ではどうぞ!
「戦いの余波がここまで...早く合流しなくては」
アメジオとフリードが戦っているときダイアナはウインディと共に別館にある道具を回収していた
「これでよし。いくよウインディ!」
道具を回収しすぐにでもリコ達と合流しようとするダイアナ。だがそれは一体のポケモンと一人のトレーナーによって阻まれてしまうのだった
「探しましたよ、ダイアナ」
「ハンベル...!」
ダイアナの前に影が広がる。その影の中からは”てづかみポケモン”のヨノワールとエクスプローラーズ幹部、ハンベルが姿を現す
「お目当てのペンダントはなくなったよ。諦めな」
「ええ。長き眠りから目覚めたと聞きました。あのポケモンは我々が迎えます」
「...アンタたち、エクスプローラーズなんだって?」
「話していませんでしたか?」
ハンベルの態度にダイアナは鋭い眼光で睨みつける
「気に入らないねぇ」
「ご理解いただきたいですな」
二人の間に一触即発の空気が流れる
「どうして私たちを狙うのさ。アンタたち、エクスプローラーズは」
「..........」
「ルシアスの仲間だったんじゃないのかい?」
「そこまでご理解いただけているのなら話は早い」
「いいや、まだ理解できていないことがある。ひとつだけ聞かせな」
ダイアナが質問しようとした瞬間彼女の背後の城壁が破壊される。それはまるで彼女の怒りを表しているようだった
「先生、ルアン先生がアンタたちエクスプローラーズの仲間だというのは本当かい?」
「.....ッ」
「さっき私と戦ってたやつが言っていたよ。それにあのサーナイトは間違いなく先生のだ。見間違えるはずがない」
「...そうですか」
ダイアナは拳を強く握りながら言葉を続けていく
「答えな、ハンベル!」
「...事実です」
「......!」
ハンベルの言葉にショックを受けたのかダイアナは後ろに3歩よろめいてしまう
「できるなら貴方には知られたくなかった...」
「なぜだい!?なぜ、あの人は!」
「それは私にもわかりかねます。ただ一つ言えるのは我が主と彼女の宿願は何よりも尊く、私はその願いを果たすために動いているということです」
「そうかい....ウインディ」
ダイアナは持っていた鞄をウインディに託すと懐に入っていたボールを取り出す
「それは...」
「ウインディ、先にリコ達と合流するんだ。そして彼らに私のことは気にしないよう伝えてほしい。いいね?」
「ガウッ!」
ウインディはその言葉に頷き外に向かって走り出す
「そこをどきな」
「そういうわけには参りません。忘れてはいませんか?貴方の孫同様ダイアナ、貴方自身もターゲットであることを」
「最後にもう一回だけ言う。どきな」
ダイアナの最後の警告にハンベルは首を横に振る
「そこをどけ、ハンベル!」
「そういうわけにはいかないと言っているでしょう、ダイアナ.....!」
二人はボールからそれぞれ赤と青を纏ったポケモンを繰り出しぶつかりあう。
時計の針はもう戻らない
「”かえんほうしゃ”!」
「サーナイト」
場所は変わって古城の北端の遺跡。そこではノエルとルアンによる激しい戦闘が繰り広げられていた。サーナイトはピンク色の結界を張り炎を防ぐ
「そのまま打ち続けて!」
「グオオオオオオオ!」
炎は勢いを増しサーナイトの結界を破る
「払いなさい」
「サナッ」
サーナイトは炎を払い直撃を免れるが手には小さな火傷ができていた
