鈴ちゃん好きが転生したよ!( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん   作:かきな

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三話 別れ、そして始まり

 事件のこともあり、ISは世界的に認められるようになった。というか、認めるように脅したっていうのが、的を射た言い方かもしれないね。

 

 でもって、コアが各国で研究されるようになったんだけど、やっぱり女性しか動かすことはできないようだ。

 

「束姉。なんで、ISって女の人しか動かせないの?」

 

「それは、ちーちゃんが使用したコアの方を元に、量産していったからだよ」

 

 話しによれば、事件の際に使用したコアがプロトタイプであり、登場した際のフィッティングにより、搭乗者のデータが入力され、そこで初めて搭乗条件がプログラムされたそうだ。

 

 なんで、女性の方を使ったかについては聞けなかったけど、そっちの方が世界が大きく変わるからという理由なんだろうなと、僕は思う。

 

 まあ、そんなことは良いのだが、僕は物凄く重要なことを見落としていたのだ。

 

「じゅ、重要人物保護プログラム……」

 

 これだよ。これが施行されるのは小学4年生から。つまり、鈴ちゃんが転校してくる一年前に、僕は別の学校に行かなければならないということだ。

 

 なんたる失態! 転生から四年たって原作のことを忘れかけていたとはいえ、鈴ちゃん関連のフラグを管理できていなかったとは……!

 

 いや、仕方ないさ。なんせ束姉がISを発表してから一家離散の危機だったし、その間ずっと箒の面倒見てたしで、なかなかに忙しかったもん。俺は悪くねえ、俺は悪くねえ!!

 

 アレだよね。鈴ちゃん、僕がいない間に一夏と仲良くなって、惚れるんだよね……。う、うわあ、ハードモードだ。

 

「何か、辛いところがあるなあ。原作で鈴ちゃんが一夏に惚れるのは知ってるけどさ。同じ壇上に立てたのに何もできないなんてね……」

 

 ちなみに、重要人物保護プログラムでの移動先はみんなバラバラ。箒の面倒も見れないし、束さんにADAの開発を依頼する事も出来ない。

 

 なかなか、辛いものがありませんか?

 

    ◇   ◇   ◇

 

 

 転校前日ということで、僕は道場にて千冬さんと手合わせをしてもらっている。

 

 現世では武道なんて何一つやっていなかった僕だけど、基礎が出来上がって、自分の思うように身体が動くとなると、剣道も楽しいと思えて、今では剣を振ることが楽しいとまで感じるようになっている。

 

 千冬さんの剣は鋭い一閃。どんな小細工もねじ伏せるような一振りで勝負を決める。そんな戦い方をするのが千冬さん。

 

 対する僕はどうにかこうにか、千冬さんの剣を掻い潜ろうと虚を探す、相手の隙を突く戦い方をする。

 

 前述のとおり、小細工が通じないのが千冬さんなので圧倒されるんだけどね。

 

「ふう。本当に強くなったな、氷雨」

 

「いやいや、千冬さんの足元にも及びませんよ」

 

 そういえば、この人は素手でISのブレードを振りまわしてたんだっけ。そんな人に勝てるわけがないよね。俺は人間を止めるぞぉ! って勢いがないと無理だよ。

 

「謙遜しなくてもいい。これでも、お前を認めているんだからな」

 

「それは光栄ですけど、それでも僕には千冬さんが別次元にいるように思えますよ」

 

「そうか」

 

「ええ」

 

「……」

 

「……」

 

 少し沈黙がその場を占める。これが最後なんだと思うと、寂しいな。

 

 そんなことを千冬さんも考えているのかは分からないけど、漂う空気がそれを肯定しているような気がして、少し嬉しいものがあった。

 

「束のこと、頼んだぞ」

 

「え、いや、引っ越す場所が違うのでそれは難しいかと」

 

「お前なら連絡を取るくらい容易だろう。暴走しないように見張っておいてくれ」

 

