ポケットモンスター 覇者への道   作:鴨凹

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前回意外と燃え尽きているとほざいていましたが忘れてください。なんとノエルのファンアートをもらっちゃいました!それでモチベがいまやべぇっす。本当にありがとうございます!もし掲載してもいいのならメッセージをお願いします!皆様に見せたいぐらいすんばらしいので........



では、本編スタートです!

.......おや、ノエル。3体のポケモンを入れ替えたみたいですね




まだ見ぬ冒険へ

「熱もないし心臓の動きも正常。朝の検査はこれで終わり」

「ありがとうございます」

 

翌日、ノエルは医務室で朝の検診を受けていた。特に異常は見られずノエルの顔色も昨日と比べてだいぶよくなったためモリーはひとまず安堵する。そして二人はそのまま朝食をとりにミーティングルームに向かうのだった

 

「おはようございます」

「「「「おかわりっ!」」」」

「はいよ!」

 

ノエルが部屋に入るとダイアナ、リコ、ロイ、ドットのおかわりコールが響く。ロイはともかくリコとドットがおかわりすることは今までなかった。そのためマードックは今起きた出来事(特にドットがおかわりしてくれたこと)が嬉しくテンション高く返事をするのだった

 

「よう、おはよう」

「おはようございます。それにしても朝からすごい元気ですね。リコが朝ごはんをおかわりするなんて珍しいし、ドットさんが一緒に食事をとるのだって初めてじゃないですか?」

「あの3人起きた時からすごい気合が入っていてな」

 

リコ、ロイ、ドットの3人は無言で食べ物を口に運んでいく

 

「マードック、ノエルが来たよ」

「おお、おはよう!朝飯できてるぞ」

「わあ....!」

 

マードックはもう一つの鍋から卵粥を掬う。その卵粥は黄金にキラキラと輝いておりごま油のいい匂いがノエルを襲い、たまらずノエルは声を出してしまう

 

「すごく美味しそうです」

「いっぱい食ってくれ。これはお前だけに作ったものだからな」

「...わざわざすみません。手間を」

「手間なんか思っちゃいないさ。俺はただお前に美味しいものを食べてはやく元気になってほしいだけだ」

 

マードックは腰に手を当ててそういう

 

「ほら、早く食べないと冷めちゃうぞ」

「ありがとうございます。いただきます!」

 

ノエルは座り卵粥を口に放り込んでいく

 

「おいしい!」

「はは、それはよかった!」

「どれ、俺も味見を」

「待て、これはノエルのための鍋だ!」

「えっと、こんなにいっぱいはさすがに食べきれないかもしれないので.....あ、そうだ」

 

ノエルはスプーンにお粥を乗せフリードに渡す

 

「お、サンキューな。それじゃあいただき.......あれ?」

「え......」

 

フリードが持っていたはずのスプーンが消える

 

「うんま!マードック、アンタまたウデあげたんじゃない?」

「ああ!俺の!」

「悪いね。あまりに美味そうだったから....ノエル、ありがと」

 

オリオはノエルにスプーンを返す。するとノエルの右肩をリコが軽くつつく

 

「お兄ちゃん.....」

「どうしたの?」

「私にも...」

「え、ああ、いいよ。はい、あーん」

 

ノエルはリコの口にお粥を運ぶ

 

「美味しい!」

「だよね。あまりの美味しさに.............すぐに食べ終わっちゃうよ」

「「「「はやっ!」」」」

 

あまりの食べ終わるスピードにリコ、オリオ、フリード、ダイアナは声をあげる

 

「あ、ごめんなさい。はしたなかったですね」

「違う。そこじゃない」

「いま、食材が消えた...?」

「こっちも世界トップレベルってわけかい...」

 

食材が目の前から消えるという光景を見た者たちは驚きを隠せないでいた

 

「こら、アンタ病み上がりなんだからもっとゆっくり食べな」

「すみません。.....おかわり、ダメですか?」

「........ゆっくり食べるならいいよ。あと私にも一口」

 

こうしてライジングボルテッカーズの騒がしくも賑やかな時間が流れていく

 

「テラパゴス?」

「どうした?」

「ポケモンフーズを一口も食べてない」

 

