ポケットモンスター 覇者への道   作:鴨凹

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マジで難産でした。


純然たる

 

 

「以上です」

『そうか。磁気嵐を発生させるレアコイルに記憶を改ざんすることができるオーベムか...相手さんは相当性格が悪いと見た』

「ええ。正直厄介さだったらアメジオより上です。オーベムの記憶改ざん能力を躊躇いなく使ってきます」

『えげつない野郎だな』

 

ノエルは旅の中で様々な悪人と呼ばれる人たちと戦ってきた。だがそのほとんどがトレーナーに直接攻撃したりはしてこずある程度のブレーキが存在していた。だが今戦った相手は目的達成のためならブレーキをへし折りアクセル全開で相手を潰しに来た。ブレーキがきかない相手は何よりも厄介であるとノエルはフリードに伝える

 

「リコとロイ、それにマードックさんは船に戻ってきていますか?」

『いや、まだだ。でもマードックにメッセージを送ったところ3人は一緒にいて全員無事だとよ』

「よかった。それじゃあとりあえず僕は3人を迎えに行きます。フリードさんはこのことを他の方々に報告をお願いします』

『了解だ。それとドットからの報告だと再起動は今晩で完了するそうだ』

「わかりました。あ、それともうひとつお聞きしたいことがあって」

『なんだ?』

「ドットさんって甘いもの好きですか?」

『え、ああ、好きだぞ』

「ありがとうございます!それじゃあ僕はこれからリコたちと合流しにいきます」

 

ノエルは通話を切りリコと合流する前にそのままハッコウシティの街の中に入っていった

 

「えっと、確かここらへんに...あ、見つけた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一個一個が軽いとはいえ量が量だから結構重いなぁ」

「グオ!グオグオ!」

「大丈夫。もちろんリザードンだけじゃなくて船のポケモンたちの分もあるよ」

「グオ♪」

 

ノエルは大きな紙袋を持ちリザードンと共にマードックから送られた位置まで移動していた

 

「カイデン、大丈夫!勇気だせばいけるって!」

「あ、いた。それとあの時のカイデン?」

 

ロイの声が聞こえた方向を見てみるとそこにはロイ達3人のほかにピクニックの時にロイ達のサンドイッチを盗んでいったカイデンがいた

 

「おーい!」

「あ、ノエル兄ちゃん!」

「ロイ、これは?」

「実は...」

 

ロイの話によると目の前にいるカイデンは空を飛ぶことができずそれによって群れの中に入れないでいた。それを見かねたロイはカイデンが飛べるように一日中試行錯誤していたのである

 

「なるほど。フフッ」

「お兄ちゃん?」

「いや、なんか昔のリザードンを思い出して」

「グオ!?」

「もしかしてリザードンも最初はうまく飛べなかったの?」

「そうだよ。リザードンの進化前のリザードは炎タイプだけど進化することによって飛行タイプが追加されるんだ。でも飛ぶことに慣れていなかったリザードンはあろうことか...んぐ!?」

 

リザードンは自分の恥ずかしい過去を赤裸々に話そうとする。これはリザードンにとって一刻も早く消し去りたい過去でありこの失敗によってノエルの地元にとある橋にある異名がつくことになった。まぁ、これはまた別のお話で

 

「ぷっは!窒息させる気か!...コホン、とりあえず今日はもう帰ろう。この付近でエクスプローラーズに遭遇した」

「「エクスプローラーズ!?」」

「どういうことだ!?」

「説明は歩きながらします」

 

こうして4人は船へと帰っていくのだった

 

「あ、カイデン!また明日!」

「カイ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は進み夜。四人は無事ブレイブアサギ号に帰還しそのままミーティングルームに足を運んだ。そして今日ノエルが遭遇したエクスプローラーズについて報告を行っていた

 

「フリードから話は聞いていたけどまさかトレーナーに直接攻撃してくるなんて」

「それもオーベムで記憶を弄ろうとしてくるなんて考えただけでもゾッとする」

 

報告を聞きメンバーは警戒を強める

 

「お兄ちゃんは大丈夫だったの?」

「ありがとう、リコ。僕は大丈夫、ミミロップのダメージもそこまでじゃなかったし」

「よかった」

 

リコは安堵しほっと一息つく

 

「もう一度おさらいします。相手は声からして男性で使用ポケモンはレアコイル、オーベム。基本戦法はオーベムの超能力でレアコイルのサポートをし確実に相手を追い詰めていきます。そして一番警戒するべきなのはオーベムによる記憶操作、オーベムは指先の光でそれを行います。なのでもしオーベムひいてはそのトレーナーに遭遇したら戦わないで逃げてください」

