ポケットモンスター 覇者への道   作:鴨凹

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どうも、最近俺ガイルの小説を書くのにハマっている者です!
今回は6割オリジナルです!あの.....正直原作のこの話を見た時に考えていた展開をそのままぶちこんでみました!




情熱シンパシー

「............」

 

ブレイブアサギ号が例のモンスターボール職人の元へと向かっている最中ノエルは自室にこもりある調べ物をしていた

 

「”きずなへんげ”、ポケモンの感情がトレーナーに流れてくる感覚........それっぽい記録はなさそうだな」

 

先日テペンの騒動があったとき、リザードンの怒りがノエルに流れこんできた。その時は気力を振り絞りなんとか収めることができたがもしあの時感情に支配されていたらと考えるとノエルは顔を青くする

 

「そもそも”きずなへんげ”に関する文献が少なすぎる。仕方ないここはダイアナさんに....」

 

ノエルは部屋を出てダイアナを訪ねようとした矢先、外から何かが破れた嫌な音が聞こえてくる

 

やばっ!

「ロイ?」

 

扉を開け外に出てみるとそこには慌てふためくロイとホゲータがいた

 

「そんなに慌ててどうした?」

「あ、兄ちゃん....実は」

 

ロイが横に移動するとそこには穴が空き、様々な配線が晒されてしまっている無残な壁の姿があった

 

「あちゃ~これはやっちゃったね...」

「モンスターボールの投げる練習をしてたら...どうしよう」

「とりあえずこの壁は僕が直すからロイは後ろの方に謝ろうか」

「え....」

ロイ.....」

「.........ッ」

 

ロイは背後からとてつもない圧を感じたのかこわれた人形のようにゆっくりゆっくりと後ろを振り向くと特性”こわいかお”を発動させたオリオの姿があった。そしてその数秒後ロイの絶叫がブレイブアサギ号に響き渡ることになる

 

「まったく...!」

「ごめんなさい」

「まったくボールを使った練習は外でやりな。見てわかる通り船には大事な配線が張り巡らされてるの一つでも...」

「ピカア!」

 

オリオの言葉を遮るように彼女のスマホロトムから多数の声が聞こえてくる

 

『オリオ、計器が不調だ。すぐに来てくれ』

『大変だ!冷蔵庫が壊れた!」

『オリオ!エレベーターが止まった!ラッキーが閉じ込められてる』

『ねえ、電圧不足で充電できないんだけど!』

「あ~!もう!わかったわかった!行けばいいんでしょ!」

「オリオ姉さん、壁は僕が。ドットさんのところにはゴチルゼルを向かわせます。なので他の三方のところへ」

「ありがとう、助かるよ!工具箱はいつものところに入ってるからそれを使って。配線傷つけないように気を付けてね」

「はい」

 

オリオはため息をつきまずはフリードの方へと駆けだしていく

 

「いつものことだけどオリオって大変...」

「この船の技術者はオリオ姉さんだけだからね。だから僕たちも簡単な作業ぐらいは自分たちでやって彼女の負担を少しでも軽くしよう。ということでロイ」

「はい!木材持ってくるね!」

「重いから気をつけるんだよ。それじゃあ僕も工具箱を持ってきたら作業を始めるからリコ、またあとでね」

「うん」

 

ノエルはボールからゴチルゼルを出し指示を出した後、工具箱を取りに足を進めていくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モンスターボールだ、すっげえ...!」

「迫力あるね。でも...なんか少しボロボロ」

「もしかしたらこの周りには凶暴なポケモンが生息しているのかもな」

 

ブレイブアサギ号がしばらく飛んでいると例のモンスターボール職人がいる工房へとたどり着く。そしていまリコ、ロイ、フリード、オリオ、そしてノエルの5人はその工房の入口に立っていた。だがその工房には遠目からではわからなかったがいたるところに傷や凹みがあった。そして4人と離れたところでオリオは一人エレキッドとぶつぶつと話していた

 