そんな中リコはテラパゴスがポケモンフーズを口につけることなくただ眺めていることに気づく

 

「本当だ。お腹空いてないのかな?」

「それとも口にあわなかったとか?」

「いや、そもそも量がまったく減ってないな。多分一口も食ってないぞ」

 

皆が頭を悩ませているとドットとノエルがあることを考え付く

 

「ねえ、ノエル」

「うん。多分考えていることは同じだと思う」

「まだ余ってたりする?」

「ヒメリの実とマトマの実があるけど...」

「圧倒的前者の方で」

「わかった、取ってくるよ」

 

ノエルは一度部屋に戻りあるものを取ってくる

 

「パアゴ?」

「これよかったら食べてみて、ドライヒメリの実だよ」

「.....パアゴ!」

 

テラパゴスは匂いを嗅ぎ一粒食べるとお気に召したようでノエルの手に乗るヒメリの実をあっという間に平らげてしまう

 

「ふふっ、テラパゴス。こっちを見て」

「パゴ?」

 

今度はノエルがテラパゴスのポケモンフーズを一粒つまみそのまま口に放る

 

「美味しい。これはチーゴの実の果肉が入ってるのか」

「......パアゴ」

 

ノエルの様子を見たテラパゴスはポケモンフーズを口に運んでいく

 

「食べた!」

「でもなんで?」

「多分ポケモンフーズを知らないんだよ。ずっと眠ってたわけだし」

「そっか...!」

 

テラパゴスは何年も眠っていたためポケモンフーズを含める現代の代物を何も知らない。そのためテラパゴスはポケモンフーズを食べるのに躊躇いがあった。だがそれをノエルは自分を使ってテラパゴスに安全性を示したのだ

 

「私、この子のこと全然知らないな。もっと観察しなきゃ」

 

リコはセキエイ学園でニャオハをもらった時のような気合を見せ、さっそくリコは自身のスマホロトムにメモをしていく

 

「テラパゴスはお兄ちゃんのドライ木の実が好き」

「パアゴ!パアアゴ♪」

「わかったわかった。それじゃあおはよう記念だ。これ全部あげるよ」

 

ノエルは袋に入っていたドライヒメリの実を全てテラパゴスのお皿に入れる。だがそれを周りのポケモンたちはじっと見つめる

 

「パアゴ...」

「皆で食べたらもっと美味しくなるよ」

「....パゴ」

「「「...........!」」」

 

テラパゴスは自身のお皿をポケモンたちの中心に置き仲良く木の実を分け合うのだった。そのおかげでテラパゴスは周りのポケモンたちとすっかり打ち解けたようだった

 

「ごちそうさま!それじゃあ僕、ウィングデッキで特訓してくる!」

「僕も行ってくる」

「私はテラパゴスに船を案内してあげたいから先に始めてて!」

「わかった!」

「ちょっと待った」

 

ロイとドットは席を立ちすぐにウィングデッキに行こうとするがそれにダイアナは待ったをかける

 

「特訓もいいけど、その前にアンタたちは知っておくべきだ。テラパゴスと六英雄、そしてルシアスのことを」

「「........!」」

 

その言葉に全員が反応しドットもロイも席に座る。ダイアナは古くそしてどこか気品のあるベルトとだいぶ年季が入っている手記を机の上に置く

 

「これは」

「ルシアスの手記と彼が使っていたベルトさ。そしてこれが....ルシアスと絆を結んだポケモン、テラパゴス本来の姿さ」

 

ダイアナは手記を開き全員に見えるように机の真ん中に置く。だがその手記を見て全員がテラパゴスに違和感を覚える

 

「なんかちょっと違くない?」

「多分まだエネルギーが足りないのかもしれないね」

「エネルギーですか?」

「ああ。もしかしたらエネルギーが貯まればこの手記に書かれている姿に変わるのかもしれない」

 

エネルギー、この言葉にリコはあることを思いつく

 

「もしかして六英雄?」

「確かにまだテラパゴスがペンダントだった頃、オリーヴァやファイヤー、そしてレックウザと出会ったときに輝きを放っていたな。そしてファイヤーと出会ったときにエネルギーが一定まで貯まったからこうして姿を現すことができたってことか」

