ではスタートです!
「ドットいるよね?聞きたいことがあって」
「僕も言いたいことがあるんだ」
リコとドット、二人は扉越しに真剣な面持ちで話し始める。実はこの前偶然リコは見てしまったのだ
(船の甲板で干してたあの着ぐるみは間違いなく”ぐるみん”のもの...!ていうことは)
(この前着ぐるみを干しているところを見られた以上もう言うしかない!)
人気配信者ぐるみんの皮...失敬、着ぐるみを見た、また見られてしまった彼女たちは自分の思いをぶつけるべく口を開く
「実はドットって」
「実は僕が...」
「ぐるみんのガチファンでしょ!?」
「ぐるみんの....は、なんて?」
こうして彼女たちはまたすれちがっていくのだった。
場所は移ってミーティングルーム、そこではオリオとモリーが話していた
「見た?さっき出たニュース」
「見た。さすがにこれは偶然じゃないよね」
オリオとモリーはスマホロトムに写っている記事を見ながら会話を続ける
「色々な地方の有名トレーナーたちが次々と行方不明になってる。こんなの普通じゃないよ」
「それにあの子たちが明日向かおうとしている森、先日の落雷で山火事があったらしいね。まったく最近は本当物騒だよ」
消息を絶った各地方のトレーナーたちにニュースに続き、山火事のニュースそして最近戦ったエクスプローラーズ。身の回りで物騒なことが起き続けているため二人はため息をつく
「...明日は私も着いてく」
こうしてモリーは自身の部屋に戻り明日の準備を進めていくのだった。
翌日
「ここがコルサさんの言ってた森?」
「酷い」
リコ、ロイ、ノエル、モリーの四人そして案内役のネモはコルサが言っていた森へと来ていた。しかし、そこは予想していた緑あふれる自然豊かな森など存在せず辺り一面が焼け野原と化してしまっていた
「この間山火事があったんだ」
「ニュースでは落雷が原因だって、今の時期はどこも乾燥してるから」
「森が焼けたら謎が解けないよ~!」
「でも丘の向こうは無事らしいよ」
「そうなんだ、よかった」
その言葉を聞きロイとホゲータは気合を入れなおす
「ネモさん、案内ありがとうございました」
「お安い御用だよ。むしろここまでしか協力できなくてごめん」
本来だったらネモはこの森の謎を解くサポートをするはずだったのだがこのパルデア地方のリーグ委員長にしてオレンジアカデミーの理事長であるオモダカに呼び出されてしまい協力はここまでということになってしまった
「じゃあ私行くね!ノエル、次会ったらまたバトルしよう!今度は負けないからね!」
「はい!望むところです!」
ネモはいつの日かノエルとの再戦を約束すると笑顔になり来た道を戻っていく
「じゃあ僕たちも出発しよう」
こうして4人は焼け野原を歩いていく。変わり果てた森の様子に心を痛めながら進んでいき丘を越えると目の前には緑が広がっていた
「よかった。ネモさんが言っていた通りこっちは無事だ」
「そうだね。全体の3分の1ってところか」
「この森にどのくらいの数のポケモンがいるかわかりませんがこの規模だと食糧不足になってしまうのも時間の問題ですね」
「それって...」
「飢餓に苦しむか、最悪の場合飢えをしのぐために共食いとかもありえるかも」
「共食い...!そんな」
ノエルはこれまでの旅でそういった場面や痕跡を見てきた。そのことをリコに告げると彼女はショックを受けてしまった
「でも山火事が起きたのはつい先日、多分まだそこまで状況はひどくないはずだ。ごめん、少し怖がらせたね」
「ううん。大丈夫」
「それじゃあ僕、先に行ってくるよ!もしオリーヴァが傷ついて苦しんでいたら大変だし!」
「気をつけて!」
「大丈夫、森には慣れてる!それにもし迷ったらあの大きな木で待ち合わせ!」
「ロイ、もしレックウザを見つけても決してバトルはしないこと!それに炎技も使ってはいけないよ!」
「わかった!」
ロイとホゲータは元気よく返事をし森で迷ってしまった場合の集合場所を森の中で一番巨大な大木と決め、元気よく森の中を進んでいく
「大丈夫かな?」
「スマホロトムがあれば大丈夫でしょ?連絡も取れるし地図も見られるから」