「やっぱり技術者としてこういった施設の整備には惹かれるものがあるんでしょうか?」

「かもな」

「ぜんっぜんダメ!」

「わあ....辛口だ」

 

オリオの厳しすぎる評価に一行を身をたじろぐ

 

「だって歯車ずれてるし無駄な配管も多い。なにより整備がぜんぜん行き届いてない、機械のことをわかっていない以前の問題!」

「その歯車関係のことはともかくとして...この壁やシャッターの凹みは修繕するべきかもしれませんね。それかもう工房を別の場所に移すとか」

「はあ、少しでもいいからいじらせてくれないかなぁ、そしたら絶対今の3倍はいい設備になるのに」

「設備のことは一旦、置いとくとして目当てのモンスターボール職人にそろそろ.........ッ!」

「きゃ!」

「な、なに!?」

「わああああ!?」

 

若干興奮気味のオリオを横目に一行は足を進めようとした瞬間、大きな衝撃音と共に一人の女性が悲鳴をあげながら工房の中から出てくる

 

「あの、大丈夫ですか?」

「うん、平気ってあれ、お客さん?」

「は、はい」

「アハハ、これはどうもどうも!恥ずかしいところを....あ、どうぞ中に入って!」

 

一行は女性の案内の元工房の中に入っていく。そしてその女性はリコ達にお茶を出すために物資の山から湯沸かし用のやかんを探していた

 

「ちょっと待っててね~、確か...このへんに....あった!」

「ブビッ!」

「あぶない!」

「え?」

 

やかんをひっこ抜いた瞬間、物資の山は雪崩へと変わり女性に襲い掛かる。それを見ていた彼女の相棒”ひだねポケモン”のブビィは慌てふためいてしまう

 

「大丈夫?」

「ちゃんと整備してないからだよ...」

「平気平気!」

「あ、よかった」

「とてもにがやかな人だね」

 

やかんをかかげ物資の山から出てくる彼女にリコとノエルは苦笑する。だがリコに抱きかかえられていたニャオハは床に転がっていたあるものに興味を持ったのか彼女の腕からおりそれを転がし始める

 

「二ャ~、二ャ~」

「これって前にお兄ちゃんが見せてくれた昔のモンスターボール?」

「うん、ヒスイ地方で使われていたボールだね」

「良く知ってるね。そう、それはかつてヒスイ地方で作られていたボールを再現したんだ。ほらこれをこうして」

「すごい、かっこいい!」

「わかってるねお嬢ちゃん。私はカーナ、よろしくね」

 

 

 

 

 

 

こうして一行はモンスターボール職人、カーナと出会い先日あった出来事のことを交えながら交流を進めていくのだった

 

「テペンさんがそんなインチキ男だったなんて...ごめんね、私が珍しいモンスターボールがあれば金に糸目はつけないって言っちゃったから」

「カーナさんのせいじゃないよ!それにこうしてボールも戻ってきたわけだし」

「ありがとう、ロイ君。優しいんだね」

 

ロイの言葉にカーナは心打たれる

 

「カーナさんはモンスターボールを集めてるんですか?」

「ああ。モンスターボールはロマンさ!作った職人の色あせない思い、情熱、なによりこだわりがつまってる!私もそういうこだわりのつまったボールを作ってんだ」

「ふ~ん」

「カーナさん、少しお聞きしたいことが。ロイ」

「うん!」

 

ロイはバッグの中から古のモンスターボールを出しカーナに見せる

 

「うわああ!なにこれ見たことない!この形に古びた装飾!最高じゃん!」

 

カーナは興奮しながら自身のスマホロトムで写真を撮っていく

 

「職人の観点からこのボールについて何かわかったことはありますでしょうか?些細なことでもいいので教えていただけると助かるのですが」

「ごめん、ぜんぜんわかんない。でもボールは多少わかんなくていいのさ...そこに存在するだけで!」

 

カーナが指を指した先には見たことのないボールがたくさん入っている箱があった

 

「あれって全部カーナさんが作ったんですか?」

「そう、試作品。まだうまく開かなかったり逆にすぐ開いちゃったり大きさ間違えたり......でもその失敗の先には必ず成功があるからすなわち、未来の成功作!