「これはどうでしょう?”ムーンフォース”」
「..........」
サーナイトは宙に浮き両手で超巨大なエネルギー球を作り出す。それにより周りの景色もエネルギーの色に染まっていく
「サナァ!」
サーナイトは手を振り下ろしリザードン目掛けて巨大なエネルギー球を放つ
「リザードン、”フレアドライブ”!」
「グオオオオオオオ!!!!!」
リザードンは烈火を纏いエネルギーに向かっていく
「グオ...オオオオオオ!」
「貫け!」
炎はエネルギーを全て焼き尽くしそのままサーナイトに向かいそのまま貫く
「サナァアア...!」
「.........!」
「このまま一気に決める!”ちきゅうなげ”!」
ダメージを食らったサーナイトをリザードンは全身でがっちり掴みそのまま地面へと急降下し大きな爆発音が響く
「決まったか?」
立ち上った土煙が晴れるとそこにはリザードンの姿しかなく、サーナイトはルアンの前に佇んでいた
「”テレポート”...」
「その通りです。サーナイト、力を少し解放しなさい」
「サナ」
サーナイトは頷くと右手をリザードンに向ける。その瞬間サーナイトはリザードンの前に瞬間移動し頭を掴み地面に叩きつける
「リザードン!」
「まだまだいきますよ」
地面に叩きつけられたリザードンの頭をサーナイトは再び掴みテレポートをし今度は石柱に叩きつけ、そしてまた頭を掴み今度は木の幹に叩きつける。このようにサーナイトは瞬間移動を駆使しリザードンに反撃の機会を与えず着実にダメージを与えていく
「どうしました?このままでは負けてしまいますよ」
「身を守るんだ!自分に”かえんほうしゃ”」
「甘い。”サイコキネシス”で炎を消しなさい」
自身に炎を纏わせ身を守ろうとするがサーナイトの超能力によって炎は霧散し再び攻撃が始まる
「グオ...!グオッ!グオオオ!」
「くっ、このままじゃ...」
為すすべなく攻撃をうけるリザードンの姿を見てノエルの表情は焦りがにじみ出る。だがこの瞬間ノエルのトレーナーとして養われてきたバトル眼が見事な働きを果たす
(ここだ...!)
ノエルはサーナイトの隙ともいえない隙を捉えそこにかけることにする。サーナイトがリザードンの頭を掴みテレポートをした瞬間
「リザードン、フルスピードで駆けあがれ!」
「....ッ、グオオオオオオオ!」
「サナ...!」
サーナイトの隙、いや本来隙ともいえないものだがサーナイトは”テレポート”を発動した瞬間0,4秒ほどの硬直時間がある。ノエルはそれを見逃さずタイミングを合わせリザードンに指示を出し蹂躙から脱出させることに成功した
「いくよリザードン!」
ノエルはキーストーンに触れる。その瞬間リザードンが光に包まれる
「頂きへの道を拓け、メガシンカ!」
「グオオオオオオオ!!!!!」
光が収まるとリザードンはメガリザードンXへと姿を変え咆哮する
「この技でケリをつけるよ!」
「グオ!」
勝負を長引かせれば再びルアンのペースになると考えたノエルは新技でケリをつけることにする。この技ある少年のカイリューの技から着想を得たものでそのカイリューは既存の技を自分だけの形に応用しより強力なものにしていた。その動画をみたノエルとリザードンはPWTが終わったあと密かに自分たちだけのオリジナルの技を開発していた。だがこの技の成功率は2割を下回っており今までの旅で出会った強敵たちに対しうかつに使うことができなかった
(危険だけどこれで一気に決めるしかない!)
