鈴ちゃん好きが転生したよ!( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん 作:かきな
放課後。
「ペイルライダー」
『なんでしょうか』
アリーナの使用許可が下りたので身体を動かすためにペイルライダーを起動させている。
「今度の試合、セシリアについてだけどさ」
『イギリスの代表候補生、セシリア・オルコット。専用機はブルーティア―ズですね』
「うん、そうなんだけどね」
『勝算は限りなく100に近いでしょう』
「圧倒的な自信過剰だね。それは僕も大丈夫だと思ってるんだけどさ」
『何か問題が?』
「いや、ホーミングランスって、ある種、BT偏向制御射撃だよね?」
『ある種ではなく、そのものです』
空中で旋回しつつ、特殊無反動旋回や、三次元躍動旋回などを決めていく。
「BT適正Aのセシリアが苦戦してる中でそれを使ったら、凄く卑屈になりそうじゃない?」
『気にする必要はありません』
「でもさ、代表候補生の立場ってものがあるんじゃないの?」
『先ほどから見せている動きも代表候補生を超えています』
「世界水準、軽く越えてっからな~」
『当然です』
いや、冗談のつもりだったんだけど。でも、束さんが仕上げたISだからそれくらいの出力が出てもおかしくはないのか。
「あ、もしかしなくても展開装甲ついてる?」
『残念ながら現在それに類する機能はありません』
あら、そうなんだ。残念な気もするけど、ちょっと安心したよ。
『かわりにカラオケの採点機能が付いてますが』
「ちょっとそれ地味に気になるんだけど」
『冗談です』
「そっちの方が残念なんだけど……」
二本のビームブレードを展開し、振る。篠ノ之流剣術の中の二刀流は元々神事の際の剣舞から流れている。なので、僕の剣も見る者からすれば剣術というよりも、舞のように見えるだろう。
『アリーナ内の視聴率100パーセントです』
「そんな情報要らないよ」
意識しちゃうとやり辛くなっちゃうから。
一通りの型をやり終え、ひと息ついてブレードを収納する。三点ミサイルの誘導はペイルライダーに任せているから、今やることではないし、ベクターキャノンはここで撃ったらまずいし……。
「やることなくなったね」
『そうですか。では、終わりにしましょう』
ペイルライダーを解除し、ISスーツの状態になる。そのまま終わりになるかと思われたけど、取り囲む女子が良しとしなかった。
その後、さらに二時間、名前も知らない女子相手に指導する羽目になった。つ、疲れた。
◇ ◇ ◇
月曜日。
ついにやってきた決戦の日。僕はピットでペイルライダーと作戦会議を行う。
「注意するのはブルーティア―ズのブルーティア―ズなんだけど」
『ふざけているのですか』
「いたって真面目だよ!」
字面だけ見たら冗談のような文にはなってるけど、別にふざけているわけではない。というか、原作者も途中でビットとか言いだしたし。そんな風に言いかえるなら、最初から違う名前を付けておけばいいのにって思うんだけど……。
『事前に武装はチェック済みです。搭載数、およびその稼働率を見ても、さほどの脅威になるとは思いません』
「いや、代表候補生相手にそこまで言うの?」
といっても、僕自身セシリアの機体は少しインパクトに欠ける気がしていた。大型レーザーライフル《スターライトMK-Ⅲ》も使い方が普通の射撃だし、何発もくらった一夏がまだ動ける時点で火力不足も否めない。一撃必殺とは言わないけど、もう少し威力を上げればいいのにね。
まあ、一番の要因はビットとの同時射撃が現時点で出来ないことかな。プロヴィデンスvsフリーダムのあれくらいの射撃密度が欲しいね。あ、ビームブレードで弾くやつやってみたいな。しかし、ミーティアが後ろについてるのにドラグーンが当たらないなんて、キラさんマジスーパーコーディネーターですね。
『ブルーティア―ズよりも、白式の方が気になります』
「ああ、確かに。あれのコアって、白騎士なんだよね?」
『はい。ですから、蓄積された経験が高いと思われます』
なるほどね。だから、あんなに早く単一仕様能力が解放されたのか。
『プランBを提案』
「ん? プランBって何?」
『そんなものはありません』
「まさかのギアーズ!」
そんな感じで、作戦は『高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処する』となった。