「.......!」

「ははっ、前向きだな」

「うん。かっこいいなあ」

 

その前向きな言葉から一行はカーナのボールにかける情熱を感じ取った。そしてノエルもその言葉に何か思うことがあったのか微笑みを浮かべていた

 

「カーナさん!あのボールたち試してもいいですか?」

「え?」

「僕あのボールで投げる練習をしたい!色んなボールを投げてみたいんだ!」

「へえ、わかってるね少年。いいよ、箱の中に作ったボールのメモもあるから好きなだけ持っていきな」

「やった~!ホゲータ、さっそく練習だ!」

「ホゲ!」

 

ロイはホゲータと共にボールが入った箱を持ちながら工房の外へと走っていく

 

「でも気を付けてね!最近このあたりのポケモン、すごく凶暴になっているから!

「は~い!」

「ホゲ~!」

 

ロイを見送るとカーナの背後にある巨大な機械から異音が聞こえてくる

 

「ああ、まただ」

「あれってボールを作る機械でしょ?」

「そう。オリジナルボールの注文が大量に入ったから一度にたくさん作れる機械を買ったんだ。けどやっぱり機械ってのはダメだね」

「.......!」

 

カーナのその言葉にオリオは怪訝そうな表情を浮かべる

 

「ちゃんとメンテしてる?」

「メンテ?」

 

オリオは機会に近づきよく観察する

 

「ここ、刃が摩耗してるし...あ、オイルも切れてる....って冷却水もきれてるじゃんこれじゃあ爆発するのも当然だよ」

「はあ...」

「これ借りるね」

 

オリオはカーナから小道具を借り機械のメンテナンスを始めてしまう。そのことにフリードとノエルは謝罪するが幸いカーナも心よく許してくれた。そしてしばらくするとメンテナスを終えたオリオはカーナに機械のスイッチを入れるよう指示する。すると機械は正常に稼働し始めとても美しい装飾が施された白銀のモンスターボールが出てくる

 

「おおっ!」

「こうやってちゃんと手入れしてあげれば動くんだから使えないなんて言わないで」

「そうだね、ごめん」

 

オリオの言葉を聞いたカーナは自身の無知さを反省する

 

「機械が悪いんじゃない。機会にも思いや情熱、こだわりは詰まっているから。よし、それじゃあカーナ、アンタの相棒にも手伝ってもらおうかな」

「ブビィ?」

 

こうしてカーナとブビィはオリオに指導を受けていくのだった

 

「そうそう!そんなかんじ!」

「なるほど!」

「すっかり意気投合したね」

「うん。それにあの二人ちょっと似てるかも」

「多分技術者どうし何かシンパシーを感じたんじゃないかな?」

 

二人の様子を見てノエルとリコはそう話していく

 

「俺は先に船に戻ってるぞ~」

「え、フリードは見ていかないの?」

「ああなったオリオは長いぞ~。だからお前たちも見切りをつけて戻ってくることを勧める」

 

そういいフリードは先に船に戻っていってしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このあたりを散策したけど特に危険なポケモンは見つからなかったな」

 

あのあとノエルはリコと別れカーナが言っていた凶暴化したポケモンというのを調べるためにこの島を散策していた。でもノエルが見た限りここのポケモンはどれも大人しくどれだけ近づいても襲ってくる気配がなかった

 

「でもあの外壁の凹みを考えるとこの島になにかがりのは間違いない。一度戻ってカーナさんに手掛かりを聞いてみよう」

「見てなさい!そこのポケモン、私が捕まえてみせる!」

「二ャー...」

 

ノエルが戻るとそこにはポーズを取りキメ台詞を大声で叫ぶリコとそれを見て呆れた声を出すニャオハの姿があった

 

「もう、そんなに呆れることないじゃない...」

「うん、とてもかっこよかったと思うよ」

「でしょ?って」

 

リコが振り向くと満面な笑顔を浮かべ、いや若干口元が緩んでいるノエルが立っていた

 

