ということで本編どうぞ
(今回若干のグロがあるのでご注意を)
「これとこれ、あとは....オリオ、あれってどこだっけ?」
「ミーティングルームに置いてあるから持ってくる!」
「..............」
ワイルドエリアでレックウザの調査をしてから翌日、リコたちはダイアナの提案を受け彼女の知り合いが営んでいる骨董品店が並んでいる露店街にリコ、ロイ、フリード、そしてノエルが赴くことになった。本来だったらノエルはしばらく留守番ということだったが熱も下がり昨日の体調不良もウソのように元気だった。そのためノエルはリハビリがてらリコたちに同行したいとモリーに嘆願する。もちろんモリーはそれに反対、しかしフリードがいつまでも留守番しても体はなまってしまうし外の空気を吸うのも大切だとモリーを説得する。その結果モリーはなにがあってもフリードと離れないこと、なにか不調が合ったらすぐに留守番組に連絡することを条件にノエルの外出を許可した。そしていま、モリーとオリオがノエルのカバンに薬や水といった用品を次々に入れていく。だが.....
「その....少し入れすぎじゃ」
「何言ってんの?これでもまだ足りないぐらいだよ」
「いや、でもさすがに重すぎて歩くのもままならないんですけど」
「お前たちさすがに心配性がすぎるぞ。ほら、水とかなら俺も持つから荷物を減らしてやれ」
こうして準備に手間取りながらも4人は出発するのだった
「わあ!なんか色々売ってる!」
「にぎやかだな」
4人が街に入るとそこには壺や絵画といった骨董品を扱っている店がいくつも並んでいた。それに往来も多く中々に賑わっていた。ちなみに同行予定だったダイナアはその知り合いの店から買った古文書解読に勤しむため今回は留守番をしている
「リコ、そのテペンさんのお店ってあとどのくらい?」
「あともう少しのはず。おばあちゃんが言うには目印としてランプラーがつるされているはずなんだけど」
「それってあれじゃないかな?」
「そう、あれだよ!」
ノエルが指を指すとそこのお店にはランプラーが吊るされており、その店には帽子をかぶり少し目つきが怪しげな老人が座っていた
「あの...すみません」
「ん?おおお、はいはいはい!よく来たねお客さん!見てってよ、イイもの取り揃ってるよ!」
「いえ、私たち...」
「ツイてるねお客さんたち!滅多に入荷しない品があるよ!」
老人は”超強力ねむりごな”と称す青い小瓶を取り出す
「ほら、これ!コイツがあれば勝利間違いなし!あの新星にだって勝てる!」
「「「は?」」」
「アハハ...」
愚かにも老人はノエルの存在に気づいておらず、それゆえリコたちの怒りを買っていることなど気づくはずもなかった
「え、ああ....あんまりお気に召さなかったようだね。だったらコイツはどうだ!」
次に老人はスマホロトムを型取られている石を取り出す
「珍品中の珍品!2万年前のスマホロトムの化石だ!」
「「「............」」」
「2万年前にスマホはないだろ」
3人が固まっている中フリードが小声で鋭く突っ込む
「あとは...」
「あの!テペンさん...ですよね?私たちダイアナおばあちゃんから聞いてここに来ました」
このままでは話が進まないと感じたリコは老人の話を遮り自分がダイアナの孫である事を明かす
「ダ、ダイアナ!?」
「孫のリコです」
「そ、そうかい、ダイアナさんの!よく知ってるよ、昔はちょいちょい一緒に冒険したもんさ」
「え、おばあちゃんとですか?」
「そうとも!思い出すなあ...森の中の遺跡を探検しててアリアドスの糸に巻かれて一週間逆さづりにされたよ」
「それって頭に血が上るんじゃ...」
「リコ...その失礼なんだけどこの人ちょっと」
「うん...でもおばあちゃんの紹介だし...」