「さあ、見せてみなさい。貴方の全力を」
「”フレアドライブ”!」
「グオオオオオオオ!」
リザードンは青い炎を纏う
「リザードン!」
「...ッ!」
そしてリザードンはその燃え上がる青い炎全てを右腕に込め圧縮する。だが全身から湧き出る炎のエネルギー全てを右腕一本に集約し圧縮しているためリザードンの腕は反動に耐えられておらず右腕はプルプルと震えてしまっていた
「いけ!」
リザードンはサーナイトに突っ込んでいく
「サーナイト」
「サナ!」
「グオオオオオオオ!」
一方サーナイトは5枚のサイコパワーを込めた結界を張り迎え撃つ。だがその結界もリザードンの拳によって全て砕かれていく。そしてその拳は青く光り辺りが爆炎に包まれる
「...すばらしい」
「.......」
「その子もそして貴方もよくぞここまで成長しました」
ルアンは素直にノエルとリザードンに称賛する。先ほどとは違い彼女の目には慈愛に満ちており母親が子供を褒める時のものだった
「とてもうれしく思います。貴方の成長をこんな近くで見れるなんて」
「母さん...」
「ただ」
その言葉と同時にルアンの目が先ほどの暗く冷たい目に戻る。その瞬間、あたりの炎が一瞬の内に消え去る。するとそこにはリザードンの拳を片手で受け止めているサーナイトの姿があった
「まだ足りない」
「そ、そんな。成功したはずなのに」
技は成功した。だがそれでもサーナイトには傷一つ負わせることができずノエルは動揺する。そしてサーナイトは自身の腕力だけでリザードンをノエルの元まで投げ飛ばす
「貴方達に敬意を表し私たちも全力でこたえましょう。サーナイト」
「サナ」
ルアンは自身の指輪についているキーストーンに口づけをする。その瞬間サーナイトは光に包まれる
「極光よ、全てを照らせ」
「サナアアアアア!」
「メガシンカ」
光が収まると白いクリノリンスタイルのドレスを身につけたような姿となり一層美しくなった、メガサーナイトの姿がそこにあった
「メガシンカ...」
「ひとつアドバイスをしましょう」
ルアンは人差し指を立てノエルに語り掛ける
「ポケモン、その正式名称はなにかご存じですか?」
「ポケットモンスター」
「そのとおり。そう、その名の通りポケモンとはモンスターの一種。見た目が凶悪であっても可愛らしくとも、大きくとも小さくともその根本は変わりません」
ルアンは淡々とそう語っていく
「モンスター。本来我々人類が制御できないはずの存在がいまこうして私たちの指示に従って戦っている。ですがそれにはある代償があると私は考えました」
「代償?」
「力の抑制。私たちとの生活により持っていた力を無意識に制御してしまう...つまりなかった限界を定めてしまうのですよ。そしてその要因はトレーナーであると私は考えます」
「母さん、貴方は一体なにを」
「貪欲になりなさい。トレーナーもポケモンもそれぞれ自分たちの強さに限界を定めてはなりません」
「.........!」
予想だにしなかった母親からのアドバイスにノエルは目を見開いてしまう
「見せましょう。枷を外したポケモン本来の力を」
「サナ!」
「”サイコキネシス”」
「サナアアアアア!」
「グオ...!」
「なにが起こってる...!」
サーナイトが力を解放するとあたりが揺れ始める。すると地上のいたるところが隆起し山と見まがうような巨大な18本の岩柱が生成されリザードンを囲む
「......」
あまりの光景にノエルは立ち尽くしてしまう。これまでフィールドを利用してくるトレーナーとは何度もバトルしてきた。だが目の前の光景はそんなレベルではなくあまりに規格外だった
「さあ、限界を超えなさい」
「.......!」
サーナイトが両手を合わせると18個の山は灯火たちを無情にも飲み込んでいくのだった
場所は移り古城の中庭
「レオン兄ちゃん!」
そこではリコ、ロイ、キャップがエクスプローラーズの幹部二人と向かい合っていた。そんな中リコたちの背後からレオンが現れる
「やあ、久しぶりだねリコ君。そしてロイ君」
