鈴ちゃん好きが転生したよ!( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん   作:かきな

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???「カロリーメイトがうますぎる」


十九話 スニーキングミッション

 前回セクハラはうやむやにできたとか言ったな。

 

「アレは嘘だ」

 

「ちょっと、氷雨聞いてるの!」

 

「あ、はい。聞いてます、ごめんなさい」

 

 正座のままシャルにこんこんと説教をされる。

 

「大体、氷雨は勝手すぎるよ。そりゃ、僕のためにやってくれたんだろうけど……。けど、何も言わずに女の子のベッドに入ってくるなんてダメだよ」

 

「え、じゃあ、言ったら入れてくれるの?」

 

「え?」

 

 うん、最低な返しをしたね、僕。いや、でも、だってね。さっきの言い方だとまるで言ってくれればいいのに、てニュアンスが入ってるように聞こえるもん。

 

「……一緒に寝たいの?」

 

 シャルが頬を赤らめ、上目使いでこちらを窺う。

 

 なんだこれ、据え膳食わぬは男の恥ってことですか? いやいや、あり得ない。僕には鈴ちゃんがいますし、第一シャルもジョークでしょ? 場を和ませる冗談ですよ。

 

 それにシャルは一夏に惚れてるしね!

 

「(チラッ)」

 

「(ジー)」

 

 何か期待してらっしゃる!? これは……気の利いたジョークでの返答が必要か!!

 

「オレを癒せるのは、オレしかいないんだ」

 

「…………」

 

 唖然とするシャル。その無言が滑ったことを指し示している。やっべえ、恥ずかしい。

 

「ぷふっ。なにそれ」

 

 堪えていたものを吹きだすように、シャルは笑った。なんだかその笑顔は吹っ切れたような笑顔で、初めて目にしたものだったかもしれない。

 

「はあ、なんだか考えすぎて疲れたよ」

 

「そりゃそうだよ。脳を使うと運動したくらいエネルギー消費するしね」

 

 そういうと、シャルは布団を被り横になる。そうして、少し布団をめくり、マットレスをポンポンと手でたたく。

 

「え、なに?」

 

「ひ、氷雨は……入らないの?」

 

 入るわけないじゃないですか。

 

「冗談が言えるくらい元気になってよかったよ。じゃあ、僕は食堂にご飯取ってくるね。シャルもお腹空いてるでしょ?」

 

「え、う、うん」

 

「ちょっと待っててね」

 

 そう言って、僕は部屋を去った。

 

 

 

「氷雨の意気地なし」

 

 

      ◇   ◇   ◇

 

 HR。

 

 いつも通り朝は騒がしかったけど、教室に千冬さんが現れるなり静かになった。ここまでテンプレだね。

 

「学年別トーナメントについての連絡だ」

 

 学年別トーナメントと言えばラウラが暴走するあれだよね。後からタッグマッチだって言われるけど、僕は誰と組もうかな。一夏はたぶんシャルと組むだろうし、僕は箒と組もうかな。専用機持ちのセシリアと組んだ方が勝率は高そうだけど、箒と組んだ方が楽しいと思うんだよね。

 

 それに、セシリアは遠距離射撃タイプだから、組むとなると相当連係の練習しないとFFの危険があるからね。え、強いとか自称してるなら『直撃コース』『避けてみせろよぉ!! アレルヤァ!』くらいやれって? いや~、無理です。敵と認識している相手ならまだ避けようはあるんだけどね。

 

「知っての通り、この行事は毎年同じ時期に行われているが、諸事情により今年は早くなった」

 

 諸事情ってなんだろうか。

 

「開催は来週だ。よって、今週末までに相方を見つけ、登録しておくように。以上だ」

 

 締めの一言が入り、HRは終わりを告げる。

 

 そうして、クラスメイトが学年別トーナメントの話題でざわつく中、真耶ちゃんの授業が始まった。

 

      ◇   ◇   ◇

 

 休み時間。

 

 いつものようにシャルがこちらに来て集まる。

 

「学年別トーナメントってどんな感じなんだろうね」

 

「どんなって、普通のトーナメントだろ」

 

 いやまあ、一夏の言う通りなんだけどね。

 