テペンに対し一行はだんだんと不信感を募らせていく
「で、何か探し物かい?」
「あの僕たち、こういうボールを探してて何か知りませんか?」
「な、コイツは...!」
ロイが古のモンスターボールを見せるとテペンは目を見開き驚く
「何か知っているんですか?」
「いやいや!いや~どうだったかな?ちょっと見せてもらえるかい?そのリュックごとね」
「待ってください」
ロイがテペンにリュックを渡そうとした瞬間、ノエルは待ったをかける
「な、なにかな?」
「どうしてリュックごとお渡ししなければならないのでしょうか?」
「えっと、それは」
「初対面で大変失礼なのは重々承知なのですが正直僕は貴方に対して....」
「きゃあああああああ!」
ノエルの言葉を遮り背後から甲高い声が響く
「泥棒よ!誰か止めて!」
「はあ、はあ、はあ!」
背後には倒れている女性がおり、彼女の指さす方向には黒いサングラスをかけ見るからに怪しい人物が大量の進化のいしを持って走っていた
「フリードさん、荷物お願いします!」
「あ、おい!」
ノエルはその男の前に立ちふさがる
「どけえええ!」
「.....ッ」
男は大きく振りかぶりノエルを殴ろうとしたがそれをノエルはかわし足を払い男を転ばせ上に乗る
「動かないでください!無理に動いたらケガが増えますよ!」
「ち、ちくしょう...!」
男は観念し動かなくなる
「おおおおおおお!」
「いいぞ、あんちゃん!」
数分後、通報を受けたジュンサーが来てその男は連行される。ノエルも事情聴取を受けたが簡単なものだったため数十分で解放された
「ふう...」
「すっげええ!」
「お兄ちゃん...あんなこともできたんだ」
「ポケモンGメンにいたときワタルさんに叩き込まれたんだ。だから簡単な護身術はできるよ。幸い相手はなんの武術もかじって」
「おい...」
フリードの低い声が響く。ノエルがゆっくり振り返るとフリードは満面な笑みを浮かべていたがどこか黒いオーラが出ていた
「えっと、その....放っておけなくて」
「このことはモリーに報告するからな」
「....すみませんでした」
「おーい!」
ノエルの元に先ほど被害にあった女性が近づいてくる
「アンタのおかげでうちの商品は守られたよ、本当にありがとう!ぜひ、お礼をさせとくれ」
「いや、別に」
「ほらほら、こっち!」
「え、ちょ、ちょっと待ってくだ...!」
「お兄ちゃん!?」
女性はノエルの腕を引っ張りどこかに連れ去ってしまった
「かっこよかったぞ、あんちゃん!ほら、これ持ってきな!」
「これももらってくれ!」
「はあ、まったく。ほらちょっと失礼しますよ~」
そしてあっという間にノエルは大勢の人に囲まれてしまい身動きが取れなくなってしまう。そんなノエルをフリードは回収しに行くのだった
「いやあ、非常に珍しいボールだった」
「え....」
ペテンは一向にロイのリュックを返す。どうやらあの騒動の乗じてロイのボールを観察し終えたようだ
「だが見たことないね。力になれず申し訳ない」
「そ、そうですか...」
「お邪魔しました。私たちはこれで」
「ああ。ダイアナさんにもよろしくな~」
こうして二人はペテンに元から離れる。だがその時
「ミイ!ミー!ミイ!」
「どうしたのミブリム?」
「ホンゲ...」
「ホゲータ、お腹空いたのか?......そういえば僕も」
「そっかミブリムもお腹すいちゃったんだね」
突然ミブリムが何かを訴える。そしてそれと同時にロイとホゲータのお腹が鳴る
「そろそろ昼時だからな、その辺で何か食うか」
「フリード、兄ちゃん!よかった抜け出せたんだね」
「い、勢いがすごかった。色々もらってきたから後で見せるね」
こうして一行は昼食を求めて歩き出すのだった。だがこのときミブリムは見逃さなかったテペンが店を大急ぎで片付けている場面を