「おそらくね。残りの六英雄に会えばもしかしたらエネルギーが貯まり本来の姿と力を取り戻せるかもしれない」

「当分の目標は決まったな」

 

六英雄を探す。これがライジングボルテッカーズの当分の目標に決まった

 

「六英雄を探すのはいいが残りは一体どんなポケモンなんだ?」

「それはね...フリード」

「はい」

 

フリードは自身のタブレットロトムをプロジェクターに繋ぐ。するとラプラス、エンテイ、レックウザ、そしてバサギリというポケモンの姿が映し出される

 

「ダイアナさんの話を聞いて俺もルシアスの謎を追いたくなってな、六英雄について調べてみたんだ」

「じゃあこの4体が」

「ああ。残る六英雄だ」

「みんな強そう...!」

 

残る六英雄を見てロイは興奮を抑えられないでいた。だがノエルは一体のポケモンの姿を見て顔を曇らせる

 

「エンテイって確か伝説のポケモンだよな」

「いつもどこか駆けまわってるって聞いたことあるね」

「ああ。正直遭遇できる確率はかぎりなく低い」

「このバサギリって?」

「シンオウ地方がまだヒスイ地方と呼ばれていたころに生息していたポケモンです。そしてその地方の特殊な鉱石に触れたストライクが進化後の姿と言われています。しかし」

「しかし?」

 

ノエルは言いにくそうに言葉を詰まらせるがフリードに促され口を開く

 

ここ50年一度も遭遇されていないことから2年前、ポケモン特別環境研究所はバサギリの絶滅を発表したんです

「絶滅!?」

「その証拠にバサギリの写真だけ白黒だろ?それにここ」

 

フリードはバサギリの写真の右下に指を指す

 

「これって70年前の写真じゃないか!?」

「それにポケモン特別環境研究所って多くの研究と論文で賞をもらっているところだったはず。そこが絶滅を発表したと考えると...」

「今はバサギリに関する手掛かりは0。だから他の六英雄を探すべきだと思う」

「ダイアナさんのの言う通りだな」

 

バサギリの手掛かりは全く0。そのため一行は他の六英雄を探すことにする

 

「だったらレックウザから探そうよ!」

「お前な、こういうのはちゃんと作戦を考えて順番にいくのがセオリーなんだぞ?」

「早くレックウザに会いたい気持ちはわかるけどここはまず情報を集めて確実に少しずつ進んでいこう」

 

ノエルとフリードに説得されロイはしぶしぶ頷く。するとドットのスマホロトムから音が鳴る。彼女はスマホロトムを開き画面を見る。少し考えたあとに彼女はロイにスマホロトムの画面を見せる

 

「ドット、なにこれ?」

「このガラルでレックウザの目撃情報が相次いでいる。そして映っているのが目撃された場所の座標、ワイルドエリアに固まってる」

「それって...」

「まだガラルにいる可能性があるってこと。だけど」

「だけど?」

「多分この情報はほとんどがフェイクだと思う」

「え!?」

 

画面には7つの座標が映っていた。だがドットはそのほとんどまた、全てがフェイクの情報なのではないかと考える

 

「確証はないけどいくらなんでもできすぎてる。多分これもやつらの手なんじゃないかな?」

「エクスプローラーズ...確かに一人心当たりのあるやつがいるな」

 

スピネル。この男の顔がメンバーの頭によぎる。だがそれを加味しても確認のためにワイルドエリアに降り立ちたいとロイは言う

 

「もしこれがエクスプローラーズじゃなく本当の情報だったらすごいもったいないよ」

「...でも」

「ねえ、フリードもそう思わない?」

「........そうだな、慎重になりすぎて雁字搦めになっちまうのは俺たちらしくない」

「だったら...!」

 

フリードの言葉にロイは目を輝かせる

 

「だがドットの言う通り俺たちはいま慎重に動かなければならない時でもある。だからワイルドエリアには長居せずその情報がフェイクだった瞬間すぐに立ち去ろう」

「...わかった。じゃあ僕の別のアカウントでこの情報提供者にコネクションを取ってみる」

「ああ、頼む」

 

こうして次の目的地はワイルドエリアに決まった。一連のやり取りを見ていたダイアナは軽く笑い声をあげる

 

