ポケットモンスター 覇者への道   作:鴨凹

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今回は割とバトルが多めです。あと、YouTubeでアニポケに関するある動画を見てしまってそこから物語の根幹にかかわる部分を変えるべきかどうか悩んでいます



まあ、そんなことより本編スタートです!











もう慣れてしまった

「これはまずいね...!」

 

ノエルという戦力をこの局面で失ったことと目の前の少年を助けられなかった自分の無力さに対しダイアナは舌打ちをする

 

「今のサーナイトはもしや」

「ルアン様もここに来ている?」

「は?いま、アンタなんて言った!?」

 

ルアン、かつての恩師の名前があがりダイアナは動揺を隠せなかった。一方アメジオはノエルとのバトルを途中で邪魔をされたことに相当頭にきていたがすぐに冷静さを取り戻し次の行動に移る

 

「チッ...!戻れ、ソウブレイズ。出てこい、ルカリオ」

「ルオッ!」

「奴らはどこに向かっている?」

「..............!」

 

ルカリオは目を瞑りリコたちの波動を感知する。そしてルカリオは外にある塔を指す

 

「よくやった。ジル、コニア、お前たちは下から奴らを追え。挟み撃ちにする」

「「了解!」」

「待ちな!このまま逃がすと思うのかい!?」

 

ダイアナは離れようとする3人をなんとか足止めしようとする

 

「お前に用はない」

「アンタになくてもこっちにはあんのさ」

「わからないか?”見逃してやる”そう言ったんだ」

「...ッ」

 

アメジオの鋭い眼光にダイアナは気圧される。ダイアナもポケモントレーナーとしてかなりの実力者だ。だがいまこのときだけはそれが裏目に出てしまった。かなりの実力者であるがゆえに自身と目の前の少年との実力差を悟ってしまう

 

「アーマーガア」

「ガアアア!」

「乗れ、ルカリオ」

「ルオッ!」

 

アメジオとルカリオはアーマーガアに乗り目的である塔まで飛んでいった

 

「私たちも行くわよ」

「おう!」

 

そしてコニア達もリコたちの通った地下通路を通り彼女たちを追っていくのだった

 

「こうしちゃいられない。ウインディ!」

「ガウ!」

 

ダイアナはウインディに乗り別館へと移動する。その時ダイアナのポケットに入っていた一つのモンスターボールが揺れる

 

「ああ。もしかしたらアンタの力を借りることになるかもしれない」

 

 

 

 

 

 

 

 

「リコー!リコー!」

 

イキリンコとリコ達は地下通路を抜けると塔の内部にたどり着いた。案内を終えたイキリンコはダイアナの元まで飛んでいくのだった

 

「いけるか、二人とも」

「「うん」」

 

フリードは二人を連れ、塔の階段を上っていく。しばらく上ると3人は塔の中腹にたどり着く

 

「二人はここで待っててくれ。俺はこのまま登ってマードックに連絡して迎えに来てもらう。そしてもし奴らがここまで追ってきたら迷わず俺を置いて逃げろ。いいな?」

「わかった」

 

フリードは二人の背後にある梯子を指さしそう言う。二人はその言葉に首を縦に振る。それを確認したフリードはスマホロトムを持って塔の屋上へと駆けていった

 

「聞こえるかマードック、緊急事態だ。すぐに....ッ!」

「アーマーガア、”ぼうふう”!」

「あぶねっ!」

 

フリードがブレイブアサギ号にいるマードックに連絡をしていると、空からアーマーガアに乗ったアメジオが現れる。アーマーガアが起こした暴風に吹き飛ばされるフリードだったが風にさらされながらもうまく受け身を取ることに成功する

 

「アメジオ、まさかノエルを...!」

「.............」

「というわけじゃなさそうだな」

 

フリードはアメジオの様子を見てアメジオがノエルを倒してここに来たわけじゃないと理解する

 

(アメジオがここにいるということはアイツに何かあったな)

「あのポケモン、テラパゴスを渡せ」

「そう言われて俺たちが”はい、どうぞ”するわけないってお前もわかってるだろ」

「ならばお前をここで潰し、奴らから奪うまでだ」

「やってみな。できるもんならな!」

「......!」

 

