなー?

 

 

 

 

 魔力戦闘体を動かすイメージは、基本的に生身の体を動かすのと同じと言われているが、戦闘体自体に大きなスペックの差は無い。

 しかし同じ戦闘体でも動きの鈍い者,身軽な者と別れているのが現状だ。その理由は如何に戦闘体の動かし方が上手いかどうかによる所があると思う。

 体を動かすイメージと言われているが、恐らくそれは基礎の話であり、その先に行くには破天荒なイメージをする必要である。

 

 まるで物語の英雄の様に、人を超えた存在を胸に抱いて、常に最強をイメージする。

 それが最も上手く戦闘体を動かせるコツだ。

 

:動きヤバ

:まるでアニメ見てるみたい

:というより特撮

 

コメントを横目に、ワイヤー型スキル『虎爪』を発動させる。左の掌から鉤爪が生えて、そのままダンジョンの壁に向かって飛んで行く。

 ガキンッと音が鳴ると同時に、鉤爪が壁に固定されたのを確認しワイヤーを収納しつつスキル『ブースト』を発動させ、腰付近から魔力を放出。イメージはガス噴射だ。

 虎爪は消えるがブーストによる加速により空中に躍り出る。そして眼下に居るこのダンジョンのボスモンスターである巨人を見る。

 全長は100メートルはあり、頭がダンジョン最深部の天井に触れそうだ。

 

『グオオオオオオオ!!』

 

 ゆっくりとした動きでこちらに向かって腕を薙ぎ払う。一見遅く見えるが、普通の人間なら逃げられず捉えられ壁に叩き付けられるだろう。

 しかし戦闘体なら問題ない。

 再び虎爪を使い、ワイヤー機動に映る。迫り来る手を避けて足に向かい、ロングソードで足を斬り裂いた。

 この巨体だ。片足の腱を斬るだけで崩れ落ちる。

 立っていられなくなった巨人は斬られた方の膝が曲がっていく。それに伴いオレに向けられていた意識が逸らされているのを感じ取り、さらに逆の足の腱を斬り裂いた。

 巨人の体がダンジョンの地面に叩きつけられ、とてつもない振動が空間全体を震わせる。

 

:え、何が起きたの?

:巨人がこっちに腕を伸ばしたと思ったら、センシ消えて巨人が倒れた

:巻き戻してスロー再生したら、センシがワイヤー機動で一瞬で両足の腱斬って転ばせてた

:スロー再生しないと捉えられない動きとかやば

:もうあの時のケルベロスよりも早いだろ

 

 倒れた事により、巨人の弱点に攻撃を当てやすくなった。

 ワイヤー機動で空高く飛び上がり、右手に握るロングソードを後ろへと引く。虎爪を消して剣先を巨人に……巨人の心臓に向けたまま。

 

:何する気だ?

:もしかして

:虎爪もブーストも使っていないって事は

:あのスキルか

 

 コメント欄もオレの狙いに気付いたのか、騒めき出す。

 

:そう、ここだ

:ここが一番……!

:剣先を叩き込みやすい距離だ!

 

 戦友たちのノリの良いコメントに後押しされながら、刀身伸縮のスキル――龍牙を発動させる。

 一瞬で伸びたロングソードの剣先は、巨人の強靭な肉の鎧を貫通し、最も魔力が集い硬い剣先が心臓を貫いた。

 ビクンッと一瞬体を跳ねらせた巨人だったが、そのまま力なく倒れ伏し……絶命した。

 途端に、煙を吹き出していく。

 しばらくすると、そこには巨大な骸骨だけが残りその上をオレは黒歴史書の1ページ……英雄の道導を探す。

 

「あった」

 

 脊椎部分に埋まっている英雄の道導を見つけ、オレはそれに向けて黒歴史書を向ける。

 すると見た目紙切れだった物が魔力へと変換され、黒歴史書に吸収された。

 その後、すぐにどのページに文字が浮かんでいるのかを確認する。

 

【この世界に訪れるのは春か、夏か、秋か、冬か……それとも死、か】

 

 きっっっっつ。

 何がきついってこれを書いてるのを覚えている事だ。この時何を考えていたのかも、だ。

 しかし思い出すのは控える事にする。悶え苦しんで死ぬのが目に見えている。

 それにしても、だ。

 今回で5つ目の英雄の道導を手に入れたが、書かれている内容に毎回辟易とする。何故こんな物を遺してしまったんだ前世のオレは。

 

 ……ただ、3回目に拾った英雄の道導は妙だった。

 

 そこに書かれていたのは一人の騎士の想い。助ける事ができなかった男への懺悔について語っていた。

 ……身に悶えるポエムだったが、オレが書いた記憶はない。

 しかし、黒歴史書はページの一部分だと判断して吸収している。何故……?

 

「考えても仕方ないか」

 

 結局分からなかった為、そこで思考を止めたオレは最深部の奥にある水晶を手に、階段に向かう。

 英雄の道導を手に入れた以上、このダンジョンは通常のダンジョンに戻る。さらにこの水晶……ダンジョンコアを確保すれば、道中モンスターが湧いてくる事は無い。

 さらにコアを使えばダンジョンを改造して、医療用や娯楽用のダンジョンに造り変える事が可能。オレは興味ないから売却するけど。

 

「それじゃあ、今日の配信は此処までです」

 

:おつ~

:おわせん~

:終戦~

 

 配信マジックアイテムに流していた魔力を切って機能停止させる。

 これでオレがどのダンジョンに潜っているのかバレないだろう。最近オレを探しているリスナーが居るらしいからな。

 最深部から下層に出ると同時に、ダンジョンコアを作って地上直通の道を作って昇っていく。

 しばらく進むと光が見え、その先に出ると無事にダンジョンの外に出る事ができた。同時にダンジョンドライバーが機能停止し、黒歴史書が作った魔力の仮初の肉体へと換装される。

 

「おい、居たか?」

「いや、居なかった」

「さっき配信でダンジョンクリアしてたからすれ違えると思ったんだけど……」

 

 こっそりとダンジョンの入り口を見ると、そこには数人の女性が……ダンジョン探索者が居た。

 おそらく、というより十中八九オレの配信を見ていたリスナーだろう。そしてオレを探している、と。

 オレを探して何がしたいのか、ある程度は予想できる。自慢ではないけど、オレはDtuberとして成功しているし、ストーカー被害にもあった事がある。

 有名税、と自分に言い聞かせるつもりはない。

 彼女たちにオレを害するつもりがあろうがなかろうが、実際に鉢合わせたら面倒な事になるのは確実だ。できるならトラブルは避けたい。

 

「ダンジョンライブに迷惑はかけたくないしな」

 

 ダンジョンドライバーは機能停止しているが、実は魔力さえ流せばスキルは発動させる事ができる。それを利用してブーストを発動させる。しかし調整してオレの体が飛ばないようにし、白い煙のみをたくさん吐き出す様にイメージ。

 すると……。

 

「ぶふぉふぉ!」

「なんだ、このモワッとした煙? 霧は?」

「なんて魔力濃度だ。何も見えないし、感知できない」

「相変わらずダンジョンの近くは気候変動が激しいな」

 

 視界と魔力探知を欺く使い方を思い付いた自分を褒めてやりたいな。

 ……ただ、オレの体から出た煙で咽ている彼女たちを見ていると変な気持ちになる。なんだろう、コレ。

 

 さて、さっさと全てのページを集めたいが、いい加減コソコソするのも疲れた。

 何か対策を立てないとな。

 これからの事を考えながら、オレはそそくさと自分の居住地ダンジョンへと帰路に着いた。

 

 

 

 

 ダンジョン災害。それは、普段は安定しているダンジョンが何かしらの理由で異常事態を引き起こす災害だ。

 ボスモンスターの強化。ダンジョン内の環境変化。魔力濃度上昇による人体、スキルへの悪影響。モンスターの過剰発生。

 ダンジョン災害と一口に言ってもその種類は様々であり、中でも厄介なのが地上へのモンスター侵攻。ダンジョンの魔力で生きているモンスターは、普段なら地上に出る事ができない。ダンジョンから離れた途端にその身を維持する事ができずに魔力と化して消えてしまう。

 しかしその常識を覆してしまう事態に陥れば、人類はたまったものではない。

 ダンジョンドライバーを持っていない人間はそのまま殺される為、過去同様のダンジョン災害にて死傷者は大勢出てしまっている。

 不幸中の幸いと言えば良いのか、地上にモンスターが出た際ダンジョンの魔力が地上に漏出している為ダンジョンドライバーの使用が可能な為、モンスターの討伐をすれば災害を治める事が可能な事だろうか。

 

 さて、最も近しいダンジョン災害を収めたのはエリア4の最強ダンジョン探索者『勇者』なのだが、その時の災害を完全に収めたかと言えば、彼女は首を横に振るだろう。

 

 その時に地上に侵攻してきたモンスター……黒いドラゴンは、ダメージを負ったもののダンジョン内に逃げてしまった。

 つまりそのドラゴンは生きている。そうなるとどうなるか?

 

「く、くそ! 何だよこれ!」

 

 まだ未攻略のダンジョンに潜っていたダンジョン探索者たちは、そこでダンジョン災害に出くわしていた。

 魔法も物理も全てを跳ね返す黒い鱗。しかし所々に痛々しい傷が刻み込まれており──その怒りを孕んだ怪物は、八つ当たりの様に目の前の獲物を蹂躙する。

 

「転移できない! 故障か!?」

「違う! ダンジョン全体が最深部化したんだ!」

 

 一人のダンジョン探索者の言う通り、黒いドラゴンがダンジョンに発生した時点でダンジョン全てが最深部となり──ダンジョンドライバーの脱出転移術式が無効化されてしまっている。

 

「だったら走って上に逃げて──」

 

 そこまで言ってそのダンジョン探索者は、壁から生えた岩の槍に串刺しにされる。

 

「……え?」

 

 そして、魔力戦闘体が解けて生身になった所を、

 

「ぁ、待っ」

 

 グシャリと、地面から突如現れた龍の顎により食われてしまう。

 血と肉がまき散らされ、咀嚼される音がその者が死んだという事を、他の探索者に突き付ける。

 

「な、なんだよこれ……! 普通のダンジョン災害じゃねぇぞ……!」

 

 絶望し茫然と呟く彼女の周囲では、次々と魔力戦闘体を破壊され、そのまま命を狩られる音が響き渡る。

 見た事もない魔法。見た事もない現象。見た事もない──ダンジョン。

 過去の事例に無い災害に彼女は心が折れてしまった。

 

「ダンジョンって、こんなにこわ──」

 

 最後の一人となった彼女は、何故自分はダンジョン探索者になったのだろうかと後悔しながらドラゴンに喰われてこの世を去った。

 

 

 

 

「……」

 

 そして、その映像を神妙な顔で見るセンシ。

 ダンジョン災害の映像は配信されていたらしく、かなりショッキングな動画が残されてしまった。さらに質が悪いのが、この動画を保存した者が不特定多数居り、それをモノログ、ダンジョンチューブで拡散しているらしい。

 さらに注意喚起する者によって元々知らなかった者もその動画を閲覧し、気分を害して同じように注意喚起し──魔法ネット上では知らない者が居ない程に情報が拡散された。

 

 センシのモノログにも、今回の件について言及する者が多く、特に「今はダンジョンに潜らないでくれ」という意見が多数寄せられた。

 モノログの管理をしているマネージャーも同じことを思ったのか、センシにしばらく家で過ごすように……むしろ今回の件を機にダンジョン探索を辞める様に進言して来た。

 

 それだけたくさんの人が彼を心配していた。

 

 しかしセンシは逆の事を考えていた。

 

「あのドラゴン……」

 

 センシも件の動画は見ている。しかし、彼が気になったのは見るも無残な人の死に方ではなく、ダンジョン災害を引き起こした黒いドラゴンだ。

 あのドラゴンの胸元には──見間違えでなければ、英雄の道標の光が灯っていた。

 英雄の道標を回収する際、時折モンスターが吸収している事がある。英雄の道標は魔力の塊でもある為、魔力で造られた存在であるモンスターが吸収するのは道理に合っていた。

 そして、黒歴史書を持っているからか、センシには英雄の道標が何処にあるのかを何となく感じ取れていた。

 

 故に確信する。あのドラゴンは英雄の道標を複数取り込んでいる。

 ならば放置する事などできない。絶対に自分の手で討伐して英雄の道標を回収しなくてはならない。

 

「良い情報を得た。早速取りに行こう」

 

 そう決めたセンシがダンジョンドライバーを手に部屋を後にしようとして──。

 

「──ダメだ」

 

 そんな彼の行く先を遮る様に、部屋に入って来たのはノワールだった。

 

「ノワール?」

 

 何をしに来たのか理解していない表情を浮かべるセンシ。

 そんな彼の顔を見て傷ついた表情を浮かべるノワール。しかしすぐに胸の痛みを堪えて、センシに詰め寄って問い質す。

 

「ダンジョンに行くつもりか?」

「そのつもりだが……」

「マネージャーに止められたんじゃないのか?」

 

 センシはノワールの普段と違う様子に戸惑った。

 Dtuberとして常に頑張っている彼は、リスナーや他のDtuberと喧嘩をすることがある。しかしそれは一種のコミュニケーションであり、本気で怒っている訳ではなくジョークとしての面が強い。だから最後はなんだかんだ笑って終わる。

 しかし目の前のノワールは本気で怒っていた。

 

「よく知っているな。でも黙っていてくれないか?」

「……何故だ」

「何故って……そりゃあ怒られるだろうから。元々マネージャーさんはオレのダンジョン探索に否定的だったし。でもオレは行かなくちゃいけないから」

 

 そう言ってノワールの横を通り過ぎようとして──ドンっと突き飛ばされて押し倒された。

 痛みはない。魔力体だから痛覚は遮断されている。しかし衝撃はあった──ノワールの行動に対して。

 

「おい、何をして──」

 

 センシの言葉が止まった。それと同時にポタポタと幾つもの雫が彼の頬を濡らす。

 彼の視線の先には──泣いているノワールの姿があった。

 怒っているのかと思っていた。勝手な行動をして、ダンジョンライブに迷惑をかけているセンシを止めようとしているのだと思っていた。彼から見て、ノワールはDtuberが、ダンジョンライブが大好きだと思っていたからだ。

 

 だから何故泣いているのかを理解していなかった。

 

「何故分からない!? 行くな!」

 

 ノワールは叫んだ。

 

「復讐? あの母親の復讐か? ──そんな事、しなくても良いだろう!」

 

 これまで言いたくても言えなかった事を叫ぶ。

 

「あいつはセンシの事を全く愛してなかった! 都合の良いことを言って、耳触りの良い事を言って、お前から金を巻き上げていたんだ!」

 

 センシを傷つけたくなくて言わなかった事を叫ぶ。

 

「そんなクズの仇を、何故取ろうとする? 何故──」

 

 怖くて聞けなかった事を、ノワールは心を震わせながら訪ねる。

 

「何故、俺たちじゃダメなんだ……? そんなに、血の繋がりが大事なのか……?」

 

 ノワールはセンシと違って普通の両親の元で生まれ、育ち、ダンジョン災害に合う事もなく生きて来た。

 Dtuberになる前もダンジョン探索者と関係ない仕事に就いていたし、ダンジョンで起こる悲劇も対岸の火事くらいにしか思っていなかった。

 

 だからセンシの事を知った時、初めは憐みを覚えていた。

 ダンジョンに夢中で禄に子育てしない人間が親で、教会に捨てられて、普通の男の子が享受できる幸せを得られなかった。

 そのせいで娯楽ダンジョンで初めて遊んだのがDtuberとしての案件だったくらいで、センシは明らかに普通ではなく()()()()()子だった。

 

 それが間違いだと気付かされたのは、そう時間が掛からなかった。

 センシは世間知らずではあったが馬鹿ではなかった。文字や計算、歴史は教会で習っていたのか教養はあったし、運動能力も高く、魔力体の動かし方もすぐに慣れていた。

 初めは慣れていなかった配信も、他のDtuberの配信を見て学んだり、先輩である一条リュウセイに直接教えを乞いに向かう事もあった。

 

 その結果ダンジョンライブで初めて登録者数100万人を超えた。

 センシは、ノワールが思っているほど弱い存在ではなかった。

 

 そして真面な存在ではなかった。

 

 センシは男なのにダンジョンに潜りたいと常々言っていた。

 理由は言わなかったが──母親に認めて貰いたかったのだろう。

 しかしその前にあの女が彼にすり寄り、センシは嬉しそうにしていた。彼女の前ではダンジョン探索の話題を出さず、とりとめのない話をして、金だけ貰ってすぐに帰りたい母親を引き留めるその姿は──痛ましかった。

 

「俺たちがお前の事を認めている! 此処に居ろ! 行くな!」

 

 もしあの日ダンジョン災害であの女が死ななければ、センシはダンジョンに潜らなかったのか。

 

「このままだと、今度は本当に死ぬぞ!?」

 

 母親と歪な関係を築きながらもDruberとして、自分達と楽しく、平和に過ごせたのではないか?