「わかった。それと朗報だが船の再起動がさきほど完了した」

「え、もうですか?」

『また磁気嵐を起こされたらたまったもんじゃないからね。ちょっと頑張った」

「ドットさん」

 

スマホロトム越しにドットの声が聞こえる。だが声からも彼女が疲れていることがわかる

 

『でもまだ磁気嵐の影響が船に残っているかもしれないから入念にチェックする必要がある』

「そうか、ありがとうな。ドット今日はもう休め。お前ずっと作業してくれてただろう」

『そうする。今日はもう限界...』

 

その言葉を最後にドットからの通信が切れる

 

「ドット、私たちが出かけている間ずっと頑張ってくれてたんだ」

「ああ。アイツにはいつも頭が上がらないよ。とりあえず明日ドットのチェックが終わり次第すぐに出発する」

「「「「「了解」」」」」

「あ、そうだ。皆さんにお渡ししたいものがあります」

 

ノエルは先ほどの紙袋からあるものを取り出し机に置き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、今日は疲れた」

「クワッス~」

 

自室にいたドットはベッドに横になっていた。そんな中扉が数回ノックされた

 

「ノエルだけど。ドットさん、いま大丈夫?」

「...クワッス、お願い」

「クワッス」

 

クワッスはポケモン用の扉を開けノエルに近づいた

 

「クワ」

「クワッス、ごめんね突然。はいこれ、こっちの味はドットさんの差し入れで、こっちの味はクワッスの分だよ」

「クワ!クワッス!」

「喜んでくれてなにより。それじゃあお休みクワッス。ドットさん」

「....なに?」

「この前ドットさんが言った通り僕はスマホロトムもまともに扱えない機械音痴だけどもし僕たちの力が必要な時はいつでも言ってね」

 

そう言ってノエルはゆっくりと扉の前から去っていった

 

「スマホロトムもまともに扱えない奴が何言ってんだか...ふふ、変な奴」

 

そう言いながらもドットは嬉しそうな表情を浮かべる

 

「クワ」

「何持ってるの?」

「クワ!」

「これってマラサダじゃん」

 

マラサダ。揚げパンの中にたっぷりのクリームが入っておりアローラ地方で最も人気なスイーツと言われている。そんなマラサダだが近年爆発的な人気を得ていまや各地方に全国展開されるようになった。中でもハッコウシティにあるマラサダショップは全14種類のクリームを提供しているため一年中行列ができる人気店になっている。ノエルはリコと合流する前にそこに寄りライジングボルテッカーズのメンバーと船にいるポケモンたち全員分を購入したのである

 

「しかもこれハッコウシティ限定のやつだ」

「クワ...ワース!」

「.....ノエル!」

「.....!」

 

ドットは決心したように扉を開け廊下を歩いていたノエルを呼び止める

 

「あ....えっと」

「直接会うのはこれが初めてだね」

「...うん」

「顔が見れて嬉しいよ。それでどうしたの?」

「......マラサダ、ありがとう。この味食べてみたかったんだよね」

「喜んでくれてよかった」

「/////それだけだから!それじゃあおやすみ!」

 

言うだけ言ってドットは勢いよく扉を閉め部屋の中へそそくさと帰っていった

 

「はぁ~...でもちゃんとお礼言えたぞ」

「クワ~ス」

「なんだよ、頭撫でんなよ」

 

クワッスは頭をなでドットはそれに抵抗する

 

「僕たちの力が必要なときはいつでも言ってね...か」

「クワ~?」

「ちょうどネタ切れだから少し手伝ってもらおうかな」

 

ドットは自身のチャンネルのページを見ながらそうつぶやく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヨルノズクの分は渡して、あ、ロイ、ホゲータとランドウさん!」

「ノエル兄ちゃん!どうしたの?」

「これお土産」

「ほほう、マラサダか。久しぶりに食べるわい」

「ランドウさんとヌオーは抹茶味、ロイとホゲータはイチゴ味だよ」

「やったー!ありがとう、ノエル兄ちゃん!」

「ホンゲ!ホゲホゲ!」

「すまんのう、わざわざ」

「喜んでくれてよかったです。それにしても二人は何をしてるんですか?」

 

ロイとランドウは釣竿を使って何かを作っていた

 