「それにもし迷ったとしてもあの木の所に行けば合流できるはずだから大丈夫だよ」
「そっか。なんか心配で」
「うちは心配性ばっかね。それじゃ私たちも辺りを散策してみよ」
暫く3人で森を捜索していると丁度良く倒れている木を発見する。ノエルとモリーは体力的にはまだ余裕だったが冒険に慣れていないリコの体力を考慮し、そこで休憩を取る事にした。3人は持参した飲み物を飲みながら改めて森の観察を始めると森の中には木の上で囀るヤヤコマや若葉を食べるメェークルなどが確認できる。
「森の奥ってこんなにポケモンがいるんだ。知らなかったなぁ」
「ここってリコの地元じゃないの?」
「森の奥までは来たことなかったから」
「「お嬢様だ...」」
「違う違う!だって、あの頃はニャオハもいなかったしお父さんとお母さんも忙しかったから」
「ここにリコとほぼ同い年で火の中、水の中、草の中、森の中、土の中、雪の中を冒険してる男の子がいるよ」
「いや、それもそれで特殊だと思う。...ねぇ、二人のご両親って何してる人?」
「お父さんは絵本を書く人でお母さんは学校の先生だよ」
「リコはどっち似?」
「うーん...どっちにも似てないんじゃないかな?どっちかに似てたら楽だったんだと思うけど」
リコは顔をあげて話し出す
「お父さんもお母さんも、二人ともやりたいことがあって、良いなって思ってた。私、何になればいいのか、何をやりたいのか、全然わからなかったから」
「僕もそうだったな。ポケモントレーナーになる前は自分は何になりたいか、いや何ができるかをよく悩んでたよ」
「そうなんだ」
「むしろアンタたちのような子供が将来を見据えてたら逆にやばいよ」
「私もリコと同じ。やりたいことなんてわからなかった。リコと私が違うところは、私には最初から道が用意されていたこと」
「道?」
「うちは代々ポケモンのお医者さんの家系なの。だから私もその道を進んだ」
「すごいですね。ポケモン専門の医師免許取得なんて超難関じゃないですか」
「え、すごい」
モリーの経歴にリコたちは驚く
「すごくないよ。だって私は二人と違って将来のことを考えずただ用意された道を歩いただけだから」
「でもその道は容易ではなかったはず、そんな道を歩み切ったこと自体すごいことだと僕は思います」
「ありがとう。でも結局私はポケモンセンターをやめてライジングボルテッカーズにいる」
「なんでか聞いてもいい?」
「それはいずれ教えてあげる。」
理由はまだ内緒との事だが、この旅が始まり今までポケモンセンターを訪ねたことは何度かあったがモリーがポケモンセンターを訪れたのはニャオハが攫われた時だけだ。それ以外の時は何らかの理由をつけて行くのを断っている。その理由を垣間見た気がした。
「とにかく私が言いたいのは!」
「きゃ!」
「わっ!」
「アンタたち二人は偉いよってこと」
「アハハ」
「それでノエルの両親は...」
モリーは二人の頭を雑に撫でそのままノエルに質問しようとするが
「ニャハ!!!」
近くの茂みからニャオハが顔を出し声をかけてくる。何かあったのかと思い近寄って見ると茂みの先には小さな木があり、その木には多くの木の実が実っていた。
「オレンの実か...本当だったら少し採取したいところだけどノエルがさっき言ったことを考えるとやめておいた方がいいか。でも船に置いてある木の実類もそろそろ切れそうなんだよね」
「でしたら木一本につききのみをひとつだけもらいましょう。これぐらいだったら大丈夫だと思います」
「そうだね、それじゃあここから別れて行動しよう。あ、でもノエルはリコに着いていってあげて」
「わかりました」
「じゃあ集め終わったらここでで落ち合おう」
「「はい!」」
こうしてモリーは二人と違う方角へ歩き出していった。するとニャオハも森の奥へと走り出していった
「二ャー!ニャオ!」
「もしかしてあっちにあるのかな?」
「とりあえず追ってみよう」
二人はニャオハを追いかけ奥へと進んでいく。しばらくすると広い場所に着きそこには木の実がなっている木がたくさんあった