 

「お前は──もういつ死んでもおかしくないんだろう!?」

「……社長から聞いたのか」

 

 そんなIFの話を考えても、もう遅い。

 だからせめてノワールは、

 

「頼む……独りになるな。死ぬなら、せめて俺たちの傍で……!」

 

 最期までこの愛しき友と共に居たいと願う。

 それが彼の自分勝手で、エゴで、センシの想いを無視したものだとしても──そう願わずにはいられなかった。

 

 だが、

 

「前にも言ったが」

 

 お互いの考えは、想いは、交差しない。

 

「お前には関係ない」

「……っ! だとしても! 絶対にダンジョンには行かせないぞ!」

 

 センシの言葉に傷ついた表情を浮かべるが、大事な友を死なせない為にノワールは力を込めて相手の手首を掴んで力を入れる。

 今センシは魔力体だ。対してノワールは生身。下手に力を入れればノワールは怪我をしてしまう。そしてセンシはその辺りを気にする性格で、ノワールは理解しているが故に自分を人質に彼を止めようとする。

 

「──ごめん」

 

 しかし──ノワールの想定は甘かった。

 センシは、魔力体の手首付近の結合を緩めると、なんとそのまま腕を引いて引き千切ってしまった。ノワールの手にはセンシの手首だけ残り、あまりにもショッキングな光景に一瞬思考が停止する。

 その隙を突いて抜け出したセンシは、両手を再生させながらその場を後にした。

 

「──ありがとう」

 

 心配してくれたノワールに感謝の言葉を送って。

 

「……ばかやろうっ」

 

 残されたノワールは、己の無力さに嘆いた。親友を止める事ができなかったために。

 

 

 

 

「何でオレは『ありがとう』なんて言ったんだろう」

 

 黒いドラゴンが発生したというダンジョンに潜りながら、自分の言動に疑問を覚える。

 あの場面、普通なら謝るべきだ。いや謝ったんだけど。

 ただ、泣いているノワールを見ていると無意識にあの言葉が出ていて……我ながら不思議に思っている。

 今は考えても仕方ないな。帰ってから考えてみよう。

 考え事をしながらダンジョンに潜って死んだら間抜け過ぎる。

 

 :センシ帰ろうぜー

 :もしかしてあの黒いドラゴン狙ってる?

 :やめとけ、ガチ探索者が死んでいるんだから

 

「誰かが死んだからって、オレが辞める理由にはならないよ」

 

 :俺らが辞めて欲しいと思う理由にはなるんだよ

 :というより、ダンジョン教会からも自粛が呼びかけられてる

 :災害が落ち着くまで待っていようぜ

 

 冗談じゃない。あの黒いドラゴンは普通じゃない。そいつがもし倒されて英雄の道標を全部回収されて何かしらの理由で中身が解析されたらオレは生きていけない。

 だから誰よりも早くオレ自身があのドラゴンを殺さないといけないんだ。人の黒歴史を持ち出しやがって、許さん。

 

 :どうしたセンシ?

 :精◯溜まったとか?

 :いや私のユニークスキルが「まだまだだね(ペロリ)」と言っている

 :↑きっっっっしょ

 :きしょすぎる〇んでくれ

 

 最悪な窃盗犯に対して怒りを燃やしているなか、ふとオレ以外の魔力を感知した。

 ダンジョンやモンスターではない。人間だ。しかも息を殺して存在感を消している。魔力を感知できなかったら気付けなかった程に、気配を殺すのが上手い。相当な実力者だ。

 そして何より、そんな実力者がオレを待ち伏せているって事。……普段追いかけているリスナーとは違うって訳だ。

 

 こっそりとロングソードを取り出し、最大限警戒しながら位置取りをする。

 

 :どうした?

 :……あ!?

 :もしかして!?

 :センシ、ちょっと待って!!

 

 この位置なら、龍牙の一撃が壁越しに相手に当てる事ができる。話は戦闘体を破壊して地上に送還した後で聞かせてもらう。

 剣を振り抜くと同時に、龍牙を発動させて剣先が丁度当たる距離まで魔力を込める。0.1秒にも満たない壁越し斬撃は──手応えを全く感じ取れなかった。

 

「──なに!?」

 

 それと同時に薄かった気配が一気に解放され、こちらに全て注ぎ込まれて、オレの頬に冷や汗が垂れる。

 これは、ヤバイ。

 相手から害意は向けられていないが、感じ取れる気配がこれまで出会って来たどのボスモンスターよりも強い。……いや、次元が違う。

 バリアで道を塞ぎ、ブーストを使い全力でこの場から離脱をする。

 

 ――これは、相手をしてはいけないタイプだ!

 

 

 

「……あ、その、えっと、まってください」

「──っ」

 

 しかし、オレが出口に向かって走ろうとしたその時には既に回り込まれていた。

 あの一瞬で!? 不味い!

 急いでブーストを解除して攻撃態勢に、いや間に合わない……!?

 高速で脳を回す中、ふと視界の隅のコメントに意識が向いた。

 

 :センシ落ち着いて! 敵じゃない!

 :あーもうこれだから陰者は!

 :いや何が起きているのか分からないんだけど

 :多分センシが中途半端に強いせいで、人外な勇者に命の危機を感じている

 :ワロタ。いや笑ったらダメんだろうけど

 

「……え?」

 

 コメントの、戦友たちの反応から察するに目の前の少女は無害な存在らしい。

 というよりも……勇者!? 人類最強の一人の!?

 視線を向けると、勇者と呼ばれている少女はビクンッと体を跳ねらせるとワタワタと忙しなく動いて俯いてしまった。

 

 ……?

 

「えっと、今オレ配信していて」

「あ、はい! いつも見てます」

 

 え? そうなの? リスナーだったのか。

 

「その、貴女って勇者って言われている」

「はい! 結衣坂ユウナ18歳です!」

「あ、同い年」

「知ってます!」

 

 知っているんだ。

 

「それと精◯がまだ溜まって無いのも分かります。匂いで」

 

 ……ん? なんだろう。収まっていた警戒心が上がっていくんだけど。

 オレがドン引きしている事に気付いていないのか、目の前の勇者は次々とオレについて語り始める。

 

「普段チ◯コの大きさを気にしていないフリをしながらも、同期3人が巨根である事を指摘されて気にしているのも知っています!」

「あの」

「下着とかに無頓着で同期のノワールとランジェリーショップに行った時も本当は恥ずかしかった事も!」

「待って」

「オフコラボで一人だけお風呂を時間ズラしたのも同じ理由ですよね!」

「とりあえず一度黙って」

「大変にオナリティ高くて美味しかったです!」

「黙れや!」

 

 ……これは、相手をしてはいけないタイプだ!

 

 :コミュ障、何故か下ネタ話すれば仲良くなれると思う傾向ある

 :コイツの場合は暴走しているだけだがな

 :暴走しすぎだろ

 :酷過ぎる……

 :これセクハラやろ。通報するわ

 

 ダンジョン探索者は総じて頭のねじがぶっ飛んでいる。そう認識していたが、此処までぶっ飛んでいるとは思わなかった。両親や社長とはまた違った方向性だ。

 

「あ、あとASMRの新作待っているので、その……」

 

 そう言って少女は一つの革袋を取り出した。ジャラ……と音が鳴る。

 

「これは……?」

「あ、その、ハイコメだといつも上限に達してしまって……リアルマネー、です。金貨500枚あります」

 

 違う! コイツは探索者とかそういう枠組みではなく、単体でヤベーヤツだ!!

 

 :リアル金貨持ってきて草

 :そういえばあまりにも金貨の消費が激しくて、銀行屋から連絡来たんだっけ?

 :詐欺疑われたりな

 :でも勇者の収入的に、これでもはした金なんだろうな

 :多分もっと引き出そうとして止められたやーつ

 :容易に想像できて草

 

「も、申し訳ないけど受け取れません」

「そ、そんな! これで新作ASMR作って欲しいんです」

「ごめん、そちらもするつもりありません」

 

 いや、一度スピアに乗せられてやってみたけど恥ずかしすぎてやりたくないんだよな……。

 あいつみたいに耳舐め? をしてチャンネル凍結されたくないし……。

 

 オレが毅然とした態度で断ると、勇者は絶望した表情を浮かべて膝を付く。

 ……え? そんなに? まるで状態異常のスキルと致命傷を受けたかのように項垂れる少女の姿に、オレは対応を間違えたのかと内心動揺する。

 

 :なん……だと……

 :そんな……

 :もう終わりだ……

 :世界は残酷なことばかりだ……

 :立ち直れねぇよ……

 :オデ、セカイ、ホロボス

 

 なんかコメント欄もおかしくなっている。

 リアルとネットが同時に阿鼻叫喚になっている中、オレはダンジョンに潜っているにも関わらず注意散漫となっていた。しかし不思議とモンスターは来なかったのである。何で?

 

 

 

 

「落ち着いた?」

「はひぃ。推しが心配してくれてる」

「ごめん、意識しっかり持って。またトリップされたら困る」

 

 :あれ、私は今何を

 :ここ数分の記憶が消えている……

 :何か、嫌な事があった様な……

 :記憶失っていて草

 :多分消したんだよ

 :どんだけ絶望してんねん

 

 勇者も戦友の皆もようやく落ち着き、ため息を一つ。

 モンスターに襲われていたら、ダンジョンに潜る前に地上に帰る羽目になっていた。そうなると何しに来たんだって話になる。

 

「それで、何であそこで隠れていたんだ?」

 

 明らかにオレを意識して、隠れる為に気配を殺していた。偶然ではないだろう。

 

「あ、その。隠れていた訳ではなくて……」

 

 ……何で嘘を吐くのだろう。あそこまで見事な隠伏は見た事が無い。

 やはり最強クラスになると行動の一つ一つの基準が高くなるのか。

 彼女たちにとって何気ない行動も、オレ達一般人からした達人クラスの芸当であるって話は充分あり得る。

 

 :センシ、多分勘違いしていると思うけど……

 

「ん?」

 

 しかしそんなオレの考えを正すように、リスナー達がコメントを残す。

 

 :ソイツ、いつも素で存在感が薄いねん

 :コミュ障だから人に話しかけられたくなくて、魂レベルでステルスしてる

 :あれ? 人に気付かれないからコミュ障になったんじゃないの?

 :あれだ。陰の者は学園で寝たふりして存在感消すだろ? 勇者はそれの常時かつ凄い版だ

 :なんて悲しいモンスターなんだ……

 :どうしてこうなるまで放っておいたんだ!

 

 いや本当だよ。聞いているだけで痛々しくなる。

 しかしそれだと日常生活に支障をきたさないのだろうか? どうやら人とのコミュニケーション能力に難があるし、それを治すつもりも無さそうだけど……生きていくうえで人と関わらないのは無理だ。

 ダンジョンでゲットした素材や宝を換金する時とか、ご飯を買いに行く時とか……。

 

 :さ、最近はまほネットコインで全て済むから……

 :換金も勇者専用担当者が就いてるので

 :ちなみに三代目

 :初代は挨拶して、二代目は世間話してトばされたとか

 :いや怖すぎて草

 :ダンジョン教会からしたら勇者は太客なので……

 :どうしてこうなるまで放っておいたんだ! (二回目)

 

 もう、何も言えねぇ……。

 リスナー達の情報提供により、勇者に対しての印象が変わった。不思議な強者から残念な強者へと。

 

「あっ、あの。実はずっとセンシきゅ……センシさんと会いたくって」

 

 そういえばオレのリスナーなんだっけか。

 

 :いつもハイコメしているしな

 :メンバーシップにも入っているらしい

 

 なるほど、かなり熱心なリスナーらしい。

 

「だからダンジョン潜るって聞いて私も潜るようになって」

「……へぇ、そうなんですか」

 

 少しだけ、距離を取る。それといつでも逃げられるようにする。

 

「何度も何度も潜って、それでも出会えなくて諦めていたんですけど……今回、ようやく会えて嬉しかったです!」

「へ、へぇ~……」

 

 確かにメンバーシップに入っていたらオレが何時ダンジョンに潜るか知る事ができる。最近その辺の情報を流している人が居るっぽいけど。

 でも、彼女の言い分を聞く限りこれって……。

 

 :待ち伏せじゃねーか!

 :センシ危機感持った方が良いよ。いやマジで

 :下手なモンスターより強いのが厄介すぎる

 

「えへ、えへへへへへ……!」

 

 涎を垂らしてこちらを見る勇者さん。心なしか視線がぬめっとしているような、ジトッとしているような……。あとスピアの視線から時折感じる怪しい色も感じた。

 ……やっぱりこの人ヤバイ人じゃねーか!

 

 :これは貞操の危機。通報したわ

 :擁護できないし、したくねぇな……

 

 とりあえず刺激しない様に立ち回らないと……。

 

「あの、オレと会いたいと言ってくれて嬉しいんですけど……」

「本当!? こ、これはネット小説展開来る!?」

「……正直困る気持ちもあるので、今後は控えてくれたら良いなーと」

「はぅあ!?」

 

 オレの言葉に大ダメージを受けた様に仰け反る勇者さん。

 如何に人類最強と言われる存在であっても、やって良い事と悪い事があると思うんだ。

 

「流石に待ち伏せされるのは怖いので……」

「ち、ちちちちち違います! 今回は違うんですぅ!」

「え? 違うんですか?」

 

 大慌てで否定する勇者さんに、内心疑ってしまうのはここ最近待ち伏せされている事が多いからだろうか。もしくは目の前の勇者さんの挙動不審な態度からか。

 てか、今回は違うって事はこれまで待ち伏せしていた事は認めるのか……。

 

「えっと、ダンジョン教会から特命を受けまして……以前ダンジョン災害で現れた黒いドラゴンの討伐を……」

「──」

「わ、私が討ち漏らしたので……ひ、被害も出ていますし……」

 

 すみません、仕事ができなくてすみません……と暗いオーラを放ち始める勇者さんだが、オレはそれどころではなかった。

 

 オレの黒歴史を複数取り込んだあのドラゴンを、最強のダンジョン探索者が狙っている……!?

 

 いや、冷静に考えれば十分に考えられる話だ。あれだけ話題になり、ダンジョン教会が事態を重く見ていたのだから。人類最強に討伐依頼を出すのは当然の事。

 実際、オレもその可能性は考慮してこうして件の災害を知ってすぐにダンジョンに潜ったし、ダンジョン教会の声明前に動く事が出来た。

 

 だから、勇者さんが既に動いている事は想定外だった。早過ぎる。動くにしても、ダンジョン教会側が何かしらの情報を得てからだと思っていた。

 

「あ、あの。ですのでセンシきゅんは帰ってください……」

「……」

「あのドラゴンは……仇は、私が討ちますので……!」

 

 :勇者……

 :センシ、もう勇者に任せようぜ

 :人類最強が派遣される案件だ。ここは帰った方が良い

 

 勇者さんやリスナー達が言っている事は正しい。

 正論だ。当たり前の判断。ダンジョン探索者になったばかりの初心者の出る幕ではない。

 

 それは分かっている。しかしアレはオレが回収しないといけないんだ……!

 

 しかしどうする? 此処でオレが何を言っても聞き入れて貰えないだろう。そもそもオレがダンジョンに潜る事自体、世間は否定的だったし……。

 さらにオレのリスナー、戦友ともなるとそれが顕著だ。先ほどの勇者さんの反応から彼女も戦友であり、おそらくオレがダンジョンに潜る事を良しとしないのは明らか。

 

 ……こういう時、他のDtuberならどうする?

 

 ……やってみるか?

 

「あの、勇者さ……ユウナさん」

「は、ははははい! なんでしょうか!? (お、おおお推しに名前で呼ばれた!! ハイコメの時はユーザー名【センシ好き好きラブラブ結婚してくれ】でしか呼ばれないから凄く嬉しい!)」

 

 なんか悪寒がしたけど、まぁいいや。

 

「よろしければ、今回のダンジョン探索に同行させて貰っても良いですか?」

「え!?!?」

 

 :センシ!?

 :何言ってんの!?

 :は? 女と一緒にダンジョンとかあり得ない

 :やめてやめてやめてやめて

 

 コメント欄が焦げ臭くなったが──もう炎上しているんだ。気にするな。

 

「一人のダンジョン探索者として、貴女の強さには興味があります。できれば傍で見させて欲しいんです」

「え、でも、いや……」

 

 

「──ダメ、ですか?」

 

 

「行きましょう!!!!」

 

 出会ってから一番大きい声で返事をされ、内心ガッツをするオレ。よし言質は取った。

 しかし、スピアの媚び媚びボイスを真似したが……精神的負担が強いな。戦闘体なのに鳥肌が立った気がする。

 それでも勇者と同行するという第一段階は達成できた。後は隙を見て黒歴史の回収だ。この際倒すのは彼女でも良い。

 

「あ、コラボって事にしませんか? わ、私も配信しているので……!」

「良いですよ」

「や、やった! へへへ……これであのロリババァにマウント取れる……!」

 

 個性的な笑い方をしながら配信の準備をする勇者さんを見て、早まったか? と少し心配になる。しかし、こうでもしないとあの黒いドラゴンの持っている黒歴史を回収できない。仕方のない事だ。

 ……問題は。

 

 :は? センシが女とコラボとか無理なんだけど

 :無理無理無理無理無理無理

 :ゲロ吐きそう

 

 コメント欄を見て、予想通りの光景に思わず目を瞑った。

 

 :チェリーパイ共が発狂してる

 :チェリーパイって何だ?