「せっかく来たんだし他の店も調べてみよう」
「僕、レックウザの情報を聞いて回りたいな」
「そうだね」
「だったら今度は...」
「二ャアア!」
昼食食べながら午後の計画を立てる4人。そんな中ニャオハがロイのカバンに威嚇する
「ニャオハ、どうしたの?」
「バッグが動いた...?まさか!、ロイ、バッグの中を確認して!」
「う、うん。......わああ!?」
「タケタケタケタケ」
「タマゲタケ!?」
「ああああ!!!!古のモンスターボールがない!」
ロイはバッグを開けるとそこには”きのこポケモン”のタマゲタケが入っていた。そしてタマゲタケは笑い声をあげながら逃げロイはすぐにバッグの中身を確認するとあるはずの古のモンスターボールがなくなってしまっていた
「やられた...!」
「やられたって...もしかしてあの時!」
「急ぐぞ!」
こうして4人はすぐにテペンの店まで走る。だがそこは既にもぬけの殻になっており近くの人に聞いてみるとどうやらリコ達が去った後テペンは慌てて店を畳みここから立ち去ったという
「チッ、一足遅かった...!」
「そんな...」
「もしかしてミブリムが鳴いてたのって」
「悪い心を感じ取ったのかもしれないな。とにかくまだ遠くまで行ってないはずだ、探そう!」
「「うん!」」
こうして4人はすぐに辺りを捜索することにした
「....................」
『このボールは僕の大切なものなんだ!』
「待ってろ、下衆野郎。絶対捕まえてやる」
ノエルの目が再び怒りに染まる
「道が分かれてる」
しばらく捜索していると4人は分かれ道に辿りつく
「ここから手分けして探そう。俺とノエルはこっち、リコとロイはあっちの道だ」
「わかった」
「出てこい、リザードン。俺は空から探す、ノエルは地上から細道や裏通りをよく見てくれ」
「わかりました」
「リコ、ロイ、テペンを見つけらたまず俺かノエルに連絡してくれ。相手の手の内がわかるまでバトルはなしだ」
「わかった」
こうして二つに分かれ各々行動を開始する
「へへっ、ここまで逃げれば...」
「グオオオオ!」
「っと、あぶね!」
リコ達が別れたとき、テペンは人通りのない道を歩いていた。だがそのときリザードンに乗ったフリードの姿を見て慌てて隠れる
「もう気づかれたか...おい、お前たち」
テペンは自身のポケモン、ドーミラー、ヒトツキ、ランプラー、ドータクンを呼び寄せ古のモンスターボールが入った袋をランプラーに預ける
「いいか、コイツを持っていつもの場所に行け。誰に盗られるんじゃないぞ。いけ!」
ポケモンたちはテペンの命令に従い古のモンスターボールを持ってその場から離れていく。そしてその数秒後
「ちょっと待った!」
「ピカアア!」
「......っ」
「観念するんだな」
「これはさっきのお客さん。何か御用で?」
「とぼけんな!ロイのモンスターボールを盗ったことはわかってるんだ、今すぐ返してもらおうか!」
「盗っただななんて...何かのまちがいじゃないですかかねえ?」
フリードがテペンを見つける問い詰める。だがテペンはなんのことだかわからないといった風にとぼける
「あくまで白を切るつもりか...なら、この大荷物調べてさせてもらうがいいな?」
「どうぞどうぞ」
フリードはテペンが引いていた荷台をくまなく調べる。だがどこにもロイのボールはなく中にはただの銅鐸や古着しか置いていなかった
「どうです?ありましたかねえ?」
「おかしいな、...ちょっと待て、ランプラーがいない...おい、店のシンボルのランプラーはどこだ?」
「....ッ、さ、さあ?気まぐれなやつだからその辺で散歩でもしてるんじゃねえかなあ..」