「.....ッ!」
ロイは嬉しさのあまりにレオンに抱き着く
「ははっ、旅をして立派になったと思ったら甘えん坊なのは変わらないか」
「そうだよ!あの時何も言わずに島から出て行っちゃってさ~!」
「すまない、あの時は仕事が立て込んでいたんだ」
「それはわかってるけど...だってレオン兄ちゃんは警察官なんだよね」
ロイは拗ねた様子でそういう
「ああ。そして今日も仕事でここに来たというわけさ」
「もしかしてエクスプローラーズを?」
「いや、仕事とは言ったけど今日は別件でね。今の私は警察官じゃないんだ」
「え?」
リコの問いにレオンは笑顔で答える。すると素早い動きでリコからテラパゴスが入ったカバンを奪い去り前へと歩いていく
「パアゴ!」
「え、....え?」
「なにしてんだよ、レオン兄ちゃん....」
「さっすが~!レオンちゃん!」
「.....は」
レオンの行動にエクスプローラーズであるサンゴが称賛の声をあげる
「どういうこと、なんであいつらが兄ちゃんのことを」
「まだわかんねーの!?アンタのいうレオン兄ちゃんは敵!エクスプローラーズなんだよ!」
「う、嘘だ!レオン兄ちゃんは国際警察でお前たちを逮捕しに」
「哀れな。聞け少年」
オニキスがロイに語り掛ける
「まずこの世にレオンと言う男はいない」
「どういうこと...」
「そろそろ種明かしをしたらどうだ?いつまでも子供を騙し続けるのは忍びない」
「やはり君は真面目だな、オニキス。肩書が多いと苦労することも多い。ならいま、ここで一つ捨てるとしよう」
「ガオオオ!」
レオンはロイに振り向きカエンジシをボールから出す
「私は、フラダリ。エクスプローラーズのマスターソルジャーだ」
「レオン兄ちゃんがエクスプローラーズ...」
「それにフラダリって数年前カロス地方で行方不明になったっていうフレア団のボス...!」
リコとロイはレオンの正体を知り動揺する。特にロイにいたっては目に涙を浮かべていた
「あー、かわいそ、アイツ泣いちゃったじゃん。オニウケる」
「フン...」
「ひどい...!ずっと、ずっとロイを騙してきたんですか!?」
「ああ、そうなるな。まあ、もしロイ君が分不相応の夢の為にライジングボルテッカーズに入らなければこうはならなかったかもしれないがね」
「なんですって...!ロイは」
「うおおおおおおおおお!」
「ロイ!」
ロイは涙を流しながら叫びホゲータに指示を出す
「ホゲータ、”かえんほうしゃ”!」
「ホンゲエエエエ!」
「ふっ、カエンジシ」
ホゲータの炎をカエンジシは食らう
「ロイ...」
「...今はテラパゴスを取り返そう」
「でも、」
「リコ、今はもうそれだけしか考えられない。じゃないと僕...!」
「...わかった」
ロイは拳を強く握り涙を必死に抑える。その姿を見たリコは決心しニャオハと共にフラダリと向き合う
「ニャオハ、”このは”大波で!」
「”とっしん”!」
「最初から全力でかかる。...いい判断だ」
葉の波とホゲータがカエンジシに迫る
「カエンジシ、”このは”ごとニャオハを焼き尽くせ」
「グルアアアア!」
「二ャ!」
「ニャオハ!?」
カエンジシが放った炎は葉の波を全て灰にしそのままニャオハに直撃する
「ホンゲエエエエ!」
「......やれ」
カエンジシはフラダリの意図を汲んだのか頷く。そして突進してくるホゲータをかわし前足でまるで圧倒的な差を見せつけるが如くホゲータを思い切り踏みつける
「ホンゲエエエエ.....!!!!」
「ホゲータ!」
ホゲータはあまりの重さに痛々しい声をあげる。それもそのはずホゲータとカエンジシの体重の差は約70キロもあるのだ
「ホゲェエ....ホゲエエエエ.....!」
「うわあ、えげつな...」
「.........ッ」
ホゲータの骨が軋む音が辺りに響く。その音と光景を目の当たりにしたサンゴはフラダリにドン引きしておりまたオニキスはやり方が気に入らないのか嫌悪感を露わにしていた
「やめろ!」
「ホゲータを離して!”でんこうせっか”!」