 :↓が説明しよう!

 :いわゆる童貞厨。推してるアイドルが性経験やら異性との付き合いがある事、もしくは匂わせがあると発狂する厄介リスナー。

 :以上だ! 礼はいらないぜ

 :なるほど理解した。そして↑は何故やり切った顔してんだよ

 :ワロタ

 

 丁度コメント欄でも何が起きたか説明書されているな……。

 実はこういう事は初めてでは無かったりする。というより炎上した理由のほとんどが異性関係とのアレコレに対する言及だ。

 初めて炎上した時も、社長との距離が近いって話だった。社長が独身だった事もあり、オレを手篭めにする為にスカウトしたのでは無いか? なんて言われていた。

 

 結局社長は女性にしか興味無い事が世間に公開されて事無きを得たけど。

 

 そんな訳でオレとしてはこういう炎上には慣れているし、時間が経てば落ち着く事を知っている。

 ただ……。

 

「推しとコラボ。でへへへへへ」

 

 この勇者さん大丈夫かな……? メンタルが弱そうだから、下手したら引き篭もってしまうかもしれない。もしそうなったら目覚めが悪いな。黒歴史を回収する為とはいえ偲びない。

 

 そんなことを考えながら、一人喜びに浸る勇者さんを見てそっと息を吐いた。

 

 

 

 コラボの挨拶もそこそこに二人は早速ダンジョン攻略へと向かった。

 上層ではモンスターの姿が見当たらなかったのでそのまま中層に向かう。暫くするとようやくモンスターと遭遇した。

 センシ達の前に現れたのは複数体のスケルトン。手にはそれぞれ剣や弓を持っている。

 

「で、では行きますね……!」

 

 センシに己の力を見せるべく前に出た勇者は──次の瞬間、纒う雰囲気を一変させる。

 猫背だった背筋はピンっと伸ばされ、自信の無さから来るオドオドとした表情はまるで別人の如くキリッと引き締まる。

 何よりも劇的に変化したのはその頭髪だった。

 手入れのされていないボサッと伸ばされていた茶髪は、次の瞬間──赤く、紅く、赫く燃え上がる。

 

「──センシ、下がってて」

 

 炎を纏った頭髪を揺らしながら、クールな口調で指示を出す勇者に目を丸くさせるセンシ。

 まるで別人。

 陰キャから戦士へと変貌した彼女は、次の瞬間スケルトンの軍団へと突っ込む。

 その時の速度は、先程センシを先回りした時の動きよりも何倍も速かった。

 

「あれは……」

 

 勇者の後ろに居たからか、先程と違って彼女の動きを見る事ができたセンシ。しかしそれも辛うじて。

 

「足裏にブースト……!」

 

 センシはブーストを使った機動戦を得意としている。普段彼は腰付近から放出し、虎爪と併用してワイヤー機動を行っている。

 故に勇者の技巧の高さにすぐに気付く事が出来た。足裏からのブーストは重心がブレやすく、また放出が弱ければ体が浮かず、強ければ転倒する。

 

 つまり勇者はその絶妙な放出加減を完璧にこなしつつ、すぐ後ろから辛うじて捉えられる程の速度で移動を可能にしている訳であり……。

 たった一つの動作でセンシは自分と彼女のレベル差を痛感させられる。

 

「ふっ……!」

 

 勇者の手に炎が渦巻き、彼女が握ると一本の剣へと変化した。

 鮮やかな紅の刀身を持つその業物の銘はレヴァンティン。とあるダンジョンを攻略した際に手に入れたモンスターの素材を元に造られた炎の魔剣。

 スケルトンの軍団の中央で周囲を薙ぎ払う様に震えば、炎の軌跡を残し全てを斬り裂き、焼き尽くした。

 

 :すご

 :炎熱系のスキル重ねてるんか?

 :なんか性格変わってね?

 :↑ああ、それは勇者のユニークスキル『瞬火終到(リミテッド・オーバードライブ)』のせいやね

 

「ユニークスキル……そういえば」

 

 英雄の道標に触れた者は必ずユニークスキルを手に入れる。その事を思い出したセンシは、同時に勇者もその一人である事も思い出した。

 

 :『瞬火終到(リミテッド・オーバードライブ)』。何かを燃やして最適化するユニークスキル。勇者は自分の人格を燃やして戦闘時に最適な人格を形成している

 :え、人格を燃やす……?

 :それ大丈夫なの?

 :有識者によると二重人格になったり、元の人格が消えたりするはずなんだけど、勇者の元々の人格が粘り気が強すぎて使用後元通りになっている

 :草

 :精神的に強いとかじゃなくて粘り気かよ

 :何なら「あのカッコいいの、元々の私です」なんて厚顔無恥な事言ってる

 

 他にも戦闘体やスキルの性能を上げる為に魔力を燃やしている。

 それにより機動力、火力の過剰な底上げに成功し、人類最強のダンジョン探索者の中でも随一の攻撃力を有している。

 

「……すごい」

 

 センシは、炎の中を舞う様に剣を振るいスケルトンを次々と倒していく勇者の姿を見ている。

 さらにバリアを用いて地面から炎の壁を作り出し、スケルトンを焼きながら動きを止める。

 その瞬間、勇者の炎を纏った剣が伸び、逃げようとしていたスケルトンを焼き斬った。

 

「今のは……」

 

:この前センシがやった技やね

:見ただけで真似してるんか?

:凄すぎるだろう

 

 コメント欄の言う通り、彼女の戦闘におけるセンスはずば抜けていた。

 

 ──あの力が、あの時あれば。

 

 ふと思うのは2000年前の事。あの時代はダンジョンが発生したばかりで人類には備えが全く無く、たくさんの人間が死んだ。無駄死にした者も多く、特にセンシの近くに居た人間がそれに該当する。

 ダンジョンドライバーもそうだが、勇者の存在をあの時代に欲しかったと……どうしても思ってしまう。

 

 そう思ってしまう根幹にあるのは、やはり──。

 

「ど、どうでしたか?」

 

 戦闘を終えて『瞬火終到(リミテッド・オーバードライブ)』を解除した勇者が、ソワソワしながらセンシに問い掛けた。顔にデカデカと「褒めて」と書かれており、彼女の承認欲求の大きさに少し引きそうになるセンシ。

 

「凄かったです」

「そ、そうですか……! や、やった」

 

 全てがセンシを上回っていた。剣の扱いも、ブーストの扱いも、戦闘体の使い方も。

 勇者とセンシの戦闘スタイルがどちらも高機動戦の為、その実力の差を理解させられた。

 褒められて喜んでいる勇者とは対照的に、センシの表情は優れない。

 

「……勇者さんは、ダンジョン探索者になってどのくらい経つんですか?」

「え? い、1年です……けど……?」

 

 何故そんな事を聞くのか? とセンシの問いに気付かない勇者。

 

 ──1年。たったそれだけで勇者は人類最強となった。英雄の道標に触れたのもあるが、そこから頂に辿り着いたのは、彼女自身の才能の高さにもあるのだろう。

 

 対して前世のセンシは、物心がついてから死ぬまでの20数年間を戦闘訓練と実戦に充てられていた。その時の自分と比べても彼女が圧倒的に強い。

 転生してプランクがあるとはいえ、こうして現実を突きつけられると()()()の様に思い知らされてしまう。

 

 センシに才能はない、と。

 

「ど、どうかしましたか……? わ、私何か悪い事を!?」

「……いや、何でも──」

 

 気の緩み、油断、思考の縮小。

 理由はさておき、彼らは()()が起きるまで全く気付く事ができなかった。

 

 ピシリッと地面に亀裂が走る。

 

「──な!?」

「これは……!?」

 

 :なにこれ!?

 :やばい!

 :逃げろ!

 :これってもしかして

 :ああ、間違いない

 

 

 :ダンジョン災害だ!

 

 ゴギャア……ッ! と轟音を立てて、二人の足元のみ地面が崩れ落ちていく。

 それと同時に二人の戦闘体を撫で上げていく濃密な魔力。

 居る。ダンジョンの崩壊よりも、意識を向けてしまう圧倒的な存在感がセンシ達を襲った。

 二人は同時に視線を下に向けて──息を呑む。

 

『──バオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

 傷だらけの黒い鱗。天を覆い尽くさんばかりに巨大な翼。全てを薙ぎ払う太い尾。鉄を容易く貫く鋭い牙。

 そして──敵意に満ち溢れた瞳孔が開いた金色の瞳。

 それは──かつて勇者が取りこぼした災害。

 それは──かつてセンシの母を食い殺した災害。

 黒いドラゴンと呼ばれているイレギュラーモンスター。その災害にダンジョン教会はこう名付けた。

 

 嵐の災害龍・ヴリトラ、と。

 

 

 

 

56:名無しの戦友

やっぱりセンシ、ダンジョンに行くかぁ

 

57:名無しの戦友

やめて欲しいんだけど

 

58:名無しの戦友

何かあってからじゃあ遅いんだけどな

 

59:名無しの戦友

もしもの時が来たら耐えられん……

 

60:名無しの戦友

プロが死んでるし、ダンジョン教会も自粛呼びかけてるのになぁ

 

61:名無しの戦友

>>60 なんで自粛なんだよ禁止にしろよ無能組織が

 

62:名無しの戦友

>>61 ダンジョン攻略は国の収入だからおいそれと辞めろって言えないんだよ

 

63:名無しの戦友

まぁ実際、勇者に討伐依頼出しているしな

 

64:名無しの戦友

センシがヴリトラと遭遇する前に倒して欲しい

 

65:名無しの戦友

>>64 ヴリトラ?

 

66:名無しの戦友

>>64 なにそれ?

 

67:名無しの戦友

ダンジョン教会が正式に発表した今回のダンジョン災害モンスターの名前だな

 

68:名無しの戦友

結構久しぶりだな

 

69:名無しの戦友

大抵は放置してたらやばいから、人類最強達が駆除するからな

 

70:名無しの戦友

特に夜王が対処するよな

 

71:名無しの戦友

人類大好きお婆ちゃんありがとう

 

72:名無しの戦友

しかし勇者は除く

 

73:名無しの戦友

いや好きだろ。じゃなければ喧嘩せずに◯してる

 

74:名無しの戦友

せやな

 

75:名無しの戦友

そうなると今回のヴリトラの件は夜王にとっても苦い物があるのでは?

 

76:名無しの戦友

例の噂が本当ならな……

 

77:名無しの戦友

勇者は知らないんだっけ?

 

78:名無しの戦友

知ってたら今頃引き篭もってる

 

79:名無しの戦友

アイツネット見ないからな

 

80:名無しの戦友

何で?承認欲求の塊なのに

むしろネットの民だろ

 

81:名無しの戦友

昔エゴサしてアンチコメントに心折れたらしい

 

82:名無しの戦友

相変わらずメンタル弱くて草

 

83:名無しの戦友

その点センシはメンタル強いよな

 

84:名無しの戦友

アンチコメを気にしていないというか、むしろ認識していないというか

 

85:名無しの戦友

むしろアンチコメを参考に取り入れて、それで成功してアンチが一人信者になったよな

 

86:名無しの戦友

アレには笑った

 

87:名無しの戦友

ノワールに教えられて漸く理解したくらいだしな

 

88:名無しの戦友

顔も名前も知らない他人の言葉で何故そこまで落ち込む? ってスピアをブッ刺したのも笑った

 

89:名無しの戦友

スピアは勇者並みではないけどアンチコメントでメンタル揺れるからな

 

90:名無しの戦友

ノワールはセンシに近い感じで、シノビはやんわりと受け流す

スピアはその辺繊細というかよくヘラるというか

 

91:名無しの戦友

ヘラってはシノビにメンタルケアして貰ってるよな

 

92:名無しの戦友

他の同期二人がスパルタなので

 

93:名無しの戦友

スピア「アンチコメ辛たん。助けて」

ノワール「甘えるな」

センシ「そもそも理解できない」

シノビ「よしよし。スピアは悪くないよ」

 

スピアじゃ無いけど私でもシノビに泣きつくわ

 

94:名無しの戦友

相変わらず酷くて草

 

95:名無しの戦友

二期生唯一の癒し

 

96:名無しの戦友

ノワールはセンシに泣きつくんか?

 

97:名無しの戦友

>>96 兄が弟に弱ってる姿を見せるわけないだろ!!!

 

98:名無しの戦友

うわノワセン兄弟過激派だ

 

99:名無しの戦友

兄弟愛てぇてぇぜ

 

100:名無しの戦友

同い年なんだけどな

 

101:名無しの戦友

センシが弟っぽいのが悪い

 

102:名無しの戦友

スピアが冗談で「おれの弟になる?」って言った時のノワールのドスの効いた声、いまだに思い出す

 

103:名無しの戦友

アレすこ

 

104:名無しの戦友

兄としての自覚が強すぎる

 

105:名無しの戦友

同い年なんだけどな

 

106:名無しの戦友

お、配信始まった

 

107:名無しの戦友

このダンジョンって

 

108:名無しの戦友

ヴリトラが目撃されたダンジョンだな

 

109:名無しの戦友

多分もう移動してるけどな

 

110:名無しの戦友

こういう時ダンジョン間が魔力で繋がってるの厄介だよな

 

111:名無しの戦友

モンスターは魔力で作られてるから、ピョンピョン移動して厄介

 

112:名無しの戦友

今回みたいな駆除対象モンスターだと余計にな

 

113:名無しの戦友

駆除する前に見つけないといけないからなぁ

 

114:名無しの戦友

大抵は一度潜ったダンジョンには来ないけどな

 

115:名無しの戦友

それでも何かしらの証拠はあるかも、とセンシは来た訳か

 

116:名無しの戦友

コメント欄も止める声が多いな

 

117:名無しの戦友

荒らしの茶化しもな

 

118:名無しの戦友

モデレーターがどんどん消してる

 

119:名無しの戦友

やっぱり荒れるよなぁ

 

120:名無しの戦友

センシは気にせずに進んでる

 

121:名無しの戦友

杞憂コメントばっさり

 

122:名無しの戦友

相変わらずドライだ

 

123:名無しの戦友

それが良いんだけどな

 

124:名無しの戦友

うむ

 

125:名無しの戦友

でも死んでほしくねーよ

 

126:名無しの戦友

うむ

 

127:名無しの戦友

む?

 

128:名無しの戦友

ん?

 

129:名無しの戦友

お?

 

130:名無しの戦友

止まったな

 

131:名無しの戦友

どうした?

 

132:名無しの戦友

◯子溜まったか?

 

133:名無しの戦友

>>132

 

134:名無しの戦友

>>132

 

135:名無しの戦友

>>132

 

136:名無しの戦友

きしょ

 

137:名無しの戦友

コメント欄にも同じ事言ってる奴いるやん

 

138:名無しの戦友

まさか……姉ちゃん!?

 

139:名無しの戦友

存在したらダメだろその姉妹

 

140:名無しの戦友

同じ推しでオナる姉妹。つまり竿姉妹

 

141:名無しの戦友

そろそろ黙れ

 

142:名無しの戦友

全くだ

 

143:名無しの戦友

うん?

 

144:名無しの戦友

何やら雲行きが

 

145:名無しの戦友

構えたな

 

146:名無しの戦友

攻撃態勢?

 

147:名無しの戦友

なんかこれまでで一番集中してない?

 

148:名無しの戦友

抜いた!

 

149:名無しの戦友

抜いた!

 

150:名無しの戦友

ふぅ……

 

151:名無しの戦友

>>150 抜くな!

 

152:名無しの戦友

龍牙一閃!

 

153:名無しの戦友

出た壁越し遠距離斬撃

 

154:名無しの戦友

不意打ち技としてかなり強い

 

155:名無しの戦友

む?

 

156:名無しの戦友

センシ逃げようとしてる

 

157:名無しの戦友

避けられた?

 

158:名無しの戦友

ま?

 

159:名無しの戦友

え?あれを?

 

160:名無しの戦友

ヤバくね?

 

161:名無しの戦友

ヤバい

 

162:名無しの戦友

……って

 

163:名無しの戦友

勇者じゃねーか!

 

164:名無しの戦友

勇者じゃねーか!

 

165:名無しの戦友

陰者じゃねーか!

 

166:名無しの戦友

あー、何となく理解したわ

 

167:名無しの戦友

コメント欄の言う通り、半端な強さだからビビったんだな

 

168:名無しの戦友

それっぽいな

 

169:名無しの戦友

……半端、ね

 

170:名無しの戦友

また雲行きが

 

171:名無しの戦友

勇者コミュ障発動!