フリードは屋上から飛び降りる。フリードのこの行動にアメジオは多少驚くがフリードはすぐにリザードンをボールから出しその背に乗り下にある建物の屋根の上に降り立つ。フリードがこの行動を取った理由は二つ。まず一つは単純に場所が悪すぎること。そして

 

「フリード、僕らのために」

「囮になったんだ」

 

リコとロイはフリードが自分たちのために囮になったことを理解する

 

「ほら、こっちに来いよ!俺を潰すんだろ?」

「...いいだろう」

 

アメジオはフリードの考えを見抜いていた。本来だったらフリードを無視し任務を果たすべきなのだろうがアメジオはフリードの正面に降り立ち正々堂々相手を倒し任務を遂行する道を選んだ。このアメジオのまっすぐなところが実はノエルもフリードも気に入っているというのは今のアメジオには知る由もなかった

 

「ルカリオ」

「ルオッ!」

「アイツはあの時のルカリオ」

 

アーマーガアの背中からルカリオが現れ構えを取る

 

「2対1か」

「アーマーガア、戻れ」

 

アメジオはアーマーガアをボールに戻す

 

「これで勝負だ」

「真面目ちゃんだこと。でもいいのか、タイプ相性的にこっちが有利だぜ?」

「技が当たらなければどうということもない」

「グオ!グオオオ!」

「そうだな、リザードン。あそこまで言われちゃあな!」

 

フリードはリザードンを前に出し気合を入れる

 

「やってやろうぜ、リザードン!」

「グオオオオオオオ!」

「来い」

「ルオッ」

 

臨戦態勢を取った2体の間に緊張が走る。そして

 

「いくぞ、”かえんほうしゃ”!」

「グオオオオオオオ!」

 

リザードンの先制攻撃で戦いの火ぶたが切られた

 

「ルカリオ、”はどうだん”」

 

ルカリオから放たれる青色の光球は炎を突き破りリザードンに迫る

 

「よけろ!」

 

リザードンは飛翔し”はどうだん”をかわす。そして”はどうだん”はそのまま後ろの塔に打ち込まれる

 

「逃がすな、”しんそく”」

 

飛翔したリザードンにルカリオはとてつもない速さで近づきその速度のまま攻撃を連続で打ち込んでいく。リザードンはなんとかガードをあげようとするが超高速で放たれる連打に対応することはかなわずただ無情にも拳が打ち込まれていく

 

「これで終わりか?」

「”エアスラッシュ”!」

「波動でかわせ」

 

リザードンはかろうじて動かせる両翼で風の刃をルカリオに飛ばす。だがルカリオはリザードンから発せられる波動を読み全ての風の刃をいとも簡単によけてしまう

 

「くっ、だがこれで距離は取れた」

「それがどうした?”しんそく”」

 

ルカリオは再度”しんそく”を発動させリザードンに近づく。だがこれはフリードの読み通りの行動だった

 

「リザードン、自分に”かえんほうしゃ”!」

「...!打つな!」

「どうした、来ないのか?」

「アイツの入れ知恵だな」

「ご明察」

 

フリードとノエルが出会ったばかりのとき、フリードはノエルにリザードンの戦い方を聞いていた。その数々の戦い方は圧巻と言えるものでノエルのバトルセンスを改めて感じ取ることができた。そのほとんどが自分たちには真似できないものばかりだったがこの自身に”かえんほうしゃ”を纏わせ物理攻撃や状態異常を防ぐ、”ファイアーアーマー戦法”(ゼイユ命名)だけはものにすることができたのだ

 

「これでお得意の接近戦はできなくなったな。まあ、火傷してもいいなら打ち込んできてもかまわないぜ?」

「ナメるな。”ラスターカノン”!」

「”かえんほうしゃ”!」

 

灰色のエネルギーと炎がぶつかりあい、霧散する

 

「その戦法は遠距離の攻撃に弱い。そして継続時間はおよそ3から5秒ほどだ」

「よく分析してやがる。よほどノエルにご執心らしいな」

「ッ!」

「おお、こわっ。リザードン、”エアスラッシュ”!」

 

リザードンは再び、風の刃をルカリオに放つが波動でまたもやかわされてしまう。それと同時にリザードンが纏っていた炎も消えてしまう

 

「どうした?随分弱腰だな」

「まあ、そう言うなって。今からすごいもん見せてやるから」

 

フリードは懐にあるテラスタルオーブを取り出す

 

リザードン、限界をこえろ!