「お、おおおおお、お兄ちゃん!?//////////////////」

「とても凛々しくていつものリコと違って.....新鮮...だった.....よ」

「笑わないで//////////!」

「そんな、笑うだなんて.....あは...」

「ほらいま!というか口元ちょっと緩んでるでしょ!?」

「アハハ、バレた?」

「もう....!」

 

だがリコはこの時安堵していた

 

(お兄ちゃんの笑顔久しぶりに見れてよかった)

 

古城での一件以降、リコはノエルが自分と話すとき無理して笑っているように感じられた。だがいま違う、心の底から、本心からノエルは笑っていた。そのことにリコは安心を覚えるのだった

 

「わかる!私もポケモンたちには最高の環境を用意してあげたいんだよね」

 

オリオの声が外まで響いていたため二人は工房の中をのぞく

 

「ポケモンに寄り添った物作りって意味ではあたしたちやってることは似てるかも」

「ねえ、オリオ...」

 

カーナは真剣な顔でオリオを見る

 

「よかったらここで一緒に働かない?」

「え?」

「あなたの技術と私の装飾、これを組み合わせたらきっとすごいものが作れると思うんだ。そうだな例えば...えっと....とか!」

「空飛ぶモンスターボール...面白いね!」

 

二人のやり取りを見て二人はオリオが船を降りてしまうんじゃないか不安になってしまう。だが

 

「でも、ごめん。あたしはここで働けない」

 

その不安も一瞬にして消え去るのだった。オリオは隠れているリコ達にウィンクをしたとカーナに顔を向ける

 

「支えたい子たちがいるの。今はその子たちのためにあたしの力を使いたい。だからごめん...」

「それって....あの子たちのこと?」

「うん」

「........ッ」

「オリオ...」

 

二人は顔を見合わせて笑う。嬉しかったのだ。オリオが自分たちのことをここまで思ってくれていることが

 

「盗み聞きとはいつからそんな悪い子になったの?」

「わああ!?」

「...すみません」

「まったく...」

 

オリオは先ほどの言葉を聞かれたのが恥ずかしかったのか顔を少し赤くし二人の横に立つ。しばらく流れる沈黙にリコは耐えられなくなったのかオリオに話題をふる

 

「そういえばオリオってどうしてフリードと一緒に旅に出たの?」

「あ、僕もそれ気になってました」

「あれ、言ってなかったけ?」

 

フリードがいつも使うフレーズを使うオリオに対し苦笑いを浮かべる二人を他所にオリオは語り始める

 

「実は昔ホウエン地方の造船所に勤めてたんだ」

 

造船所に勤めていたころは特に不満などなく仕事も楽しさとやり甲斐にあふれていた

 

「けどふと思ったんだよね。”これがあたしの本当にやりたかったこと?”って。そしてこの思いは日に日に強くなっていったの」

 

そんな時、フリードから連絡をもらい彼から元々ただの小さな船を世界一の飛行船に改造してほしいと頼まれた。もちろん彼女も当初は呆れそんな馬鹿に付き合ってる暇はないと断るつもりだった

 

「でも、アイツなんて言ったと思う?」

「なんて言ったの?」

「”できるのか?”そうあたしに言い放ったんだよ」

「それは...中々挑発的というかなんというか...」

「本当そう!アイツ、簡単に言ってくれちゃってさ!ただの船を飛行船に改造ってマジで何考えてんだか...でも」

 

オリオは笑顔を浮かべ空を見上げる

 

「その言葉があたしの心に火をつけた。やり遂げられるかなんてわからなかった。でもやれるかどうかはやってみなきゃわからないから。フリードの言葉、それと.....」

「?」

 

オリオは一瞬ノエルの顔を見るがすぐに頭をふり言葉をつづける

 

「多分あたしはずっと自分の力を試したかったのかもしれない。だから船の改造を終えた時に一つわかったんだ。あたしが本当にやりたかったこと」

「オリオがほんとうにやりたかったこと?」

「それはね.....」

 