 

172:名無しの戦友

コイツまた言わなくて良い事言ってる

 

173:名無しの戦友

キモくて草

 

174:名無しの戦友

センシ引いてて草

 

175:名無しの戦友

引いてるセンシの顔エロくて好き

 

176:名無しの戦友

勇者と同レベルの奴居るじゃん。塩撒いとこ

 

177:名無しの戦友

リアル金貨は草

 

178:名無しの戦友

リアルハイコメは笑う

 

179:名無しの戦友

音がえぐい

 

180:名無しの戦友

めっちゃジャラジャラ言ってる

 

181:名無しの戦友

当然断るよな

 

182:名無しの戦友

受け取ったらどんな要求されるか分からないし

 

183:名無しの戦友

【速報】ASMR続編希望!

 

184:名無しの戦友

【悲報】ASMR続編無し!

 

185:名無しの戦友

コメントお通夜状態

 

186:名無しの戦友

センシが死に掛けた時並みの悲壮感あって草

草……草……

 

187:名無しの戦友

ごめん、やっぱつれーわ

 

188:名無しの戦友

>>187言えたじゃねーか

 

189:名無しの戦友

まぁ希望は捨てるな

 

190:名無しの戦友

今後心変わりするかもしれんし

 

191:名無しの戦友

>>190あのセンシが?するか?

 

192:名無しの戦友

ごめん

 

193:名無しの戦友

諦めはえーよ

 

194:名無しの戦友

もっと頑張れ

 

195:名無しの戦友

絶望させるな

 

 

 

 

 56:名無しの戦友

やっぱりセンシ、ダンジョンに行くかぁ

 

57:名無しの戦友

やめて欲しいんだけど

 

58:名無しの戦友

何かあってからじゃあ遅いんだけどな

 

59:名無しの戦友

もしもの時が来たら耐えられん……

 

60:名無しの戦友

プロが死んでるし、ダンジョン教会も自粛呼びかけてるのになぁ

 

61:名無しの戦友

>>60 なんで自粛なんだよ禁止にしろよ無能組織が

 

62:名無しの戦友

>>61 ダンジョン攻略は国の収入だからおいそれと辞めろって言えないんだよ

 

63:名無しの戦友

まぁ実際、勇者に討伐依頼出しているしな

 

64:名無しの戦友

センシがヴリトラと遭遇する前に倒して欲しい

 

65:名無しの戦友

>>64 ヴリトラ?

 

66:名無しの戦友

>>64 なにそれ?

 

67:名無しの戦友

ダンジョン教会が正式に発表した今回のダンジョン災害モンスターの名前だな

 

68:名無しの戦友

結構久しぶりだな

 

69:名無しの戦友

大抵は放置してたらやばいから、人類最強達が駆除するからな

 

70:名無しの戦友

特に夜王が対処するよな

 

71:名無しの戦友

人類大好きお婆ちゃんありがとう

 

72:名無しの戦友

しかし勇者は除く

 

73:名無しの戦友

いや好きだろ。じゃなければ喧嘩せずに◯してる

 

74:名無しの戦友

せやな

 

75:名無しの戦友

そうなると今回のヴリトラの件は夜王にとっても苦い物があるのでは?

 

76:名無しの戦友

例の噂が本当ならな……

 

77:名無しの戦友

勇者は知らないんだっけ?

 

78:名無しの戦友

知ってたら今頃引き篭もってる

 

79:名無しの戦友

アイツネット見ないからな

 

80:名無しの戦友

何で?承認欲求の塊なのに

むしろネットの民だろ

 

81:名無しの戦友

昔エゴサしてアンチコメントに心折れたらしい

 

82:名無しの戦友

相変わらずメンタル弱くて草

 

83:名無しの戦友

その点センシはメンタル強いよな

 

84:名無しの戦友

アンチコメを気にしていないというか、むしろ認識していないというか

 

85:名無しの戦友

むしろアンチコメを参考に取り入れて、それで成功してアンチが一人信者になったよな

 

86:名無しの戦友

アレには笑った

 

87:名無しの戦友

ノワールに教えられて漸く理解したくらいだしな

 

88:名無しの戦友

顔も名前も知らない他人の言葉で何故そこまで落ち込む? ってスピアをブッ刺したのも笑った

 

89:名無しの戦友

スピアは勇者並みではないけどアンチコメントでメンタル揺れるからな

 

90:名無しの戦友

ノワールはセンシに近い感じで、シノビはやんわりと受け流す

スピアはその辺繊細というかよくヘラるというか

 

91:名無しの戦友

ヘラってはシノビにメンタルケアして貰ってるよな

 

92:名無しの戦友

他の同期二人がスパルタなので

 

93:名無しの戦友

スピア「アンチコメ辛たん。助けて」

ノワール「甘えるな」

センシ「そもそも理解できない」

シノビ「よしよし。スピアは悪くないよ」

 

スピアじゃ無いけど私でもシノビに泣きつくわ

 

94:名無しの戦友

相変わらず酷くて草

 

95:名無しの戦友

二期生唯一の癒し

 

96:名無しの戦友

ノワールはセンシに泣きつくんか?

 

97:名無しの戦友

>>96 兄が弟に弱ってる姿を見せるわけないだろ!!!

 

98:名無しの戦友

うわノワセン兄弟過激派だ

 

99:名無しの戦友

兄弟愛てぇてぇぜ

 

100:名無しの戦友

同い年なんだけどな

 

101:名無しの戦友

センシが弟っぽいのが悪い

 

102:名無しの戦友

スピアが冗談で「おれの弟になる?」って言った時のノワールのドスの効いた声、いまだに思い出す

 

103:名無しの戦友

アレすこ

 

104:名無しの戦友

兄としての自覚が強すぎる

 

105:名無しの戦友

同い年なんだけどな

 

106:名無しの戦友

お、配信始まった

 

107:名無しの戦友

このダンジョンって

 

108:名無しの戦友

ヴリトラが目撃されたダンジョンだな

 

109:名無しの戦友

多分もう移動してるけどな

 

110:名無しの戦友

こういう時ダンジョン間が魔力で繋がってるの厄介だよな

 

111:名無しの戦友

モンスターは魔力で作られてるから、ピョンピョン移動して厄介

 

112:名無しの戦友

今回みたいな駆除対象モンスターだと余計にな

 

113:名無しの戦友

駆除する前に見つけないといけないからなぁ

 

114:名無しの戦友

大抵は一度潜ったダンジョンには来ないけどな

 

115:名無しの戦友

それでも何かしらの証拠はあるかも、とセンシは来た訳か

 

116:名無しの戦友

コメント欄も止める声が多いな

 

117:名無しの戦友

荒らしの茶化しもな

 

118:名無しの戦友

モデレーターがどんどん消してる

 

119:名無しの戦友

やっぱり荒れるよなぁ

 

120:名無しの戦友

センシは気にせずに進んでる

 

121:名無しの戦友

杞憂コメントばっさり

 

122:名無しの戦友

相変わらずドライだ

 

123:名無しの戦友

それが良いんだけどな

 

124:名無しの戦友

うむ

 

125:名無しの戦友

でも死んでほしくねーよ

 

126:名無しの戦友

うむ

 

127:名無しの戦友

む?

 

128:名無しの戦友

ん?

 

129:名無しの戦友

お?

 

130:名無しの戦友

止まったな

 

131:名無しの戦友

どうした?

 

132:名無しの戦友

◯子溜まったか?

 

133:名無しの戦友

>>132

 

134:名無しの戦友

>>132

 

135:名無しの戦友

>>132

 

136:名無しの戦友

きしょ

 

137:名無しの戦友

コメント欄にも同じ事言ってる奴いるやん

 

138:名無しの戦友

まさか……姉ちゃん!?

 

139:名無しの戦友

存在したらダメだろその姉妹

 

140:名無しの戦友

同じ推しでオナる姉妹。つまり竿姉妹

 

141:名無しの戦友

そろそろ黙れ

 

142:名無しの戦友

全くだ

 

143:名無しの戦友

うん?

 

144:名無しの戦友

何やら雲行きが

 

145:名無しの戦友

構えたな

 

146:名無しの戦友

攻撃態勢?

 

147:名無しの戦友

なんかこれまでで一番集中してない?

 

148:名無しの戦友

抜いた!

 

149:名無しの戦友

抜いた!

 

150:名無しの戦友

ふぅ……

 

151:名無しの戦友

>>150 抜くな!

 

152:名無しの戦友

龍牙一閃!

 

153:名無しの戦友

出た壁越し遠距離斬撃

 

154:名無しの戦友

不意打ち技としてかなり強い

 

155:名無しの戦友

む?

 

156:名無しの戦友

センシ逃げようとしてる

 

157:名無しの戦友

避けられた?

 

158:名無しの戦友

ま?

 

159:名無しの戦友

え?あれを?

 

160:名無しの戦友

ヤバくね?

 

161:名無しの戦友

ヤバい

 

162:名無しの戦友

……って

 

163:名無しの戦友

勇者じゃねーか!

 

164:名無しの戦友

勇者じゃねーか!

 

165:名無しの戦友

陰者じゃねーか!

 

166:名無しの戦友

あー、何となく理解したわ

 

167:名無しの戦友

コメント欄の言う通り、半端な強さだからビビったんだな

 

168:名無しの戦友

それっぽいな

 

169:名無しの戦友

……半端、ね

 

170:名無しの戦友

また雲行きが

 

171:名無しの戦友

勇者コミュ障発動!

 

172:名無しの戦友

コイツまた言わなくて良い事言ってる

 

173:名無しの戦友

キモくて草

 

174:名無しの戦友

センシ引いてて草

 

175:名無しの戦友

引いてるセンシの顔エロくて好き

 

176:名無しの戦友

勇者と同レベルの奴居るじゃん。塩撒いとこ

 

177:名無しの戦友

リアル金貨は草

 

178:名無しの戦友

リアルハイコメは笑う

 

179:名無しの戦友

音がえぐい

 

180:名無しの戦友

めっちゃジャラジャラ言ってる

 

181:名無しの戦友

当然断るよな

 

182:名無しの戦友

受け取ったらどんな要求されるか分からないし

 

183:名無しの戦友

【速報】ASMR続編希望!

 

184:名無しの戦友

【悲報】ASMR続編無し!

 

185:名無しの戦友

コメントお通夜状態

 

186:名無しの戦友

センシが死に掛けた時並みの悲壮感あって草

草……草……

 

187:名無しの戦友

ごめん、やっぱつれーわ

 

188:名無しの戦友

>>187言えたじゃねーか

 

189:名無しの戦友

まぁ希望は捨てるな

 

190:名無しの戦友

今後心変わりするかもしれんし

 

191:名無しの戦友

>>190あのセンシが?するか?

 

192:名無しの戦友

ごめん

 

193:名無しの戦友

諦めはえーよ

 

194:名無しの戦友

もっと頑張れ

 

195:名無しの戦友

絶望させるな

 

 

 

201:名無しの戦友

コメント欄大荒れ

 

202:名無しの戦友

センシのリスナーにはチェリーパイが多いからな

 

203:名無しの戦友

ああいう奴らってさ、センシと恋仲になれると思ってるのかね?

 

204:名無しの戦友

独占欲が強いんじゃね?

 

205:名無しの戦友

ダンジョンライブ自体が外部とのコラボ絶ってた時期があったからな

 

206:名無しの戦友

今は幅広くやってるよな

 

207:名無しの戦友

特に3期生は活発だよな

 

208:名無しの戦友

普通に女性Dtuberとかダンジョンゲーム実況者ともコラボしてるしな

 

209:名無しの戦友

センシ以外の二期生もサシじゃないけどコラボしてるし

 

210:名無しの戦友

というよりダンジョンライブで異性コラボしてないのがセンシだけという

 

211:名無しの戦友

別にセンシ自体は女嫌いとかじゃないけど

 

212:名無しの戦友

異性関係で炎上多いから社長も慎重になってるんやろ

 

213:名無しの戦友

その第一波が社長自身という

 

214:名無しの戦友

その後もストーカーだったり、女性Dtuberが裏で過剰にコラボ申請してたり……

 

215:名無しの戦友

アレは酷かったな

 

216:名無しの戦友

個人勢で失うもの無いから断れた瞬間批判しまくってたよな

 

217:名無しの戦友

社長の逆鱗に触れて無事駆除されたけどな

 

218:名無しの戦友

今頃監獄ダンジョンで奉仕してんだろうな

 

219:名無しの戦友

センシが異性コラボしないという先入観のせいでリスナーに厄介な奴が多いのは確かだよな

 

220:名無しの戦友

モノログも荒れてる

 

221:名無しの戦友

夜王ブチギレてて草

 

222:名無しの戦友

勇者と仲悪いし同じ推しだしな

 

223:名無しの戦友

勇者も煽ってて草

 

224:名無しの戦友

この前煽られてた仕返しか

 

225:名無しの戦友

結局夜王の言ってた事は分からんかったけどな

 

226:名無しの戦友

推しの力になれたってのがよく分からん

 

227:名無しの戦友

まぁ夜王がよく分からん事言うのは今に始まった事じゃないし

 

228:名無しの戦友

高齢だしね

 

229:名無しの戦友

痴呆扱いは笑う

 

230:名無しの戦友

前世から推してるとかいうDtuber界隈でタブーな事言っちゃうし仕方ない

 

231:名無しの戦友

結局それっぽい前世は無いけどな

 

232:名無しの戦友

スカウトだし

 

 

 

 

 

237:名無しの戦友

ようやくモンスター来た

 

238:名無しの戦友

相手はスケルトンか

 

239:名無しの戦友

放っておくと蘇生するから厄介

 

240:名無しの戦友

魔法無いと無理な奴

 

241:名無しの戦友

勇者が行くっぽいな

 

242:名無しの戦友

髪が燃えた

 

243:名無しの戦友

ユニークスキル?

 

244:名無しの戦友

そうそう

 

245:名無しの戦友

ちょうどコメ欄で説明されてる

 

246:名無しの戦友

瞬火終到かぁ

 

247:名無しの戦友

カッケーな

 

248:名無しの戦友

前から言われてたけど

 

249:名無しの戦友

センシの上位互換だな

 

250:名無しの戦友

剣使ってブースト使っての機動戦

炎属性ある上に勇者は天才だから差が出る

 

251:名無しの戦友

勇者張り切ってるな

 

252:名無しの戦友

まぁ自分のせいで推しの母死んでるし

 

253:名無しの戦友

知ってたけど配信で顔に出さなかった事に驚いてる

 

254:名無しの戦友

実はメン限で言ってたんだよね

ずっと謝りたいって

 

255:名無しの戦友

普段の配信で責めてる奴居たけど、そういえば反応してなかったな

 

256:名無しの戦友

勇者も思うところがあったんだろうよ

 

257:名無しの戦友

センシ羨望の眼差し向けてる?

 

258:名無しの戦友

あー……

 

259:名無しの戦友

これは……

 

260:名無しの戦友

センシもセンシでメンタルヤバいかもな

 

261:名無しの戦友

ダンジョン探索者が宝を求め出したらヤバい

 

262:名無しの戦友

無理な攻略して事故るからな

 

263:名無しの戦友

何ならセンシは一度死んでるし

 

264:名無しの戦友

やっぱり母ちゃんの事好きだったんかな

 

265:名無しの戦友

配信であまり話題出さないけどな

 

266:名無しの戦友

教会育ちだし、色々と複雑なんだろうよ

 

267:名無しの戦友

 

268:名無しの戦友

 

269:名無しの戦友

うわ

 

270:名無しの戦友

これって!

 

271:名無しの戦友

やばい

 

272:名無しの戦友

とりあえず教会に通報するわ

 

273:名無しの戦友

ダンジョンライブにも

 

274:名無しの戦友

いや、もう動いてる

 

275:名無しの戦友

流石に備えてたか

 

276:名無しの戦友

イヤでもこれ

 

277:名無しの戦友

 

278:名無しの戦友

 

279:名無しの戦友

なんでいるんだよ!!!!!??!?

 

280:名無しの戦友

ヴリトラ!?

 

281:名無しの戦友

このクソトカゲ!

 

282:名無しの戦友

誰だよもう移動してるって言ったのは!

 

283:名無しの戦友

今回勇者居るけど

 

284:名無しの戦友

センシ無事で居てくれ

 

285:名無しの戦友

夜王が動いた

 

286:名無しの戦友

 

287:名無しの戦友

はぁ?

 

288:名無しの戦友

どうした?

 

289:名無しの戦友

夜王がセンシ達の居るダンジョンに来たらしいけど

 

290:名無しの戦友

はや

 

291:名無しの戦友

ユニークスキルがスキルだから

 

292:名無しの戦友

アイツの前に距離は関係無い

いやそれよりも

 

293:名無しの戦友

ダンジョンに入れないらしい

 

294:名無しの戦友

マジかよ!?

 

295:名無しの戦友

夜王でどうにもできないんか!?

 

296:名無しの戦友

ダンジョン自体が拒絶してる?

