鈴ちゃん好きが転生したよ!( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん   作:かきな

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二話 純白の騎士と蒼穹の騎士

 あの日を境に箒は僕と一緒に行動する事が多くなった。一夏とも仲良くなって、とても良い傾向。ただ、あの時のような笑顔は滅多にしてくれることはないね。期間限定の笑顔だったみたいだ。

 

 あの笑顔をいつもするような女の子になれれば、一夏とくっ付くことは容易なはずなので、色々と性格の矯正を試しているけど、全く効果は得られてないよ。転生者なんだから頑張れって? 逆立ちしたって人間は神様にはなれねえって、軟弱者が言ってたよ。

 

 で、最近になって束さんの動きがおかしい。どこから資金が来ているのか知らないけど、家の蔵を改造してラボにした挙句、そこに籠って何かを研究している。何かって言っても、それがISであることは明らかなんだけどね。

 

「束姉、束姉」

 

「ん~、なにかな、ひーくん。束さんは今忙しいのだよ」

 

「忙しいのは分かるけどさ、来客なんだよ」

 

 スーツを着たどこかのお偉いさんの様な人たちだった。何でも束さんに話があるとかないとか。

 

「あ、それって、論文のことかな?」

 

「論文? それって、今いじってる機械と関係してるの」

 

「その通りなのだよ。ひーくんは賢いね」

 

 原作知識ありだけどね! ちなみに、興味ないと思うけど小学校では天才って言われてますから。だって、あのレベルの問題なら一般教養で解けるもんね。あ、聞いてないって? ごめんね。見た目は子供、頭脳はそこそこだから、ちょっと自慢したくなっちゃって。

 

 応接間に通して、少しの間、外から様子を窺ってみる。内容は聞き取れないけど、何かスーツの人が話しているようだ。

 

 スーツの人の話が終わる前に束さんの怒鳴り声が割り込んで聞こえてきた。そのまま束さんは退出。蔵に戻っていったようだった。

 

 面倒だけど、スーツの人たちに謝罪して、帰ってもらった。なんか帰り際に束さんの悪口言ってたけど、束さんにそれ聞こえてるからね。いかん! そいつには手を出すな! って、教えてあげてもいいけど、そこまでしてあげる義理はないね。

 

「束姉、どうしたの?」

 

 蔵に入ると、物凄い勢いで手を動かす束さんの姿があった。

 

「あいつら、私のインフィニット・ストラトスを欠陥品だって? ふざけるな!」

 

 あ~、お怒りだ。ISの論文を馬鹿にされのか。

 

「ISは私の夢。絶対に……絶対に認めさせてやる」

 

 えっと、これがあの白騎士事件を起こす動機ってことでいいのかな? まあ、起こしてもらっていいけどね。え、何。ISのせいで社会が混乱するから止めろって? あ、そうなんだ。で? それが何か問題?

 

 そんな主任のような発言は置いておいても、止められないと思うよ。一応声かけようか?

 

「束姉。僕は束姉が天才だってことを知ってるし、束姉が作ったものが欠陥品なわけないってことわかってるよ? それじゃあだめなの?」

 

「ひーくん……」

 

 しばし沈黙。お、ちょっと効いてるのかな?

 

「けど、それじゃあ駄目なの。ISを認めさせて、今の世界を変える。そのために、私はやらなきゃいけないんだ」

 

 そうだ! それでいい! これだから面白いんだ、人間ってやつは。え、主任がブームなのかって? さあ?

 

「分かったよ。束姉が決めたことなら僕は何も言わないし、応援するよ」

 

「ありがとう、ひーくん」

 

「でも、突然いなくなったりしないでね」

 

 IS乗れるようにいろいろ手配してもらわなきゃならないからね!

 

「勿論! 約束するよ。はい」

 

 小指を出してくる束さん。それに応じるように、僕も小指をだしてその指に絡める。

 

 絡めた指は細く、どこか儚げだった。この指がISという兵器を作りだし、世界を混乱させた指だと直結するのは難しかった。

 

 

   ◇   ◇    ◇

 

 そんなこんなで束さんが消えました。有言実行早~い。だけど、約束破るのも早ぃぃいい!

 

 もうね、なんというかね、原作で読んだ印象のそのまんまの束さんだよ!! 貴女は自由人ですか!ってね。脚本家の悪意が見えるよ。

 

 でね、そのまま原作通りに行くのかと思ったらさ、ちょっと変わったんだよね。

 

 なんだか、束さんの中での僕の好感度が高かったみたいでね。

 

「いらっしゃい、ひーくんにちーちゃん」

 

「あ、ありのまま――」

 

「どういうつもりだ、束」

 

 あ、セリフ遮られた。ちなみにこの人は一夏の姉の千冬さん。地上最強らしいよ。大きすぎる……修正が必要だ。どこがとは言わない。

 

どういった状況かというと、束さんに拉致られました。それもすごいスムーズかつスピーディーに。プロなのかな?

