では新章、「破壊の炎 編」スタートです!
古城での再会
「熱い....あついよ....」
「なんで、どうしてこ....んな」
「化け物が...!」
辺り一帯に広がる炎と倒れたライジングボルテッカーズの仲間たち。地獄のような景色の中心に一人のポケモントレーナーと一体のポケモンがいた。彼らはこの光景を淀んだ目でただ見つめていた
「あついあついあついあつい!」
「はは、体がどんどん燃えていく....あははははははははあ」
「痛い、つらい、あつ.......iい」
「右手もない。目もない........ただとける....とけけけけ」
「あはははっはあははああああああああああああ」
仲間たちは狂ったように笑い、泣き、叫ぶ。だがそれでも彼らの目にはただ燃え盛る炎しか映っていなかった
「はあ、はあ、はあ....!そ、そんな!」
ノエルは息を切らしその場に到着する
「リコ、ロイ、フリードさん!.........ドットさん、オリオ姉さん、マードックさん、モリーさん、ランドウさん!な.....なんでこんな.....!」
あまりの凄惨な光景にノエルは胃の中のものを吐き出してしまう
「.................」
「お前が......お前がみんなを.....!」
涙を流し敵を睨みつけるノエル。だがそれを見て彼らは初めて表情を変える
「ふ.........」
「何がおかしい!?」
「これが笑わずにいられるか....」
「お前は狂っている!これのどこが面白い!?」
ノエルは懐からリザードンの入ったボールを取り出す
「リザードン!」
いつものようにリザードンを呼び出そうとするがボールはただの灰となって消えていく
「え.....」
「まだ気付かないのか?この景色も仲間の死も全て」
「君が作り出したものだろう?」
「な、なにを言ってるんだ...?」
「お前は狂っている!これのどこが面白い!?」
次にノエルが目を開けるとそこには涙を流しながらこちらを睨みつける自身の姿があった
「あ.......あああああ」
「これこそ僕たちの本性だ。僕たちは世界を焼き尽くすために生まれてきたのだから」
「黙れ...!」
「さあ、リザードン。全てを灰にしろ!」
「グオオオオオオオ!!!!!!」
黄金の炎を纏ったリザードンは雄叫びをあげ飛翔する」
「やめろ!リザードン!!!」
「グオオオオオオオ!!!!!」
「リザードン!」
リザードンは黄金の炎で仲間たちも世界も全てを灰にする。もうこの世界には何もない。夢も希望も.........全部。
「あああああああ!?」
深夜2時、ノエルはベッドから勢いよく起き上がる
「はあ、はあ、はあ、ゆ、夢」
先ほどの光景が夢であることに安堵しノエルは一息をつく
「最悪な夢だ。汗もびっしょり.....これはまたシャワーに....!コホッ、ゲホッ...アアア....!」
立ち上がりシャワーを浴びようとするが口から大量の血を吐き出しその場でうずくまってしまう。ノエルは仲間たちに気づかれないように口を強く抑えながら咳をする
「はあ、はあ」
しばらくして咳は止み、呼吸も安定しおぼつかない足でなんとか立ち上がる
「ここまでひどかったのなんて何年ぶりだろ。.......みんな、ごめん。起こしちゃったね」
ノエルは自身の机の上の揺れているモンスターボールたちに謝り部屋から出て、キッチンの方へと向かっていく
「ただでさえ六英雄、エクスプローラーズで問題が山積みなんだ。僕の体のことで負担をかけるわけにはいかない」
キッチンにたどり着いたノエルは水を一杯飲む
「ふぅ.....よし、もう大丈夫」
ノエルは自身に暗示を掛けるかのようにつぶやきながら部屋に戻って行くのだった。だがこの時彼は気づいていなかった
「...............ノエル」