「すみませんダイアナさん、話の途中で長々と」

「いいや、見ていて楽しかったから気にしないでおくれ。それじゃあ続ぎを話そうか」

 

ダイアナは手記を手に取りその中から男性が写っている古い写真を取り出し机に置く。そしてこの男性を見たガラル鉱山に行ったメンバーは目を見開く

 

「この人は...!」

「リコ、ロイ、フリード、ノエル。アンタたちはガラル鉱山で人影を見たと言っていたね。それはこんな人じゃなかったかい?」

「うん!間違いないよ!」

「なるほどね。六英雄と共鳴することでテラパゴスが見た景色と記憶が具現化されたということか」

「それじゃあやはりこの男性こそ...」

「ああ、古の冒険者ルシアスだ」

 

ルシアス、六英雄、テラパゴス。この三つの謎を少しではあるが解き明かすことができた。このことにここにいる面々は大きな喜びを感じるのだった

 

「さっきも言ったが六英雄に会い、記憶と力を取り戻せばきっとラクアへの道が開かれる。かつてルシアスが導かれたように」

「ラクアって...前フリードが話してた楽園って呼ばれていた場所だったよね」

「パアアアゴ!パアアアア!」

「テラパゴス!?」

 

ラクア、そしてルシアスという言葉に反応したのかテラパゴスは大声で鳴き始める。そこでリコは一つの仮説を導き出す

 

「もしかして、この子ルシアスに会いたいんじゃないのかな?」

「それで鳴いてるってのかい?」

「ラクアに行けばまたルシアスに会えると思っているのかも」

「残念ながら手記にはラクアの場所は記されていないんだ。それにルシアスは100年も前のトレーナー。会いたくてもね...」

 

100年前のトレーナーが現在も生きている確率......そんなもの皆分かっている。だからこそ憐憫の視線がテラパゴスに注がれる

 

「でも....それでも私はこの子の望み、叶えてあげたい」

「リコ...」

「例えルシアス会えなくても何か残っているかもしれない。だから」

 

リコの目にこれまで見たことのないような光が宿る

 

「ルシアスとの思い出の場所、ラクアに。私はこの子を連れていく」

「.....ふふ」

 

ダイアナは嬉しかった。最後に会った時リコは内気で自分の思っていることをいつも隠しており、なにより目が弱かった。だがどうしたことか今自分の孫はこんなにも強い輝きを目に宿している

 

「だから...」

「「「「「「「一緒に行こう」」」」」」」

 

リコが聞く前にライジングボルテッカーズ、全員が頷く

 

「俺たちは仲間だ。仲間が本気でやりたいってことは全力でサポートする。皆も思いは同じだ。だろ、お兄ちゃん」

「リコ...」

 

ノエルはリコに手を伸ばす

 

「一緒に行こう」

「うん!」

 

リコは笑顔でノエルの手をつかむ

 

「リコ、これを」

「これってベルト?」

 

ダイアナは机に置いていたベルトをリコに差し出す

 

「これはルシアスのベルトでね六英雄のモンスターボールが収まる。これはリコが持つにふさわしい。.......おばあちゃんから受け継いでおくれ」

「これがルシアスの」

 

リコはベルトを手に持つ。だがそのベルトからはある重さを感じられた

 

(重い。まるでルシアスとおばあちゃんの冒険に対しての思いとか思い出がこの手に乗っているような)

 

二人の冒険者の思いや思い出を一身に感じるリコ。そんな彼女を見てダイアナは頷く

 

「さあ、リコ」

「うん...」

 

リコはオリーヴァとガラルファイヤーの入った古のモンスターボールをベルトについているボールケースに入れそのままベルトを装着する

 

「おお...!」

「どう...かな?」

「かっこいい!すごい似合ってるよ!」

「ありがとう。....お兄ちゃん、似合ってる?」

「うん、とっても」

「...えへへ」

 

リコは照れくさそうに笑う

 

「それじゃあいっちょこれからの冒険に気合いれるため、あれやるか!」

 

フリードは席から立ち上がると拳を握った右腕をテーブルの中央に伸ばす。それに続くようにその場にいた全員が円を作り腕を伸ばした

 