 

テラスタルオーブにエネルギーが集中するとリザードンの頭上に目掛けて投げる。テラスタルオーブはエネルギーを解放すると無数の結晶を生み出しそのままリザードンを包んでいく

 

「グオオオオオオオ!」

 

結晶が砕けると中から体を結晶化し、頭上には不気味な笑みを浮かべている顔が刻まれている王冠を飾るリザードンが咆哮と共に姿を現す

 

「あくタイプのテラスタルだと...気でも狂ったか?自ら弱点を晒すとはな」

 

フリードの行動にアメジオは失望した様子を見せる。それも無理はない、かくとう・はがねタイプのルカリオ相手にわざわざ有利だったほのおを捨て、あくタイプに変化させるとはだれがどう見ても判断ミスであることは明らかだった

 

「その余裕、コイツを食らっても同じこと言えるか?”テラバースト”!」

「グオオオオオオオ!」

 

リザードンは黒いエネルギーを放つ

 

「ルカリオ!」

「ルオッ!」

 

迫りくるエネルギーにルカリオは腕をクロスし身を守る。だが”テラバースト”はリザードンの切り札、その威力はすさまじく効果いまひとつでありながらルカリオの両腕は黒く焦げてしまっていた

 

「ルオッ...!」

「確かに強力だ。大口を叩いていただけはある。だが所詮はこの程度...ルカリオ、”しんそく”で近づけ!」

「リザードン、もう一度”テラバースト”!」

「くどい!」

 

ルカリオは黒いエネルギーをよけながらリザードンに近づく。そして

 

「トドメだ、”インファイト”!」

「ルオオオオオオ!」

「グオ....オオオオオオ!?」

 

ルカリオは渾身の連打をリザードンに叩き込む。効果はばつぐんだ。リザードンはそのまま地面に倒れる

 

「グオオオオオオオ!」

「...ッ!?」

「なに...!」

「よし、よく耐えた!」

 

ことはなくその剛腕でルカリオを捕まえる

 

「これで決める!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テラスタルを?」

「はい」

 

ガラル鉱山でファイヤーと戦い無事、船に戻ってきた夜。ジルたちとの戦いやファイヤーとの戦いで自身の力不足を感じ、フリードはノエルに戦い方を教えてもらっていた

 

「テラスタルは基本そのトレーナーとポケモンの切り札です。ですが一部の人は陽動や相手の油断を誘うためだけにテラスタルを使う人がいるんです」

「大技ともいえるテラスタルを...そんなことかんがえたこともなかった」

「僕も最近までそうでした。でもそれで敗北寸前まで追い込まれたことがあるんですよね」

「マジか!」

 

ノエルの言葉にフリードは驚きを隠せないでいた

 

「ですからフリードさんもテラスタルを切り札として捉えるのではなく、陽動や相手の油断を誘うための道具と考えてみてはいかがでしょうか?」

「そうだな、ものは試しだ。やってみるか!」

 

こうしてフリードはリザードンにこの戦法にあった技をひとつ覚えさせるのだった。それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「”カウンター”!」

「グオオオオオオオ!」

 

”カウンター”、相手の物理攻撃のダメージの2倍を相手に与える技。リザードンは凄まじいオーラを拳に宿す

 

「いけ!リザードン!」

 

リザードンの全身全霊を乗せた拳をルカリオに振るう

 

「...認めよう」

 

アメジオは目をつぶる

 

「グオオオオオオオ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前たちは強かった

 

その瞬間、リザードンの頭上から巨大な岩が降ってくる

 

「グオッ!?」

「なに!?」

 

岩にぶつかったリザードンは一瞬、体をよろめかしてしまう。ルカリオはその隙を見逃さずリザードンの腕から逃れる

 

「これで幕だ。”はどうだん”!」

「ルオオオオオオオオオ!!!!!」

 

リザードンはルカリオ、全力の”はどうだん”を食らい遂に地面に倒れてしまう。この瞬間、アメジオの勝利が確定する

 