「これだけ木が多いと一個ずつでも結構な量になるね。リコ、その鞄僕が持とうか?木の実いっぱい入って重いでしょ?」
「これくらい大丈夫だよ」
「そっか。それじゃあ木の実も集め終わったことだし集合場所まで移動しようか」
「うん!でもお兄ちゃん」
「ん?」
「私たちどっちから来たっけ?」
「...やっべ」
「え?」
ノエルは無言でスマホロトムを取り出し起動する。だが
『圏外です』
「........」
「........」
「迷ったね。100%完璧に」
「え!?」
「いや~完璧に冒険の勘がなまってるね。反省反省」
「え、あ、うん。ってどうするの!?」
「大丈夫だよ。さっき言っただろう、迷子になった場合あの木を目印にするって。だからとりあえずあの木に向かって歩こう」
こうして二人は数キロ先にある大木に向かって歩きはじめるのだった
「わぁ...!」
「ホゲ...!」
リコ達が大木に向かっている頃、ロイ達はその大木の根本まで来ていた
「よし!登るよホゲータ」
「ホンゲ!」
リコたちと分かれ、先に偵察へと出たロイたちは辺り一帯を探索を終えると一足先にこの大木へと訪れていた。周囲を見渡してもここよりも大きな木は存在しない。ならば、この木に登り森全体を見渡せば目的であるオリーヴァを見つけられるかもしれないと考えたからだ
「あと...少し!」
上手く登れないホゲータをリュックに入れて木を登っているが持ち前の身体能力と故郷の島で散々木登りをしてきたためロイはどんどんと大木のてっぺんへと近づいていく
「ホンゲ?....!ホゲ!ホンゲホンゲ!」
「ホゲータ、どうした?」
大木を登っているとホゲータが何かに気づき、リュックの中で突然暴れ必死に木のてっぺんへと視線を向け始める。ロイもホゲータが見つめる先へと視線を送るとそこには
「あれって...古のモンスターボール!?」
どう見てもロイが所持し、黒いレックウザが入っていたボールと全く同じものだ。そのためロイは急いで登りそのボールが本物なのかを確かめようとする。だが
「うわ!?な、なんだ!?」
突如、地響きが起こり大木が大きく揺れ始める。ロイは振り落とされない様に登るのを一旦やめて、木にしがみついた。そしてロイはあることに気づく
「あれ、この木って...生き物?」
木の中から心臓の鼓動のようなものが聞こえるのを
「あれは...!」
「目印の木が揺れてる?」
同時刻、ノエルとリコも木が大きく揺れているのを確認していた
「あそこに何かがあるのかも」
「リコ、ニャオハ。とりあえずあそこへ向かおう」
ノエルとリコ、そしてニャオハは大木を目指して走り出す。幸い、地響きと大木の揺れは直ぐに止まった
「ここでも山火事が」
大木を目指し暫く、走っていると先程までの自然豊かな森を抜けて再び、焼け野原と化した場所へと出てきてしまった。そしてそこからしばらく進むとノエルはあるものを発見する
「この引きずったような跡...!あれは!」
「大変!」
跡の先にはボロボロになっているウパー(パルデアの姿)が倒れていた。二人は慌ててウパーに近づく
「まずい。粘膜がほとんどなくなって皮膚がひどく乾燥している」
「どうしよう!?」
「大丈夫。まだ助けられる!」
ノエルは鞄の中から水筒を取り出し中に入っている水をウパーに浴びせ、皮膚に馴染ませる。だがその途中でノエルは少し苦い表情をする。
「どうしたの?」
「ウパーの皮膚には弱い毒の粘膜が張ってあるんだ。それがちょっと染みるだけだよ」
「毒...!ねぇ、それって大丈夫なの?」
「ああ。それよりオレンの実をひとつくれる?」
木の実をもらうとそれを軽く絞りその果汁をもう一本の水筒に入れ、さらにげんきのかけらを粉末にしたものを混ぜた。そしてその水をウパーにゆっくり少しずつ飲ませていく
「咀嚼する力がなくてもこの方法なら体力回復と同時に脱水状態もなんとかなる。これは人間にも応用することができるから覚えておくといいよ」
「わ、わかった」
「ゴチルゼル、頼む」
「ゼルッ!」