陰に隠れ彼の言葉、行動を見ていた存在に
翌日の昼、ミーティングルーム。そこにはライジングボルテッカーズのメンバー全員が集結していた
「しかし、不思議なポケモンだな~」
「今まで宝石に擬態していたって事?」
「リコは何か知ってたの?」
メンバーは机の上のペンダントだったポケモンに釘付けの様子だった
「ううん。おばあちゃんからはお守りだって言うことだけで」
『見た目は亀ポケモンみたいだけど』
「ゼニガメとも違うね」
ドットとロイは自身のパソコンや図鑑で調べるが件のポケモンのデータは一切なかった
「データが無いって考えるとこの子は伝説、幻のポケモンっていうことになりますね」
「伝説って...レックウザと同じ!?」
「あくまで仮定の話だけどね」
ロイはノエルの言葉に反応する
「なんにせよリコのおばあさんに会って聞くしかないな。リコ、ロイ、ノエル、準備だ。マードック達は何かあった時のために待機しててくれ」
「「「了解」」」
『......ノエルも行くの?』
画面越しのドットが複雑な表情を浮かべながら待ったをかける
「う、うん」
「どうしたの、ドット?」
『えっと、この船に残るメンバーだと非常時の時に少し心もとないというか...』
「こ、心もとない...」
「はっきり言われると傷つくな~」
マードックはドットの言葉にショックを受けたのか目に涙を浮かべていた
「安心しろ。キャップも待機させる」
「ピカァ!」
『いや、そうじゃなくて』
「ノエル!」
「はい!」
「今度でいい。俺を強くしてくれ!このままじゃあ大切なものも俺の心も守れない!」
「え、ええ。もちろん、マードックさんがよろしければ」
復活したマードックはノエルの肩を力強く掴み懇願する
「ほら、ノエルを離して」
「ノエル、約束だぞ!」
「はい」
ノエルはマードックと指切りをしミーティングルームから出る
「さて、俺たちも準備だ」
「「うん!」」
それに続きフリードたちも各々準備に取り掛かるのだった。特にリコは久しぶりの祖母との再会のためいつもより張り切っている様子だった
『なんか嫌な予感がする』
メンバーが全員が和気あいあいとなっている中ドットは妙な不安にかられていた
『ノエルのあの言葉』
ドットは昨夜見てしまっていたのだノエルのあの行動と言動を
『大丈夫だよな、ノエル』
ガラル地方の近海、一隻の潜水艦が動いていた。中にはアメジオ達エクスプローラーズおり、幹部のハンベルと通信を行っていた
『やはり独断で行動していたのですね。そのうえファイヤーと接触しライジングボルテッカーズと一戦交えるとは』
「小言はこの映像を見てからにしてくれ。ジル」
「はっ!」
ジルは先日のガラル鉱山で起こった出来事を記録した映像をハンベルに送信する。アメジオがポケモンセンターでソウブレイズと対話している間、ジルとコニアはアメジオの為に再びガラル鉱山に入りリコ達を陰から観察していた。そんな中自分たちが狙うペンダントがポケモンに変化するという驚くべき現象を目撃したため二人はスマホロトムで記録していたのだった
『これは...!』
「あの時の任務はペンダントの回収としか伝えられていなかった。ならばこのポケモンはなんだ?」
アメジオの言葉にハンベルは微かにだが表情が変わった。それを見てアメジオはさらに言葉を続けていく
「独断を咎め俺を任務からは外すか?再び見失うのは口惜しいが.....」
『.....わかりました。ですがまずは行き先の確認を』
「奴らは二手に分かれ、あのポケモンはノエルやフリードと共にナックルシティ方面へと向かっていったのは確認している。そしていまは奴らをルカリオに追わせている」
『...なるほど。随分行動がお早いようですが...もしや先ほどの問答は』
「考えすぎだ」
そう言いアメジオは通信を切る