「これはねカイデンが飛べるようになるための道具だよ」

「カイデンの?」

「そうこれをこうしてね.....」

 

ノエルはロイの説明をしっかり聞き彼の考えを完全に理解した

 

「なるほど。それはいいアイデアだね」

「でしょ?」

「だったらここをもっとこうして...」

「え~こっちの方がカッコよくない?」

「いや、これはカイデンのための道具だからカッコよさはあまり重要じゃないような...」

 

男子特有というか男の性というか二人は完全にモノづくりに没頭し始めた

 

「それじゃあワシは船に戻るとするぞい」

「はい、おやすみなさい」

「お休みじっちゃん!」

 

ランドウはマラサダをヌオーとつまみながら自室へと戻っていくのであった

 

「だから絶対こっちの方がいいって」

「でもそうするとカイデンの羽に負担が」

「う~ん、だったら......」

 

こうして少年たちの工作は一晩中続き

 

「ロイ、ノエル、もう朝ごはんの時間...」

「カイデン、もう食べられないよ~」

「タロ、僕が悪かったからチョークスリーパーだけは勘弁...」

「二人ともどんな夢見てんの」

 

朝になりオリオがエレキッドと共に二人を探しに船の甲板に出るとそこには幸せそうな夢を見ているロイと明らかにうなされているノエルの姿があった

 

「ほら二人とも起きてもう朝だよ」

「カイデンってばそれはじいちゃんの小指だって~」

「ゼイユさん、足の小指を踏むのはやめてください。いや、重いとかじゃなくて普通に痛いです」

「なんか共鳴してるし...仕方ない、エレキッド」

「エレ!」

「二人に”でんきショック”」

「エーレー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーし!待ってろよカイデン!」

「うまくいくといいね」

「........」

 

朝ごはんを食べ終わるとロイ、ノエル、リコの3人は件のカイデンの元へと足を運んでいた。だがリコは二人の姿を見て言葉を失っていた。なぜなら

 

「ねぇなんで二人の体、ちょっと焦げてるの?」

「最新式の目覚まし時計だよ」

「しかも電池いらず。いやぁ、エコだね!」

「ベルの代わりに強力な電気が流れるけど」

「そんな危ない目覚まし時計、世の中にあっちゃいけいないと思う」

 

3人は雑談しながら進んでいき

 

「見つけた!カイデーン!」

 

船から少し離れた川沿いの草むらにて例のカイデンを発見する

 

「カイ!」

「カイデン、今日はあるものを持ってきたんだ」

「デン?」

「じゃじゃーん!」

 

ロイは釣竿に付けた命綱にカイデンを模した人形を括りつけて川の中心に向けてぶら下げる様子を見せる。カイデンはその様子に興味を持ったようで自分にもつけて欲しいとアピールをしたため人形を外し命綱をカイデンに取り付ける

 

「これでばっちり!」

「すごいなぁ、ロイ」

「リコ?」

「ロイと出会った頃は私の方がポケモントレーナーとして先輩だったのにいつの間にか追い越されちゃった」

 

リコはカイデンと特訓しているロイを見て憂いた表情を見せた

 

「それにドットもお兄ちゃんもライジングボルテッカーズの皆も仲間のために動いているのに私は守られてるだけ。私足手まといに...」

「リコ、ストップ」

「んぶっ」

 

ノエルはリコの頬を軽くつまみ強制的に口を塞ぐ

 

「確かに最近のロイの成長は目覚ましいものがあるよ。でもだからといってリコが足手まといだなんて絶対思わない」

「でも...」

「それにこの前ドットさんは確かにリコに助けられたと思うよ。実際マードックさんもそう言ってたんだろう?」

 

ピクニックでリコが取った行動は確かにドットを助けており、もしあの時リコが動かなければノエルはドットと直接話すことはできなかっただろう

 

「僕が思うに人にもポケモンにもいろんな強さがあるんだ。多分リコはそれを見つけられてないだけなんじゃないかな?」

「私の強さ...」

「長所も短所も存在しない人なんかこの世に一人もいない。一人一人が自分だけの強さと弱さを持っているんだ。ほら僕はバトルは得意だけどスマホロトムを扱えないところとかね」

「フフ、確かに」

 

ノエルの言葉を聞いて心が軽くなったのか彼女の表情が柔らかくなった

 

「私だけの強さ...うん、私探してみる!」

「絶対見つけられるよ」

「でもポケモンバトルも強くなりたい。ロイに置いてけぼりにされるのは悔しいし」

「それじゃあガラル地方につくまで久々に特訓でもする?」

「する!」

 