オレンの実とげんきのかけらの効果で体力を回復させると同時に脱水状態を治すことができたがこれはあくまで応急処置。そのためしばらくはゴチルゼルの”いやしのはどう”をかけながら大木まで移動してモリーを待とうと考えていた矢先
「ナッキー!!!」
「....!危ない!」
「きゃ!」
茂みの中からヤナッキーが飛び出してノエルたちを襲うがノエルはリコを抱き寄せ横に避けゴチルゼルはその攻撃を腕でガードし事なきを得た
「あのポケモンは?」
「ヤナッキー。イッシュ地方のポケモンだよ。でもどうしてここに?」
「ナッキ!ヤナヤナ!」
ヤナッキーが声をあげると他の茂みからサボネア、ハネッコ、キノココが現れウパーを連れ去ってしまった
「待って!」
「ヤナ!」
リコはサボネアたちを追いかけようとするがヤナッキーが立ちふさがる
「なんでウパーを連れ去るの!?もしかしてあの子を狙って...」
「いやもし狙ってるならその場で攻撃をすればいい。多分このヤナッキー含めてあの子たちは僕たちがウパーを傷つけようとしてると思ってしまったのかもしれない」
「じゃああの子たちはウパーを守ろうとして」
「うん。哀れなことにそれがウパーの首を絞めていることも知らずにね」
「ナッキー!!!」
二人が話しているとヤナッキーは”エナジーボール”を放ってきた
「ゴチルゼル、”サイコキネシス”で軌道をずらして!」
「ゼル!」
迫りくるエネルギーの塊を”サイコキネシス”で軌道をずらしたが着弾した岩壁を見るとそこには大きなクレーターが出来ていた
(このヤナッキーかなり強いな。こうしている間にもウパーは...だったら)
「悪いけど君と戦ってる暇はない!リコ、目をつぶって!」
「う、うん!」
「”フラッシュ”!」
「ナキ!?」
眩い光が襲い、ヤナッキーはその場で目を隠してしまった。その隙にノエルたちは走り出しサボネアたちを追いかけるのだった
「ヤナ...ナッキー!」
「お兄ちゃん、もうここまで来てる!」
「早いな。でも僕たちももうすぐ追いつく」
前を見ると先ほどのポケモンたちが走っていた。そしてついにサボネアたちはリコたちが目指していた大木の下で足を止め臨戦態勢になる
「サボォオオ!」
「その子弱ってるの!私たちなら助けられるかもしれない!」
リコは必死に訴えかけるが、サボネアたちの警戒は強く、無理に近づこうものなら容赦なく攻撃するという意思が強く感じられる。それに追い打ちをかけるかのようにヤナッキーもすぐそこまで迫ってきていた
「時間がない...!こうなったら」
ノエルはゴチルゼルにこの場にいるポケモンの動きを封じるために”サイコキネシス”を指示しようとしたその瞬間
「ラキ」
「え?」
「ナイスタイミングです。モリーさん!」
モリーと彼女の相棒であるラッキーが合流した。そしてラッキーはいつの間にかサボネアたちの後ろをとっておりウパーを抱き上げ、モリーもサボネアたちを飛び越えラッキーに近づく
「ウパーは私たちが預かった!」
「サボ!サボサボ!サボネ!!!」
「この子は私が治療する邪魔をしない!」
「「「!!!」」」
サボネアたちはモリーに抗議の声をあげるがモリーの一喝によってその声を静める。だがウパーの治療を開始したモリーにひとつの影が襲い掛かる
「ナッキー!!!」
「ヤナッキー!」
「ゴチルゼル、”10万ボルト”!」
モリーたちに迫るヤナッキーにゴチルゼルは電撃を浴びせるがヤナッキーは未だに臨戦態勢を解かずモリーを睨みつける
「いい加減にしろ。お前のその行動がその子を危険に晒しているんだぞ」
「ナッキー!ヤナヤナ!!!」
「聞く耳持たずか...モリーさん、ゴチルゼルと一緒にその子の治療をお願いします。僕はアイツを止めます」
「わかった。ゴチルゼルお願い!」
「ゼル!」
「お兄ちゃん、私たちは」
「リコたちもモリーさんの手伝いを。そしてもしそこのサボネアたちが襲ってきたらその対処をお願い」
「わかった」
こうして各々の役割が決まり行動を開始する
「頼むぞ、ゴリランダー!」
「ランダ!」
ノエルはゴリランダーを繰り出しヤナッキーとのバトルに備える
「ナッキー!」
「ゴリランダー、受け止めろ!」
「ナキ!?」
「”10万ばりき”!」