「え~と、三年生には国や企業からのスカウトが来たり、二年生は一年の成果の確認をしたりする行事らしいよ。入学の時貰った資料に書いてたよね」

 

 あ、そうなんだ。知らなかったな。でも、三年生のスカウトはちょっと早くないかな? まだ、1学期だよ? 早めに目をつけておこうってことかな? 野球のドラフトみたいに。

 

「だったら一年生には関係なさそうだね」

 

「いや、お前らは関係しているぞ」

 

 話していると、横から千冬さんが話に入ってきた。

 

 でもどういうことだろう。

 

「僕らにはスカウトが来るんですか?」

 

「そんなわけないだろ。お前ら男性操縦者の実力の把握が今回、学年別トーナメントが早期に開催されることになった理由だ」

 

 イレギュラー要素は抹殺する。ミラージュはそう判断した。

 

 つまりはそういうことですね、分かりません。

 

「別に深く考える必要はないが、真面目に参加しろよ。……特に篠ノ之」

 

「ひょえっ!!」

 

 なんで僕? ……ごめん、嘘。全然疑問はないです。そっか、原作ではその役割をクラス対抗戦が担っていたんだね。

 

「それだけだ」

 

 そう言い切ると千冬さんは教室から出ていく。

 

「専用機持ちも結構いるから楽しそうだね」

 

「氷雨は相変わらずだな」

 

 ん? 一夏がシャルと組んで、ラウラと戦うとなると、専用機持ちセシリアしかいなくない?

 

 なかなかの倍率だなぁ。

 

      ◇   ◇   ◇

 

 放課後。

 

 特訓を終えて、更衣する。そういえば、更衣室という単語はエロいって、どこかの生徒会会長が言ってたような。We are SYD!!

 

「ふう。シャワーも浴びたいね」

 

「それは部屋まで我慢しないとな。あ、氷雨」

 

「ん? なに?」

 

「先にシャワー浴びていいぞ」

 

「え? あ、僕、そっちの気はないから」

 

 僕の発言に一夏は疑問符を浮かべる。そう言うセリフは女の子に言うべきだよね。

 

「気にしないでいいと思うよ一夏」

 

 シャルがフォローする。あ、シャルは先に着替え終えてるよ。それでも、先に出ると不自然なので待ってもらっているんだ。もちろん、ロッカーの死角にいてもらってるけどね。流石の一夏も、女子と分かっているのに着替えをわざわざ見せたりはしない。

 

 でも、僕は知っている。時折シャルがこっちを覗いていることを。

 

「でもどうしたの? 今日は一夏が二番目じゃなかった?」

 

 ちなみにシャルは一番最初に使ってもらうようにしている。だって、僕らの後なんて嫌でしょ。

 

「ああ、ちょっとこの後、箒に呼ばれてな。飯も先に行っててくれ」

 

 ……なるほど。あれか。

 

「うん分かったよ。じゃ、先に行っとこうか、シャル」

 

「え、うん。分かった。じゃあ、またあとでね、一夏」

 

「おう」

 

 そう言って僕らは更衣室から出て、廊下の角を曲がった。

 

      ◇   ◇   ◇

 

 廊下。

 

 僕は今、廊下の角にいる。

 

「氷雨」

 

 廊下の角にしゃがみ込み、更衣室の方を覗き見る。

 

「氷雨っ!」

 

「スニーキングミッション中だ、シャル」

 

「これはどちらかといえばストーキングだよ」

 

 うまいこと言うね。

 

「何しようとしてるのさ」

 

「いや~、箒が一夏を呼び出したでしょ? だから、お兄ちゃんとしてそれが気になってね」

 

 いや、内容はもう知ってるんだ。でも……それでも気になるのがお兄ちゃん!!

 

「そんなこと、篠ノ之さんに悪いよ」

 

「箒 イズ マイ シスター。アイ アム お兄ちゃん。 ドゥー ユー アンダスタンド?」

 

「……フランス語で言ってほしかったな~」

 

 フランス語? えーとえーと。

 

「……僕は日本人だよ? 何言ってるの?」

 

「さっきは英語だったよね?」

 

「……それはそれ、これはこれ」

 

「シャル。君はもう束縛から解放されて自由なんだ。だから、自分を抑え込む必要はないんだ。したいことをしていいんだよ!」

 

「氷雨……」

 

 そうだ。シャルはもうスパイなんてしなくていいんだ。もう、自分の好きなように生きていいんだよ!