こうしてリコはノエルとバトルの特訓の約束をするのだった。二人はロイとカイデンの特訓風景を見ているとリコのスマホロトムが鳴る

 

「店からのお知らせ?これってマードックが探してた”秘伝からスパイス”!」

 

昨日、リコがマードックたちと買い物に行った際に唯一手に入らなかったものでマードックが欲しがっていたスパイスだ。しかもそれが数量限定販売、これを知ってしまった以上買いに行かないという選択肢はリコにはなかった

 

「私ちょっと行ってくる。数量限定だから急がないと」

(エクスプローラーズがこの付近にいる以上リコを一人にするわけにはいかない)

「僕も行くよ。出てこい、ゾロアーク」

 

ノエルはボールからゾロアークを出しロイを見守るように指示する

 

「ロイ、僕たちちょっと街に行ってくるね。何かあったら連絡するんだよ」

「わかった!いってらっしゃーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロイを残し、ノエルとリコはハッコウシティへと来ていた

 

「店ってどこらへんにあるの?」

「もう少し先かな、まだ残ってるといいけど」

「そうだね。少し急ごうか」

「君たち待ちたまえ」

 

歩く速度をあげようとした瞬間後ろから声を掛けられ二人はその場で止まり後ろを振り向く。そこにはノエルの見知った顔がありその顔を見たノエルは即座に臨戦態勢を取る

 

「な、貴方は!?」

「シィー...街の真ん中であまり大声を出さないほうがいい。周りに迷惑がかかってしまうからね」

 

赤髪の青年は人差し指を口にやり優しい口調でノエルに注意する。そして顔をノエルに近づけ小さな声で話し始める

 

いま、私のポケモンが君たちの船を見張っている。これが何を意味するかわかるな

「...!」

 

その言葉を聞いた瞬間ノエルは手に持っていたボールをポケットに入れその場で硬直する

 

いい子だ。安心してくれ、私は君たちに危害を加えるつもりは無いんだ。ただ君と話がしたい

「......」

「お兄ちゃん?」

「...リコ」

 

二人の様子を見てリコは恐る恐る話しかける

 

ここは私に任せたまえ

「あの、貴方は」

「私はレオン。よろしく」

「レオンって...貴方がロイが言ってた!」

「君はロイ君と知り合いなのか。えっと...」

「あ、すみません!私はリコ、こっちはニャオハで私たち今ロイと一緒に旅をしている仲間なんです!」

「二ャ!」

「そうだったのか。へぇ、あの子、島を出たんだね。ロイ君とはちゃんとした挨拶ができずに別れてしまったからずっと気になっていたんだよ」

「ロイもそのことを悲しんでいました」

「そうか。それはすまないことをした。こうみえて私は警察官でねあの島にいた極悪人を本部の方へ移送しないといけなかったんだ」

 

レオンはリコに彼に自分が謝っていたことを伝えてほしいといい。笑顔を消し真剣な顔でリコを見つめる

 

「すまない、リコ君。実は私この島でずっとある極悪人を追っていてね。オーベムを連れているトレーナーなんだけど何か知っていることはないかい?」

「オーベムって昨日お兄ちゃんが会った...!」

「なんだって!?君、オーベムと遭遇したのかい?」

「...はい」

「そうか。では急いでいるところ悪いのだが事情聴取をしてもいいかな?犯人逮捕のために協力してほしい」

「お兄ちゃん、”秘伝からスパイス”は私が買ってくるからレオンさんに協力してあげて。もしかしたらエクスプローラーズを捕まえることができるかもしれないし」

 

リコはノエルの両手をつかみお願いする。本当だったら断りたいが目の前にいるレオンは船と船にいるメンバーを人質にしていると同義だったためノエルはリコのお願いに首を縦に振らざるを得なかった

 

「そうか。ありがとう、ノエル君。それとリコ君、ここの近くにオーベムを連れたトレーナーがいるかもしれないからくれぐれも気を付けるんだよ」

「わかりました。では私はこれで。お兄ちゃん、また後で!」

「ああ、気を付けて行っておいで」

 

リコとニャオハは手を振りながら目的地まで走っていった

 