オリオがリコの質問に答えようとしたとき。森の中から爆発音が聞こえる。そしてその森から

 

「みんなーーーー!!」

「ホンゲー!」

「ロイ!?」

 

ところどころ焦げているロイとホゲータ、そして二人を追いかける3体のガラルの姿のマタドガスが現れる

 

「あれってもしかしてカーナが言ってたやつ...!」

「みんな、逃げて!」

「「「マタアア!」」」

 

3体のマタドガスはロイとホゲータに狙いを定めると体を白く発光させる

 

「まずい....!ギルガルド!」

 

それを見たノエルはすぐに”おうけんポケモン”のギルガルドをボールから出しロイの元へと向かわせる

 

「”キングシールド”!」

「ギル!」

 

ギルガルドはロイの前に立ち白い結界を張りマタドガスの”だいばくはつ”を防ぐ

 

「ロイ、大丈夫!?」

「う、うん!た、助かった~!」

「一体何があったの!?」

 

今の爆発音を聞いてカーナは慌てて工房から出てくる

 

「ってあのマタドガス達....!」

「ギル...」

「ありがとうギルガルド。ロイ、なにがあったか聞いていい?」

「わからない。ボールの投げる練習をしてたらいきなり襲われて...」

「そうなの。つい最近ここのマタドガス達が急に凶暴化したの。そのせいで私の工房も」

 

どうやらカーナの工房の傷は凶暴化したマタドガス原因らしく彼女自身も襲われかけ3日間ずっと工房に籠ってたこともあると聞かされる

 

「でも、もうあのマタドガス達は」

「待って....あれ」

 

リコが指を指すとそこには20体を超えるマタドガスこちらにゆっくりと向かってきていた

 

「なんて数....!」

「カーナさんは工房の中に!」

「わ、わかった!」

「とりあえずマタドガス達を止めないと!出てきて、メタグロス!」

「メタアアアアアア!」

「ニャオハ、お願い!」

「いくぞ、ホゲータ!」

「頼むぞ、ギルガルド!」

 

4人は自身のポケモンを前に出し、カーナは慌てて工房の中に入り身を隠す

 

「「「マタアアアアアア!」」」

「”ワンダースチーム”です!触れたら混乱状態になります!」

「「「.......!」」」

 

ノエルのアドバイスを聞き3人は回避を指示しポケモンたちは怪しい色の煙をなんとかかわす。だがその隙を狙った他の個体マタドガス達がそれぞれ”かえんほうしゃ”、”ヘドロばくだん”、”シャドーボール”をニャオハ達に放つ

 

「メタグロス!」

 

オリオはメタグロスを前に出す

 

「”まもる”!」

「メタアアアアアア!」

 

メタグロスは緑色の結界を張り他の三体を守る

 

「オリオ、いつのまに...!」

「そのまま”ラスターカノン”!」

「続きます!”ラスターカノン”!」

 

メタグロスとギルガルドから放たれる銀色のエネルギーは多くのマタドガスを戦闘不能に追い込む

 

「僕たちも負けてられない!ホゲータ、”ハイパーボイス”!」

「私たちも!ニャオハ、”このは”大波で!」

 

ホゲータとニャオハの技も倒すには至らないもののマタドガスに大ダメージを与えていく

 

「「「「「マタ...」」」」」

「よし、これならいける!」

「うん!」

「メタグロス、もう一回”ラスターカノン”!」

「メタアアアアアア!」

 

4人の快進撃により周りにいるマタドガスも段々と倒れていき臨戦態勢を解いていない個体はもうわずかになっていた。だがこの状況にノエルは違和感を覚える

 

(...手ごたえがなさすぎる。正直このマタドガス達の強さはどれだけ多く見積もっても並みかそれ以下....そんなポケモンたちがあの鉄製のシャッターをへこませたり破損させることなんてできるか?)