(そうか、ボールを持たせて逃がしたな。だったらすぐに..いや、いっそのことコイツから情報を)
「潰れちまいな!若造!」
「しまった...!」
「ピカア!?」
テペンは荷台をひっくり返しフリードとキャップを商品の下敷きにしようとする。だがその荷物の中には銅鐸やガラス製品などがあったためフリードはすぐにキャップに覆い被さり守ろうとする。痛みを覚悟し目をつむる中フリードの耳には聞き覚えのある声が響く
「サザンドラ!」
「サザアアア!」
サザンドラは荷台に体当たりをしそのまま荷物ごと木っ端みじんにする
「ノエル!、サザンドラ!」
「ピッカア!」
「サザア!」
「よかった、間に合って」
ノエルはフリードとキャップの無事を確認し笑みを浮かべるが意識をすぐに切り替える
「ノエル、お前その目」
「フリードさん、僕はこのままあの男を追います。貴方は回り込んで彼を追い詰めてください、挟み撃ちにします!いくよ、サザンドラ」
「サザア!」
「待て!」
ノエルとサザンドラはフリードの制止を聞かずそのままテペンを追いかけて行ってしまう
「あの目....古城の時と同じだった」
「ピカア」
「いや、とりあえず俺たちも行動しよう。アイツの言ったとおり俺たちは回り込んで待ち伏せだ。いくぞ」
「ピッカ!」
「グオオオオ!」
「待て!」
「クソ、もう追いついてきやがった!」
ノエルがテペンを追跡しているとそこには果物やきのみを取り扱っている店がいくつも並んでいる道に出る。テペンは並んであるかぼちゃを見て閃く
「店主、コイツはもらってくぜ!」
「あ、ちょっと!」
「なにを...」
テペンは売り物のかぼちゃを持って逃げていく。だがかなりの大きさのかぼちゃだ、そのためテペンの走る速度は落ちあと少しで追いつける距離まで近づくことができた
「はあ、はあ、はあ!」
「絶対逃がさない!」
ノエルは角を曲がりテペンを捉えようとしたその瞬間
「ほらよ!」
「ぐっ...!」
「サザア!?」
テペンは角でノエルを待ち伏せしており手に持っているかぼちゃを振り落としそのままノエルの頭にぶつける
「へへっ、何事も深く追いすぎると痛い目に遭うんだぜ坊主!あばよ!」
テペンはそう言い残し走り去っていき、あっという間に見えなくなってしまう
「油断した...!くっ...」
「サザア!サザアア!」
「僕のことはいい。サザンドラはあの男を...」
『よくも......!」
「ぐああ....!」
突如リザードンの憎しみがこもった声がノエルの頭の中に響く。あの古城で湧いた感情がノエルを支配しようとする
『許さない...!絶対に!』
「大丈夫....!リザードン、落ち着いて!」
「サザ...?」
「追って、サザンドラ!僕は大...丈夫!だから...行け!」
「....サザア!」
サザンドラは頷きすぐにテペンを追う
「リザードン...僕は...大丈夫...」
『うおおおおおおおおおお!』
「やめ....ろおおおおおおお....!」
ノエルは咆哮しリザードンの声と支配を振り払う
「はあ、はあ、.......」
「あ、あの、大丈夫ですか?」
「...いかなきゃ」
「え、ちょ、ちょっと!貴方、頭から血が!」
ノエルはフラフラになりながら立ち上がりテペンを追いかけていく
「これ以上.....心配はかけられない....!」
「追い詰めたぞ!」
「ロイのボールを返して!」
ノエルたちと別れたリコ達はフリードからランプラーを探すように伝えられる。二人はしばらく街を走っていると路地裏に入っていくボールが入っているであろう子袋を持つランプラーとその仲間たちであるドータクン、ドーミラー、ヒトツキの姿を確認する。リコたちはすぐにその四体を追いかける。そしてしばらくすると四体は大きな自然公園にたどり着きそこで動きを止める
「よくやったぞ、お前たち」