「フフ、彼女は君のことを相当慕っているらしいな」

「御託はいいです。さっさと用件を済ませてください」

「これまでの様子から見て私の正体はもうわかっているみたいだな。この近くにおいしいコーヒーが飲めるカフェがあってねそこで話をしよう」

「すみませんが、僕はまだコーヒーを飲めるほど大人ではないので遠慮します。ですのでここで、いま、用件を言ってください」

「安心した給え。そこの店はココアも絶品だ。ココアとマシュマロ...この組み合わせはなんとも..」

いい加減にしろ。早く用件を言え

「まったく君は意外とせっかちなんだな。せっかくあの新星と楽しいティータイムを過ごせると思ったんだが...まぁいいだろう。あそこにベンチがあるそこで話そう。さすがにこの往来の真ん中で話すのは迷惑だろう?」

「わかりました」

 

二人は近くのベンチに腰を置き会話を始める

 

「それで用件と言うのは」

「一つ質問をさせてほしい。ただそれだけだ」

 

レオンが言葉を発した瞬間二人の間に緊張が走る

 

「どうぞ。できれば手短に」

「それでは聞こう。この世界をより良いものにするためには何が必要だと思う」

「世界...」

「ああ。率直な意見を聞かせてほしい」

「世界がより良くなるために僕は”明日”が必要だと考えます」

「ほう...」

 

レオンは意味ありげに笑う

 

「この世界は灰色でもしかしたら明日には真っ黒に染まってしまうかもしれません。でもその次の日はもしかしたら世界は変わって誰もが幸せを享受できるかもしれない。明日は誰にもわからない...それってつまり明日には無限の可能性が広がっているってことなのかなって......思ったり思わなかったり....う~ん、難しいな」

「フッ、まさか敵からの質問をここまで真剣に考えてくれるとは...私としては速くこの会話を終わらせて彼女を追いかけると思っていたのだが」

「あ....」

「君は少し純粋過ぎるな」

 

レオンは頭を抱え笑みを浮かべる

 

「明日か...数年前にも君と同い年ぐらいの子に似たようなことを言われたよ」

 

レオンいや、フラダリはあの大戦の中心人物であったピカチュウを連れたトレーナーの言葉を思い出していた

 

「ありがとう、君の考えは胸に留めておこう。私の質問に答えてくれた礼だ、私に聞きたいことがあるのなら3つまでは答えよう」

「それじゃあ一つ目、僕の友達のダイキは無事ですか」

「正直わからないな。彼はシンオウ地方で消息不明になったと報告を受けている」

「...そうですか」

 

ノエルは拳を力強く握る。あの日以降連絡が取れなくなってしまった友人の手掛かりがこれでなくなってしまった

 

「二つ目昨日、オーベムたちに指示をしていたのは貴方ですか?」

「いやそれは私ではない。スピネルと言うエクスプローラーズ幹部の仕業だ」

「スピネル...」

「それとこれも言っておこう。君たちが探している”秘伝からスパイス”、あの商品はハッコウシティでは一つの店舗しか売ることを許されていない。そしてその店舗は今日、定休日だそうだ」

「...!」

 

レオンの言葉を聞いてノエルはすぐに立ち上がりリコを追いかけていく。その背中をレオンはただ静かに見つめていた

 

「残念だ、君と私たちの考えはどうやら交わることはないらしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼む、無事でいてくれ...!」

 

ノエルはライジングボルテッカーズアプリでリコの位置情報を確認しながら全力で街を駆け抜けていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ノエルと分かれたリコはニャオハと共に目的地であった店の近くにまで来ていた

 

「......」

「二ャ?」

「え、ううん。なんでもないよ」

 

だがリコは二人と別れてからというもの物静かになり心なしか足取りも少し重くなっていた

 

(レオンさん、なんだろう少し怖かったな)

 

リコはレオンの目を忘れることができないでいた。彼の目はまるで自分の全てを見透かしているようでそのことに少し不気味さを感じていた

 

「えっと...地図だと...この先だ!いこ、ニャオハ」

「二ャ!」

 

二人は地図に書かれている通り路地裏の奥へと進んでいった。だが

 

「あれ行き止まり?」

 

そこには店のなどなくそれどころか人っ子一人いなかった

 

「おかしいな、地図だとこのあたりなんだけど」

「二ャ~」

「とりあえず一回戻ろうかもしかしたら道を間違えたかもしれないし」

 

こうして二人は一旦ここから出ようと来た道を戻ろうとするがその瞬間、背後にいた人物とぶつかってスマホロトムを落としてしまう

 

「失礼!大丈夫でしたか?」

「はい、大丈夫です。こちらこそごめんなさい」

 