 

カーナ曰く設備のほとんどは対ポケモン用の素材を使っておりそこらの野生ポケモンの攻撃ではかすり傷も付かない代物だと教えてくれた。だが確かにノエルたちはその設備たちに傷や凹みがあることを確認している。そんな疑念を抱いていると彼の目の前に白く発光するマタドガス達が集まる

 

「「「「「マタ.....アアアア!」」」」」

「”まもる”!」

「........ッ!」

 

メタグロスはノエルを爆風から守る

 

「ノエル、集中して!」

「すみません!ギルガルド、これで決めるよ!」

「ギル!」

 

ギルガルドはシールドフォルムからブレードフォルムに変形し自身の刀身に力を込める

 

「”シャドーボール”!」

 

ギルガルドから放たれる巨大な怪しいエネルギーはマタドガス達を無情にも飲み込んでいく

 

「「「「「「マタ.....アアアア」」」」」

「ごめんね、手荒になってしまった。でももう人を襲ったりしては.......!」

 

ノエルとギルガルドは倒れているマタドガスに近づくと彼らの体に黒い小さな機械が取り付けられていることに気づく

 

「ノエル、どうした?」

「オリオ姉さん、これ...」

「これって発信機!しかもこれ遠隔でポケモンの体調がわかるやつだよ!」

「ということは...」

 

ポケモンたちの凶暴化に襲撃、これらは人為的に引き起こされた出来事だとノエルとオリオは確信した。だがそんな二人を一体のポケモンが鋭い眼光で射貫いていた

 

「.......ッ、オリオ姉さん!」

「え、きゃ!」

 

オリオは彼女らしくない声を出しながらノエルに抱きかかえられ横に倒れる。そして彼らが立っていた地面は大きくへこんでおりその中心には緑色の結晶が至る所に生えており目も赤く光っているマタドガスの姿があった

 

「ごめんなさい!おケガは!?」

「だ、大丈夫....」

 

ノエルはそっとオリオを立てる

 

「オリオ!兄ちゃん!」

「二人とも大丈夫!?」

「来るな!」

「マタドガアア!」

 

マタドガスはリコとロイの声に反応したのか標的をノエルたちではなくリコ達に変更し通常ではありえない超スピードで二人に近づく

 

(ダメだ...!ギルガルドのスピードじゃ間に合わない...!)

「マタドガアアアア!」

 

マタドガスはリコ達に向かって毒の波を放つ

 

「リコ!ロイ!ニャオハ!ホゲータ!全員逃げろ!!!!!」

「ノエル」

 

叫ぶノエルの肩にオリオは手を置く

 

「......!」

「大丈夫」

「なに言って...」

 

ノエルがリコ達を見ると4人の表情は特に慌てた様子もなくただそこに立っていた

 

「ロイ!」

「うん!ホゲータ!」

「ニャオハ!」

「「くさのちかい/ほのおのちかい!」」

「ホンゲエエエエエエ!」

「二ャアアアアアアア!」

「「合技・炎海!」」

 

草のエネルギーと炎のエネルギーが一つになり巨大な火の海が迫りくる毒の波を消し去りそのままマタドガスを飲み込む

 

「マタアアア!?」

「”ちかい技”に....”コンビネーション技”....いつの間にあんな」

「ね、言ったでしょ?大丈夫だって」

「..............」

 

ノエルは庇護対象だと思っていた二人の成長を見て驚きを隠せなかった

 

「マタ...マタドアアアアアア!」

「ほら、ぼさっとしない!リコたちの援護に行くよ」

「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「”疑似きずなへんげ”だと?」

「ええ。スレイブソルジャーとは結晶を通してポケモンとのリンクを強制させ無理やり”リンク進化”...貴方の言う”きずなへんげ”の状態にしポケモンの潜在能力を飛躍的に向上させています。ただこれにはデメリットがあり」

「スレイブソルジャーにした際に投与したあの細胞とポケモンのダメージによってトレーナーとポケモンに肉体的にも精神的にも負担を負わせるといったところか」

「ええ、そのとおりです。本来の”きずなへんげ”の負担を3とするならばこの”疑似きずなへんげ”の負担は15といったところでしょうか」

 

ルアンはスクリーンに映るノエルたちを見て淡々と答える

 