「テペンさん!」
するとテペンが草むらの中から出てくる
「すまないな、遅くなって。あのゴーグルの若造とオッドアイの小僧を撒くのに時間がかかってしまってな」
「まさか...!」
「ああ、ゴーグルの若造は無事だが小僧の方はしばらく動けないだろうな」
「何を言ってるんだ!お前、兄ちゃんに何したんだ!」
「なに、少し硬いもので頭を打たせてもらったよ。安心しな、あのぐらい病院にいけばすぐによくなるさ」
テペンはそう告げる。だがその発言はロイとリコ、そしてポケモンたちの琴線に触れる
「許せない...!ロイのボールだけじゃ飽き足らずお兄ちゃんまで!」
「絶対ここで倒してやる!覚悟しろよ!」
「ホンゲエエエ!」
「二ャアアアア!」
「は、何が覚悟だ!俺たちはお前らとバトルする義理も理由もないんだよ!ドータクン、”フラッシュ”!」
「うわっ!」
「目が...!」
ドータクンは眩い光を発しリコたちの目を奪う。その隙にテペン一味はその場から逃げようとする
「ミ...ミブゥーーーー!」
「か、体がうごかねえ....!」
だが寸でのところでミブリムの”ねんりき”が発動しテペンたちの動きを止める
「今のミブリムの...」
「ミブ」
「いまだ、”かえんほうしゃ”!」
ホゲータは隙を突き炎を放出する
「チッ、ドータクン”あまごい”」
「ドタア!」
ドータクンは雨を降らし炎を消してしまう
「だったら頼む、カイデン!」
「カアアアアイ!」
「ニャオハもいくよ!ドーミラーに”このは”!」
「ランプラーに”スパーク”!」
それぞれの相手に攻撃する二体。だがそれを見てテペンはほくそ笑む
「ドーミラー、”サイドチェンジ”!」
ドーミラーはランプラーと場所を入れ替えることでそれぞれダメージを最小限に抑える。またカイデンは固いドーミラーにぶつかったことでフラフラになってしまう
「いまだヒトツキ!カイデンに”きりさく”攻撃!」
「させない!ヒトツキに”このは”連続で!」
「ツキ!?」
ヒトツキは葉の弾丸を食らいカイデンを捉え損ねる
「カイデン、ヒトツキに”ダブルウィング”!」
「カアアアイ!」
「甘い!ヒトツキ、”シャド」
「甘いのはそっちだ!リコ!」
「うん!」
リコはロイの声に頷く
「ホゲータ、ドータクンに”かえんほうしゃ”!ニャオハ、ランプラーに”このは”!」
「な、なに!?ドータクン”あまごい”!」
「いいの?だったら遠慮なくヒトツキに攻撃させてもらうよ!ダブルウィング”!」
「な、しまった!」
こうしてドータクンの”あまごい”以外は発動せずヒトツキとランプラーはダメージを受けてしまう。この戦いの中でリコとロイはテペンの視線が一体のポケモンにしかいかないことに気づいた。そのためテペンは一体ずつにしか指示を出せないのではないかと踏んだ二人は違うタイミング、違う相手を攻撃しテペンを混乱させる作戦を立て見事にその作戦を成功させる
「ヒトツ...」
「ラ、ランプ...」
「今だよニャオハ!」
「二ャア!」
ニャオハは”でんこうせっか”を用いダメージを受けているランプラーに近づきそのまま子袋を奪いそのままロイに渡す
「二ャ」
「ありがとう、ニャオハ!よし、ボールを取り返したぞ!」
ロイは古のモンスターボールを天に掲げる
「そ、そんな!」
「これでお終いだ!」
「テペンさん、どうしてこんなこと」
「まだだ!まだ、終わるわけにはいかないんだよ!じゃないと俺は...!」
テペンは懐からハイパーボールを取り出しそれを投げる
「出てこい、アーマルド!」
「ルドオオオオオオ!」
ボールの中から出てきたのは”かっちゅうポケモン”のアーマルド
「コイツは俺の最強のポケモンだ!アーマルド、」
「サザアアアアア!」
「え?」