 

297:名無しの戦友

なにそれ

 

298:名無しの戦友

夜王の力で突破できないとなるとそれしか考えられない

 

299:名無しの戦友

もしくは英雄関係しかない

 

300:名無しの戦友

とりあえずセンシ無事で居てくれ

 

 

 

 

 先ず最初に狙われたのはセンシだった。

 

「──っ」

 

 ヴリトラが発動したのは風の刃を飛ばす初級魔法「ウインドカッター」。しかし使い手が優れていれば必殺となり、発動者が災害と称されるモンスターとなれば大魔法と遜色無い威力を発揮する。

 

「『瞬火終到(リミテッド・オーバードライブ)』」

 

 そして、それを容易く弾けるからこそ彼女は人類最強と呼ばれる。

 ユニークスキルを発動させて炎を撒き散らす勇者は、顕現させた魔剣でセンシに向かっていた無数の風の刃を掻き消した。

 

 しかしヴリトラは攻撃の手を緩めない。継続して風魔法を放ちセンシを亡き者にしようとする。

 

「離れないで」

「ごめん」

 

 それを防いでくれる勇者の陰に隠れながら、センシは歯痒く思った。

 自分が狙われているのはこの場にいる面子の中で最も弱いからだ。ヴリトラが真っ先にセンシを狙ったのは野生の本能に従った当たり前の行動である。

 さらに勇者がセンシを守る事により、彼女に一手遅れて行動させている。センシが居なければ彼女はまともにヴリトラと戦う事ができただろう。

 足手纏い。その事実がセンシを締め付ける。

 

 ヴリトラの攻撃を凌ぎ、二人は地面に着地する。崩壊したダンジョンは徐々に再生し、堕とした二人を逃がさないと言わんばかりにヴリトラに味方する。

 天井が完全に塞がり、暗闇に包まれた。勇者の炎の髪のみが光源となる。

 同時に二人のダンジョンドライバーが戦闘体の目を暗視状態に切り替え、勇者達はヴリトラの次の動きに警戒しつつ構えた。

 

「センシ。なるべく守るけど自分でも守って欲しい」

「……何を言ってるんだ」

 

 お互いヴリトラから視線を外さずに、それぞれ言いたい事を言う。

 

「ダンジョンで過度な助け合いは共倒れの原因だ。君はあのドラゴンを倒す事のみに集中して欲しい」

 

 センシではヴリトラを倒す事は無理だ。

 探知した魔力量が規格外で、正直酔って吐きそうな程に濃密。

 早々破壊されないダンジョンの壁を容易く切り裂く魔法をばら撒き、時折己に当たるも強固な黒鱗で弾く硬さ。

 そして前回己を殺しかけた勇者を前にして恐怖する事なくリラックスし、しかししっかりと殺意と敵意を暴風の様に放つメンタル。

 

 センシが工夫した程度では倒せないと理解させられた。

 

 故にヴリトラを倒す力を持つ勇者の邪魔しないように努めようとする。己が同行したいと言ったばかりに起きたこの不利な状況を何とかする為に。

 

「……分かった」

 

 何かを言いたそうにしながらも、勇者はセンシの言葉に頷き──飛んだ。

 炎のブーストによりジェットの如く加速し、魔剣を叩き付ける。

 

 前回はこの一撃により黒鱗は砕かれ、肉を焼き斬り、骨を断った。

 しかし。

 

「っ、硬い……!」

 

 勇者の魔剣は通らなかった。豊潤な魔力が巡り、乱気流の如く荒れ狂う風と以前より強靭な鱗が人類最強の刃を凌いだ。

 驚愕する勇者に向かってヴリトラは片手を振るった。

 

「勇者さん!」

 

 ザシュッ、と魔力が漏出する。剣で爪を受け止めた筈の勇者の全身に切り傷が刻み込まれていた。振るわれた爪にも風の刃が付与されていたのだ。

 それを見たセンシは駆け出し、剣を振るいながら龍牙を発動させる。瞬間的に拡張された刀身は追撃を放とうとしていたヴリトラの反対の腕に直撃し──しかし意に介さずそのまま勇者に向かって拳が放たれた。

 敵として見られていない。攻撃と認識されていない。戦力外。

 センシがあまりにもあんまりな現実に一瞬思考に空白が生まれ、

 

「──センシ!」

 

 傷を燃やして治癒しながらヴリトラの拳を回避し、すぐ様センシの前に降り立った勇者。彼女はセンシを抱えると地を蹴って跳躍し、彼に向けて振るわれていた尾の一撃を回避する。

 そこで初めてセンシは敵として見られていないが、依然としてヴリトラに狙われていた事に気が付いた。

 

「……っ」

 

 悔しかった。己の存在を否定された様で。

 悔しかった。2000年前のあの日から全く変わっていない己に。

 悔しかった。──崩れていく己の存在価値に。

 

「……ごめん。また助けられた」

 

 勇者に抱き締められた状態で、センシは彼女に言った。

 

「このままだと貴女まで死んでしまう──だからもう助けなくて良い」

 

 邪魔な存在であるセンシが居なければこんな事にはならなかった。故に合理的にこの状況を打破する為に彼は忠言する。

 

「いやだ」

 

 しかし人の心はそう単純なモノではない。その事をセンシは知らなかった。

 

「アナタを死なせたくない。絶対に守り切る。それができないのなら、私は後悔しても後悔し切れない」

「……なんで」

 

 勇者の言葉に、行動に、想いに、戸惑うセンシ。

 理解できない。不利益な存在である自分は見捨てられるべきで、それをしても仕方の無い状況だ。

 それなのに、何故──。

 

「私がアナタの事を好きだから。だから死なせたくない。死んでほしくない。生きて欲しい」

「──」

「そしてそう思っているのは私だけではない」

 

 そう言って勇者の指差したその先には──。

 

 

 

 

 

 名前は無かった。生まれた時から国の機関の持つ施設で管理されていた。

 識別番号は1004番。消費されるだけの兵士の、駒の一つだった彼はそう呼ばれていた。

 気が付いた時には人を、敵国の兵士を殺す為の力を培う為の訓練をしていた。

 疑問は無かった。

 当たり前だと思った。

 何故なら、物心着く前からそういう風に教育されていたからだ。

 

 そんな彼らの事を、自他国含めてバトルチルドレンと呼んでいた。

 将来必ず兵士となり、死ぬまで戦争に参加し、自国を豊かにする消耗品。それが彼だった。

 

 そんな彼が変わったのは、彼がある程度評価され、訓練内容が次の段階へと移行した時。

 彼はとある部隊に配属される事になり、今後の生活、訓練、実戦を共にするように機関から指令が出された。

 その事に対して彼は特に何も感じなかった。指令が出されたのなら黙って従うのが当たり前だと思い、疑う事なく、必要で、当然で、自分がするべき事だと思っていた。

 

「なぁ、お前名前は?」

 

 だからその少年は彼にとって異物だった。

 その少年は彼と違って生まれた時から機関に育てられたのではなく、戦争で滅ぼした国の子どもだった。戦争奴隷として搾取された弱き存在。しかし彼と違って普通の両親の元に生まれ、普通の両親の元で育ったただの子どもだ。

 

 機関で訓練の日々を過ごしていた彼は、出会った事の無い存在だった。

 

「1004番」

「それ、絶対名前じゃないだろ……」

 

 この宿舎には、それぞれ二人一部屋と割り振られている。

 彼と相部屋になった少年は何処か辟易とした様子を見せた。どうも彼の反応に思う所あるらしく、何処か慣れた様子で彼に言った。

 

「全く、バトルチルドレンはこの国の歪みそのものだな……とりあえず、今後呼ぶお前の名前を決めるぞ」

「その行動にどのような意味がある?」

「お前のそれは、識別番号はいちいちかたっ苦しくて疲れるんだよ。行動一つ取るのに1004番、1004番なんて言っていられるか。こっちが気が狂う」

「……好きにすれば良い」

「お前たちバトルチルドレンは最後にはそう言うよな……。

 えっと、1004番だから……センシってのはどうだ?」

「構わない」

 

 1004番……センシが無感情にそう応えると、相部屋となった少年はため息を吐いた。どうやら此処に来るまでに関わって来たバトルチルドレンを思い出しているらしい。

 

「俺の名前は――だ」

「分かった」

 

 彼の名前はこの世界ではありふれたものだった。バから始まってドで終わる、六文字の名前。

 

「これからもよろしくな」

 

 そう言って少年は手を差し出し、その手をジッと見つめるセンシ。

 そんな彼の様子にじれったく思った少年は無理矢理掴んで握手する。少年の突然の行動に疑問に思いながらも敵意や殺意を感じていなかった為、反射行動をしなかったセンシ。

 バトルチルドレン特有の感情の起伏の薄さに少年は呆れつつ、初めて会った人間には必ず己の夢について語った。

 

「センシ、これから仲良くしていく訳だけど先に俺の夢について教えておくな」

「夢?」

「ああ。俺は――将来、この国を滅ぼすんだ」

 

 

 

 かつて普通の国で普通に両親と過ごしていた少年は、ある日全てを奪われて――復讐者となりはてた。

 戦争奴隷となり、自分の国を滅ぼした国の為に他国の人間を殺す兵士となり、いつか必ず復讐を果たすと誓っていた。

 彼はもう普通ではなくなっていた。それでも最低限の人間性はあるから、バトルチルドレンの存在を不憫に思ってしまい、無駄なお節介を焼いてしまう。

 

 その無駄なお節介が、2000年後のセンシに影響を及ぼす事を誰も知らない。

 

「~~~~だぁあ! 疲れた! 休憩!」

「だらしないな」

「バトルチルドレンと一緒にするな!」

 

 模擬戦形式の訓練を終えると同時に地面に倒れ込む少年。それを見下ろすセンシは涼しい顔をしているが、二人とも汗だくとなっていた。

 相部屋となった二人は、訓練時にも行動を共にする事が多くなり、今では雑談を交わす程度には親交を深めていた。もしくはセンシにその程度の人間性を獲得させた、と表現するのが正しいのかもしれない。

 

「ったく、いつもいつも涼しい顔しやがって。俺にもお前くらいの才能があればな」

「才能はお前の方があるぞ」

「え?」

 

 大の字に倒れて空を仰ぎ見ながらぼやく少年に、センシは無感動に返す。

 センシの言葉が意外だったのか、起き上がった少年の視線はセンシに向けられその言葉の意味を探る。

 何でもないかのように、センシはこれまでの訓練の過程で分析し、判明している少年の潜在能力の高さを口にする。

 

「オレ達バトルチルドレンのように長期的に特殊な訓練をしていないにも関わらず、オレと訓練をするだけで現時点の戦闘能力を得ているのは異常だ」

「そうなの……?」

「ああ。あとひと月もすればオレの戦闘能力を超える」

 

 それだけ少年の才能は凄まじく、センシと大きな差がある事を意味している。

 特に剣の才能は群を抜いており、この部隊どころかこの国全体で見てもトップクラスの才能の持ち主であった。

 

「もしかしたら将来、本当にこの国を滅ぼせるかもしれない。それだけの力をお前は持っている」

「……」

 

 少年がいつかこの国を滅ぼすと言った時、センシはただ一言「そうか」と返した。少年がこれまで出会って来た他のバトルチルドレンと同じように。普通なら自国の害となる存在は通報、処分するべきだろう。しかし()()()()()()教えられていない為、センシは上層部に報告する事なかった。

 そして今回の言葉もただ事実を述べただけであり、そこに彼の私情は全くない。

 愛国心も、敵疑心も、自国に対して何も感じていない。

 それがバトルチルドレン。それがこの国の歪み。

 

「……はぁ」

 

 その特異性のおかげで助かっている少年だったが喜ぶ事は無かった。

 復讐を誓っているが、人間性を捨てる事はしたくなかった。故に彼はセンシと接する時、なるべく()()()少年になれるようにしている。

 

「なぁ。お前って夢とかあるの?」

「夢……就寝中、脳内の記憶を整理する為に訓練時の復習をしているのを――」

「そっちじゃないって! ほら、戦争しなくて良くなったら何をしたいかーとか」

「……そんな事考える必要があるのか?」

 

 当然そんな事を上官から教育された事の無いセンシが夢を持つ訳が無く、さらにその必要性を問い掛ける始末。

 予想できた返答に少年はため息を吐いた。

 

「俺にも夢があったんだ」

「この国を滅ぼす事が?」

「いや、そっちじゃない。……まだ父さんと母さんが居た頃の話だ」

 

 かつて戦争に巻き込まれる前、少年の国にはたくさんの人間が他国からやって来ていた。

 中には貴族崩れの人間もおり、魔法を使った旅芸人も居り、その者が見せる芸に少年は魅せられていた。

 

「あれは凄かったな。まるで御伽噺が現実になったみたいで、その話の登場人物に成り切っているその人を見て、俺もやってみたい! って思った」

 

 復讐者になる前の少年は、人からの愛を求める人間だった。

 だから好かれる様に良い子をしていたし、チヤホヤされると凄く嬉しくて、お菓子を貰った時は「次も貰えるように」とどんな事をすれば喜んで貰えてるのかを考えていた。

 時に彼の事を快く思わない同年代の子どもに「卑しい」と罵られる事もあったが、それでも彼は誰かに好かれようとしていた。

 

「俺には貴族の血が流れていないから魔法が使えないけど、それでもどうにかして旅芸人になって……たくさんの人を笑顔にして、好かれる人間になりたいと思っていたんだ」

「……」

「まぁ。お前には分からないかもしれないけどな。……それに」

 

 その夢も、もう叶う事はないだろう。

 その言葉を吐いた少年の顔は何処か寂しそうで、しかしセンシには理解できないものであった。

 

 

 少年の仲介により、配属された部隊にも色んな人間が居る事をセンシは知った。

 

 素早い槍捌きで戦う少年。

 弓の扱いに長けた元狩人の親を持ち、その才能を引き継いだ少女。

 動物を手懐けるのに長け、騎乗戦ではセンシを欺く少年。

 貴族の血が流れ魔術を扱える少女。

 とある国のとある特殊な一族出身で気配を殺すのが得意な少年。

 精神疾患を持ちながらもその恵まれた体躯と本能で全てを破壊する少年。

 そしてそんな彼らを纏め上げる相部屋の少年は、誰よりも強い存在へと昇華していた。

 剣の腕もとうの昔にセンシを追い越しており、以前正規兵との訓練で打ち負かした実績を持っている。

 他の少年少女達も何かしらの実績を上げ、それぞれ将来に成したい夢の為に切磋琢磨している。

 

 個性豊かだが有能な彼らが、この国の中核を担うと誰もが思っていた。

 センシは少年に自分達の武勇伝を残せと言い、毎日日記を書かせた。

 三日経つと書くことを忘れ、その度に少年に怒られ、他の部隊の少年達に笑われる。そして戦場での実績を自慢げに話してくるのを、何処かうんざりしながらも──それでも少しだけ楽しそうに聞き、書き続けた。

 

「なぁなぁ戦友。その日記にはどんな事が書いてあるんだー?」

「教えない」

「良いじゃんか教えてくれよ戦友」

「拒否する。それと、その戦友とは何だ?」

「あん? そりゃあここまで長い付き合いがあれば、俺の国を滅ぼした人間相手にも友情は湧くに決まってんだろ。……戦場ではいつも助けられているしな」

「……そうか」

「……おっ? もしかして今照れた? ねぇねぇ照れた?」

「……」

「あ、おい待てよ無視するなよ!」

 

 

「はぁ。しんどい。尊い」

 

 

 

「お前っていつもそうなの?」

「何がだ?」

「何と言うか『常在戦場』? 常に気を張っていて疲れねーのかなって」

「……最近はそうでもないな」

「そうなのか?」

「ああ。お前が……」

「俺?」

「……何でもない」

「は? なんだよそれ。何を言いかけたんだよはっきり言えよ!」

 

 

「え?待ってそういうこと?無理無理無理無理もう式場抑えた方が良いじゃん最高」

 

 

 

「戦勲に貰ったの絵ってどうなの?」

「知らん。オレには分からない価値感だ」

「俺も理解はできねぇな。描かれているのは……お前か?」

「……そうなのか? 潰れた敵兵かと思っていた」

「怖いよ発想! ……でも、こういうのアートって言うんだっけ?」

「……戦勲アート」

「え? なんて?」

「いや何でもない」

 

 

「……アート……潰れた敵兵……私の神掛かった絵の才能があれば……!」

 

 

「このパン硬いな」

「そうか。オレはこれしか食った事が無いから」

「へー。俺の国では白い米が上手くてさ、仕留めた獣の肉を焼いて乗せたら美味かったんだよな」

「そうか。……いつか」

「ん?」

「いや……何でもない」

 

 

「あの二人をおかずにすればこのクソ硬いパンも高級菓子なみに美味くなる。うまうま」

 

 

 

「なんだそれは」

「詩を書いてみてた。あと魔法のオリジナル詠唱も!」

「……なんだか読んでいてぞわぞわする」

「そうか? でも辛い時はこういうのを書くと気持ちが整理するんだぜ」

 