リコはぶつかった人物、長身で眼鏡をかけ傍にはブラッキーを連れた男に謝ると落としたスマホロトムを拾いその場から立ち去ろうとした瞬間

 

「オベッ」

「あれ...これって...たし...か..お兄ちゃんが...言ってた...オー..ベム」

 

目の前には昨日ノエルが話していたオーベムが居り、リコとニャオハに3色に光る指を見せる。それにより二人の頭からこれまで冒険してきたことや仲間と過ごしてきた時間そして、自身が兄と呼ぶノエルと過ごしてきた思い出が消えていく

 

「いやだ....消えない....で!」

「実に簡単な任務でした。これでペンダントと貴方の身柄は我々のものです。安心してください、記憶を消した後はこちらで新たな記憶を埋め込ませていただきますので」

「......!」

「そうですね、ライジングボルテッカーズは世界の敵なんていうのはいかがでしょうか」

「そんなの.....いや!」

 

リコはとうとう体を震わせ泣き始めてしまう

 

「可哀想に。ですが貴方のちっぽけな記憶と引き換えにこの世界は新しく生まれ変わる。むしろ貴方のような子供が世界の薪になれるんだ。光栄に思いなさい」

「いや...お願い...助けて...」

「オーベム」

「助けて!お兄ちゃん!!!」

 

リコの声は無情にもこの路地裏で小さくこだまするだけだった、まるでリコをあざ笑うかのように。こうしてリコの頭からはライジングボルテッカーズで過ごした思い出も仲間と過ごした時間も完全に消え去ってしまった。まぁそれは彼がこの作品に彼がいなければの話ではあるが

 

「グオオオオオ!!!」

「.....!」

 

オーベムが完全にリコの記憶を消す前に背後から黒いリザードンがものすごい勢いで飛来しそのままオーベムを”ドラゴンクロー”で打ち上げる。そしてオーベムは声をあげる暇なくそのまま戦闘不能になる

 

「なんだと....!」

「........」

 

男いや、スピネルが後ろを振り向くとそこには顔から感情が消えており目が青と赤のオッドアイで緑色の光を体から放出しているノエルの姿があった。ノエルはスピネルがまるでいないかのよう彼の前をゆっくり歩きだしリコとニャオハに近づく

 

「お兄....ちゃん」

「...大丈夫かい」

「うん」

「二ャ」

「でも、私、オーベムに記憶を操作されかけて、それで、皆との思い出もお兄ちゃんと一緒に過ごした時間も全部無くなっちゃうところで......」

 

リコは涙を流しながら拙い言葉でノエルに伝える

 

「とてもこわかった...!」

「....!」

 

その言葉を聞いたノエルはリコに抱き着き頭を優しくなでる

 

「よく頑張ったね。あとは僕に任せて」

「.......!」

 

そしてノエルは振り返り鋭くスピネルを凝視する。その時のノエルの目には光はなくただ暗闇だけが広がっていた。そんな目を見てスピネルは恐怖からか少し後ずさりをする

 

「お前だけはここで潰す」

グオオオオオ!!!!!

 

ノエルの怒りに応呼するかのようにリザードンはその場で雄叫びをあげると地面は揺れ始めその揺れによりスピネルとブラッキーは体勢を崩す。そして揺れが収まりスピネルは視線を前にやるとそこにはノエルと同じで目で体に赤い紋様が入ったリザードンの姿があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さんは、絆の共鳴現象というものをご存じでしょうか?そうです、数年前のカロスリーグ準優勝者のサトシさんとゲッコウガの間に起こったあの現象です。この絆の共鳴現象を引き起こせるトレーナーとポケモンは昔からこう呼ばれていたとされています。......................................................................世界を変革する者、特異点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




絆の共鳴現象...1,運命に選ばれたトレーナーとポケモンが出会う
    
2、二人の間に強い絆がある

3,二人の感情や欲望が共鳴する

4,二人が純粋な心を持つ

これをもって完成と仮定する。

追記 特異点は互いに引き寄せあう



                     


追記 ついに絆の共鳴現象を果たした少年が現れた。名前はマサラタウンのサトシ、そしてポケモンはゲッコウガ。二人の”強さへの渇望”これが引き金になったと思われる。だがあの姿は古代カロスにいた英雄のゲッコウガと酷似している。彼の血筋について探る必要があるだろう。



追記 彼の情報の入手に失敗。



追記 彼とゲッコウガが離別した。どうやらゲッコウガはジガルデのコアたちと行動を共にするようだ。  
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