ヤナッキーの”みだれひっかき”を両手で受け止めそのままゴリランダーの右ストレートがヤナッキーの顔面に決まる。だが大ダメージを受けたにも関わらずヤナッキーは戦意を失っておらず”エナジーボール”を手で維持しながら再度ゴリランダーに突っ込んでいく
「ナッキー!!!」
「”エナジーボール”を至近距離で当てるつもりか...だったら”ドラムアタック”!」
「...!ナキ!!!」
「なに!?」
ゴリランダーはヤナッキーと距離を保つため根を全方向に展開したがヤナッキーは両手の”エナジーボール”を地面にあて土煙を発生させノエルとゴリランダーの視界を奪った。ゴリランダーはその剛腕を思いっきり振り回し土煙を晴らすと目の前には
「ナキ!」
「ナッキー!」
「ヤナ!!!」
「”かげぶんしん”か...」
十数体に分身したヤナッキーの姿があった。そしてヤナッキーたちは一斉に”エナジーボール”をゴリランダーに放った。だが元々の耐久力に加え効果もいまひとつ、そのためゴリランダーはあまりダメージを受けていなかった
「ゴリランダー、もう一度”ドラムアタッ...」
「ナッキー!」
「ラダァ!?」
「ゴリランダー!」
もう一度”ドラムアタック”を繰り出し分身を消しながら本体にもダメージを与えようとしたときゴリランダーの足元からヤナッキーが出現しゴリランダーの顎にアッパーを決める
「さっきの分身と”エナジーボール”はこの攻撃のためのブラフだったのか...!」
「ナッキ!ヤナッキー!ナキ!!!」
「ラダ?ランダ!」
「ゴリランダー?」
すると突然ヤナッキーはゴリランダーを指さしながら何かを問いかける様子を見せる
「ラダ...ラン...ランダ!!!」
「ナキ!ナッキー!!!」
「ラッダ!?ラダァアアア!!!」
「ゴリランダー...もしかしてあの子」
何を言われたのかゴリランダーはヤナッキーに向けて強い怒りをぶつける。そして先ほどのゴリランダーの様子からノエルはヤナッキーの実態に気づいた
「そっか。だから僕たち、いや人間を拒絶するのか」
「ナッキ...!」
ヤナッキーはノエルの態度に反応し三度ゴリランダーに突撃する。この時ヤナッキーは冷静さを欠いていた。なぜなら....................人間に....自らを捨てた種族に憐みの目を向けられてしまったから
「ヤナァアアアアア!!!」
「”グラススライダー”」
「ラダァアアアアアア!!!!」
そしてヤナッキーはゴリランダーの強力なタックルを食らい背後の木の幹にぶつかり意識を失う
「...ラダ」
「わかってる」
ノエルはゴリランダーの頭を撫でる
「いい子ね。すぐ良くなるから」
ノエルがヤナッキーと戦っている一方でモリーはウパーの治療を開始する。ゴム手袋を装着し皮膚にクリームを塗っていく
「ポケモンセンターをやめた理由」
「え?」
「傷ついたポケモン、みんなが来られるわけじゃないでしょう?野生のポケモンとかどこかで傷ついてる子がいるかもしれない。そう思うとたまらなかった」
モリーはウパーを治療しながらリコに話しかける
「野生のポケモンを助けるため」
「そう。待つのが性に合わなかったの」
リコはこの言葉を聞いてモリーの優しさそしてその志に尊敬の念を抱いた。そんな中
「サボ!サボネ!!!」
「ノッコ!ノッコ!!!」
「ハネェェ!」
サボネアたちが声を上げ始める
「ナ...キ....」
サボネアたちの声を聞きヤナッキーは意識を取り戻しゆっくりと立ち上がる。自分を...よそから来た自分を仲間として受け入れてくれた森のポケモンたちをノエルたち人間という敵から守るために
「ナァアアアアアキィイイイイイイ!!!!!」
「もう意識を取り戻したのか!」
すると突然、先ほどと同じように地面が揺れ始める。そしてその揺れの原因はすぐにわかった
「木が動いてる!?」
「いや、これは...!」
「うそでしょ!?」
大木だと思っていた存在は大きく揺れ始めると枝の様に見えていた部分が周りに絡まっていたツルを切り裂きながら手を広げる様に開き、遂にその本当の姿を見せる
「ヴァアアアアア!!!」
