ポケットモンスター 覇者への道   作:鴨凹

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すみません、「カイデンとホゲータ 秘密の大特訓」をほぼ割愛してアメジオ回です。では
どうぞ


歯車

「ソウブレイズ、”むねんのつるぎ”!」

「ソウッ!」

「ゴドォ!?」

「アーマーガア、”ボディプレス”!」

「ガァア!」

「ダァ!?」

 

ハッコウシティでの事件が解決した同時刻、アメジオはワイルドエリアの奥地でバトルを行っていた。だがそのバトルも一瞬で終わり地面にはボスゴドラとゴロンダが目を回して倒れていた。この結果を見てアメジオは自身とポケモンの成長を感じていた

 

(わかる。俺たちの成長がわかるぞ。今の俺たちならレックウザに一矢でも二矢でも報いることができる...!だが)

 

アメジオの顔は浮かないものだった

 

(アイツに勝てるビジョンが浮かばない)

 

アメジオは確かに成長した。今の彼ならフリードやジムリーダーはおろかターゲットであるレックウザ相手でもある程度立ち回ることができるだろう。だがそれほどまで成長したアメジオだがノエルに勝つビジョン、それだけがいつまで経っても見えないのだ

 

「いや、そんなはずはない。今の俺たちならアイツに..いや」

「ソウ...!」

「おじいさまの役に必ず立てるはずだ」

「..........」

 

アメジオの言葉を聞いたソウブレイズは思案顔で俯く

 

「いくぞお前たち、コニア達と合流する」

「...ソウ」

「ガァ!」

 

こうしてアメジオ達はコニア達が待つワイルドエリア入り口まで足を進めていくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オ...ル...!オル!」

「エビッ!ワラー!」

「サワ!」

「カポッ!」

 

ワイルドエリアの森の中、そこで一匹のリオルがエビワラー、サワムラー、カポエラーの3体に痛めつけられていた。理由としては3体ともリオルが持つオレンジ色の鉱石が目的だった。だがリオルはどれだけ痛めつけられても涙や悲鳴を漏らさず凛とした目でオレンジ色に輝く鉱石を体全体で守り通していた

 

「サワッ!」

「オルッ!?」

 

だがサワムラーの強烈無比なキックによりリオルは吹き飛ばされ木の幹に激突してしまう

 

「オ.....ル....!」

 

激突した衝撃によって意識が朦朧となりリオルは目の前で鉱石を持ち去られてしまうところをただ黙って見ていることしかできなかった。悔しさからリオルのダムはついに決壊し両目から涙が流れる。その時

 

「ソウ!」

「サワッ!?」

 

鉱石を持ってたサワムラーを一匹のソウブレイズが吹き飛ばした

 

「サワ!ムラー!」

「エビ!エビエビ!」

「カポー!」

「なるほど、お前たちの目的はこの鉱石か」

 

ソウブレイズの後に続いてアーマーガアとその2体のトレーナーであるアメジオが茂みから出てきた。自分たちの邪魔をしたアメジオ達に3体は憤慨する

 

「本来なら放っておくべきなのだろうがあまりにお前たちの行動が不快だったのでな手を出させてもらった」

「「「......!」」」

失せろ。切り刻まれたいか?

 

そのアメジオの言葉に反応し3体は一斉に彼に襲い掛かる

 

「やれ、ソウブレイズ」

「ソウ」

 

ソウブレイズは3体の攻撃をつまらなそうにかわし右の剣をその場で振るう、その瞬間3体の周りに紫の閃光が走り体中が傷だらけになりその場で倒れる

 

「フン、くだらない。おい」

「オル...!」

 

アメジオはリオルに鉱石を手渡す

 

「それはお前の大切なものはのだろ?なら泣いている暇があるならそれを守れるぐらい強くなれ」

「.....!」

 

そう言い残しアメジオたちはその場から去っていく。そんなアメジオたちの背中にリオルは羨望の眼差しを向けていた

 

「...オル!」

 

そしてリオルはある決心をして森の奥へと走っていくのだった

 