 

 僕の言葉にシャルは感動している。

 

「て、それとこれとは別だよ!」

 

「シッ! 静かにして。一夏に気取られたらどうするの!」

 

 そしたら箒を見守ることができなくなっちゃうじゃないか。

 

「あれ? 僕が悪いのかな?」

 

 シャルが混乱しているところに何者かの影が迫ってきた。しまった、これが千冬さんならスニーキングミッション失敗だ!

 

「あ、ひさめんに、でゅっちーだ~」

 

「あ、のほほんとしてる、のほほんさん。こんばんは」

 

「こんばんは、布仏さん」

 

 でゅっちーっていうのはシャルのことね。

 

「こんばんは~」

 

 まあ、でゅっちーっていうのは分かるんだけど……。

 

「で、そのひさめんって言うのは何?」

 

「え、ひさめんはひさめんだよ~。誰かがそう言ってたよ~」

 

 誰かって誰ですかね? 氷雨でひさめんかぁ。なんだかおもしろいね。

 

「まあ、ひさめんでもイケメンでも好きなように呼んでいいよ」

 

「あはは。ひさめんはおもしろいね~」

 

「それほどでもあるよ」

 

 褒められたら素直に受け取る。それが僕の主義。え、罵倒? 馬耳東風ですよ。こう、東から風がフゥ~ってね。

 

「ナテュラルにイケメン発言を流されてるけど、いいのかな」

 

「そこはフランス語で言ってほしかったな~」

 

「naturel」

 

「あ、はい、ごめんなさい」

 

 あ、でも英語っぽい発音も残ってるんだね。起源が一緒だからかな?

 

「それで、二人は何してるの~?」

 

「スニーキングミッションだ、大佐」

 

「そうなんだ~。ひさめん軍曹、対象はどこですか?」

 

「乗るんだ」

 

 のほほんさんはノリがいいことに定評があるんだよ。のほほんさんが腹黒なんて二次設定の小説出てこないかなあ。すごく面白そうだよね。

 

「て、僕は軍曹ですか。えとね、箒がこれから一夏を呼び出すらしいからそれをお兄ちゃんとして見守ってあげるんだ」

 

「へ~、ひさめんは妹思いなんだね」

 

「あれ、これが普通の反応なの? 僕が間違ってるのかなぁ」

 

 そんなことをしていると、一夏が更衣室から現れる。一夏はそのまま廊下を歩き始める。事前に場所を指定していたのかな?

 

「って、あれ? こっちに来てない?」

 

「ど、どうするの、氷雨」

 

 ふっふっふ。大丈夫。こういう時のために用意しているものがあるのさ。

 

「ペイルライダー!」

 

『段ボール、レディ』

 

 三つの段ボールが展開される。

 

「さ、これを被って!」

 

「え、これって、段ボール? さすがにこれじゃあ……」

 

「大丈夫、絶対」

 

「ひさめん、用意周到だね~」

 

「もっと他の物を用意すればいいのに」

 

 しぶしぶではあるがシャルも被り、その場に伏せる。ぶっちゃけ、のほほんさんは被る必要なかったかもしれないけど、そこはノリだ!

 

 そして、近づく足音。

 

「ん、こんなとこに段ボール?」

 

 一夏が段ボールに気づいたようだ。

 

「……クローム? あ、パーツって書いてるし、ピットに運び込むやつか。時間があったら運ぶの手伝うんだがな……」

 

 一夏、優しいな。

 

「でも、箒を待たせてるし、すまん。また今度手伝うからな」

 

 誰に言ってるんだろうね。

 

 そして、走り去る音がして、僕は段ボールを持ち上げた。

 

「……僕が出しといてなんだけど、一夏ちょろ過ぎない?」

 

「あはは」

 

「おりむーは素直だね~」

 

 ミッションはまだまだ続く。

 




???「ミッションスタートだ」

前回とうって変わってスラスラ書けた~
やっぱりこういうコメディっぽいのが楽しい
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