「...まったく」
ハンベルはアメジオの行動にため息をつく。すでにルカリオを尾行につかせているということは自身が仮に任務から外すと言ってもその言葉は無視されるということ。アメジオのこの身勝手な行動に加えそれについての反省がない、このことにハンベルはため息をつかざるを得なかった
「ですが...」
先ほど見た彼の目、以前とは違い強い光が宿っておりその目を見たハンベルはすぐにアメジオの成長を感じ取ることができた。そのことについてハンベルは素直に嬉しかった。だが喜びに浸るよりもハンベルはすぐに行動に移り端末を操作し部下に通信をつなげる
『いかがなさいましたか?』
「スピネル様は?」
『しばらく諸用で外に出ると。アゲート様もスピネル様に同行していきました』
「ではオニキス様とサンゴ様にここに」
『了解しました』
それから数分後
「オニキス、ただいま推参いたしました」
「サンゴも来ましたよ~」
待機していたエクスプローラーズの幹部である”がんえんポケモン”キョジオーンを連れたオニキスという大柄な男性と”がんめんポケモン”のオニゴーリに乗った気怠げな態度を取っているピンク髪の少女、サンゴがハンベルの元へと到着する
「ガラル地方へと向かいます。お二人は私に同行してください」
「御意」
「鬼ダル~、お出かけは歓迎だけどさあ、なんでコイツとなの?」
「足手まといだ。留守番でもしておけ」
「あ~?」
二人と両者のポケモンの間に一触即発の空気が流れる。それを見たハンベルはため息をつくとともに髪で隠れた目を開き二人と2体を見る
「お二人とも」
「「........!」」
「不服ですか?」
「いいえ!」
「仰せのとおりに」
ハンベルに気圧された二人は姿勢を正して同行を了承する
「そうですか、それはよかった。戻りなさい、ヨノワール」
「え....」
「.....ッ」
「.........」
二人の背後には”てづかみポケモン”のヨノワールがおりただじっとオニキスとサンゴを見ていたのだがトレーナーであるハンベルの指示に従い影の中に戻っていった
(あ、あぶね~!)
(チッ、やはりコイツがいると調子を狂わされる)
「では参りましょう」
ハンベルは部屋出て通路を歩き始める。それにオニキスとサンゴはついていく
「貴方が自ら出向くとは緊急事案か?」
「探し物の回収です。ペンダントからの覚醒、それが真実ならまずこの目で確かめなければ」
「ペンダントって、あ~アメジオ坊っちゃんが担当してた任務の尻拭いか~、鬼ダル~」
「ということは新星と接触する可能性があると?」
「ええ。ターゲットを回収するにしても、彼らに近づくにしても新星は確実に超えなければならない壁です。そのため貴方達を招集したのです」
現状エクスプローラーズにとって一番の障害はノエルだ。そんな存在に接触する可能性を考慮してハンベルはオニキスとサンゴという強力な戦力を同行させることにしたのだ
「ふん、腕がなるな」
「あの新星をボコせるなんてラッキー!あのいい子ちゃん面ぐちゃぐちゃにしてやんよ」
「お二人とも、油断は禁物ですよ」
道の終点に着いた3人は部下に事前に用意させていたヘリコプターに乗り込みリコ達がいるガラル地方へと向かっていくのだった
「リコー!コジョー!」
「それにしても助かった。もしリコのおばあ様がイキリンコを寄こしてくれなかったらここら一帯を歩き回る羽目になっていたよ」
一方、リコたちは電車を降り古城がある地へと降り立った。だがこの地にはたくさんの古城がありリコの祖母がどこにいるかわからないため一行は頭を抱えていた。そんなときリコの祖母のポケモン、イキリンコが颯爽と現れリコ達を目的地である古城まで案内してくれることになった
「コジョー!」
「え、何もないけど...」
「行き止まり?」