「オリーヴァ!いくらなんでも大きすぎるだろ!?」
「これがもしかしてコルサさんの言っていた森のオリーヴァ!?」
とうとう姿を現したオリーヴァ。だがその大きさは通常なオリーヴァの2倍状の大きさをしており3人は驚愕する。だがオリーヴァの大きさよりもさらに驚くことが目の前で起こっていた
「二人ともあれ!」
「あれってロイ!?」
「どうしてあんなところに...」
ロイはオリーヴァにしがみついていたがオリーヴァが大きく動いたことによってロイとホゲータは振り落とされてしまう
「ロイ!ホゲータ!」
ノエルは落ちてくる二人を受け止め、そのまま地面に下ろした
「ありがとう!」
「ホンゲ!」
「無事でよかったよ。それより二人はどうしてあんなところに?」
「ノエル兄ちゃん、リコ、あれ見て!」
ロイが指を指すとその先には古のモンスターボールがぶら下がっていた
「あれは古のモンスターボール!?」
「ということはあのオリーヴァがレックウザの謎を解くカギ。できれば話し合いをしたいところだけど」
目の前のオリーヴァは明らかにノエルたち敵意を向けているそんな相手と話し合いができるわけもなくオリーヴァはノエルたちにオイルのようなものを放ってきた
「みんな、茂みの中に隠れるんだ!」
「うわぁ!?」
「二ャ!?」
「ホンゲ!?」
二人と二匹は茂みに隠れ難を逃れることができた。一方ノエルとゴリランダーは茂みに隠れることはせずオリーヴァの周りを駆けまわり気を引いていた。だが
「ヴァアアアアア!!!」
「くっ!」
オリーヴァはモリーの方向へとオイルを放つ
「ゴチルゼルはラッキーを!僕はモリーさん!いいね?」
「え、うわぁ!?」
ゴチルゼルはラッキーを超能力でノエルはモリーを抱き上げそのまま茂みに入る
「大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫」
「よかった!モリーさんはここで引き続きゴチルゼルとウパーの治療をお願いします。僕はオリーヴァを!」
「待って!」
モリーの制止の声を無視しノエルはオリーヴァの方へと走り出す。だが彼の背後には先ほどのヤナッキーが居りそのままノエルを羽交い絞めにしてしまう
「ヤナッキー...!」
「ヤナァ!!!」
ヤナッキーは自分ごと打てと言ったのかオリーヴァはノエルに向けて6つのオリーブの種を向ける
「お兄ちゃん!!!」
「来るな!」
「でも...!」
「リコ、ロイ、僕は大丈夫」
「ラダァアア!!!」
「ナッキ!?」
その瞬間ゴリランダーがヤナッキーの首を掴みそのまま森の奥へと消えていった
「ラプラス!”まもる”!」
ラプラスはボールから出ると緑色の結界を張りノエルをオイルから守る
「ノエル兄ちゃん、大丈夫!?」
「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
「よかった!」
二人はノエルが無事だったことに安堵し息を吐く
「さて二人ともここからは危険だ。はやく茂みに隠れるんだ」
「いやだ!これは僕の夢のための戦い。だったら僕もいや、僕がやらなくちゃいけないんだ!」
「私もいやだ!私だってライジングボルテッカーズの一員でお兄ちゃんとロイの仲間だもん!だから力になりたい!!!」
「二人とも...」
ノエルは二人の言葉を聞き、ため息をつきながらも笑っていた
「わかった。じゃあ3人で頑張ろうか」
「「うん!」」
「でも絶対に無理はしないでね。あとロイ、さっきも言ったけど炎技は」
「絶対打つな...でしょ?」
「よくできました。僕たちの目的はあくまでモリーさんが治療を終えるまでの時間稼ぎ、倒す必要はない。相手の気を引きつつ落ち着いて立ち回っていこう」
こうして3人は森のオリーヴァに立ち向かっていくのだった
抑えきれませんでした。
30000UAいきました!ありがとうございます!
最近、youtubeでベストウィッシュの評価動画を見たのですがやっぱりラングレーいいキャラですね。
あれ、そういえば最近イッシュ地方で彼女の姿が見られなくなったみたいですよ。どこかの地方で修行でもしているんですかね?