「あ、はい」

 

 そういえば、束さんって数年後に行方眩ますんじゃなかったっけ? あ、駄目だ。これ、僕止められる気がしないんだけど。逃げんなよ……逃げんなよ、アロウズ!! って、違う。これ、今のタイミングで使うセリフじゃない。

 

 そんな風に頼まれて、その日は道場を後にした。転校した先でも剣道ができるかどうかわからないけど、この竹刀は持って行くことにしよう。

 

   ◇    ◇    ◇

 

 ついに別れの時が来た。さらば、まだ見ぬ鈴ちゃん。

 

「て、箒。服の裾を引っ張るのは止めようね」

 

「なぜ、私と氷雨が違うところに行かねばならないのだ!!」

 

「いやいや、一緒だと解りやすいからだよ。バラバラの方が見つかりにくいでしょ?」

 

 まあ、なんというか。性格はあまり変わっていないけど、箒は少し僕に甘えるようになりました。なにこれ、原作からは考えられないんですけど。

 

「くっ。元はと言えばこれも姉さんのせいだ」

 

 まあ、束さんがIS作っちゃったからこうなったし、箒に恨まれちゃうのも仕方ないよね。

 

「大丈夫だって。毎日電話するからさ」

 

「本当か! 約束だからな!」

 

「うん。お兄ちゃんは約束を違えたことがないことで有名なんだよ?」

 

「いやいや、氷雨はよく俺との約束破っただろ」

 

 一夏が割り込む。一夏の登場を目にした瞬間、箒は掴んでいた僕の服の裾を離した。

 

「え、いつの話だっけ? 僕は憶えがないんだけど」

 

「テストで勝ったらジュースおごる約束破っただろ?」

 

「ジュースごときで。器の小さい男は嫌われるよ?」

 

「その言葉、氷雨に返すよ」

 

 しかし、そんな一夏にサプライズ。僕は鞄から取り出したそれをひょいと一夏に投げる。

 

「おっと。いきなり危ないな。って、サイダー?」

 

「うん。もうお別れだし。約束は守る男だからね」

 

「氷雨……」

 

 お、感動してくれてる? うんうん。我ながらこの演出は褒めてやりたいと思ってるんだよね。

 

「ぬるい炭酸とか、何の嫌がらせだよ」

 

「あれ?」

 

 予想外の返答でした。

 

「しかし、寂しくなるな」

 

「僕もだよ。なんだかんだで、一夏は友達少ないから心配だよ」

 

「おいおい、そんなことないって」

 

 まあ、さっきのは言い過ぎでも、敵は多いと思うよ。たらしだからね。

 

「出来るなら、転校とかしたくないけど……」

 

「仕方ないな。国が言ってるわけだし」

 

「小さな存在だな、私も……君も……」

 

「いきなりどうした、氷雨」

 

 なんでこんなことになったんだよぉぉ! このまま学校に残れば、もうすぐ鈴ちゃんに会えるって言うのにさ! しかも、いじめられるってイベントがあった筈だから、それを助ければ好感度上がるはずじゃないか。ついてねえ……。

 

 次に鈴ちゃんと会った時は鈴ちゃんの一夏に対する好感度はマックス……。

 

 なにも変わらねえのかよ……結局。てな感じで、ディスプレイを叩き割りたいよ。合理的かと思われた転生場所に、思わぬ罠があったなんて!

 

 溢れる感情が目頭を熱くし、涙を誘う。何故かそれを勘違いした一夏も涙を流す。

 

 傍から見れば、感動的な別れの一シーン。でも実際、僕の涙は鈴ちゃんとの別れからくるものである。なんとも、一夏には申し訳ないことをしたと思うわ。

 

   ◇    ◇    ◇

 

 月日は流れ、そこそこに楽しい日々を送っていたのですが、下校時、僕はいきなり何者かに拉致られてしまった。

 

 しかも、相手はISときたもんだ。やれやれ、レイヴンが相手じゃ分が悪すぎるか……。

 

 え、なんでこんなに冷静なのかって? 