(”大切なものを守れるようになれ”か。フン、どの口が言っているんだ俺は)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイルドエリア入り口付近

 

そこでジルとコニアはこの修行での成果を確かめ合っていた

 

「サイドン、”ドリルライナー”!」

「”ひやみず”を浴びせちゃいなさい、ゴルダック!」

 

ゴルダックは手で生成した冷水をサイドンに浴びせる。だがサイドンの勢いは衰えずそのままゴルダックを自慢の角で貫くがゴルダックは多少のダメージを受けながらも軽い足取りで立ち上がった

 

「クソ、”ひやみず”の効果で威力が下がったか」

「攻撃力を下げてもこの威力。やるじゃない」

「そっちもな!」

 

二人もアメジオ同様、自身とポケモンたちの成長に胸を躍らせていた

 

「それじゃあ続きといこうぜ、”10万ボルト”!」

「”ねんりき”で軌道を変えて」

 

ゴルダックは迫りくる電流を超能力で軌道を変える

 

「ゴルダックやっちゃって、”ねっとう”!」

「な!?”ロックブラスト”で防げ!」

「チッ、しぶといやつ」

「性悪女め...!」

「あら、知らなかったの?」

 

ジルはコニアの”ねっとう”と”ひやみず”による相手の攻撃力を極限までさげる戦法に若干引いていた

 

「どんどんいくわよ、”ハイドロポンプ”!」

「”10万ボルト”で迎え撃て!」

 

水流と電撃、二つの技がぶつかりあう瞬間間に一匹のポケモンが割り込み二つのエネルギーを霧散させた

 

「な!?あれは...!」

「サーナイト、ということは」

「いいバトルでした。お二人とも」

 

サーナイトの隣にいたルアンは称賛の言葉を二人に送る。彼女の存在を確認した二人はその場で敬礼する

 

「ルアン様」

「お疲れ様です!」

「そう固くならずとも大丈夫ですよ。楽にしてください」

「「はっ」」

「...これは嬉しい誤算ですね。お二人のレベルがまさかこれほど上がっているとは」

「「ありがとうございます!」」

 

ルアンはサイドン、ゴルダックの様子を見て何かを思いついたようだ

 

「サーナイト、”いやしのはどう”」

「サナ」

 

サーナイトはサイドンとゴルダックの体力を全快まで回復させた

 

「え、」

「貴方達の力量を試してみたくなりました」

「それって」

「ええ。言わずもがなバトルです」

「そんないきな...」

 

コニアの言葉を遮るようにサーナイトは彼女の顔の真横に光弾を放った

 

「ターゲットが目のまえにいたとしても貴方達はそのようにお喋りをするつもりですか。私たちは彼らと戦いをしているのですよ?彼らを見つけた瞬間、目的のものを奪うもしくは倒すことだけを考えなさい」

「「......!」」

「それに言うじゃないですか?”目と目があったらポケモンバトル”と」

 

ルアンの威圧感、存在がこの場を支配していく。その影響か二人いや、このワイルドエリアにいる一部を除いた全ての生命体は自身の体温が下がった錯覚に陥る。

 

「構えなさい。さもなくは...」

「ゴルダック、”ハイドロポンプ”!」

「サイドン、”10万ボルト”!」

「フフッ...いいですね」

 

ルアンの言葉を遮り二人はポケモンたちに指示を出す。水流と電撃がサーナイトに襲い掛かる。だがサーナイトは躱すことも防ぐこともせず真正面から攻撃を受けた

 

「よし!」

「不意打ちからの正面衝突、これは効いたでしょ」

 

二人は確かな手ごたえを感じていた。だが次の瞬間その希望は打ち砕かれる

 

「サナ」

「なんだと、今のを受けて全く効いてないのか!?」

「そんな...!」

 

サーナイトは確かに2体の攻撃を正面から食らった。にもかかわらずサーナイトは全くダメージを受けておらずかすり傷すらついていなかった

 

「さて次はどうします?これで終わりですか?」

「ジル!」

「ああ!」

 

