推しへの愛がアクセルシンクロ   作:いちごの入った大福

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大会

 

 

 

ニュードミノシティ*1

 

 

町全体が巨大な洋上都市(メガフロート)となっている本町は、主に5つの区画に別れている。

 

 

東に【イーストエリア】

ニュードミノシティの入り口であり、他エリアのベッドタウンとなっているためか住宅地が多く、人口も最も多い。

 

 

南に【サウスエリア】

ニュードミノシティで最も第一次産業が盛んであり、自然も多く残るのどかな田舎町といった場所。

 

 

西に【ウエストエリア】

他地区と比べて非常に治安が悪く、弱肉強食の風潮が強い。その分、腕の立つデュエリストが集まるのだという。

 

 

北に【ノースエリア】

俗にトップスと呼ばれるエリート層が住む場所であり、高級住宅街のほかリゾートエリアも数多く存在している。

 

 

中央に【セントラルエリア】

行政機関や重要施設が集中している場所であり、まさにニュードミノシティの心臓部と言える場所。中心に立つ巨大な【セントラルタワー】は圧巻の一言である。

 

 

 

 

共通するのは、町全体でデュエルモンスターズが重要な位置を占めていること。

人はこの町を【決闘者の楽園】と呼んだ。*2

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、私が住むのは最も一般的なイーストエリア。近所のカードショップを訪れていた。

 

 

「レディースアーンドジェントルメーン! これより月刊大会を開催します!」

「「ワーー!!」」

 

 

カードショップの前の広間、マイクを持って仰々しくMCをするのは、トマトめいた奇抜な髪型の男性。カードショップの店長である。

 

 

「本日の司会進行はワタクシ、MC榊(エムシーさかき)にてお送りします! ルールは簡単! まず総当たりで予選を行い、最後まで勝ち残った8名でトーナメント戦をします! 優勝者には豪華景品、レアカード盛りだくさんのオリパを進呈します! 参加条件は年齢下限なし、上限は高校生までとさせていただきます!」

 

「よっしゃ! 決勝戦で会おうぜ!」

「せめてベスト8に入ってから言いなさいよ」

 

 

大会の説明を受けて熱く燃え上がる武東君。呆れた京子にツッコミを入れられていた。

 

周りを見れば、人数は約40人ほど。本戦の競争率は5分の1といったところ。私達は中学生。高校生の参加者も多く、この町でも猛者の若者が集まっている。不利ではあるだろう。

 

 

「その方が燃えるじゃんか!」

「はあ……まったく相変わらずなんだから。ほら行きましょ」

「うん。頑張る」

 

 

そういえば、武東君のデュエルを見たのは先日の対王司君が久々である。その時に見たことないカードを使っていたので、しばらく遊んでない時期にデッキを強化したのだろう。

 

ちょっとだけ胸の中が熱くなった、らしくもない。デュエルするのが少しだけ楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論を言えば、予選は問題なく勝ち抜いた。カードパワーで押し勝った感じだが。

 

ぶっちゃけ【相剣】テーマ、強いて言うなら【相剣大邪-七星龍淵】が強い。コイツを出しに行くムーブをするだけで勝てることが多い。

先攻なら普通に出して、後攻なら泰阿を経由してガイザーを出し、相手の場を破壊しつつ悠々と龍淵を出せばいい。うーん強い。

 

 

『何故あのアクセルシンクロとやらを使わない。今の手札なら出来ていただろう』

 

 

途中、脳内のライズハートが姿を現さないまま話しかけてきた。

確かにライズハートとのデュエルでやったように、タツノオトシオヤさえ出せればアクセルシンクロに繋げることはできる。

 

だが、アクセルシンクロにはとある欠点が存在する。

 

 

「テンションが足りない…」

『は?』

 

 

シンクロモンスターを素材とし、相手ターンでのシンクロすら可能とするアクセルシンクロ。その弱点は「いつでも使えるわけじゃない」ということだ。

これを使うには、それこそ王司君への愛を闇の欲望扱いされた時の怒りのような激情が必要なのである。

 

感情が伴わないと何故か失敗する。理由は分からない。

 

 

「見て。ほら真っ白」

 

 

アクセルシンクロモンスターのカードを取り出す。枠は通常のシンクロモンスター。しかしイラストもテキストもなく真っ白である。

これでもエラーは発生しないが、使用することもできない。ただ、対ライズハート戦のようにが昂った時のみカードの内容が変化する。

 

 

そう、()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

 

妙なことだが、調べると過去に類似事例があるのだという。デュエルモンスターズ七不思議のひとつである。

 

 

 

「アンタやっぱデュエル強いわよね」

 

 

横でつぶやく京子は予選敗退してしまったようで、見学する私の隣に座る。

京子も結構強いと思うのだが、武東君相手だと負けがこむ印象である。

 

というか、武東君がかなり強い。我が学校の『三大デュエリスト』のひとりである。

ちなみに他2人のうちひとりは当然ながら王司君。もう1人は『白銀の竜姫』と呼ばれる女子生徒だ。

 

 

「よっしゃあー!」

 

 

ゆえに、武東君が勝ち残るのも必然だったかもしれない。年上の高校生を撃破し、本戦に出場した武東君。相手もかなり強かったけど、武東君は以前よりもっと強くなっている気がする。

 

 

まるで、()()()()()()()()()()()()ような成長具合だ。

 

 

なーんて。

 

 

 

「勝ち抜いたとして、そう簡単にあたりはしないよ」

 

 

そんなフラグ発言をして見学するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いデュエルにしようぜ!」

 

「嘘でしょ?」

 

 

一回戦で見事にフラグを回収するのだった。

 

 

 

*1
いつものナレーションボイス

*2
※呼びません

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