鈴ちゃん好きが転生したよ!( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん   作:かきな

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二回くらい没って遅くなりました
本当ならGW毎日投稿するつもりだったのに


十話 気づけば始まり

 廊下を疾走する僕。どこへ行こうとしてるのかって? そりゃ当然中国だよ。鈴ちゃんに無茶な命令した挙句、鈴ちゃんを侮辱するとはね。よほど命がいらないと見受けられるよね。ぜひともハイクを読んでもらおうね。

 

 そんな風に走っていると、後方から僕を追いかけるように足音が聞こえてきた。

 

「氷雨、あんた、待ちなさいよ!」

 

 振り向かずともその声から追いかけてきている人物が鈴ちゃんであると分かった。だけども僕はその声に従うことはせず、廊下を走り続ける。あ、僕が鈴ちゃんを蔑ろにするのってこれが初めてかもしれないね。

 

 だけど、今は鈴ちゃんの言葉通りに立ち止るよりも優先しなければならないものがある。それをしなきゃ、鈴ちゃんの悩みは解決されない。だから僕は走る。

 

 けれど、そんな僕の手を誰かが掴み、強く引いた。僕は無理にその手を振りほどかず、ゆっくりと立ち止り、後ろを向く。

 

「鈴ちゃん」

 

 そこにいたのはやっぱり鈴ちゃんだったけど、背後にはISを一部展開していた。僕に追いついて止めるために展開したんだろう。そこまでして、どうして止めるんだろうか、と不思議にも思った。

 

「どうして、止めるの?」

 

「はぁ? あんたが物騒なこと言って飛び出していくからじゃない!」

 

 まあ、確かに部屋を出るときの僕は元グリーンベレーのコマンドーみたいな状態だったしね。それも、負ける方の。

 

「でも大丈夫だよ、鈴ちゃん。頭は少し冷えてきたから、物騒なことはしないよ」

 

 その言葉に鈴ちゃんは少し安心した表情を見せる。

 

「そうよね。あんたもそこまで馬鹿じゃ……」

 

「生まれてきたことを後悔させるくらいボロボロにして命令を取り消させるくらいしかしないよ」

 

「馬鹿じゃない!」

 

 ううぇえ!? なんで!? 

 

「あんた、それがどういうことかってわかってんの!」

 

「どうって言われても……」

 

 鈴ちゃんへの命令を取り消してもらって、鈴ちゃんがこのIS学園に居られるようになるってことだよね?

 

「ただ、お願いしに行くだけだよね?」

 

 それにちょっと武力行使がおまけで付くだけだよ。

 

「相手は中国政府なのよ!?」

 

「相手が誰とかは関係ないよ。重要なのはそいつが鈴ちゃんを苦しめているってところだけだよ」

 

 多分相手が束さんだったとしても、僕は行っただろうね。勝てる勝てないは別にしてもね。

 

「脅迫なんて、それ犯罪なのよ!?」

 

 うん。そうかもしれないね。それに、今から行くとしたら不法入国も追加だしね。

 

「それでも、やらなきゃいけないことはあるよ」

 

「やらなきゃいけないことって……そんなことしたら、あんたここに居られなくなるのよ!」

 

 中国政府にケンカを売る。それはつまり、国際手配犯になっちゃうわけで、さすがのIS学園も匿ってはくれないかもしれない。でも……。

 

「そんなこと構わないよ。だって、今僕が何もしなくて学園に居れたとしても、そこに鈴ちゃんはいないんでしょ? だったらそんなの、意味ないじゃないか!」

 

 僕は自分の存在意義のすべてを鈴ちゃんに依存している。それが良いことか悪いことかという議論は必要ない。だって転生者だもの。この作品が好きで、その作品という箱庭で遊んでみたいという欲望の果ての存在だもん。

 

 そんな僕の世界を守るためなら、僕はなんだってできる。

 

「だから、たとえ僕がここに居られなくなったって、僕が警察に追われる身になったって、鈴ちゃんのために……鈴ちゃんがここに居られるために動いた方が、何万倍も意味があるよ!」

 

『ゼロを何倍してもゼロですよ』

 

 話の腰を折らないでぇええ!

 

 そんな言葉に鈴ちゃんは何かを言いたげで、でもその言葉がすんなり出てこないような、なんだかもどかしそうにもじもじとし、僕から少し目を逸らした。そして、ぼそりとつぶやく。

 

「あたしだって……あんたの居ないIS学園に残れても……う、嬉しくなんてないわよ」

 

「ほぁっ!?」

 

 その小さな声を僕は聞き逃さなかった。というかね、ISのハイパーセンサーが嫌でも拾ってくれるんです。あ、嫌じゃないよ? これが一夏なら聞き逃すところだろうけどね、僕は聞き逃さないよ。

 

 つ、つまるところはだね、これは明確な好意の表現じゃないんでしょうか? 確かにね、友人を失うのが嫌だっていう意味にとることもできるかもしれないけどね。それなら躊躇う必要もないし、今恥ずかしそうに頬を赤らめる必要もないよね!