「...ああ、なるほど」
しばらく案内に従っているとイキリンコは大量の岩が並んでいるところで止まる。そのことに疑問を覚えるロイとリコだったがノエルは一個の岩を見てあることに気づく
「え、なになに?」
「ロイ、この岩をスマホロトムでスキャンしてみて」
「この岩を?」
『イシヘンジン.....”きょせきポケモン”。陽の傾きを眺めて暮らす。200キロを超える岩の脚でゆうゆうと草原を闊歩する』
ロイは言われるがまま目の前の岩をスキャンすると”きょせきポケモン”のイシヘンジンのデータが登録される
「え、ポケモン!?」
「この子もペンダントの子と同じで擬態するポケモンなんだ」
「へえ~!」
「よくわかったね」
「冒険してるとこういった能力は自然と身についていくよ。つぎ冒険する場所ではこういった擬態するポケモンを探してみるのも面白いかもね」
「それにしてもイシヘンジンを門番にするとは面白いこと考えるな」
ちょっとした授業も終わるとイキリンコはイシヘンジンに向かって合言葉である「リコー オリコー」と叫ぶとイシヘンジンは自らの脚を開く。するとそこには秘密の通路が存在していた
「リコー、オリコー........愛されてるね、リコ」
「.......うん///////」
一行が秘密の通路へと入るとイシヘンジンは再び動き出し通路を隠し始める。だがその一連の流れを陰から一体のポケモンが観察していた
「.....ルオッ」
「リコのおばあちゃんって冒険家なんだよね?」
しばらく歩いているとロイはリコの祖母について聞き始める
「うん。ポケモンたちといつも旅してて古代の遺跡とか沈没船とかを探しているみたい」
「宝探し、かっこいいー!」
「会うのは久しぶりか?」
「そうだね。前にあったのは去年、セキエイ学園の入学が決まってパルデアの家までお祝いに来てくれてその時ペンダントをお守りにくれたの」
「それがリコとペンダントの出会い」
「まあ、その時はペンダントを渡したらすぐに行っちゃったから”会った”というより”見た”に近いのかも......実はゆっくり話したこともあまりないんだよね」
リコは乾いた笑い声をあげる
「でもいつもかっこよくて私、大好きなんだ」
「会うのがますます楽しみになってきたね。僕もリコのお兄ちゃんとしてしっかり挨拶しないと」
「ふふ、そんな緊張しなくても大丈夫だよ。お兄ちゃん」
こうして楽しく会話しながら進んでいくと一行の目の前に大きな古城が現れる
「コジョー!コジョー!」
イキリンコはその古城の前で鳴き始める
「おばあちゃんー!リコですー!」
それに続きリコも声をあげる。すると白の上に巨大な影が現れそのままリコの目の前に降り立つ
「ガウ!ガウ!」
「ウインディ!久しぶり!」
影の正体は祖母の相棒のウインディであることに気づいたリコはそのままウインディに抱き着く。それと同時に古城の扉が開く。そこにはある人物が堂々とした様子で立っていた
「見違えたね。リコ」
「おばあちゃん!」
その人物こそ、リコの祖母であるダイアナだ。彼女と再会するとリコは笑顔を浮かべ心から嬉しそうな声をあげる
「そしてようこそ、ライジングボルテッカーズに新星ノエル。立ち話もなんだ、中に入っとくれ。アンタたちの話を聞きたい」
こうしてついにダイアナと出会った一行は彼女に招かれるまま古城の中に入っていくのだった
時は少し遡り
「ここだな」
「ルオ!」
アメジオ達はリコ達を尾行していたルカリオと合流し彼の案内のもと岩が並んでいる場所にたどりついた
「おいおい、ここには何もないぞ」
「ルオ...」
ルカリオはある岩を指さす
「あの岩がどうしたの?」
「.....なるほどな」
アメジオは岩の違和感に気づく
「イシヘンジンか」
「ルオ!」
「ジン...!」