「強大な力には相応の代価がある...か。ではなぜこの野生のマタドガスにあの細胞を投与した?トレーナーがいなければ”疑似きずなへんげ””は起こらず多少力が増すだけだろう」

「いいえ。前まではあのマタドガスにもトレーナーはいました」

「なるほど。細胞の負荷に耐え切れず死んだか」

「ええ。なのであのマタドガスはいわばもうありもしない絆に縛られ暴走している状態にあります。実に面白いケースです」

 

ルアン曰くそのトレーナーは発信機をマタドガスに着け数日後に亡くなったことを告げる。するとルアンは画面に映ったあるもの見るとすぐにノートを開きメモを取り始める

 

「なるほど、そうきましたか.......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マタドアアアアアアアアアアア!」

「なに?」

「うわあ!?」

 

マタドガスは自身にまとわりつく炎を振り払うと雄叫びをあげ始めると体中から手のようなものが現れ周りに倒れているマタドガス達を掴み吸収し始める

 

「二人とも!」

「オリオ、お兄ちゃん。あれ...!」

「アイツ、一体なにをしてるんだ?」

「周りのマタドガスを吸収してパワーアップするつもりなんだろう」

「吸収?」

 

ノエルは冷や汗をかきながら自身の考えを説明していく

 

「体がガスでできてるマタドガスだからこそできる芸当だ。気を付けてもうあのマタドガスの強さはさっきの比じゃない」

「マタドガアアアアアアアアアアア」

 

吸収が終わったマタドガスの大きさは島を包み込んでしまうほどの大きさになりリコたちに目をやる

 

「それとロイ、もう炎技は使っちゃいけないよ」

「え、なんで?」

「そっか、ガス...!もし炎なんて出したら引火して爆発する!」

「もし引火して爆発しようものなら......あの大きさです、多分この島は軽く吹き飛びます」

「わ、わかった!だったら、出てこいカイデン!」

 

ロイはボールからカイデンを出す

 

「今回ホゲータはカイデンの援護を頼む」

「ホンゲ!」

「お前ら!」

「フリード!」

 

船からフリードがリザードンに乗ってリコたちの元へ降り立つ

 

「コイツは一体....!」

「説明はとりあえずあと。今はとにかくアイツを止めないと」

「そうだな。いくぞ、リザードン、キャップ!」

「グオ!」

「ピカッア!」

「全員ヒット&アウェイに徹してください!もし一撃でも食らえば即戦闘不能になりかねない。鋼タイプのギルガルドとメタグロスが前に出ます。残りは後方で支援をお願いします!」

「「うん!」」

「了解だ!」

 

ノエルはオリオに近づき申し訳なさそうな表情を浮かべる

 

「すみません、オリオさん。僕の力不足のせいで貴方と貴方の相棒に迷惑ぶぉ...!」

「迷惑なんかじゃな~い~!あたしら仲間でしょ!助け合って当然当然!」

 

オリオは両手でノエルの頬を掴み上下に動かす

 

「それにあたし嬉しいよ。アンタがこんなアタシを頼ってくれるなんて...!もうさいっこうの気分!でしょ、メタグロス」

「メタアアア♪」

 

メタグロスも笑顔を浮かべ腕をあげる。メタグロスだけではなくリコ達全員も笑顔でうなずく

 

「...ありがとう」

 

ノエルは両手で自分の顔を叩き気合を入れ始める

 

「マタドガアアアアアアアアアアス!」

「いきます!」

「「「「うん!/おう!」」」」

 

こうしてライジングボルテッカーズ対超巨大マタドガスの決戦が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださりありがとうございました!

まさかまさかの超巨大マタドガス爆誕!そしてノエルの新ポケモン2体目はギルガルドです!僕がサンムーンのレートで使ってたポケモンです!

そしてスレイブソルジャーの概要が少しだけ明かされました。つまりラングレーとツンベアーのあの状態は無理やり”きずなへんげ”させられた姿ということになります。



では、また次回











次回、「君のための炎」
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