 

「ふっふっふ。それはこれを見てもらってから説明しよう」

 

 バーンという効果音と共に現れたのは、二つの影。

 

 一つは純白のIS たぶん、これが白騎士なんだろうと思う。全身を包む鎧はまさに中世の騎士を彷彿とさせる。率直な感想はかっこいいに尽きる。

 

 僕がこのISという作品を好きな理由の一つに、この機体のデザインの良さがあげられるかな。装甲の感じとか、凄い惹かれるものがあるよね。とかそんな話は置いておいて。

 

 もう一つの影は見覚えのないものであった。同じく全身装甲ではあるが、薄い青色で染められていた。

 

 もしかしなくても僕のISだよね。……え、あのミサイルとか撃ち落とすやつ、僕にもやれって言うの?

 

「どう? 凄いでしょ。これが私の作った史上最高のパワードスーツ、インフィニット・ストラトスだよ」

 

「凄いと言われてもな。見ただけでは分からん」

 

「むう、ちーちゃん、乗りが悪いな~。ま、いいよ。それも含めて説明していくね」

 

 で、スペックと作戦の説明が始まる。けど、武器が刀しかないっていうのはどうなんですか?

 

「だって、ひーくん、道場でちーちゃんの次に強いでしょ? だから、大丈夫だよ」

 

 て言うのが束さんの主張。正直、千冬さんの次と言っても差があり過ぎて並べられても酷って言うものなんだけどね。

 

 でも、これで専用機ゲット。当初の目的は達成されたんだから無問題? 代わりにリスクを背負っちゃうけど、ギブアンドテイクだから仕方ないね。

 

「白騎士と蒼騎士、頑張ってね」

 

 フィッティングを終えた僕らに束さんが声をかける。てか、蒼騎士って言うの、このIS? ぶっちゃけダサくないですか? 安直にもほどがあるよね。あれ? つまり、この白騎士事件も名前が変わるの? もしかして、白と青の騎士事件とかになっちゃうの? うわ、思わず顔を覆いたくなるネーミングだよ。

 

「大丈夫か、氷雨」

 

 隣の白騎士がこちらを心配してくる。どうやら僕は本当に顔を覆っていたようで、傍から見ればこれからの作戦を不安がる小学生に見えたようだ。

 

「だ、大丈夫だよ、千冬さん」

 

「そうか。まあ、お前の剣の腕なら大丈夫だとは思うが、無理はするな。束に振り回されて怪我をするなんて馬鹿馬鹿しいからな」

 

 いや~、ミサイルで怪我する事を馬鹿馬鹿しいの一言で一蹴できる千冬さん、マジリスペクトっす。

 

 まあ、絶対防御があるから大丈夫なんですけどね。

 

 そして、空に跳び出す。その加速は僕が今まで映像でしか感じられなかったもので、こうして肌で風を受けると、感動もひとしおってもんですよ。

 

 作戦位置に到着すると束さんから通信が入る。

 

『これからミサイル飛ばすからね。頑張って全部打ち落としてよ』

 

「分かった」

 

「了解。篠ノ之氷雨、目標を駆逐するよ!!」

 

『お、ひーくん。ノリノリだね』

 

 テンションが上がっているのは否定しない。

 

 でも、やっぱり男のロマンはビームだと思うんだよね。理想はジェフティのベクターキャノン。これ、頼んだら束さん作ってくれないかな。ついでに、ADAも採用してほしいね。

 

『くるよっ!』

 

「はいだらー!」

 

「な、なんだ?」

 

 千冬さんが不思議そうな声を出す。それに反応している暇はないよ。眼前に広がる空いっぱいのミサイルを見て、そんな余裕生まれてこないからね。

 

 一番近いミサイルを側面に回り、斬る。爆風にさらされるも、装甲がそれを防ぎ切り、生体維持機能により熱で身体が焼かれることもない。やっぱり、このシステムがISの最大の長所だね。操縦者の安全が多分に確保されている。そのおかげで、ISは余裕のある戦闘ができるんだ。

 

 ミサイル群を全て殲滅し、ひと息つく。

 

「お疲れ様、千冬さん」

 

「ああ、お疲れ様。だが、まだ休ませてはもらえないみたいだぞ?」

 

 センサーに反応が多数。……って、これ戦闘機だ! しかも複数の国から飛んできてるよ!

 

『ふっふっふ。どうやら、このISの凄さを認めたみたいだね。ちーちゃん、ひーくん、やっちゃっていいよ!』

 

 とは言っても、中には人が乗っているわけで。

 

「千冬さん、どうします?」

 

「脱出装置はついているだろう。羽を狙え」

 

「了解」

 

 そこからは僕らにとってはもはや作業でしかなかった。

 

 機体の性能が天と地ほどもあるのだ。不殺を誓ったところで苦戦するわけもなかった。

 

 呆気なく落とされていく敵機の数々に少し同情。

 

「今度こそ、終わりだな」

 

「天才ランナーと呼んでくれ」

 

『よっ、ひーくん! 天才ランナー!』

 

「ほ、ほんとに呼ばないで」

 

 言ったのは僕だけど、なんか恥ずかしいよ。

 

 後にこの騒動は蒼天の騎士事件と呼ばれることとなった。どちらかというと、僕の方が前に出てる気がするけど、これが精一杯のネーミングなんだろう。

 




この辺の話はうろ覚えですが、なんで、ISは最初に非難されたんだろうと考えたときに、出てきたのは論文という形式で発表して、突飛過ぎて受け入れられなかったという、現実世界でよく起こっていたそれを採用しました。

いや、覚えていないだけで何かこの辺の記述があるなら恥ずかしいかぎりですけどね。

次話投稿は七時を予定
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