 

 おおおおおおお、おちちちちつけ僕。ちょっとさっきまで湧き起っていた赤黒い怒りは僕の目の前にいる紅潮した小さな天使によってどこか遠くに飛んで行ってしまったわけだけど、もう大臣なんて重要じゃないよ。今重要なのは鈴ちゃんだよ。

 

「り、りりりりり、鈴ちゃん! そそそそそっそ」

 

 うわああ、お、ち、つ、け、僕ぅうう! それはどういう意味って聞くだけだるぉお!?

 

 僕は頭を冷やすべく壁に頭を打ち付ける。

 

「ひ、氷雨? あんた、なにやってんのよ!?」

 

 鈴ちゃんが驚いたような声を出す。あ、ごめん、びっくりさせちゃったよね。うん、でもこれである程度は冷静になれたかも。少なくとも、さっきまでの一連の動作の意味を疑えるくらいにはね。

 

「い、いや、何でもないよ。気にしないで」

 

「気にしない方が難しいわよ……」

 

 そんなことよりも、鈴ちゃんのさっきの言葉の真意を聞かなければ!

 

「り、鈴ちゃん、あ、あの、さっきのって、あの、どういう意味?」

 

 僕がそれを問うと、鈴ちゃんは再び顔を赤くする。

 

「ど、どういう意味ってあんた……そ、そのまんまの意味よ!」

 

 うん、そこまでは分かってるんだ。

 

「そ、そうじゃなくてね、ほら、友達としてとか、あの、もしくは、い、異性としてとか、あるじゃない!?」

 

 う、うわあ、言葉にすると自意識過剰の痛い人にしか聞こえないよ。でも、そこが重要なところだからね? これを聞き流して、そのままにしてたら一生鈴ちゃんと進展なんてするわけがないからね!?

 

「あ、うぅ、そ、それは……その……」

 

 はい! これはもう決定でいいよね!? 鈴ちゃんも僕に好意を持ってくれているってことでいいよね!? あれ? じゃあ、どのタイミングからなんだろうか? いやいや、待って、今それは重要か? 重要じゃないよね!

 

 僕の中では答えは出てしまったけど、鈴ちゃんは僕の問いにどう答えるべきかで、口を小さく開けては閉じ、開けては閉じを繰り返した。その顔はもう真っ赤に染まっており、すごい熱を帯びている。

 

「あ、あたしが……あんたのことを……」

 

「ぼ、僕のことを?」

 

「す……」

 

 す? す!?

 

 僕の頭が何かを察してショートしそうになったときに、鈴ちゃんは意を決したように目つきを変える。

 

「す……!」

 

「凰、貴様、寮内でISを無断展開するとはいい度胸だな」

 

「「……あ」」

 

 僕と鈴ちゃんはその声の主を視界に入れると、さっきまでの高揚はどこへやら、一瞬で冷えてしまった。

 

「凰、来い」

 

「あ、あの千冬さん、今ちょっと氷雨と大事な話を……」

 

「織斑先生だ、馬鹿者」

 

 そういわれ、鈴ちゃんは有無を言わさず、連れていかれてしまった。

 

 

 

 

 突然のことに茫然として、ただそれを見送るだけだった僕は、はっと我に返る。

 

「……これはまずい」

 

『なにがまずいのでしょうか。両思いになってハッピーエンドではないのですか?』

 

 いや、それはそうなんだけど。

 

「あそこまでいってだよ? それを途中で遮られて、続きは後日って、鈴ちゃんがそんなことしてくれるわけないじゃないか」

 

 となると、この話はこれで終わり、続きを聞こうにも、多分はぐらかされてしまうだろう。タイミングを失ってしまったから、鈴ちゃんからは何も言ってくれないだろう。

 

「ああ、どうしよう……。もう少しだったのに」

 

『……氷雨らしからぬ悩みですね』

 

 ペイルライダーがそう言う。でもさ、僕の悩みっていつも鈴ちゃんのことだし、何が僕らしくないんだろう?

 

『鈴が言ってこないのであれば、氷雨が言えばいいではないですか』

 

 …

 

 ……

 

 ………

 

「それだぁ!!」

 

 僕はもう一度、鈴ちゃんに告白をすることをここに決心したのだった。

 




と、いうわけで、大臣は命拾いして氷雨くんは死亡フラグを回避しました

よかったね
氷雨「え、もしかして、中国行ったら僕、死んでたの!?
さあね

沢山の感想ありがとうございます
すべてありがたく読ませてもらっていますが、いかんせん返事が遅れてしまっています
まとまった時間が取れるときに返信したいと思いますので、しばしまたれよ!
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