イシヘンジンは自身の存在に気づかれたことに慌て声を出してしまう
「本当だ。この岩ポケモンだぞ!」
「ポケモンを番人にするなんて面白いこと考えるじゃない」
「ジ...ジン!」
イシヘンジンは目の前の侵入者たちに威嚇をする。だが3人と一匹には全く効果がなくそれどころか相手のリーダーの男に近づかれてしまう
「そこをどけ。そうすればお前に危害は加えないと約束しよう」
「......ジン!」
イシヘンジンはアメジオの提案にNOと答える。門番としての誇りが逃亡を許さなかったのだ。だがその誇りは
「そうか.....残念だ」
「ルオオオオ!」
「ジ.....ジン」
いとも簡単に打ち砕かれてしまう
「矜持だけでは門番は務まらない」
アメジオはイシヘンジンが隠していた通路へと入ろうとする
「オーロ!」
「ゲン!」
「バーン!」
「「アメジオ様!」」
「問題ない」
背後から攻撃を受ける。だがその攻撃はアメジオには届かず全てルカリオが完璧に防いでいた
「オーロンゲにゲンガー、デスバーン。こいつら、イシヘンジンの仲間か」
「それだけじゃないわ」
コニアは自分たちの周りに数多くのポケモンたちが集まっているのを確認する
「やるか」
「ええ」
「待て」
ジルとコニアは臨戦態勢を取るがそれをアメジオは制止する
「ここは俺たちがやる。いけるな?」
「ルオッ!」
ルカリオは全身に波動を流し、ポケモンたちに向かっていく
おまけ
「兄ちゃん、早く早く!」
「ちょ、ロイ引っ張らないで」
ある日の夜、ロイはノエルの手を引きそのままシャワー室に入っていった。ロイがライジングボルテッカーズに加わって以降彼はしょっちゅうノエルと一緒にお風呂に入っており今日もそのつもりのようだ。そんな様子を一人の少女が複雑な表情で見ていた
「はあ...」
「私だけのお兄ちゃんだったのに、最近ロイばっかり.....ってところ?」
「うん...って、オリオ!?モリー!?」
そんなリコをオリオとモリーはニヤニヤしながら揶揄い始める
「なに、やきもち?かわいいとこあんじゃん」
「わかるよ。大好きだったお兄ちゃんが取られちゃったんだもんね~」
「揶揄わないでよ、二人とも」
「「でも実際は?」」
「.........少し////」
リコは顔を赤く俯きながら答える
「最近、お兄ちゃんとの時間が減ってモヤモヤしてます/////」
「それじゃあ、リコも一緒に入ってきたら?お風呂」
「え!?」
オリオの提案にリコは驚きの声をあげる
「別にリコとノエルの年齢差だったら大丈夫じゃない?ギリ」
「バッコリアウトだよ、Ms.大雑把。リコ、今のは冗談...」
「い、いいのかな?」
モリーは冷静にツッコミを入れる。だがリコは顔を赤くし目を回しながら二人に聞く
「は?」
「だ、だって兄弟は一緒にお風呂に入ったりするよね!?」
「ちょ、落ち着きなって!百万歩譲ってノエルはいいとしてロイもいるんだよ!?」
「ロイと私はお兄ちゃんの妹、弟だから大丈夫!」
「だめ、正気失っている...!オリオもなんとか言ってよ!大体、アンタが言い出したこと...オリオ?」
モリーがオリオの方を見ると彼女は顎に手をやりぶつぶつとつぶやいている
「私はアイツにオリオ姉さんって呼ばれてる。オリオ姉さん、姉さん、姉...さん.....姉!」
オリオはその言葉を最後に勢いよく部屋から飛び出していく
「はやっ!ってちょっと待って!アンタがそれをやるとガチ犯罪になる!」
モリーはオリオを追いかけていく
「お兄ちゃんとお風呂.....お風呂......」
リコはふらふらな足でシャワールームに向かっていくのだった
「かゆいところない?」
「うん!」
「ならよかった。じゃあ流すよ~」
ノエルはロイの頭を洗っていく。そんな中扉からノック音が聞こえてくる
「はい」