「よくやった、リザードン」

 

フリードはリザードンをボールに戻す

 

「...一体なにをしたんだ?」

 

フリードは最後の岩の件をアメジオに問う

 

「保険を準備しておいただけだ」

「保険?」

 

フリードは塔の壁を見る。そこには大きな穴が開いていた。だがその場所は最初、リザードンが避けた”はどうだん”がぶつかった場所だった

 

「まさか...」

「ああ。あの”はどうだん”はあえて外したんだ

「つまりお前は最初から俺の魂胆に気づいてたってわけか」

「”カウンター”までは見抜けなかったが何か仕掛けてくることは予想できた。それだけの話だ」

 

フリードは自身の考えが全て筒抜けだったことに対しての驚きよりも純粋にアメジオを尊敬の念を抱いてしまっていた

 

「ははっ、完敗だ」

「戻れ、ルカリオ。.......アーマーガア」

 

アメジオはルカリオを戻し、アーマーガアをボールから出しその背に乗る。その瞬間、城全体に冷気が降り注ぐ

 

「なんだ、さむっ!」

「チッ、よりによってアイツか...!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな、フリードが...」

「リコ、今はここから逃げよう!」

「う、うん!」

 

フリードの敗北を見たリコとロイはすぐに行動に移る。二人は外に続く梯子を使い中庭の方に降りる

 

「大丈夫、リコ?」

「うん。でもどうしよう、一体どこに逃げれば」

「というよりアメジオがここに来たってことは」

「...ッ」

 

二人は最悪のビジョンを考える。だがそれでも二人は首を振り足を動かそうとしたとき

 

「あら、さっきぶり」

「「...!」」

「楽しい鬼ごっこもこれで終わりね」

 

コニアがまるで待ってましたといわんばかりに笑みを浮かべながら待ち伏せしていた

 

「待ち伏せ...!」

「リコ、こっち...ッ」

 

ロイはリコの手を引き、別のルートに進もうとする。だが

 

「やめとけ、こっちには行き止まりしかないぞ。俺って言うな」

「そんな...」

 

そのルートもジルが潰す

 

「出てこい、イワーク!」

「イワアアア...アア!」

「いきなさい、レパルダス!」

「シャアアア!」

 

ジルはイワークを、コニアは”れいこくポケモン”のレパルダスを繰り出し二人を完全に包囲する

 

「さあ、お二人さん絶体絶命ってやつだ」

「諦めてそのリュックに入ってる子を渡しなさい」

 

囲まれた二人は互いを見つめる

 

「ねえ、ロイ」

「なに?」

「私たち、勝てると思う?」

「...どうだろう。前回はあのイワークに手も足も出なかった」

「うん。それにあっちのポケモンのすごく強そう」

 

だがその発言とは裏腹に二人の表情に一切の不安はもなかった

 

「でもここで勝たなきゃ前には進めない...!だったら」

「うん...!」

 

リコはコニア、ロイはジル。二人は倒すべき相手を見据える

 

「ニャオハ」

「二ャ!」

「ホゲータ」

「ホンゲ!」

 

二人の思いに相棒も応える

 

「あくまで抵抗する気ね。それじゃあ残念だけど...痛い目、あってもらうわよ」

「痛い目なんかあいません!私たちは貴方達に勝って先に進みます!」

「小僧、お前などこの状態でも十分だ!」

「絶対に勝つ!ホゲータ、”かえんほうしゃ”!」

 

ホゲータの”かえんほうしゃ”によって戦いの火ぶたは切られた

 

「イワワァアアア...!」

(チッ、想像以上にガタが来てるな。それにやけどによる継続ダメージもあるここは一気に決めなければ)

 

イワークはさきほどのウインディからもらったダメージで相当ガタが来ていることを察知するジルは時間はかけず一気に勝負を決めることにする

 

「レパルダス、”どくど....ってちょっと!」

「シャアアアアア!」

「...!ニャオハ、よけて!」

 

レパルダスはコニアの指示を無視して”みだれひっかき”をニャオハに放つ。だがその攻撃一つ一つをニャオハは華麗によけていく

 