ジルとコニアは目の前にいる相手は自分とは次元が違う存在達だということを強く自覚し賭けにでる

 

「ゴルダック、”ねんりき”!」

「ゴルダァアアク!」

 

ゴルダックは全力の超能力でサーナイトの動きを封じる

 

「貫けサイドン!”つのドリル”!」

 

”つのドリル”。この技は一撃でどんなポケモンも倒すことができるものだ。本来この技の命中率は低く基本的に当たらない。だが超能力で動きを止め相手を確実に倒すことができるコンビネーションをこの一週間で作り上げた。この連携に二人は全てを賭ける

 

「サイサイサイサイサイ!」

 

サイドンは地面を抉りながらサーナイトに突撃していく

 

「決めろ!」

「サイッドーン!」

「.........」

 

サイドンのドリルがサーナイトを貫こうとした瞬間

 

「受け止めなさい」

「は.......」

「サナ」

「サイ!?」

 

サーナイトは片腕、それも指一本だけサイドンの回転する角を受け止めた

 

「悪くない戦法でした。ではこれで終わりにしましょう」

「サナッ」

「サイ!?」

「ゴルダ!?」

 

サーナイトはサイドンの角を掴みそのままゴルダックへと投げ飛ばした。2体はぶつかった衝撃で思うように動けないでいた

 

「”ムーンフォース”」

「サァナァアアアアアア」

「ウソだろ....こんなの」

「どう防げってのよ」

 

サーナイトは片腕でエネルギー球体を作り上げこの場全体を神々しくも怪しい光で包み込む

 

「それと貴方達がしたかったのこういうことでしょう?”じゅうりょく”」

「サ....イ....!」

「ダァク...!」

 

サーナイトは開いている手で重力を発生させそれをサイドンたちにぶつける。サイドンたちは重力により指一本動かすことができなくなっていった。つまり完全に詰んでしまったのだ

 

「ルアン様!おやめください!」

「その技を食らえばゴルダックたちが!」

「............」

 

ジルたちはルアンに頼み込むが彼女はそんな声に聞く耳を持たずそのままサーナイトに指示を出す

 

「発射」

「サナ!」

「サイドン!」

「ゴルダック!」

 

無慈悲にも放たれたエネルギーはサイドンたちを包み込もうとした

 

「ソウブレイズ!」

「ソォオオオオオオウ!」

 

エネルギーがサイドンたちを飲み込もうとした寸でのところアメジオとソウブレイズが駆けつける。そしてソウブレイズは”むねんのつるぎ”を”ムーンフォース”に振るう

 

「ソォオオオ....オオオオオオオオオ!」

「切り刻め!」

 

ソウブレイズはアメジオの声に応える

 

「「うおおおおおおおおおお!!!!!」」

「....!」

「いけ!」

「ブレイズゥウウ!」

 

ソウブレイズが纏う炎は紫から白に変わり、その炎を纏った剣は”ムーンフォース”を見事霧散させた

 

「はぁ、はぁ」

「お見事です。戻りなさいサーナイト」

 

アメジオとソウブレイズの姿を見てルアンはサーナイトを戻す

 

「「アメジオ様!」」

「お前たち、無事か?」

「はい、おかげさまで」

「やけに森全体が静まり返ったと思ったらやはりお前かルアン。それでさっきの攻撃はどういうつもりだ?」

「すみません。つい楽しみすぎてしまいました」

「とぼけるな。俺はサイドンの攻撃を受け止めた瞬間お前がサーナイトをボールに戻そうとしたところを確かに見ている」

「え...」

 

アメジオの言葉にルアンは微笑み返す

 

「そしてお前が俺たちがこちらに来るのを確認した後あのような行動を取った、違うか?」

「正解です。見事な観察眼です」

(ウソだろ、至近距離でバトルをしていた俺たちでさえ気づかなかったんだぞ)

(目が良くなったとかの次元じゃない...!)