テペンがアーマルドに指示を出そうとした瞬間、サザンドラが飛来しアーマルドを殴り倒す
「な、なんだ!?コイツは!」
「このサザンドラって」
「サザアアアアアアアア!」
サザンドラは右頭、左頭、そして自身の口からエネルギーを3発放出する。これを食らったアーマルドはあっけなく戦闘不能になり目を回してその場で倒れる
「そ、そんな...俺の最強のポケモンが....」
「”三連はかいこうせん”今までこの技を耐えたポケモンはいません」
「馬鹿な、お前は...!」
「兄ちゃん!」
サザンドラの後ろから頭から血を流しているノエルが現れる
「お兄ちゃん、よかった...」
「なんでそんな傷でここまで来れるんだよ、化け物か!」
「なんで殴った貴方にそんなこと言われないといけないのかわからないんですけど...はあ、痛いなあ、もう」
ノエルは頭を掻きテペンに近づく
「ひっいいいい!」
テペンは声をあげ逃げようとするがそんな彼の目の前に落雷が落ちる
「可哀想なことするなお前、コイツ置いてったろ?」
「ゲタケ~」
「タマゲタケ...!」
「もう逃がさねえぞ、ていうかノエル、それどうした?」
「えっと、.....さっきあそこの道で転びました」
「嘘つけ!あとで絶対説明してもらうぞ!」
「.......ッ」
テペンは二人の間を走る抜け逃げようとする。だがそれも
「テ~ぺ~ン!」
「ほぎゃあああ!」
「おばあちゃん!?」
凄まじい勢いで繰り出されたダイアナのドロップキックによって阻止されるのだった
「いてて....あ」
「「「「「.................」」」」」
「さて、コイツをどうするか?」
「私だったらとりあえずウィンディで丸焼きにする。コイツから買い取った古文書の真っ赤な偽物だったしね」
「お願い。この人お兄ちゃんを」
「そうなんだ!兄ちゃんにケガさせたんだ!」
「なんだって?」
「いや、僕のことは別に。それよりちゃんとロイに謝ってください」
5人はじりじりとテペンに近づく
「というかまずなんでこんなことをしたんだ?」
「....それはある人から珍しいボールを持ってくるよう依頼されてその報酬に目がくらんで」
「それでロイのボールを盗んだと。ふざけるな、そんなくだらないことでこの子の宝物を奪うなんて許されることじゃない」
「それによくも俺たちの大事な仲間にケガを追わせてくれたな。この代償は高くつくぞこの野郎...!」
「うん、絶対許さない」
「おばあちゃん....」
「よし、来た。ウィンディ!」
「ガウ!」
「ま、待ってくれ!ぎゃあああああああ!」
ウィンディの炎に包まれテペンは黒焦げになりその場で倒れる
「ず、ずびばせんでじた....」
「まったく...」
「これで一件落着だな。それよりノエルお前、その傷」
「いやこの程度の傷ならゴチルゼルの”いやしのはどう”で簡単に治ります」
ノエルはゴチルゼルをボールから出す。すると彼女からすさまじい怒気が放たれる
「ゼル....」
「え、ゴチルゼル、なんで僕の顔を掴んで...いだだだだだだだ!」
ゴチルゼルは「無茶すんなって言ってんだろ」と言わんばかりにノエルの両頬を引っ張る
「ごめんなさい...」
「ゼル」
ノエルの反省を見たゴチルゼルは”いやしのはどう”を彼の頭に当て傷を癒す
「アハハ、二人ともありがとう」
「...ゼル」
「サザア!」
ノエルは2体をボールに戻しテペンとダイアナを見る
「いつからそんな風になっちまったのさ?昔は発掘に情熱を燃やす冒険者だったじゃないか」
「え?」
「遺跡の探検ではよく一緒になってね。アリアドスの糸に一週間逆さ吊りにされたときはもうだめかと思ったもんさ」
「その話本当だったんだ」
先ほどの話が嘘ではなく本当だったことにリコたちは驚く
「ふん、俺は元々こんな男だよ。騙す盗むはお手の物、冒険なんかよりよっぽど楽で性に合ってるぜ」