「二ャアア!」
「ピカァ!」
ホゲータを救出すべくキャップとニャオハがカエンジシに攻撃をしかける
「”バークアウト”」
「グルアアアア!」
「二ャ!?」
「ピカッ...!」
カエンジシから放たれる衝撃波に2体は吹き飛ばされる。キャップはなんとか立つがニャオハ先ほどのダメージもありその場で倒れてしまう
「これで残るはピカチュウとその子だけ」
「ホンゲエエエ....!」
「ピッカ!」
「まだそれだけの速さで動けるとは大したものだ。ならば行動を制限しよう」
「ピカ...!」
カエンジシはホゲータから一度足をどかす。その代わり口でホゲータを咥えそのままキャップに放る。迫る来るホゲータを受け止めるべくキャップは動きを止めてしまいその隙をカエンジシは見逃さすキャップの背後にまわり渾身の”すてみタックル”を決める。キャップはリコの元まで吹き飛んでしまう。そして再度ホゲータを足で拘束するのだった
「さて万事休すだな」
「そんな...!」
「新たにポケモンを出し勝負を継続しても構わないがその子のようになるのが関の山....とは言わなくてもわかるか」
「........ッ」
ロイはカイデンの入ったボールを下げる。圧倒的だった。全ての攻撃がここにいる全員の気力を削ぎそして最後はポケモンだけでなくトレーナーの戦意まで消してしまう。そうこれはバトルではなくただの蹂躙だった
「パアゴ!」
フラダリの行いにテラパゴスは怒りの声をあげる
「そう怒るな、私とて大人だ。子供になんのチャンスを与えずただ痛みつけるのは格好がつかない.......ロイ君」
「な、なに...?」
「君にチャンスを与えよう」
フラダリは優しい声でロイに語り掛ける
「チャンス...?」
「ああ。君はただ選べばいい」
テラパゴスが入ったリュックを前に差し出しロイに問う
「このままテラパゴスを渡してくれればこのホゲータを解放しよう」
「....!」
「もちろん、無理にとは言わない。もし断るなら私はこのリュックを置きこの場を去る。だがそのときは」
「グル...!」
「ホンゲェエエエエ!!!!!!」
「ホゲータ!」
先ほどよりも痛々しい声がロイの耳に響く
「はぁ~?」
「何を勝手なことを!我々の任務はそのポケモンの回収のはずだ!」
「残念ながらその任務は私たちがここに着いた瞬間無くなった」
「なに...?」
フラダリが自らのスマホロトムをオニキスに投げる。その画面を見たオニキスは舌打ちをしスマホロトムを投げ返す
「この場は私たちに一任された。君たちは彼の指令通り撤退したまえ」
「ざけんな!いきなり横やり入れてきた分際で撤退しろだ!?」
「ああ。これに関しては俺も容認できん...!」
「ならばギベオンに歯向かうと?」
その言葉に二人は忌々し気な顔をしフラダリを睨む
「黙ってみていろ。見学ぐらいは許可しよう」
「チッ...!」
「すまない、邪魔が入った。その詫びに10秒あげよう。どちらか選んでくれ」
「そんなの...!」
選べるはずがなかった。テラパゴスはリコとダイアナの、そしてホゲータはロイの大切な存在だ。それを天秤にかけどちらかを捨てなければならない、それはロイにとってこの上ない苦行だった
「10、9、8」
「選べるわけ...!」
ロイの心は限界で目から涙がこぼれる。だがそれでもフラダリの冷酷ともいえるカウントダウンは進んでいく
「7,6,5....どうした選ばないのか?ということはテラパゴスを渡すということでいいのかな?」
「ま、待って!」
「では、自らの相棒を諦めると?」
「ホ......ゲ.....」
「ホゲータ!」
「こんなのあんまりだよ...!」
「4...3....2...」
カウントダウンが進み。そして
「......1」
「やめろおおおおおお!」
ロイはその場で地面に頭をつける
「やめ....て...ください」
「.............」
「ロイ...!」
「ピカァ...!」
ロイは涙を流しながら懇願する
「お願いします...!ホゲータもテラパゴスもどっちも大切なんです...!僕にはとても選べません」