「一致団結!ライジングボルテッカーズ、レックウザの元へ」

「「「「「「「GO!!!!!!!!!!!」」」」」」」

 

ライジングボルテッカーズはいつものハンドサインを行い、これからの冒険に気合を入れていくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クワッス、回転しながら”みずでっぽう”!」

「クワアアアア!」

「ニャオハ、”でんこうせっか”で避けながら近づいて!」

「二ャアアアア!」

 

ミーティングが終わり、リコ、ロイ、ドットの3人はウィングデッキに登り特訓をしていた。これからの冒険、なによりノエルの負担を少しでも減らすため昨日3人はドットの部屋であるトレーナー3人のバトル映像を見て勉強していた。ドット曰く「バトルの基礎はノエルやカブさんに教わってある程度は身につけているけど僕たちには自分たちのバトルを見つけるためのお手本が必要」ということで、3人は自分の理想のバトルスタイルのお手本になる人物を夜遅くまで探していたのだ。そしていまそれを実践している最中なのである

 

「二ャア!」

「”みがわり”でかわすんだ!」

「二ャ!?」

 

クワッスは自身の分身を盾にし身を守る。一方ニャオハは分身を攻撃した直後ということもあり大きな隙をクワッスに晒してしまう

 

「ここだ、”アクアブレイク”!」

「クワアアアア!」

「ニャオハ、その場で一回転!」

「クワッ!?」

 

だがニャオハも負けじと自身の身体能力と柔軟性をフルに活かし攻撃を回避する。そして今度は大ぶりの攻撃を放ったクワッスが大きな隙を晒してしまう。リコはそれを見逃さなかった

 

「今だよ、”このは”塊、連続で!」

「二ャアア!」

「クワッ、クワッ、クワアア!」

「クワッス!」

 

クワッスの横腹にニャオハ最速の葉の弾丸がクワッスに命中する。そして効果抜群の技を連発で受けたこともありクワッスはその場で倒れてしまう

 

「クワッス、戦闘不能!ニャオハの勝ち!」

「やったね、ニャオハ!」

「クッソ、やっぱり実戦経験が違いすぎた...」

「すごいよ、ドット!まさかここまでギリギリな戦いになるなんて」

「そうだよ、僕たち兄ちゃんとカブさんに特訓をつけてもらってたのに...」

 

結果でこそドットは負けてしまったが試合を動かしていたのは常にドットだった。そのためリコ達とドットの間には大きな実力差などなく実戦経験の差がこの勝負の命運を分けたといえるだろう

 

「僕も二人が冒険に行ってる最中何もしてなかったわけじゃない。ひたすら有名トレーナーのバトルを見て分析してクワッスと戦術、技を考えてたんだ。でもやっぱり実際にバトルをしてみないとわからないことが多くあるって改めて感じたよ」

「だったら、今度は僕とバトルしよう!」

「いいけどひとまずクワッスを回復させるまで待って。その間は」

「僕と特訓しよう」

「兄ちゃん!」

 

3人の元にノエルが近づいてくる

 

「やった兄ちゃんとバトルだ!」

「でもいいの?確かフリードとモリーにバトルはあまりするなって」

「許可はもらってきたから大丈夫。さあ、ロイ」

「うん!いくよ、ホゲータ!」

「ホンゲ!」

 

ノエルはモンスターボールを取り出す

 

「久しぶりにお願いね、サザンドラ!」

「サザア!」

 

ボールから飛び出してきたのは3つの首を持つ、”きょうぼうポケモン”サザンドラだった

 

「出た...!ノエルのサザンドラだ」

「サザンドラ...なんかちょっと怖いな」

「かっけえ!」

 

サザンドラを見て三者三様の表情を見せる

 

「”きょうぼうポケモン”サザンドラ。三つの頭でじわじわと追い詰めていき確実に相手を仕留めることが得意なポケモン」

「やっぱりちょっと怖い...」

「サザァアア!」

「え、いや、ちょ、ま...」

 

リコが少し怯えているとサザンドラはノエルの頭に笑顔で抱き着く

 

「サザア♪」

「ちょ、落ち着いてサザンドラ!わかった、わかったからこれが終わったら好きなだけ抱き着いていいから!僕も久々に会えて嬉しいよ!」

「あれを見てわかる通りあのサザンドラはノエルのポケモンの中で一番の甘えん坊なんだ」

「サザア♪サザアアア♪」

「.......かわいい」

 