「なら一生牢に入っていろ」
ノエルが冷たく言い放つ
「貴方は考えたことはあるのか大切なものを奪われた人たちの気持ちを。貴方の行いが一体どれだけの悲しみが生んだのかを。さっきも言ったがこのボールはロイの大切な宝物だ。それをアンタはくだらない金儲けのためこの子から奪った。到底許されることじゃない...!」
「黙れ!まだ十数年ぼっちしか生きていない小僧が!お前のようななんでもできるやつにはわからねえだろうさ!俺みたいな何もかも諦めるしかなかった負け犬の気持ちなんてよ!」
「いい加減にしな!」
テペンはノエルの首根っこを掴むがダイアナはそれを止め彼を殴る
「ダイアナ、お前!」
「ドーミラー、ちょっとごめんよ。テペン、これを見な!」
ダイアナはドーミラーを持ち背中を向けさせそれをテペンに向ける。そこには今よりも若々しく目も今よりも澄んでおりもどこか気高さを感じられる風貌のテペンの姿が映し出される
「ドーミラーは真実を映し出すという」
「.....!」
「どうだい?アンタの心は昔みたいな冒険者に戻りたいって言ってるんじゃないのかい?」
その言葉にテペンは俯きながら自身の本心をこぼしていく
「向いてないんだよ。いつも後悔するんだ。怖いし辛いし臆病な俺には冒険者なんて...」
「プラ...」
「ドータ」
「タマゲ」
「ツキ」
「ミー」
「ルド...」
「お前たち...」
テペンが本音を漏らすと彼のポケモンたちが彼に寄り添う。まるでテペンを励ましているように
「怖いのは最初の一歩だけ。踏み出せば忘れちまうものさ」
「だが...俺には」
「ならポケモンたちと一緒に踏み出せばいい」
ノエルはそっぽを向きながらそう言う
「ポケモンたちと?」
「一人で踏み出すのが怖いのならそこにいる仲間たちと一緒に踏み出せばいい。もし躓いても貴方のポケモンたちがきっと支えてくれる。その証拠に貴方がどれだけ悪事を働いてもこの子たちは貴方を見限ったりしなかったでしょう?」
「......!」
テペンはその言葉でようやく気付く。自分にはランプラーたち仲間がついてくれていることに。そしてそんな大切な仲間を悪事の片棒を愚かにも担がせてしまったことに
「くっ....俺は今まで何をやっていたんだ...!ランプラー、タマゲタケ、ヒトツキ、ドータクン、ドーミラー、アーマルド、ごめん、ごめんな!」
テペンはうずくまり年甲斐にもなく大声で泣きはじめる。だがこれこそ彼にとって新たな人生の幕開けになるの
「本当にすみませんでした!」
時は進み一行が街に戻ってきたときにはすでにあたりはすっかりオレンジ色に染まっていた。そこでテペンは今回しでかしたことを誠心誠意謝罪し一から出直すことを約束する
「そうだ、あの人にも謝らないと。ボールは売れなくなったって」
「それってこのボールを欲しがってたって人?」
「ああ。なんでもモンスターボール職人らしくて珍しいボールだったらどんなに高くても買い取るって言うから」
「モンスターボール職人?」
「ああ。そしてボールをここに届けるよう言われたんだ」
テペンはポケットから一枚の紙を取り出す。その紙開くとそこには地図が描かれていた
「もしかしたらロイのボールのことを知ってるかもしれないな。手がかりもないことですしとりあえずここに向かってみるか」
「うん!」
こうしてライジングボルテッカーズの次なる目的地が決まり一行はテペンと別れブレイブアサギ号へと足を進めていく。そしてノエル少し立ち止まり自身の頭に手を添え先ほどの自分の言動を思い出していた
『なら一生牢に入っていろ』
『待ってろ、下衆野郎。絶対捕まえてやる』
「.......ッ
「おーい!兄ちゃん、早く~!」
「あ、うん!今行く!」
ノエルは頭を振りロイ達を追いかけていくのだった
