鈴ちゃん好きが転生したよ!( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん 作:かきな
反省文を書かされました。それも原稿用紙10枚に。そんなに反省する事があるわけもないし、第一反省の言葉を素直に並べても、一枚埋められるかどうか怪しいものだよ。
途中からペイルライダーにゴーストライター頼んだから早く済んだけどね。
『氷雨河内』
「なんだい、ニイガキライダー」
起動しているISからどんどん現行の情報が流れてくる。それをただ文字にするだけという作業だけど、説教の後だから疲れも一入だよ。
『生体反応接近。照合。篠ノ之箒と判定』
「分かった。そろそろ終わるし、箒と一緒にご飯食べに行こうかな」
流れる情報が止まる。僕の筆も止まり、原稿10枚は要約『ごめんなさい』という、なんとも内容の薄い文字列で埋め尽くされた。
扉が開き、宣言通り箒が姿を現した。
「真面目に書いていたか?」
「そりゃもういろいろな単語を駆使して引きのばした反省文を書きあげるくらいには真面目だったよ」
「それは真面目というのか……」
少し呆れ顔になる箒だけど、それが僕であると長年の付き合いで諦めてくれているようですぐに表情を戻した。
「私も、氷雨ならそろそろ終わるころであろうと思って、夕食を誘いに来たんだ」
「うん。じゃあ、これ職員室に提出してから食堂に行くね。先に行ってていいよ」
「そうか。なら先に行って席を確保しておくとしよう」
「あ、一夏は誘った?」
ピクリと反応する箒。
「い、いや。まだだが」
「まだってことは今からか~」
しまったとでも言いたげな顔になる。なんでそんなに不器用なんでしょうか。血なのかな? 束さんも人間関係不器用そう……て、不器用を通り越して放棄してるしね。
「い、いや、べつに、大した意味はないぞ! ただ、負けた一夏を慰めてやろうとか、思っていないからな!」
「別にそういう理由でいいんだよ。一週間特訓に付き合ったのは箒なんだから、そういうことを遠慮しなくていいんだって」
「そ、そうなのか?」
「そうそう。普通に誘っておいで。別に理由なんて言わなくても、一夏は来てくれるからさ」
ただし、他の女子に誘われていなければだけどね。
「う、うむ。分かった。ありがとう、氷雨」
「いいの、いいの。なんたって僕は箒……。てもういないんだけど」
考えるより先に行動しちゃうのかな? いや、考えすぎて変な行動をとることの方が多い気するけどさ。
原作のタッグマッチの前の告白とか、一夏じゃなかったらあの後付き合えていてもおかしくないんだけどね。
『次にあなたはそういうところが箒らしいと言います』
「そういうところが箒らしい……はっ!」
『シスコンを拗らせるのはいいですが、早く提出に行きましょう』
「別にシスコンじゃないからね。兄として当然の気遣いしかしてないからね」
あ、ちなみに箒とは同級生だけど、僕が6月生まれ、箒が7月生まれで、僕の方が少し早いから兄ということになっている。実際には数日しか差がないけど、兄という自覚を持てば、人間はどこまでも大人になれるのだ。
「それにしても、もうすぐ鈴ちゃんに会えるのか~。そう思うと興奮してくるね」
『これが大人のセリフですか』
恋の前には皆等しく少年になるのさ、ペイルライダー。
◇ ◇ ◇
夕食後。
箒と別れて一夏と二人で部屋に戻る。
「お茶飲むか?」
「うん。飲む飲む」
食後に緑茶を飲むのが僕らの日課になっている。一夏は例え安物でもそれなりに美味しく入れてくれるので、毎回なにかお茶請けが欲しくなる。今ここに羊羹がないのが非常に残念だ。
「最後、何されたかよく分からなかったんだけどさ、後から録画された映像見たらひどかったな」
ポットのお湯を一度湯呑に注ぎ、湯呑から急須に移す一夏。こうする事で、お茶の葉が開く適温にお湯が成るし、湯呑自体の温度も上がり、お茶を注いだ時に冷めなくなるというわけだ。
「ひどいとはなにさ。かっこいいと言ってほしいな」
「いや、確かにあの武器はかっこよかったけどさ。勝ち方はお世辞にもかっこいいとは言えないぜ」
確かに、通りすがりのクラスメイトから凄かったという感想はいただいたけど、かっこよかったは貰えなかった気がする。あれってそういう意味だったのか。
「ほいよ」
「ありがと」
二人してベットの端に座り、お茶を一口飲む。身体の中からあったかくなり、思わずため息が出てしまう。
「日本に生まれて良かったよ」
「氷雨は安いな」
一夏に笑われるが、緑茶という日本文化を僕は尊敬しているんだよ。千利休万歳! あ、茶道はまた別かな?