 

 実は事前に政府から聞いていたことがあってね。束さんが行方不明らしい。だから、そろそろ束さんの方から接触があるんじゃないかと思っていたわけ。というか、このISが無人であることは、僕のISから聞かされたからもうそんなIS作れるのは束さんしかいないって分かるんだよね。

 

「ひーくん、久しぶり! 元気にしてた?」

 

「まあ、そこそこ元気にしてたよ。今は高速飛行でちょっとぐったりだけどね」

 

 嫌味を混ぜてみたけど、束さんは気にも留めていない様子。弟なんです、少しくらい心配してください。

 

「で、どうしたの束姉。失踪したり、拉致したり」

 

「ん~、失踪の方はきまぐれかな。コアは十分作ってあげたし、これ以上言うこと聞いてあげる理由ないからね」

 

 束さんの性格考えたら、誰かのいいなりになるなんてありえないことだし、なるべくしてなった失踪なのかね。

 

「拉致は?」

 

「蒼騎士の改造」

 

「えっ?」

 

「ん?」

 

 蒼騎士改造するの? この子、結構使い込んだお気に入りなんだけどな~。全身装甲だから男が乗ってることもばれなくて、こそこそしなくていいのもいいし。

 

 あ、でも、あの事件で有名になったから、流石に公の場には出てないよ?

 

「ひーくんはそろそろ高校生でしょ? それで、束さんの関係者だから強制的にIS学園に入れられる」

 

「あ~、うん、その通りだよ。あれ、束姉に言ったっけ?」

 

「天才である束さんにはそれくらいのことお見通しだよ」

 

 要するに、ハッキングしましたってことね。

 

「そんな所に行くのに、専用機おおっぴらに使えないのは辛いでしょ? だから、外装を変更してあげようと思って」

 

「ああ、そういうことか。ありがとう、束姉」

 

 それを聞いた後、少し引っかかるところがあったから聞いてみる。

 

「箒には専用機上げないの?」

 

「う~ん、箒ちゃんはなんだか私のこと嫌っちゃってるみたいだから、素直に受け取ってもらえないと思うんだよね」

 

 確かに、その通りかもしれない。

 

「じゃあ、ちゃっちゃとやっちゃうね」

 

「うん」

 

 束さんの作業は神技の粋なんだよね。設計図はいらない。頭でイメージされたそれを現実にそのまま構築する事ができる。本当に天才って言うやつであることを実感できる瞬間だね。

 

「はいできた」

 

「早すぎるっ! あ、ベクターキャノンとかつけてくれる?」

 

「それは前に聞いたあれのことかな? 拡張領域けっこう使っちゃうけど、付けておいたよ」

 

「流石、束姉!」

 

 男のロマン、大型ビーム兵器が実装されてしまった! これはもう、大興奮ですよ!!

 

 撃ちたいな……試し撃ちしたいな。どっかにないかな、そんな機会……。

 

「!」

 

 あった。入学早々、あったよ撃てる機会!!

 

「ふっふっふ」

 

「あ、ひーくんが悪い顔してる。なんだか分からないけど、束さんも笑うよ! ふっふっふ」

 

「ふっふっふ」

 

「ふっふっふ」

 

「「ふっふっふっふ」」

 

 不気味な笑い声が、ラボに響き渡るのであった。

 




クロエ「馬鹿なんですか」

次話から原作開始となります。
クロちゃんは扱い方わかってないので登場は保留です。

さて、書き溜めによれば原作二話終了までで三万字程度あるみたいですね。
鈴ちゃんまだー(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
って方はもうしばらくお待ちください。私自身、早く出したいです。
あ、作者の別作品には鈴ちゃんもうでてますよ?(チラッ

次話投稿は明日の一時を予定
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