 

「……という事は辛い事があったのか」

「あ」

「……」

「……あぁ、そうだよ。ったく」

「話し辛いなら」

「いや、聞いてくれ! ……この戦争はさ、いつ終わるのかなって」

「……」

「昨日まで仲の良かった後輩がさ、前の戦争の傷が原因で死んだんだ。……苦しかったんだろうな。平和な世界を見る前に死ぬなんて残酷だよな」

「……」

「なぁ」

「なんだ」

「この国が全ての国を従えたら、戦争は終わるんだよな」

「さぁな」

「そうしたらさ、もう争わなくて良いんだよな」

「さぁな」

「平和になるんだよな」

「……さぁな」

 

 

「アイツらの死は無駄にならないんだよな」

「――あぁ」

 

 

「……え?」

「無駄にはならないとオレは思っている。この国を頂点に導くためにオレ達は犠牲になっている。だから――無駄にはならない。させない」

「センシ……」

「……」

「……いつになく、人間らしい事を言うじゃないか戦友」

「多分お前のせいだよ……相棒」

「そこは俺のおかげって言えよ!」

 

 

「……平和、かぁ」

 

「なぁセンシ」

「なんだ」

「お前は――生きてくれよ?」

「死ぬつもりは無い」

 

 人が増え、繋がりが増えていく。センシは自覚していなかったが、その繋がりを愛おしく思っていた。そしてそう思わせてくれたお節介な相部屋の少年に対して……これまで生きていた中で感じた事の無い感情を抱いていた。

 

 それでも戦争は続く。そして。

 

 

 

 

 センシと相部屋だった少年が死んだのは、彼と出会って10年後の事だった。

 

 

 死因は戦死。幾度となくこなしていた他国との戦争で、特攻して来た敵国の兵士によって死んでしまった。相手は名の知れた者でも無くただの雑兵であり、故に暫く彼の死を受け入れる事ができない者が多かった。

 

 それが原因かは分からないが、センシの所属する部隊から次々と戦死者が出始めた。

 いつか世界中を旅して、たくさんの人と触れ合いたいと言っていた槍使いの少年は、足を怪我し動けないまま人の見つからない場所で孤独に衰弱死した。

 たくさんの動物と友達になりたいと言っていた騎乗戦が得意な少年は、弓矢で撃ち抜かれて落馬した際に、愛馬に頭を踏み潰され、敵国の実験動物の餌にされた。

 いつか好きな人を作り静かに暮らしたいと願っていた特殊な一族の少年は暗殺に失敗し捕まってしまう。その後拷問の末に脱出するも、自国の上層部の懐疑心を煽り入国前に殺処分された。

 孤児院を作り大勢の子どもを保護したいと言っていた恵まれた肉体を持つ少年は、敵国の子どもに毒を盛られ、それでも戦場で暴れ回り最後には1000人以上の敵兵を殺した。毒により敵兵のほとんどが孤児だと知らずに。

 

 夢を持っていた者は死に、夢を持たないセンシは生き残った。

 

「センシさん、私もいつか死んでしまうのでしょうか……」

 

 戦死者が出る度に戦力の補填をされた結果、魔術を扱える少女がセンシにとって最も古い知人となってしまった。相部屋だった少年が居た時は、センシの事を恐れていたのか交流が浅かったにも関わりずに、だ。ただ彼と相部屋の少年を遠巻きに見ている少女で気弱な存在だった。

 それが今では部隊の副隊長を任せれている。

 

「お前だけじゃない。俺も、他の奴らもいつか死ぬ」

「……」

「それがアイツらは早かった。それだけの話だ」

 

 死を恐れる魔術使いの少女はセンシの言葉に目を伏せる。

 死にたく無い。叶えたい夢があるから。しかし彼女と仲の良かった彼らは、夢を叶える事なく死んでしまった。お互いに夢について語り合い、絶対に生き残ろうと誓い合っていたのに。

 

「センシさんは悲しく無いのですか?」

「質問の意図が分からない」

「……みんな死んでしまったんですよ?」

 

 センシのその人間性の薄さを、彼女は酷く不気味に思った。

 相部屋の少年により幾らか改善されたとはいえ、根幹部分は全く変わっていない。そう思ってしまう程に。

 

「あの時みたいに、何も感じないのですか……!?」

 

 ―ーセンシは泣かなかった。自分を気遣い、ただの兵士だった彼を人間へと近付け、己の夢を語り「いつかお前の夢を教えてくれ」と笑い掛けてくれた少年の死に、一筋の涙も流さなかった。

 

 センシが孤立するのは当たり前だった。相部屋の少年が死んだ事により必要最低限の意思疎通しか行われず疎遠になってしまった。

 それでも同じ時を過ごした仲間だった筈だ。

 涙を流しも良い筈だ。

 

「センシさん、貴方は一体何なんですか」

「……オレは兵士だ。それ以上でもそれ以下でも無い」

「……っ」

 

 それから数日後に起きた戦争にて、その少女が行方不明となった。

 死んだのかどうかは分からない。ただ一つだけ言えるのは、センシは今後二度とその少女と出会う事は無かった。

 

「……」

 

 センシはそれからも兵士として戦い続けた。戦って、戦って、戦って。

 周りが死んで、相手が死んで、彼以外がどんどん死んでいく中──。

 

 ダンジョンが現れた。

 

 世界は混沌に包まれた。既存の武器が効かないモンスターが地上へと侵攻し、人を、国を、文明を破壊していく。

 センシの自国も多大な被害を受け、当然ながら戦争をする国力など瞬く間に削られていき、突然起きた天災への対象に追われた。生き残った人類と共に。

 

「──なんで」

 

 人類の取った選択にセンシの心が揺れ動いた。

 

 センシが培っていた人を殺す技は廃れていく。求められるのは理外の存在であるモンスターを殺す術と、摩訶不思議なダンジョンを攻略する奇跡のみ。

 

 彼にはそれが出来なかった。

 

 ダンジョンに対処したのは貴族達だった。彼らの魔術が唯一、既存の技術でモンスターに有効だった。

 

 バトルチルドレンの存在意義は無くなった。

 センシは人の血で汚れた手で武器を握り、国の指示に従ってダンジョンに何度も何度も潜り、バトルチルドレンという存在が忘れ去れる頃──ダンジョン最深部にて孤独に死んだ。

 

「──ふざけるな」

 

 その死の間際にて、蓋をしていた彼の感情が荒れ狂う。

 

「ふざけるな……!」

 

 センシは──仲間の死とずっと向き合っていた。

 相部屋の少年が死んだあの時、涙を流してはいけないと思った。その暇があるのなら自国に勝利を捧げ、世界を一つにし二度と戦争を起こさない様にするべきだと──親友の墓前で誓ったのだ。彼らとの思い出を綴った日記を添えて。

 親を知らない彼にとって、世界を教えてくれた親友は、仲間たちは掛け替えのない存在だった。

 

 その誓いは、夢を語っていた仲間達が死ぬ度に強くなっていた。

 彼らの死を無駄にしない。

 それがセンシの夢となっていた。

 

「ふざけるな!!!」

 

 故にその怒りを二冊目の日記に書き殴っていた。

 転生した後に何であんな事を書いたのだろうと後悔する程に書き殴った。

 それでもそれが彼の前世で最も感情を顕にした瞬間であった。

 

 彼は憎んでいた。全てを破壊したダンジョンを。世界をあっさりと変えたダンジョンを。己を殺した……ダンジョンを。

 

 

 その想いを彼は忘れる。

 何が好きで、誰に好かれて、何を憎んで、誰に嫌われて、自分が何者だったのかを。

 新たに得た命の代償と言わんばかりに。

 

 

 

 センシが生まれ変わり、世界がダンジョンに適応している事実を知った時、無意識に失望した。

 自分があんなに殺さなくても、仲間がたくさん死ななくても……世界はいつか平和になるのだと教えられたようで。

 

 

 それでも新たな命を得た以上、前向きに生きようと思った。それが亡き相棒と仲間達への贖罪だと無意識に思ったから。

 しかし今世でも彼は親に恵まれず──前世でも似た様な境遇だったからか、そこまで悲観しなかった。

 

 何処かの誰かが語っていた()()()の親に憧れが無かったかと言えば嘘になるが、捨てられた時点で血の繋がった他人に成り下がった。

 

 そんな歪みを抱えながら、己の黒歴史の存在に絶望し──回収する為に、ダンジョン探索者となる為に、Dtuberとなった。

 

「名前はどうする?」

「名前、ですか?」

 

 ダンジョンライブの社長の言葉に首を傾げるセンシ。

 てっきり今世の名前「五十嵐セン」を使うと思っていたようだが、「そんな訳あるかアホ」と呆れられる。

 先ずはネットリテラシーを教える必要があるとため息を吐きながら、彼女は言った。

 

「これからお前はリスナーに夢を与える存在となる」

「夢……」

「ああ。その為にはやりたく無いことをしないといけないかもしれない。辛い目に会うかもしれない。それでも仮面を被り、理想を演じ、沢山の人を魅了する。それがDtuberだ」

「……」

「自信がないって顔だな」

 

 彼の表情から何を考えているのかを読み取った社長は、諭す様に言う。

 

「場合によっては活動を辞めたくなると思う。それでもお前は夢の為に進まなくちゃあいけない──最も近い相棒と共に、な」

「相棒……」

「そうだ相棒だ。お前自身であり、これから魔法ネットっていう不特定多数の善意や悪意溢れる世界で共に戦っていく仲間だ。……だから良い名前を付けてやりなよ」

 

 その社長の言葉を胸に、彼はこの日から──戦場センシとなった。

 

 

 

 

 

 :センシ! 死ぬな! 頑張れ!

 

 勇者の指差す先には、戦友達のたくさんのコメントが流れていた。

 

:勇者がいる! 何とか生き残れ!

:まだお前とアニメの同時視聴してぇんだよ!

:同期先輩後輩コラボまだまだ見足りない

:これからも配信を続けて欲しいんだよこっちは!

:だから

:だから

:だから

 

──生きてくれセンシ!!

 

 前世にて、かつての相棒に言われた言葉と戦友達の言葉が重なる。

 何故今になってそんな事を思い出したのかを考え──ノワールの震えた声を思い出した。

 それだけでは無い。

 社長や先輩同期。後輩やリスナーである戦友。これまで彼らと過ごして来た日々を思い出し──。

 

「センシ。みんな貴方の事が好きだから生きて欲しいんだよ」

 

 隣にいる勇者の言葉によって、何故自分が過去の黒歴史を清算して今世を生きたいのかを理解した。

 

 自分は、Dtuberとして、戦場センシとして、これからもずっと生きていたい。そしてそう思っているのは──彼だけではない。

 

(お前もそうだよな、相棒)

 

 五十嵐センは──戦場センシは覚悟を決めた。

 

「ごめん、ありがとう」

「センシ……!」

 

 勇者の腕の中から抜け出したセンシは、彼女の悲しそうな声に振り返り笑みを返す。

 

「心配しないで。死ぬつもりは無い。だってオレは」

 

 ──戦場センシだから。

 

 その言葉を戦友達に送り、彼は再び視線を前に……戦うべき相手、ヴリトラへと向ける。

 その手に黒歴史書──否、英雄の魔導書を携えて。

 

「バオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 魔導書に呼応するかの様にヴリトラが咆哮を上げ、魔力が嵐となってダンジョン中を荒れ狂う。

 どうやら更なる強さを得る為にセンシの持つ魔導書を狙っているようだ。センシを一番最初に殺そうとしていたのも、彼が弱い以外にも狙う理由があった。

 

 しかしその前提条件は今この瞬間に覆される。

 

「……っ!」

 

 パラパラと魔導書を捲り、魔力の宿るページを開くセンシ。

 文字が書かれ赤く光るそのページを掴むと、思いっきり引っ張った。

 

「なにを!?」

 

 破れる音はしない。しかし確かにセンシの手には魔導書から引き抜かれた1ページ分の紙が、魔力があった。

 勇者は彼の手に持つソレをよく知っている。自分もそれに触れて人類最強となったのだから。

 センシは魔導書から魔力の塊……英雄の道導を抜き出したのだ。

 そんな事が可能なのか?とこの場に居る勇者と配信を見ているリスナー達が疑問に思うが、そもそも英雄の道導を蒐集できるセンシの存在が特異と言える。

 

 故にセンシだけが英雄の道導を正しく使()()事ができるのだ。

 

『──識別コード1004を確認』

 

 突如センシの脳内に人工的な音声が流れる。ダンジョンドライバーを使用している時に何度も聞いた声。しかし今回聞こえるこの声の言葉は予め登録されたとは思えない程にセンシだけに送られた言葉が紡がれた。

 

『英雄の魔導書の覚醒を確認。第一、第二の封印を解除申請……承認』

 

 ヴリトラは何が起きているのかを把握していない。

 しかしセンシから規格外の、それこそ世界の法則を捻じ曲げかねない程の濃密な魔力を感じ取り、一刻も早く消し去るべきだと判断した。

 火焔袋に魔力を巡らせ、胸いっぱいに燃え上がる炎を吐き出す。さらに風の魔法で広く、熱く、凶悪に解き放った。

 

:やべぇドラゴンブレスだ!

:センシ逃げて!

 

 配信で見ていたリスナー達が悲鳴を上げるが――彼の隣には彼女が居る。

 

「――はっ!」

 

 迫り来る炎を絡め取り、そのまま魔剣に吸収させる。

 炎のユニークスキルを持つ彼女にとって、この程度の炎は生温い。

 

「返すぞ」

 

 そのまま巨大な炎の斬撃としてヴリトラに解き放った。

 返された爆炎を強靭な黒い鱗で受け止めるも罅が入る。どうやら勇者自身の魔力も上乗せされているらしい。

 しかし、それだけだった。勇者は今の一撃に必殺の力を籠めなかった。彼女が本気を出せば、奥の手を使えばヴリトラを消し炭にする事など容易いだろう。

 でもしなかった。それは何故か。

 

「センシ、何かをするんだろう?」

 

 理由は単純明快。

 

「それまでの間、君を傷つけさせない」

 

 彼女はセンシのリスナーだ。

 

「君の邪魔をさせない」

 

 センシがデビューしてからずっと追いかけ続けている戦友の中でも古参勢だ。

 ずっと彼の活動を、彼の事を、彼自身を――視聴して(みて)来た戦友だ。

 故に、

 

「だから」

 

 推しの活躍に期待し、これからも見守りたいと思うのは当然の帰結である。

 

「見せてくれ、君の勇姿を」

 

 それだけで彼女は、戦友は、リスナーは元気を貰える。嬉しくなる。楽しくなる。その喜びをセンシはこれまで彼女たちと共有して、そしてきっとこれからもーー。

 

:そうだセンシ!

:もうこうなったらやっちまえー!

:何をするつもりなのか知らんけど、私たちはずっと見ているぞ!

 

 だからきっとセンシは、Dtuberになった。そしてこれからも活動していく。

 

 戦友が見守ってくれるのなら、尚更だ。

 

 約束、だから。

 

「――ありがとう」

 

 勇者がその身に炎を纏ってヴリトラに突っ込んでいく姿を見ながら、いつもの様に自分の背中を押してくれるコメントを見ながら、心の底から感謝の言葉を呟くセンシ。

 その想いに呼応する様に英雄の魔導書が魔力の光をダンジョン内を照らす。まるで鼓動を繰り返し、これから生まれるかの様に。

 

『魔力戦闘体の最適化を開始』

 

 センシの姿が変わる。どこか古ぼけた銀色の軽甲冑が展開され、その上から外側が黒、内側が緑色のローブが編み込まれていく。

 懐かしい鎧の感触と見覚えのある魔術師のローブを見ながら、センシは魔導書の荒れ狂う魔力を必死に制御する。

 

『戦闘用管制人格起動――おはようございますマスター』

 

 人工音声に人格が宿る。女性よりで聞き覚えの無い声の筈だが――何故かセンシは懐かしく感じた。

 

『挨拶は程々に――さぁ、オーダーを』

「あの黒トカゲをぶっ飛ばす力が欲しい」

『――承りました』

 

 魔導書の管制人格は、主であるセンシの願いを叶える為の力を解放する。

 彼の手に持つページが燃え上がり、赤い魔力へと変換され、センシの手から離れると人の姿へと変わっていく。

 

『英霊召喚【セイバー】』

 

 そして現れるのは紅蓮の甲冑を着込んだ一人の騎士だった。

 さらにセンシの髪と瞳が紅く染まった。

 

:あれってケルベロスの時の!?