「いまだよ、”でんこうせっか”!」

「シャア」

 

ニャオハは攻撃の隙を突き、凄まじい勢いで体当たりするがレパルダスは宙返りでかわす。レパルダスはニャオハと同じネコ系ポケモン。自慢の柔軟性と俊敏性をもってすればこの程度のこと朝飯前だった。だがリコは今の隙を突いた攻撃をかわされたことよりもあることに驚いていた

 

「レパルダス、今だけでいいから指示にしたがってちょうだい!」

「シャアアアアア!」

(あの子、あの人の指示を無視した。まるで出会ったばかりのニャオハと私、いやそれよりひどいかも)

 

リコはそこに勝機があると考える

 

「シャアアアアア!」

「あ、また勝手に!」

 

レパルダスは再び、ニャオハへと襲い掛かる

 

「”このは”塊、連続で!」

「シャ...!」

「レパルダス!」

 

ニャオハ木の葉の銃弾がレパルダスに命中する。だがこの技は威力ではなく速さに重きをおいたもののためレパルダスには少量のダメージしか与えることができず一瞬動きを止めることしかかなわなかった。それでも現状リコがこのバトルを有利にすすめることができていた

 

「”ロックブラスト”!」

「ホゲータ、”ハイパーボイス”!」

 

一方ロイの方もジルのイワーク相手に有利にバトルを進めることができていた。イワークは先ほどのダメージとやけど状態ということもあり先ほどよりも動きと技のキレがなくなってしまっていた。その証拠にイワークの攻撃は全て相殺、または回避されており逆にホゲータの攻撃はほとんど命中してしまっていた

 

「イワァ...」

「いけるよ、ホゲータ!」

「っ、”アイアンテール”!」

「かわして、”かえんほうしゃ”!」

 

ホゲータはイワークの鋼鉄化した尻尾をかわし炎を浴びせる。その後、ホゲータは後ろに下がり構えを取る

 

「これで最後だ!”とっしん”!」

 

ホゲータはその場でダッシュをし思い切りイワークに突撃する。イワークはその勢いに負けついに地面に倒れる

 

「イワーク!?」

「やった!」

「イワァ...!」

 

意識こそ失ってはいないがイワークは立ち上がることができずただその場で飛び跳ねているホゲータを睨みつけることしかできないでいた

 

「クソッ、まさかこんな小僧に俺たちが...!」

「ホゲータ、リコに加勢しよう!」

「ホンゲ!」

「うそでしょ、いくらダメージを負っていたとはいえあの子にジルが負けたというの?」

 

予想外の出来事にコニアは動揺する。しかも自分に残っている手持ちは移動用のポケモンと指示をまったく聞かないポケモン。さすがの分の悪さに彼女は焦りだす

 

(本格的にまずいわね、すぐにアメジオ様に救援要請を)

「だっせ~!そんなお子ちゃまたちにボロボロにされちゃってるなんて、オニウケるんですけど~!」

「...ッ!あ、貴方は!」

 

冷気と共にオニゴーリに乗ったエクスプローラーズの幹部、サンゴが上空から現れる。それと同時にジルの背後の壁が破壊されその奥からキョジオーンを連れエクスプローラーズの幹部、オニキスがゆっくりとリコ達に近づく

 

「オニキス様まで!」

「邪魔だ。とっとと失せろ」

「...ッ。はい」

 

ジルとコニアは悔し気な表情を浮かべながらボールからエアームドを出しそのままその背に乗ってこの場から撤退する

 

「そこを動くな子供たち」

「貴方達は一体...!」

「見てわかるっしょ、アンタたちの敵だっつうの」

「じゃあお前たちも...!」

「そういうことだ」

 

リコ達は二人のエクスプローラーズの幹部に囲まれ絶体絶命のピンチに陥る。だがこの暗雲を晴らすが如くリコたちの目の前に一本の稲妻が落ちる

 

「あ?」

「ピカチュウだと?」

「ピカァ!」

「オニィ!?」

 

キャップはリコたちの前に降り立つとすぐに雷を纏った拳を放ちオニゴーリを吹き飛ばす

 

「オニゴーリ!」

「キョジオーン!」

 

キョジオーンは吹き飛ばされたオニゴーリを受け止める

 