「まあまあ。それにしても、一夏強くなってたね。あのまま行けば、セシリア倒せてたんじゃない?」
「邪魔したのは氷雨だけどな。後から聞いたけど、あの零落白夜なら一撃で倒せるみたいだな」
「それもう競技として如何なものかと思うよね」
ああ、この零落白夜にはいろいろな意見が書いてあったね。主に、一夏が兵器として認識できてないって。でも、ISってスポーツなんでしょ? なら学生がそれを兵器と認識していないのは当然のことなんじゃないかな?
まあ、兵器であることには変わりないから、認識しているに越したことはないんだけどさ。特に専用機持ちはね。
「でも、これって千冬姉が世界大会で優勝した機体の単一仕様能力だよな。なんで俺が使えるんだ?」
「僕に言われてもな~。束姉なら何か知ってるかもしれないけどさ」
二口目のお茶を飲む。やっぱりため息が出る。
「あそこまで迫れたのはやっぱり箒の特訓のおかげかな」
「ほう?」
「剣道の間合いの感覚を思い出せてさ、ビットにもその感覚を適応できないかって試行錯誤してたらできたんだよな」
「それ、試合の最中にやったの?」
「ああ。そうだけど」
それはすごいことなんだけど、一夏は理解できていないのかな?
「やっぱり一夏はすごいなぁ」
「何がだよ。氷雨には敵わないって」
「そりゃそうだけどね」
「堂々とし過ぎだろ……」
いずれ一夏にも負ける日が来るんだろうか……。分からないな。今は僕の方が圧倒的に強いけど、一夏はISの主人公として成長する。それも急速に。追いつかれるのも時間の問題かな。
お茶を飲む。今度もため息は出るけど、さっきまでとは毛色が違った。
戦いに負けるのは良い。でも、負けたくないものが一つだけある。
鈴ちゃんは渡さない!!
『気持ち悪いですね』
「おい」
一夏には聞こえていないようだが僕は心の中で泣きました。
◇ ◇ ◇
昼休み
と言うわけで、クラス代表は僕に決まったわけでした。ふざけはしたけど、絶対に勝たなくてはならない試合だってことは分かってもらえるかな? だって、鈴ちゃんとの試合中にゴーレムが来るんだよ? 良いとこ見せるならそこでしょ!
「決着は納得いきませんでしたが、篠ノ之博士の弟でもありますし、相応しいのではありませんか?」
「フン、もっと腕を磨いておけ」
「なんですって!?」
「嘘ですごめんなさい」
まさか聞こえるとは思っていなかったんです。
「クラス代表トーナメントについてだが、4組の代表者が棄権したこと、および、専用機持ちが一人しかいないことが理由で延期になったぞ」
「はあ!?」
聞いてませんよ、神様! 原作通りに進むんじゃないんですか!?
「ちょ、ちょっと待って下さいよ。4組の代表が棄権って……なんでですか?」
「専用機がまだ未完成だ。来週までに完成する見通しも立っていない。だから、今回は見送る形になった」
え~と、4組の代表って言ったら、更識簪だよね。ああ、一夏の白式に人員を割かれたせいで未完成になったんだっけ? いや、そんなことはどうだっていい。
「中国の代表候補生は!?」
「お前は何を言っているんだ?」
呆れたような顔の千冬さん。確かにそんな顔するだろうね、いきなりこんな事言ったら。
焦る。僕の知ってる原作が徐々に崩れているんじゃないか? 僕の知らないところで何か起こっているのではないか?
そんな不安が押し寄せてくる。だが、それが現実のものになるなんて、この時は思わなかったのだ。
『アクセスしたところ、中国の代表候補生はすでにこちらへの転入を申請しています』
「あ、そうなの」
嘘ナレーションになっちゃったよ。
◇ ◇ ◇
中国
突然頭角を現した少女が代表候補生になってから数か月たった。もともと代表候補生であった少女をIS学園に送るつもりであった政府だったが、それのおかげで予定が変更され、職員たちは様々な手続きに追われていた。
「ねえ、まだなの?」
来客用のソファでくつろぐ少女がその天才ともいえる、快活な性格を有し、その軽いフットワークと太陽のような笑顔で私をにやにやさせてくれる少女、凰鈴音の姿があった。
「まだね。織斑女史の弟や、篠ノ之博士の弟といった、特異IS搭乗者が現れたこともあって、今IS学園は立て込んでいるみたいね」
「ふ~ん。そうなんだ」
鈴は懐かしい名前を耳にして少し表情が緩む。候補生管理官である楊麗々がそれに気づき、声をかける。
「なんだ、知り合いか?」
「そうね。日本にいた時によく遊んだわ」
そうして懐かしむ鈴の表情をみて、楊はため息を吐く。
「できる限り早く手続きを終わらせるよう手配する」
「わかったわ。じゃあ、今日は何もないのね?」
「ああ、帰ってIS学園の要綱でも見ていろ」
その日、対応をするはずだった千冬は氷雨の説教をしており、結局手続きは終わらなかった。
鈴ちゃん登場(出るとは言ってない
展開の改変が入りまーす
そんな楽に付き合えると思うなよ、氷雨!
……土曜日? すり替えておいたのさ!テーテッテーテッテレ
次はさすがに土曜日になります(フラグ