(怒りに飲まれるな...!あんなこと二度と起こしてはならない!皆に迷惑はかけられないんだ)
『ノエルさん。この度は本当にすみませんでした。お怪我の方は』
『もう大丈夫です。それに僕の方こそ貴方の気持ちを知らずずけずけとすみませんでした』
『いえいえ!もとはと言えば私が元凶ですら!その、こちら少ないのですが医療費としてお受け取りください』
『結構です。正直、ロイのことを謝ってもらったので僕の気は済みましたしケガの方もこのようにバッチリ治っていますので』
「はあ、あんなに若いのに立派だったな。それに比べ俺は...いや、これからだ!これからは恥ずかしくない立派な冒険者を目指すんだ!」
テペンはソウ意気込みなら夜道を歩く。するとサーナイトを連れた一人の女性の肩にぶつかってしまう
「ああ、すみません」
「いえ...」
テペンは頭を下げ足を進めようとする
「テペンさん、ですよね?」
「え、ええ。そうですけど」
だが背後から女性に声を掛けられ足を止める
「確か貴方は考古学や歴史に多少の造詣があると伺ったのですが」
「まあ、多少は。それがなにか?」
女性は怪しく微笑むとゆっくりテペンに近づく
「知っていますか?古代ポケランティス王朝、あの時代は刑罰がとても厳しく民たちは自身の行動に細心の注意を払って日々生活していたみたいですよ」
「はあ..」
「そんなある日、貧民街に住んでいた4歳の子どもが自分と6人の家族の為に露店外に置いてあるリンゴを盗んでしまいました。ですがその子の行いはすぐにバレてしました。そのあと一体何が起こったと思いますか?」
「う~ん、そうですね。その時代は...........あで?」
その瞬間テペンの体がパンと音を立てて弾け飛ぶ。辺りには血痕や臓器の一部が飛び散っていたがそれをサーナイトはまばゆい光で塵一つ残さず全て消し飛ばす
「答えは家族全員極刑。今のようにエスパータイプのポケモンを用い処刑したみたいですよ。そしてこれは貴族たちの見世物になっていたとか」
ルアンは冷たい眼光でテペンがいた場所を見る
「貴方のような蛆虫が私の子を傷つけた。死ぬ理由はこれで十分でしょう」
そう言い残しルアンとサーナイトはその場から消える
おまけ
「それで....?」
ミーティングルーム、そこでは正座をしているノエルとそんな彼に説教をしているモリーの姿があった
「その、放っておけなくて犯人の前に立っちゃった....みたいな感じ....です」
「モ、モリー、もうそのへんで...」
「は?」
「いえ。どうぞ続けてください」
マードックはモリーの圧に負け徐々に小さくなっていく
「はあ、まあ何事もなくてよかったよ。次から無茶しないこと。いい?」
「はい!以後気をつけます!すみませんでした!」
こうして説教も終わり解放されようとしたその時
「お風呂あがったよ。はあ、疲れた~」
ロイは机に突っ伏しながらため息をつく
「どうしたロイ。今日はヤケに疲れているな」
「うん、今日は疲れたよ。ボールは盗まれるわ兄ちゃんは頭から血が出てるわで」
「ちょ、ロイ...!」
「え?」
「「は?」」
モリーとオリオの太い声が重なる
「ノエル...」
「その~、そろそろお風呂に入りたいな~って.....」
「「こっち来て」」
「はい....」
こうしてノエルは人生で一番長い時間正座することになるのだった
読んでくださりありがとうございました!
ええっと、テペンが物語から消えました。理由?.........................
先ほども申したじゃないですか。
では、また次回。
どうやらまた別の時空のノエルが生まれたようですね。まあ、私にはあの子以外興味なんてありませんけど
(翻訳)俺ガイルの小説を投稿してみたよ。よかったら読んでね。