「キャップ!」

「見て、ブレイブアサギ号!」

 

空を見るとそこにはブレイブアサギ号の姿があった

 

「なるほど、そのピカチュウもライジングボルテッカーズの一員か」

「ちっこい奴が何様?オニウゼェっての!」

 

オニキスとサンゴはキャップに攻撃を仕掛けていく。そんな中リコとロイ、そしてこの場にいないフリードとノエルのスマホが鳴り響く

 

『みんな、無事か!?』

「マードック!」

『早く船へ!いま、メタグロスを向かわせ....せせせせせせせせせ』

「マードック、どうしたの!?マードック!」

 

通信が不安定になりマードックの声が届かなくなるとスマホロトムの画面が真っ暗になってしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ、通信が急に!」

 

ブレイブアサギ号にいたマードック達は突然の出来事に驚いていた、そしてその瞬間、ブレイブアサギ号全体の電気が落ちてしまう

 

「停電!?でも一体どうして!」

「みんな、大変だ!」

 

操舵室に慌てた様子でドットが入ってくる

 

「どこからかハッキングを受けてる!」

「なんだって!?」

「このままじゃ、みんなを船に戻したところで」

「逃げられないってわけか」

 

モリーは舌打ちをする

 

「待て、スマホロトムになにか映し出されたぞ」

 

真っ暗だったマードックのスマホロトムに赤い文字が刻まれていく。その内容は

 

『10分だれも船から出るな。さもなければ船を破壊する』

 

といったものだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体なにが起きてるの?」

「クソ、あと少しなのに...!」

 

ロイはブレイブアサギ号がもうすぐそこまで来ているのに帰ることができずにいることに歯がゆさを感じていた

 

「ピカアッ!」

「たくっ、さっさと倒れろ!」

「キョジオーン、”しおづけ”!」

 

2対1ということもありキャップもだんだんと圧され始める

 

「ホゲータもいくぞ!」

「私たちも!」

 

二人はキャップの加勢しようとする。だが

 

「待った」

「「....!」」

 

一人の男性の声に制止され動きを止めてしまう。二人は声がした方を向くとそこには黒いコートを羽織っている赤髪の青年が立っていた。その青年はリコとロイと面識があり特にロイにとってその人物はノエルと同じくらい尊敬し慕っている存在だった

 

レオン兄ちゃん!

 

その名はレオン、数多の偽りの肩書を持つ男。もちろん、その中には...........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り

 

「実に5年ぶりですね」

「うん」

 

ノエルは胸の鼓動が早くなるのを感じながらルアンと会話する

 

「ふふ、緊張しているのですか?」

「まあ...ね。なにしろ5年ぶりだから」

 

違う、考えるな。そんなわけない

 

「PWT、見てくれた?」

「ええ、もちろん。頑張りましたね。我が息子ながら誇りに思います」

「ありがとう。次は絶対に優勝してみせる」

 

うるさい、黙ってくれ

 

「それとね僕いま、ライジングボルテッカーズっていう人たちと旅をしてるんだ。皆さん、とてもやさしい人なんだよ」

「.......」

「あとね、僕に妹と弟ができたんだよ。リコとロイ、あとスグリって言うんだ。3人ともいい子でいま、僕がポケモンバトルのイロハとか教えてるんだ」

「.......」

「あ、ごめんね。僕ばっか話して。母さんはこの5年間何してたの?」

 

聞くな。

 

「そうですね、いまはあるものを作るために色々研究中ですね。日々実験したり現地調査をしたりとわりと充実していますよ」

「そうなんだ、一体なにを作ってるの?」

「...