ノエルが扉を開けるとそこには褐色の肌、発達した胸筋を持つ
「シャンプー、少なくなってただろ?悪いんだが詰め替えてもらえるか?」
「わかりました」
マードックの姿があった
「それにしてもお前たち、本当の兄弟みたいだな」
「そうだよ!兄ちゃんは僕の兄ちゃんだよ!」
「僕ももう一人弟ができたみたいです」
「ん、もう一人っていうのは」
マードックがノエルに質問を投げかけようとした瞬間
「ノエル~!」
「だから待てって言ってんの!」
「お兄ちゃん!私もお風呂に...!」
シャワールームの扉が勢いよく開かれ3人がなだれ込んでくる
「ん、この声は....」
「んんッ...何でもない。じゃあ俺はもう行くシャンプーの詰め替えありがとな」
マードックは3人をシャワールームから出し彼女たちを見る
「まあ、そのなんだ。そういうのはよくないと思う」
「「はい.....」」
「ちょ、マードック私は...!」
そう言い残しマードックはその場から立ち去る。その時の彼の目はとにかく冷たかった
「戻ろうか、リコ」
「うん」
「待て」
オリオとリコも正気を取り戻したようでそれぞれ自分の部屋に戻ろうとするがモリーは二人の肩を力強く掴む。まるで逃がさんといわんばかりに
「モ、モリー、どうしたのそんなに怖い顔して...いつもの美人が台無しだゾ★」
「あわわわわ.....」
「ちょっと私の部屋に来てくれる?そこで少しオハナシしよう。ね?」
モリーはそのまま二人を自身の部屋に連行した。
翌日
「フリードさん、リコ達なんかありました?異様に疲れてる気が」
「昨日、モリーの部屋で女子会したらしいぞアイツ等。きっとガールズトークに花を咲かせすぎて夜更かしでもしたんだろ」
「ならいいんですけど。あ、スマホロトム忘れた」
ノエルはスマホロトムを取りに行くために部屋に向かう。だが
「ノエル。そっちはお前の部屋とは逆方向だぞ」
「実は昨日僕、ドットさんと一緒に寝たんです」
「そうだったのか」
ノエルはドットの部屋の扉をノックする
「ドットさん、いまいい?そっちにスマホロトムを置いてきちゃって」
ちなみに
「え、女子であるドットさんと一緒に寝るのに抵抗がないのかって?......ないですね。妹、弟と寝てるみたいなものですから。学園にいた時はよくスグリと.....」
と答えた。この言葉を聞いたリコは後日ノエルを部屋に招き一緒のベッドで寝ることができたそうだ。オリオも後日誘ってみたらしいのだが普通に断られたらしい
セキエイ学園、今日は休日のためちょっと遅いお目覚めだ。
「う......ん」
「ニャア」
「おはよう、マスカーニャ」
リコは自身の相棒であるマスカーニャに挨拶をしたあと部屋についている浴室に入りシャワーを浴び始める
「.............」
浴室の鏡で自身の顔を見る
「ひどいかお...」
自身の顔をリコは鼻で笑う
「やっぱりあの時一緒に入るべきだったなぁ...お風呂」
シャワーを終え体を拭き、服を着て、洗面所の鏡を見ながら身なりを整えていく
「本当にみっともない髪に顔...」
リコは鏡の自分を見て涙を流し始める
「ごめん、ごめんなさい。お兄ちゃん......」
読んでくださりありがとうございました。今回の導入部分ですのであまり話は進まなかったですね。ちなみにヒロインですが2票を獲得したオリオを新ヒロインとして抜擢したいと思います。リクエスト、メッセージを送ってくださった方、ありがとうございました!
それでは良いお年を!
イラストはPicrewの「女の子」を使わせていただきました。 https://picrew.me/share?cd=DTQUKIiiVJ
原作よりかなりダークな雰囲気を纏っていますが一体何があったんでしょうね?ハイライトも消えてるし.........不穏ですね~