 

 センシの隣に立つ騎士は静かにヴリトラを見据える。まるで今のセンシと同じ動きを真似する様に。

 魔導書と繋がっている魔力のラインで、何ができるのかを把握したセンシは剣を構える。すると隣の紅蓮の騎士も同様に西洋剣を構えた。

 

『スキル【龍牙】【炎熱付与】【斬撃強化】【龍殺し】――合成』

 

 魔導書がダンジョン内の情報を元に、現代に現存する全てのスキルを閲覧、把握、選択し、センシと紅蓮の騎士に最適なスキルの使用を可能にさせる。

 

「勇者さん!」

「――分かった」

 

 センシの呼びかけに、ヴリトラと斬り結んでいた勇者は前線離脱をする。

 それを確認したセンシは、燃え上がる剣をヴリトラに向けて――。

 

『必殺スキル【バーニングクロスセイバー】』

 

 紅蓮の騎士と共に炎の斬撃を放つ。二つの斬撃は交わり、バツの形となってヴリトラの胸に叩き込まれた。

 

「バオオオオオオ!?」

 

 爆発を起こし、さらに付与された【龍殺し】のスキルにより強靭な鱗の防御を貫き傷跡を刻み込む事に成功したセンシ。勇者でも通らなかったその鱗の突破はリスナーを驚愕させた。

 

:なんだあれ!?

:見た事ないスキルだ

:というよりも、あの騎士って

 

 センシの隣の紅蓮の騎士は魔力の残滓を残して消えていく。

 しかし彼の攻撃はまだ止まらない。

 

「バオオオオオオ!!」

 

 ヴリトラも黙ってやられるつもりはなく、魔力を練り上げて風魔法を発動させる。今度は初歩魔法のウインドカッターではなく、さらに発展させたウインドアローだ。半端な防御なら貫いて相手を串刺しにする必殺の矢。

 

『英霊召喚【アーチャー】』

 

 次に現れたのは翡翠色の弓を持つ女。深緑色の外套と帽子をかぶるその女はニヒルな笑みを浮かべながらセンシの隣に立つ。すると、センシの剣が魔力に包まれたかと思うと弓へと形状を変化させた。髪と瞳も緑色へと変わる。

 

『スキル【魔力矢】【貫通強化】【風刃付与】【龍殺し】【必中】――合成』

 

 魔力で造られた矢を番える二人。それを見たヴリトラは「もう遅い」と言わんばかりに目で追うのがやっとと言わんばかりの風の矢を解き放ち、

 

『必殺スキル【テンペストブレイクアロー】』

 

 それを音を置き去りにする神速の矢が打ち砕き、さらにヴリトラの翼を貫通した。

 しかも嵐が通り過ぎや様に肉がズタズタに捩じり切られて、痛みとバランスを崩した影響で地面に落下した。

 

「バオオ……」

 

 ここでヴリトラは初めて恐怖する。

 

「バオオオオオオ!!」

 

 自分が狩られる事に。

 ヴリトラは身を翻してダンジョンの壁へと向かって走り出し――それを追い越した紅の閃光が、前両足を斬り裂いた。

 

「何人も食い殺して来たんだ……次はお前の番だ」

「バ、バオオオオ――」

 

 今度はもう逃がすつもりは無いと言わんばかりンい立ちふさがる勇者に、ヴリトラは苛立ち交じりに咆哮を上げ、

 

『英霊召喚【バーサーカー】』

 

 背後に己を殺す為だけに呼ばれた狂気に息を詰まらせた。

 振り返るとそこには、紫色に変化した髪と瞳を持つセンシの隣に筋肉質の巨大な女がヴリトラを睨みつけていた。まるで獣の様で、どちらが野生の猛獣なのか見当がつかない程。

 

『スキル【速度強化】【ジャンプ強化】【ブースト】【蹴撃強化】【龍殺し】――合成』

 

「バ、バオオオオオオ!!」

 

 ヴリトラは苦し紛れに全身に風を纏い、センシ達に向かって突進をする。

 触れれば斬り刻む風の刃と巨体による衝突は、普通の人間なら肉体をバラバラにされてしまう。

 しかしそれは明らかに悪手だった。

 

『スキル発動【バーサークデストラクション】』

 

 スキルを発動させた二人は跳躍し、そのままヴリトラに向けてキックの態勢のまま加速する。

 二つの脚はまずヴリトラの纏う風に激突し、一瞬止まるも直ぐに突破。そしてそのままヴリトラの脳天に直撃し――。

 

「――はぁっ!!」

 

 センシがさらに魔力を練り上げると鱗を砕き、そのままヴリトラの体内を突き進み背中から飛び出す。そしてそのまま着地し勢いそのまま勇者の隣まで滑る。

 

「バ、バオオ……」

「感謝するよ勇者」

 

 ヴリトラに背を向けたまま、センシは隣の勇者に感謝の言葉を送った。

 

「これでオレはようやく進む事が出来る」

「――バオオオオオオ!!!??」

 

 断末魔を上げ、肉体に叩き込まれた狂気の魔力によって爆散するヴリトラ。

 それを背景に晴れやかな顔で勇者に微笑みかけるセンシは、何処かスッキリしているように見えた。

 

 

 

 こうして、数多のダンジョン探索者を葬り去ったダンジョン災害モンスター【ヴリトラ】は、ダンジョンライブ所属のDtuber兼ダンジョン探索者である戦場センシの手によって討伐されたのであった。

 

 

 

 

1:名無しの戦友

 

 エリア4第15企業ダンジョン、ダンジョンライブ! 所属の戦場センシについて語るスレです

 

 ・スレを立てる時は「××××◯◯△△」の詠唱術式を刻みましょう

 ・魔力反応隠匿推奨。お使いのマジックアイテムの設定で使用可能

 ・次スレは>>950が立てるように。無理な場合は代理人を指定してください

 ・まとめマホサイト等に転載禁止

 

 戦場センシ

 

 モノログ

【☆☆☆☆☆〜〜〜】

 Dtube

【☆☆☆☆☆〜〜〜】

 ダンジョンライブ! 公式マホサイト

 

【☆☆☆☆☆〜〜〜】

 

 前スレ

 

【ダンジョンtuber】戦場センシ#305【ダンジョンライブ!】

2:名無しの戦友

立て乙

 

3:名無しの戦友

おつおつ

 

4:名無しの戦友

見事なスレ立てだ

 

5:名無しの戦友

立て乙なんだぜ

 

6:名無しの戦友

センシのあの配信から1ヶ月か

 

7:名無しの戦友

アレほど笑った夜はない

 

8:名無しの戦友

アレほど燃え上がった夜はない

 

9:名無しの戦友

アレほど泣いた夜はない

 

10:名無しの戦友

なにこれ

 

11:名無しの戦友

モノログでの夜王の呟きやね

 

12:名無しの戦友

めっちゃ嬉しそうにしてたな

 

13:名無しの戦友

その後勇者にマウント取られてバチグソに喧嘩してたけどな

 

14:名無しの戦友

最近追い始めた新参なんだけど、結局センシのあの力はなんだったんだ?

 

15:名無しの戦友

>>14

目の前の魔導具は飾りか?

英雄の魔導書はおそらくエリア2のダンジョンとかで手に入るレベルのレアマジックアイテムの類い

 

16:名無しの戦友

>>14ggrks

そしてあの魔導書に刻み込まれているのは、かつて世界を救った英雄と共に在った7人の戦士の力と記録

 

17:名無しの戦友

>>14若いうちに自分で調べる癖を付けてろよ

そしてどういう訳かセンシはそれを扱える事から英雄の子孫である可能性が濃厚になった

 

18:名無しの戦友

>>14半年ROMってろ

そもそもこれまでどうやっても持ち返る事が出来なかった英雄の道導を回収できた事から、あの配信での使い方が本来あるべき姿と言われている

 

19:名無しの戦友

なるほど……ありがとうございます!

 

20:名無しの戦友

ツンデレ多過ぎて草

 

21:名無しの戦友

>>14の人気に嫉妬

 

22:名無しの戦友

めちゃくちゃ丁寧かつ情報まとめてくれてて優しい

 

23:名無しの戦友

色んな情報蔓延っていて混乱するからなぁ

 

24:名無しの戦友

そしてしっかりとお礼を言える>>14が純粋でしんどい

 

25:名無しの戦友

ワロタwwwwwwワロタ……

 

26:名無しの戦友

こんな肥溜めにいる時点でクソまみれや

 

27:名無しの戦友

 紅蓮のセイバー。蒼穹のランサー。翡翠のアーチャー。琥珀のアサシン。紺碧のウィザード。緋色のテイマー。紫電のバーサーカー。

 古典ネキ曰く、かなり古い歴史書にこの七人の存在を匂わせる文献があったらしい。

 

28:名無しの戦友

なんで知ってたんだろうな

 

29:名無しの戦友

そういう時期に調べたらしい

 

30:名無しの戦友

黒歴史で草

 

31:名無しの戦友

実際ケルベロス戦、ヴリトラ戦でそれっぽい姿に変身したり召喚してたよな

 

32:名無しの戦友

英霊召喚って言ってたな

 

33:名無しの戦友

解析班によるとケルベロス戦の時も言ってたらしい

 

34:名無しの戦友

かつて世界を救った英雄の力を使える

クソ強いのでは?

 

35:名無しの戦友

初の男性人類最強ダンジョン探索者になるかもね

 

36:名無しの戦友

勇者の炎で傷付かなかった鱗を突破してたしな

 

37:名無しの戦友

多分現代の人類最強級の力を七人分使えるから、かなりヤバいよ

 

38:名無しの戦友

でもそのセンシさんここ一ヶ月音沙汰無いんですけど

 

39:名無しの戦友

ヴリトラ倒した後複数の道導を回収した所までは配信されてたけどね

 

40:名無しの戦友

勇者もセンシについては何も言わないし

 

41:名無しの戦友

配信でも何聞かれてもスルーしてたな

 

42:名無しの戦友

多分関係者の間では情報共有してんじゃ無いかな

ノワールも落ち着いているから悪い方向にはなっていないと思う

 

43:名無しの戦友

そうなんだろうけど

 

44:名無しの戦友

そろそろセンシを見たいよな

 

45:名無しの戦友

ああ、見たい

 

46:名無しの戦友

それって配信?ダンジョン攻略?

 

47:名無しの戦友

もち配信

 

48:名無しの戦友

そら配信よ

 

49:名無しの戦友

実はダンジョン

 

50:名無しの戦友

私も

 

51:名無しの戦友

自分も

最初は男がダンジョンとかあり得ないって思ったけど、あの輝きを見ると、ね?

 

52:名無しの戦友

それな

 

53:名無しの戦友

わかる

 

54:名無しの戦友

その輝きを見る為にも普段の配信もして欲しい

 

55:名無しの戦友

どっちも分かるってばよ

 

56:名無しの戦友

 

57:名無しの戦友

 

58:名無しの戦友

 

59:名無しの戦友

 

60:名無しの戦友

 

61:名無しの戦友

全員くたばれ

 

62:名無しの戦友

ところでどうしたん?

 

63:名無しの戦友

これを見てくれ!

【雑談】戦場センシ【配信】「☆☆☆☆☆〜〜〜」

 

64:名無しの戦友

配信告知じゃないか!

 

65:名無しの戦友

帰って来たんかワレェ!

 

66:名無しの戦友

待っていたぞセンシィ!

 

67:名無しの戦友

私たちのセンシが帰って来た!

 

 

 

 

「皆さんこれまで黙っていてすみませんでした」

 

:良いって事よ

:情報漏洩はあかんからな

:夜王も知ってたっぽいけどなんで?

 

「あの人無駄に地位が高いんで……」

 

 センシの配信が始まる数時間前、ダンジョン攻略を終えた勇者はリスナーと雑談をしていた。その際にセンシについて聞かれ、これまでの沈黙が嘘のように事の経緯を話し始めた。

 モノログにてセンシ並びにダンジョンライブ公式が正式に発表した事により、ようやく彼女も口を開く事ができたというわけだ。

 

:よくこれまで言わなかったな

:確かに。承認欲求モンスターが黙ってるのは少し不思議

 

強制契約(ギアス)掛けられていたんで……」

 

:草

:草

:全く信用されてなくて草

:分かったぞ。ギアスかけたの夜王だろ

 

 コメントの言う通り、彼女にギアスをかけたのは夜王である。

 人類最強クラスの人間に制約をかけられるのは同じ人類最強クラスの人間であり、勇者相手となると夜王以外でそれができるのは数人しかいない。

 

:まぁ。夜王が関われなかったら真っ先に煽ってるだろうし

:それがないって事は、つまりそういうこと

:なんなら夜王に煽られてそう

 

「ふ、ふんぐぐぐぐぐぐ……!」

 

:悔しそうで草

:ぐうの音も出ない

:これは煽られていますねぇ

 

 センシの事となると途端に仲が悪くなる勇者と夜王。

 実際コメント欄で書かれている事は当たっており、「信用無くて草」「コミュニケーション能力と信用の無さがイコールの女」と煽られ、とあるダンジョンが崩壊しかねない程の激闘を繰り広げだとかしていないとか。

 

:それはそうとセンシのあの力は何なの?

 

「今日の夜ダンジョンライブから発表あると思うのでそれまで待っていてください」

 

:焦らすなぁ

:ギアスやろ

:ああ、なるほど

 

「うっ、みんな鋭いなぁ」

 

:じゃあ、アレだ。実際に一緒に戦ってどう思った?

 

「どう思ったって……」

 

 そのコメントを見て勇者は黙り込んでしまう。

 あの時に見たセンシの姿に彼女は魅了されていた。リスナーである……戦友であるからこそ、あの場をセンシに任せたが、本来なら勇者が戦うべき状況だった。実際、何かあればすぐに動ける様にしていた。

 しかしセンシが英雄の魔導書の力を見た瞬間、そんな思いは吹き飛んだ。

 まさしく英雄。子どもの頃に見た英雄譚をそのまま見ているかのような高揚感。彼女は改めてセンシの事が好きになり、これからも戦って欲しいと願ってしまった程。

 

 そんな思いをしたのは随分と久しぶりだった。

 コミュ症で引き篭もりだった彼女がネットサーフィンをしていた時、ダンジョンチューブにて偶然見つけたセンシの雑談配信。その時、Dtuberという存在をよく知らなかった彼女は、コメントを読み上げては質問を答えている風景を見て、何となく自分もコメントを打ち込んだ。

 

 何千人も居るリスナーの中、彼女のコメントが読まれたのは奇跡だったのかもしれない。

 

「えっと勇者さんコメントありがとうございます。なになに『自分は今学園中退してニートしています。このままではいけないと分かっているんですけど、なかなか勇気が出ません』」

 

 当時は何と無しに付けたユーザー名だったが、今では彼女の二つ名となっていた。

 

:一度ニートになったら辛いよな

:んで、お前は脱ニートしたのか?

:いや、エリートニートになった

:いや草。はよ働け

 

 コメント欄では割と勇者に同調しており、彼女の事を励ましていた。

 それに対してホッとしつつも「やっぱり」とも思っていた。

 人間、他人に対しては基本的に無関心だ。だから無条件に優しい言葉を送ったり、逆に無責任な罵倒を浴びせて来る者もいる。

 時間潰しにもならなかったな、とダンジョンチューブのチャンネルを切り替えようとしたその時。

 

「――あなたは変わりたいの?」

 

 指が止まった。

 

「親の為に何とかしたいのは分かるんだけど、無理矢理仕事をしても学園中退をした時と同じことだと思う」

 

 なんだ、こいつは後者の方だったかと舌打ちが漏れる。

 コメント欄でも彼女と同じ気持ちになったのか、センシに対して諌める言葉がいくつも送られていく。加速していくコメント欄を見ながら勇者は捨て台詞を吐いてこのチャンネルをブロックしようとし――。

 

「ちょっとみんな黙って。オレは今この勇者と話しているんだ」

 

 自分を見ているセンシに、思わず息を呑んだ。

 変わらずコメント欄は加速している。アンチがそこそこ居るのか過激な発言が多い。

 いや、問題はそこではない。

 勇者はゴクリと生唾を飲み込み―ー『はい』と打ち込んで送信した。

 

「あ」

 

 すぐに失敗したと気付く。こんな二文字だけではすぐに流されてしまう。

 今のコメント欄で勇者を見つけるなど――。

 

「あ、答えてくれた……そっか、変わりたいんだね」

 

 できない筈なのに、センシは当たり前の様に彼女を……ユウナを見つけた。

 もう彼女はさっきまでの腐った思考はなく、次のセンシの言葉を待っていた。

 

「だったら頑張らないとね。でも色々としんどいと思うし、辛いと思う。

 それでも君が変わりたいと、現状を何とかしたいのなら……生まれ変わる時なのかもしれない。

 死んでから後悔しても遅い。時間は戻らない。取り戻したい物はそう簡単に取り戻せない。

 それでもオレは勇気を出してコメントしてくれた君を――尊敬するよ」

 

 応援しているね、と最後に勇者に言葉を送った後、センシは次のコメントを拾って雑談配信を続けた。

 ちなみに後日センシの発言が切り抜き、拡散されて炎上した。弱女性に優しくしろ、と。

 

 それから彼女はセンシのリスナーとなり、その後ダンジョン探索者となり一年で人類最強へと上り詰めた。

 彼女はその時の事を昨日の事の様に覚えている。

 あの日は自分の中でのターニングポイントだった。

 

 そしてそれと同じ匂いを、今回も強く感じた。センシを中心にしてダンジョン攻略が大きく変わると。

 完全攻略が不可能と言われていた英雄ダンジョンも彼が居れば攻略が可能だ。

 

 時代の流れの節目に立ち会ったのだと彼女は強く思った。

 

「……それは、センシくんを見ていたら分かると思いますよ」

 

:なんだそれ

:はっきり言えや

 

 だから、他の皆がその事に気づくまで、感じ取ったあの想いを独占する事にした勇者。

 コメント欄では答えになっていない答えに憤りを覚えた者や呆れた者で溢れ返っていた。

 そのコメント欄を見て気分を良くした勇者は調子に乗る。

 

「それにしても今後は配信活動を積極的にしないといけませんね」

 

:そうなのか?