 

この時アメジオの成長速度に二人は戦慄した

 

「俺たちを試したな?」

「失礼ながら」

「...それで?」

「意外ですね。貴方がそんなことを私に聞くなんて」

「フンッ」

 

ルアンはアメジオが自分にそんなことを聞いてくることに対し素直に驚いていた

 

「正直驚愕しています。この短期間でここまで成長するなんて。ですが”まだ”ですね」

「........」

「その様子を見ると心当たりがあるようですね」

「...ああ」

 

アメジオはルアンの言葉を肯定する

 

「それでお前はここに何をしに来た」

「ライジングボルテッカーズをこの付近の空域で確認しました。それと同時にガラル鉱山にレックウザと似たエネルギーを感知しました」

「「「...........!」」」

「用件は済みました。それでは私はこれで」

 

ルアンはサーナイト共にその場から消えた

 

「アメジオ様!」

「ああ、奴らの動向を探る。いくぞ」

「「はっ!」」

 

3人はワイルドエリアを去っていくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リコ、ロイ。見えてきたよ」

「「うわぁ~!」」

 

場所は移りブレイブアサギ号。甲板の上にはノエル、リコ、ロイ、そしてドットの姿が見られた

 

「見て、でっかい歯車と機会がかっこいい!」

「あの白いのって蒸気かな?」

「そう。あれらの機械もたくさん出ている蒸気もここ、”エンジンシティ”の特徴だよ」

 

ライジングボルテッカーズはリコの祖母がいるガラル地方へと到着した。そしてこの地で各勢力の歯車が動き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お願いします」

「は~い!こちらプレゼント用ですか?」

「はい。息子へのプレゼントなんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ①

 

「え、ホゲータとカイデンが?」

「そう。どうしても喧嘩しちゃうんだよ」

 

ガラル地方に着く前、ロイはノエルにホゲータとカイデンの不仲について相談していた

 

「う~ん、二人に同じ目的を与えるとか?」

「同じ目的?」

「例えば二人で協力して僕のリザードンに勝てとか?」

「そんなの無理だよ!」

「それじゃあ二人がリザードンに一撃でも与えられたらなにかごほうびをあげるとか」

 

ノエルの言葉を聞いた瞬間ホゲータとカイデンのボールが開いた

 

「ホゲ!」

「カイ!」

「え、二人とも?」

「よし、それじゃあ早速やってみようか。でもご褒美だけってなると不公平だし...そうだ、もし失敗したら一週間掃除当番変わってよ」

「ホゲータ、カイデン。絶対一撃当てるぞ!」

「ホンゲ!」

「カァイ!」

 

3人は瞳に炎を宿らせ一致団結した。全ては掃除当番代行を避けるために

 

「どんだけ掃除したくないんだよ...」

 

結果は惨敗で3人仲良く掃除当番をすることになった。だがホゲータとカイデンの仲はちょっとだけ深まった様子が見られてロイとノエルはホッとするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ②①③④⑤④③②

 

貴方がもし大切なもの、自分の命より大切なものを無くしたとして貴方は探すことを諦めますか?それとも諦めず探し続けますか?

 

「...............」

 

私は諦めることができない性格でした。その大切なものを探し求めるあまり他の大切なものを捨ててしまいました。

 

「...............」

 

でもこれが不思議なことに全く後悔がないんですよね。あと少しであともう少しで探し求めたものが見つかる。これが最後のチャンスなんです。

 

「...............」

 

何度もくじけそうになりましたがここまで来たんです

 

「あと少しで私たちの願いは叶いますよ。セレビィ」

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださりありがとうございます。ガラル地方の冒険では炎蹴との戦いやエクスプローラーズ、そしてルアンとノエル、二人の絡みと言った自分が一番書きたかった場面がてんこもりなのでモチベがMAXです!てか一部はもう書き終わってるし

ところで問題です、”炎蹴”(えんしゅう)は一体どこの誰でしょう?当ててみてください、まぁ恐らく大体の方が察しがついていると思いますが一つヒントを


ヒント ホウエン地方出身のトレーナーとポケモンです。



ではまた
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