「.......下衆が」
フラダリは怒りを露わにしホゲータを蹴り飛ばしロイにぶつける
「戦いの最中に敵に情けを乞うとは...!実に醜い」
怒りが収まらないのかフラダリは自身の髪を力強く握る
「これは戦いだ、子供がやっているごっこ遊びではない!にもかかわらずお前はなんの覚悟も持たずここに立つ!失う覚悟、傷つく覚悟、相手を潰す覚悟、お前には何もない!そんなお前がどうしてポケモントレーナーを名乗っている?どうして夢を語る!?」
「あ.....」
「はあ、はあ、はあ...」
フラダリは落ち着きを取り戻し心底軽蔑した目でロイを見る
「覚悟無き弱者を見ていると反吐がでる」
『ください...」
『なんで、くれないの?』
『なにもくれない貴方なんて...』
『よこせ!』
『『『はやく、よこせ!』』』
「くっ...!」
フラダリの頭の中に過去の光景がフラッシュバックする
「カエンジシ、”やきつくす”!」
「グルアアアア!」
「ロイ、ホゲータ!よけて!」
「............」
「消えろ!」
全てを焼き尽くす炎がロイとホゲータを飲み込もうとする。だがロイは足がすくみ動けないでいた
「せめてホゲータだけでも....!」
「ダメ!」
ロイは全身でホゲータを抱きしめ炎から守る
「ホゲータ、ごめんな...」
「ロイーーーーー!!!!!!!!!」
そして炎は二人を飲み込んでしまう
「そ...んな」
リコはその場で膝をつき思い知らされる自分たちの無力さを。ここに来るまでたくさんのことを経験し大きく成長してきた。だがそれでも自分は仲間を助けられなかった...その事実のみがリコの肩に重くのしかかる
「そのまま燃え尽きろ。全ては君の...」
「グオオオオオオオ!!!!!!」
「「「「..........!」」」」
突然の炎の中から咆哮が轟く。その瞬間、ロイ達を囲っていた炎は消し飛びそこにはロイを抱えたノエルと黄金の炎を纏うリザードンの姿があった
「..................」
「兄ちゃん....来てくれたんだ....」
「お兄ちゃん!」
「二ャー!」
ノエルたちの登場によって表情を崩すリコ達。それとは裏腹にノエルはずっと無表情でありただ一点、フラダリだけを睨みつけていた
「彼がここに来たということは...」
『ロトロトロト』
フラダリにルアンからの連絡がはいる
『あとはお任せしますよ』
「了解だ」
『...最初から全力でいくことをお勧めします。では』
そういいルアンは通信を切る
「まったく...」
「見つけた」
そうノエルがつぶやくと全身から緑色のオーラがほとばしる。それと同時にリザードンの炎もさらに燃え盛る
「お前だ。お前が皆を....憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い」
「まさか...!」
「お前も弱い僕も全部.....全部」
「計画と違うぞ!もうフェーズ2に進んでいる...!」
ノエルの目から光が消える
「燃やし尽くせ!リザードン!!!!!」
「グオオオオオオオオオ!!!!!」
この瞬間ノエルとリザードンの感情がリンクする。その感情は「怒り」.......全てを灰にする憤怒の炎。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!」
いま、破壊が目覚める。
「因果焼却計画、フェーズ2スタート」
ルアンはその炎を見て笑みをこぼす
器の完成度が20%を超えたため因果焼却計画、フェーズ2に移行します
なおこの完成速度はこれまでの....と比べて約1.67倍のほど
データ更新。第四特異点が接近、接近...................
ブレイブアサギ号......およそ2分半ほどで行動を再開する
イラストはPicrewさんの「証明々(顔)」 https://picrew.me/share?cd=zwl8oxrpRV #Picrew #証明々顔を使わせていただきました