 

神?え、

 

「あ、ああ、紙か!そうなんだ、現地調査ってあれか、いろんな樹木を見て」

ノエル

「.....ッ」

 

母さんの目が変わった。僕はその目が昔から苦手だ。だってその目には光も、なにも映っておらずただ、闇が広がっているから

 

「貴方にこれを」

「これって」

 

母さんは僕に緑色の結晶がついているペンダントを渡してきた

 

「プレゼントです。親子の久々の再会ということで準備してみました」

「...!ありがとう。でも」

「私たちが再会することがわかっていたのか......ですよね?」

「.....うん」

 

全部お見通しだ。まるで本当に脳みその中を覗かれているみたいだ

 

「全部見ていましたよ。貴方があの日旅立った時も、色々な地方を回ったことも、セキエイ学園での新たな出会いも、エクスプローラーズとの戦いも、そして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェイドが貴方の前から消えたのも

「........ッ」

 

全部、全部見てたんだ

 

「あれは最悪でしたね。PWTの前日に彼は置手紙を残して貴方の前から姿を消した」

「............」

「あの時、貴方は感じたはずです。強い孤独を。それが理由なのか貴方は」

 

違う.....

 

彼ら、ライジングボルテッカーズに心を開いていない

「そんなこと...!」

「自分が完璧だったら、他人に迷惑をかけなければ、誰も自分から離れていかない。そう思っているのでしょう?だから貴方は他人に助けを求めない。そしていつ自分から離れていってもいいように決して相手を深く信頼することがない」

 

違う、違う....

 

「なぜあの日、吐血したとき誰にも頼らなかったのですか?なぜ、いまのいままで自分の病気のことを話していないのですか?」

「それは...」

「貴方は心のどこかで彼らを諦めているのでしょう?まあ、それも仕方のないこと。彼らはあまりにも弱すぎる」

「違う!」

 

違う、違う、違う、絶対に

 

「...まあいいでしょう、この話は置いておいて本題に入りましょう。サーナイト」

「.......サナ」

 

母さんは僕から離れサーナイトの隣に立つ。その瞬間、僕のとなりに勢いよくリザードンが降り立つ

 

「グオオオオオオオ!!!」

「リザードン!」

「予想通り。それにしても」

 

母さんはリザードンをよく観察する

 

「ふふ、私に対し今にも襲い掛かりそうな様子ですね」

「グオオオ....!!!!」

「リザードン、落ち着いて。大丈夫だから」

「サーナイト」

「.....!」

 

僕がリザードンを宥めているとサーナイトの攻撃がこちらに飛んでくる。すんでのところでリザードンが防いでくれたから大丈夫だったけど、なんで

 

「母さん、なんで」

「敵が現れた以上すぐに構えなさい」

「敵ってなんだよ?母さんは敵じゃないだろ。戦う理由が」

いつまで現実から目を背けるつもりですか?

「...ッ」

「ならば戦う理由を与えましょう。私は」

 

やめて

 

エクスプローラーズ特別幹部。つまり貴方の敵です

「.....うそだ」

「いいえ、これは紛れもない事実ですよ。そしてラングレーさんたちトレーナーを攫いエクスプローラーズのソルジャーにしたのも私ですよ」

「......は?」

 

いまなんて言ったんだ?母さんがラングレーさんたちを?

 

「私は彼女たちの心を弄び、エクスプローラーズのソルジャーに作り上げました。まあこれも実験の過程にすぎませんが」

「なに、言ってるの?ラングレーさん、本当に危なかったんだよ?あと少しで本当に」

「死ぬところだった。それがどうしました?むしろ彼女は運がいい。Jのように失敗作にならず処分されずに済んだのですから」

「......もういい

 

ああ、そっか。もういないんだ。あの時の優しかった母さんは。いま、目の前にいるのは母さんじゃない。ただの

 

「ふふ、怒り、失望、憎しみに満ちたとてもいい目です」

「人をなんだと思ってるんだ!リザードン、構えて!ここであの人を止める、絶対に!」

 

ここであの人を止めないと今度はリコ達や他の人たちに危害が及んでしまう...!

 

「グオオオオオオオ!!!!!」

「うおおおおおおお!!!!!」

「さあ、見せてみなさい。貴方達の力を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破壊の時、迫る

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださりありがとうございます!

今回の話と原作の乖離まとめ

1 フリードのリザードンが敗北しボロボロのためまだリコ達と合流できていない

2 レオンによるハッキングによりブレイブアサギ号が無力化。そのためメタグロスが来れない

3描かれてこそいないがダイアナとハンベルが別の場所でバトルをしている。なお使用ポケモンはかつてルアンに弟子入りしている最中に捕まえたポケモン(よかったら当ててみてね)

以上です。







次回、『無力』
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