:どうした突然。嬉しいけど

 

「いや、今回の事で確実にセンシくんは私の事惚れたと思うんですよえへへ。それにダンジョンライブと繋がりが出来ましたし、今後コラボしていくと思うんですよ!」

 

 彼女が好きなネット小説では、人気男性Dtuberを助けた女性ダンジョン探索者は、その後も注目されて人気者になっていく。助けたDtuberはもちろん、その彼と仲の良いDtuber達も惚れてハーレム形成。

 勇者にハーレム願望はないが、もしその可能性があったら……。

 とにかく彼女は自分の都合の良い妄想を口にして悦に浸っていた。

 つまりいつも通りだ。

 

 しかし今回の視聴者の中にはいつも通りではない者が多数いた。

 

:は?なにこいつ

:ふざけんな

:調子乗るな

:センシに近寄るな

:てか今回たまたまセンシ助けただけでダンジョンライブとは何も関係ないだろ

 

 センシ、及びダンジョンライブが好きなリスナー達は、今回自分の大好きな推しを助けてくれた勇者を一目見ようと彼女の配信に来ていた。

 そしてその中には当然センシが異性と絡む事に対して否定的なチェリーパイ勢リスナーも居り、そんな彼女たちに対して勇者の妄言は毒でしかなかった。

 さらに……。

 

:これは勇者が悪い

:これまでも勇者が悪い

:これからも勇者が悪い

:お前ら味方してやれよwwwwwwwまぁ勇者が悪いんだけどな

:四面楚歌で草

 

 普段勇者を見ているリスナー達も彼女を擁護する気が全く見られなかった。

 どうやら今回の妄言はライン越え……という訳でもなく、ただこういう時は味方せずにボコボコにされるのが面白いと判断したらしい。なんてリスナーだ。自業自得だが。

 

「あば、あばばばばば」

 

 顔面を崩壊させて精神がぐちゃぐちゃになった勇者はそのまま何もできずに無事に炎上した。

 しかし彼女を知る者たちは「いつもの」と気にする事無く、どうせ引退宣言して翌日には復帰しているだろうと心配する事は無かった。

 そしてリスナー達の予想通り、翌日に引退宣言をして、クロノスに煽られて喧嘩した後に復帰した。

 

 

 

 

「流石ですセンシ様」

 

 ヴリトラ討伐のアーカイブを何度も視聴してはそう賞賛するのは、人類最強のダンジョン探索者の一人――夜王クロノス。

 容姿は銀髪に白い肌、深い青の瞳を持つ幼き少女だがその実年齢は当の昔に100を超えている。そんな彼女は推しである戦場センシの勇姿を見て悦に浸っていた。

 

「本当に……本当に良かったです」

 

 普段は妹の様な口調で話す彼女だが、今この時だけは素の自分を曝け出している。

 

 そう、2000年前のあの日の様に。

 

 夜王クロノスは転生者である。それも己の魔法を用いて。

 かつて彼女はとある国のとある部隊に配属されていた。当時まだダンジョンが現れていない時代において魔法を扱う者は希少であり、彼女は奴隷の身でありながら特別な存在だった。

 しかしそれは彼女だけでは在らず、彼女以上に特別な存在がおり――そして特別な存在であろうとあっさりと死んでいく時代だった。

 

 彼女は周りの者が死んでいく事に耐え切れず部隊から逃げ出してしまった。想い人を残して。

 その結果、ダンジョンが現れた事により死者が圧倒的に増え、想い人が死んだことに気付いたのはその者が死んでしばらくしてからだった。

 

 彼女は後悔した。本当に怖かったのは己が死ぬことではなく、好きな人が死ぬことだった。

 

 彼女は懺悔するかのように一つの魔道具を作り上げ、ダンジョン攻略とモンスターに殺されても死なない為に尽力した。その魔道具は2000年経った今も健在で――そしてようやく本来の使い方がされた。

 

 ダンジョンドライバー。それは、センシの願いを叶える為に彼女が作り上げた鍵である。

 

 クロノスはマジックアイテム化したセンシの日記を見つけ、さらに強い人の怨念を感じ取り――いつかまた会えるようにと禁術を用いた。

 とても長い時間が流れた。一度目の生では再会できず己も転生し、二度目の生では不老の力を手に入れて――18年前にようやく戦場センシが現れた。

 そして彼女が仕組んだ通りにセンシはあの日記に固執してダンジョンに潜り、英雄の魔導書を手に入れた。本人は黒歴史と勘違いして。

 

「……やはり記憶の欠落は戻らない、か」

 

 センシが前世で死ぬ時に何が起きたのか、何を想ったのか、それを知る者はいない。しかし確かなのは()()()()()()()()()()()()()センシは成したい夢があった。そしてその夢は今この時代でも叶う事を彼女は知っている。

 だからダンジョンライブの社長が手に入れたダンジョンドライバーはセンシ専用の特別性にしたし、センシの覚醒を他の者に邪魔させない様に工作もした。勇者が近くに居たのは想定外だったが。

 

 全てはセンシの為。

 

「……センシ様」

 

 彼女は一度、センシから逃げた。

 傍に居る事を。彼を見ている事を。彼を好きでいる事を。

 その後悔は生まれ変わっても、長い年月が経っても一生消えない。

 だから決めたのだ。一生推し続けると。一生――彼の事を好きで居続けると。

 

 2000年前にできなかった事を、今度こそはもう一度。

 

「……さて、とりあえずこの勘違いクソ陰キャ勇者を燃やすか」

 

 そして夜王はモノログで勇者を煽り、煽られ、次の日の朝までレスバした。

 

 

 

 

 七人の英雄ってなに? オレ知らないんだけど。

 ヴリトラ討伐の時のアーカイブについたコメント欄や考察サイトを見て回って思ったのが先の言葉である。

 何だか、前世のオレはたくさんの仲間と共にダンジョン攻略をしており、その時の思い出が魔導書に刻まれている。そしてオレはその力を引き出せるらしい。

 

 居ないよそんな人たち!?

 オレの最期はダンジョン最深部での孤独死であって、仲間と劇的な別れとかしていないんだが!? ダンジョン攻略も独りでやっていたし……戦争で同じ部隊の奴らは死んだし。

 しかも英雄達と涙あり笑いありラブロマンスありなドラマがあるとか無いとか……。

 何でオレの知らない黒歴史が増えているんだ。ふざけるなよ。

 

「実際の所どうなの?」

『“記録”にはしっかりと刻み込まれています。それは事実ですが、同時に真実とは限りません』

「偉く遠回しな言い方するな……」

 

 オレの問いに答えたのは英雄の魔導書の管制人格と名乗るナニカ。何でも製作者によって使用者を補助する為に作られた存在との事。人の黒歴史書に何してくれてんだ???

 思わず勝手に改造してくれやがった下手人に対して怒りを抱き、そして七人の英雄とやらもソイツの創作である可能性が出て来て……。

 

 どうしよう、冷静で居られない。アレの中身を見られたのは確実だ。

 

『マスター、お苦しみの所申し訳ありませんが──』

「ん?」

 

 悶えていると、管制人格が話しかけてきた。そしてオレに一つの要望を出してきた。それは……。

 

 

 

「みんな久しぶりー。ダンジョンライブ二期生戦場センシです」

 

:センシ!!

:無事で良かった!

:心配で夜は8時間しか眠れなかった

 

「ははは。しっかり寝てるじゃん」

 

 配信を始めると戦友達のコメントが大量に寄せられて、魔力体でも追うのが難しい程に流れていく。

 

:公式が事の経緯を話してくれたから安心はしたけど

:やっぱりこうして生のセンシを見ないとな

:生ってなんかセンシティブやね

:センシだけにってか?

:↑×2判決死刑

 

 ……こうしていつも通りの光景を見ていると、自分が生きて帰って来た事を強く実感する。

 ヴリトラを倒した後、救助隊に保護されて医療ダンジョンで精密検査をし、そして帰ったら皆から怒られた。特にノワールの怒り様は凄まじく機嫌を直して貰うのに3日は掛かった。

 社長も他のダンジョンライブの皆も助けてくれなかった。疲れない体だけど、色んな所に連れ出されてヘトヘトになってしまった。

 

 でもそれを楽しいとオレは思っている。そう思える様になったのは皆のおかげだろうな。

 

 そんな裏話を戦友達に話した。

 

:てぇてぇ

:へぇ、デートかよ

:ノワセンは黒き絆で結ばれている

:は?センノワだろ?

 

 ……本当に相変わらずだなオレのリスナーは。

 

「あ、皆さんに紹介したい人が居ます」

 

 ある程度事の端末を話し終えて、今回の配信の要とも言える存在を皆に紹介する事にした。

 

:紹介したい人?

:まさか四期生!?

:なんでセンシが紹介すんねん

:もしかして勇者?

:絶対あり得ないけどオレ達付き合いますとか言われたらゲロ吐くわ

:大丈夫だ安心しろ。勇者は今気持ち悪い声を出しながらセンシの配信見てる

:安心したけどそれで良いのか人類最強……

 

 ……なんだか杞憂コメントが多いな。

 モノログでも勇者との関係について追及する質問が多かったし、スルーしたけどコメントでもさっきから同じ質問をする者も居る。

 オレ視点別に勇者に対して特別な感情は無いんだけどな。

 皆を安心させる為にさっさと紹介するか。

 

「はい、オレの新しい家族?のバルトフィルドです」

『戦友の皆さん初めまして。英雄の魔導書管制人格バルトフィルドです。以後お見知り置きを』

 

:え?

:え?

:え?

:え?

 

 一気に困惑のコメントで埋まっていく。少し面白いと思ったのは、彼ら彼女らの事を前より好きだと思っているからだろうか。

 

 管制人格の要望というのは名前を付けて欲しいとの事だった。

 オレが名付けの親になる事で英雄の力を自由自在に扱える様になるらしい。

 

 しかしオレはこの力を多用するつもりは無い。

 

 理由は単純。オレの目的を果たせなくなるからだ。

 オレがダンジョンライブに戻って数日後にエリア4に限らず、世界中で新しいダンジョンが発生したらしい。まだダンジョン探索者達が攻略中で詳しい情報は入っていないが、魔導書を通じてオレは感じ取っていた。

 

 新たに発生したダンジョンは全て英雄ダンジョン、つまり道導がある、と。

 

 新しいダンジョンの発生自体が珍しいのに、英雄ダンジョンの発生なんて今回が初だ。その事を知れば世間は大騒ぎ……いや、もしかしたら既に専門家は今回の出来事を知って混乱しているかもしれない。

 しかしオレだけはその理由を知っている。

 

 だってその英雄ダンジョンが発生したのは、オレが道導を消費して魔導書の力を使ったからだ。

 これまでは回収の出来なかった英雄の道導。もしオレ以外に回収出来る者が居れば、今回の騒動はもっと前から起きたのかもしれない。まぁ、この英雄の魔導書はオレ専用に造られたっぽいからあり得ないけど。

 

:もしかしてユニークスキルになったん?

:勇者のとは大分毛色が違うな

 

「鋭いですね。ダンジョン探索者(そっち界隈)の人かな? ダンジョン教会から正式にユニークスキルとして登録されました!」

 

:おめでとう!

:それはすごい!

:今確認してきたけど確かにセンシの名前とユニークスキル『英霊の導き』って書いてある

:ユニークスキル登録はもはや一人前の証なんよ

:男性初!めでたい!

 

 戦友達の賞賛の言葉に笑みが浮かぶ。

 ああ、やっぱりそうだ。あの戦いを経て、オレは──。

 

:でもこれからもダンジョン攻略するの?

 

 ふと、そんなコメントが目に入った。

 他にも「ダンジョン攻略見たい」「Dtuberとしての配信だけして欲しい」「センシの好きなようにして良いよ」と様々な意見が飛び交う。

 ネットを調べていて知ったのだけど、どうやらオレがダンジョン攻略に勤しんでいる理由は母の仇を取るためだと思っているらしい。いや、違うんだけどな。

 でもこの事を否定しても信じてくれなさそうなので言及しない事にした。

 

「ダンジョン攻略は続けますよ」

 

 オレは別に母の仇を取るためにダンジョンに潜る訳ではない。道導を全て集める為だ。

 

 だが、今はそれが目的ではなく手段となっている。

 

 オレが道導を集める理由は、死に掛けているオレの体を治す為だ。

 

 ケルベロスを撃退した時のアーカイブを見て違和感を感じ、ヴリトラ戦で魔導書の力を使った時にそれは確信に変わった。

 

――よぉ、久しぶりだな。

 

 映像の中の紅蓮の騎士は恐らくオレだ――つまり、今オレが持っている魔導書は恐らく未来からやって来た。

 魔導書に刻み込まれていた魔力もあり得ない量が込められていた。七人の英雄の力を行使するのにたった数十ページ集めただけでは出来ない。ヴリトラを倒した時に使ったから尚更にそう感じた。

 かと言ってあの時だけ偶然英雄の道導が集まっていたかというとあり得ない話だ。集める事ができるのはオレだけであり、道導自体オレがダンジョンに潜る前から、それこそ年単位で存在していた。

 

 つまり全てを集めた未来のオレが何らかの理由で過去のオレにこの魔導書を送り込んだ。それ即ち……道導はいつか必ず全て揃う。

 そして時間を遡る事ができる力があるのなら、オレのこの死にかけの体を治すことなど造作も無い筈だ。

 そう考えていたからこそオレは一年の余命に対してそこまで悲観して無かった。いつか治るだろうと思って。

 

 ──ただ。

 

:それは嬉しいけどちょっと心配だな

:多分ダンジョン教会も潜って欲しいんだよ。英雄ダンジョンを攻略できるのはセンシだけだし

:未攻略のダンジョンほど厄介な災害は無いからな

:それでもやはり推しには元気で居て欲しい

:それな

:せやな

 

 コメントを見て、オレを心配して……()()()()()()()の存在を感じて、胸の中が温かくなる。

 

 オレは絶対にこの体を治してみせる。何故ならもっと見て欲しいから。Dtuberとして、戦場センシとして生きていたいから。

 

 これから戦っていく場所は、血に汚れた荒野でも、モンスター蠢くダンジョンでも無い。

 みんなが見てくれる配信内だ。そこに()()()()、オレは全ての道導を集める。

 

 それがオレの夢だ。

 

 ──ようやく見つけたよ、相棒。

 

 そんな言葉を、何処かのお節介な誰かを思い浮かべて、

 

「自分の事を怒ってくれたり、心配されることがこんなに嬉しいだなんて知らなかった」

 

 心の底から浮かんだ喜びの言葉をこぼし、

 

:は?

:は?

:は?

:は?

 

 何やら一気に焦げ臭くなって来た。

 

:これは反省してませんね

:おい、誰かお兄ちゃんに通報しろ

:心配するのは当たり前だろうが……!

:これは分からせる必要がありますねぇ

 

「え?え?え?みんな何でそんなに怒っているの?」

 

:はいギルティ

:モノログでノワールブチギレてるの確認して、ヨシ!

:凸ありますねぇ!

:盛り上がってきたぁ!

 

 コメント欄が加速して追いきれない。背中に嫌な汗が垂れる。

 

:燃え上がってもいますね

:アンチくん直ぐに切り抜きして拡散してる、きしょ!

:男さんはこれだからwwww

:だんだん香ばしくなって来たな

 

「あれ?あれ?あれ?……もしかしてオレ何かやらかしました?」

『マスター。ノワール様から着信です』

 

 コメント欄が加速する中、バルトフィルドが報告してくる。

 ……出たくねぇ。しかししっかりと配信に今の報告が聞こえたらしく、早く出ろと戦友達に急かされる。

 ……渋々通信端末の着信を取ると、

 

「はいこちら戦場センシです」

「──センシ、お前反省してないな?」

 

 地獄の底から響いている声が響き──それからはノワールによる説教配信となった。

 

 こうしてオレの復活配信はグダグダになったが──それを楽しいと思えるって事はDtuberとして成長してるのかもしれない、と思った。

 

 何はともあれ、オレは戦い続ける。死んでも、生まれ変わっても、何処までも、何処でも──。

 

『反省しろ!』

「え、えぇー……」

 

 ……今すべきなのは反省の様だ。

 

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