先ほどの評価から一変しリコの中でノエルのサザンドラは甘えん坊の末っ子のようなイメージを持つことになる

 

「ちょっとロイと似てるかも」

「言えてる」

「兄ちゃん、サザンドラ!はやくやろうよ!」

「はあ、はあ、う、うん...」

 

ようやく解放されたノエルとサザンドラはロイの方を見る

 

「それじゃあ気を取り直して...始めようか!」

「いくよ、ホゲータ!」

「ホンゲ!」

 

ホゲータは口元に炎を溜める

 

「”かえんほうしゃ”!」

 

サザンドラに炎が迫る

 

「サザンドラ、右頭で”もろ」

 

 

 

 

 

 

 

『憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!!!!」』

『あああああああああああッ!』

『グオオオオオオオ!』

『必ずだ...!君は必ずこの世界の救世主になれる!さあ、もっと君の力を見せてくれ!』

『貴方の元から誰もいなくなる』

 

 

 

 

「.......ッ」

「お兄ちゃん!」

 

ノエルがホゲータの放った炎を見た瞬間、頭痛と共に燃える古城の風景とフラダリ、ルアンの言葉がフラッシュバックし思わず膝をついてしまう

 

「サザア!?」

 

サザンドラは右腕を払って炎を消し、すぐにノエルの元に駆け寄る

 

「ノエル!」

「兄ちゃん、大丈夫!?」

「うん...大丈夫。ごめん中断しちゃって。まだちょっと早かったみたい。サザンドラもごめん」

 

そう言いノエルはサザンドラをボールに戻し、部屋に戻っていく

 

「お兄ちゃん...大丈夫かな?」

「二ャア!二ャア二ャア!」

「ニャオハ...うん、そうだよね。きっと大丈夫だよね」

 

3人は部屋に戻っていくノエルの背中を見えなくなるまで見送り、より一層気合を入れて特訓に励むのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...........ッ」

 

ノエルは部屋に戻りベッドに座っていた。だが彼の腕は微かに震えており目もどこか虚ろになってしまっていた

 

「炎を見た瞬間にあの時の景色と感触が.........ッ」

 

恐怖からからその目からは静かに涙を流すのだった

 

「僕は.....迷惑をかけちゃいけないのに.....!皆を守らなきゃいけないのに....!!!」

 

 

 

そして翌日

 

「そろそろ着陸するぞ」

 

ブレイブアサギ号は目的地であるワイルドエリアの真上を飛んでいた

 

「それじゃあノエルのことお願いね」

「任せて」

 

オリオは荷物の準備をしながらモリーにそう言う。今回、ワイルドエリアに降り立つのはリコ、ロイ、ドット、マードック、オリオ、フリードの6人だ

 

「それで今の状態は」

「全然下がらない。むしろ今朝測った時より上がってる」

「...そうか」

 

今朝、いつも早起きのノエルがいつまで経っても起きてこなかった。そのためモリーがノエルの様子を確認しに行ったところ彼は顔を赤くし呼吸も荒い状態で床で倒れていた。フリード、マードックの二人の手を借りノエルを医務室に運び熱を測ってみると39.3の高熱だった。そして昼頃になりもう一度熱を測ると40.1にまで上昇してしまっていた

 

「待ってて兄ちゃん。絶対レックウザの情報持って帰ってくるから」

 

一抹の不安を残しながら一行はワイルドエリアに上陸するのだった

 

「........ブレイブアサギ号を確認」

「ライジングボルテッカーズ、フリード、オリオ、マードック、リコ、ドット、ロイの上陸を確認」

 

そして不幸にも影からその様子を二人の黒いバイザーを身につけたトレーナーが見ていることに一行は気づくことができなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださりありがとうございます!
ノエルの新ポケモンの1体目はサザンドラでした!これは当初から決めていたポケモンでずっと出したかったんですよね。そしてこれはノエルからこっそり聞いたことなのですがどうやらサザンドラはゴチルゼルには頭が上がらないようです

「理由ですか?それは....まあ、ジヘッド時代に色々ありまして...」
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