『単に行き当たりばったりなのでは?』
「しーっ!」
◇ ◇ ◇
アリーナに出ると、二人はもう対峙していた。
「あなたも逃げずに来ましたのね」
「まあね。これでも篠ノ之の名を背負ってるからね」
ちらりと見ると、一夏の白式はやはり一次移行を済ませていない。さっき乗ったから当たり前ではあるけど、零落白夜はまぐれあたりでも負けるから、確認作業は怠らないに越したことはない。
「あなた方に最後のチャンスを上げますわ」
『お断りします』
「黙っててね」
ペイルライダーの茶々は幸い、僕だけのチャンネルにしか聞こえていない。まあ、ISの合成音なんてそういうものだしね。
「わたくしが代表候補生である以上、あなた方に勝つことは明らか。無様に負けて、その醜態を晒されるのは嫌でしょう。なので、今ここで謝罪すると言うのであれば許してさしあげますわ」
「そんなもの必要ないぜ」
考える間もなく一夏は答える。
「ありがたい申し出だけど、そういうわけだから。覚悟してね」
二本のビームブレードを展開し、構える。
「いいですわ。それなら……」
腰部のスカートが外れ、ビットが周囲に展開される。
「踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルーティア―ズの奏でる円舞曲で!」
「行くぞっ!」
『おはようございます。戦闘行動を開始します』
「動けえぇぇぇえ!」
それぞれの声がアリーナに響き、戦闘が開始される。
「行きますわよ!」
銃口がこちらに向く。まずは強い方から倒すっていう作戦かな? だけど、戦力を見誤ったね。
「そんな機体で勝負する気か、なめられたものだ」
『警告。キャラがぶれてます』
いや、わざとだから。というか、警告するならスターライトのレーザーの方を教えてよ。
「やあっ!」
迫るレーザーをビームブレードで弾く。
「弾いたですって!?」
動揺しているセシリアに一夏が飛びこむ。しかし、セシリアはそれに気付き、上手い事距離を取って、一夏を近接攻撃の間合いに近づけさせない。
「俺もいるぞ!」
「くっ。こうなったら、先にあなたから倒してさしあげますわ!」
あ、これは良い展開だ。
「ペイルライダー。離れて見学しておこうね」
『了解。両者の意識は8割が互いに向いています。こちらから動かなければ、狙われないでしょう』
セシリアは一夏を気にしながらでは僕と戦うのは難しいと踏んでからだろう。一夏は元々僕の実力を知っているし、尚且つ戦う動機としてはセシリアに対しての方が強いからだろう。
そんな両者別々の理由から僕と戦うのは後の方がよいと考えている。
それに、僕は近接武器しか二人に見せていない。だから、ある程度ならとっさに対処できると踏んでいるんだろう。
「タイミングが来たらよろしくね」
『了解』
二人の戦いを見つめ、僕はにっこりと笑顔を創った。
◇ ◇ ◇
ピットでは箒、千冬、真耶がモニターから戦いを見つめていた。
「あれ? 篠ノ之くんはどうしたんでしょうか?」
突然、アリーナの隅で動かなくなる氷雨に真耶は疑問を浮かべる。
「氷雨のやつ……強者の余裕のつもりか」
千冬が考えるのは、乱闘という形式になっているが、氷雨自身はトーナメントのシード気分で二人の戦いを見守っているように見えている。
だが、弟が勝つことを応援する千冬からすれば、それはありがたいことだった。
「(一夏はまだ、ファーストシフトへ移行していない。だが、セシリアとの戦いの中でそれが起こり、“零落白夜”が使えるようになるならば……そうなれば、氷雨にも勝つ可能性はある)」
白式のコアが白騎士のコアであり、手に持つ武器は自身が使っていた雪片の後継である雪片弐型、それに加えて自分の弟だ。ならば、零落白夜は解放されるだろうと、この時点で千冬は確信していた。
しかし、そもそも白式のコア、つまり、白騎士のコアは白式に転用される前に一度初期化を行っている上に、零落白夜を単一仕様能力にもつのは『暮桜』であり、別のコアが別のコアの単一仕様能力を発動させることはあり得ないことなのである。
だが、ブラコンである千冬からすれば、それは瑣末なことであろう。
そんな風に千冬が考えている中、妹である箒は氷雨に違った感想を抱いていた。
「(氷雨のやつ……遊んでいる!)」
長年の付き合いで分かる。あの笑みが何を意味するか。
真面目な箒からすれば、真剣勝負の最中に遊ぶなんて行為は許せるものではない。剣道の試合でも、幾度となく氷雨の笑みを見て、少しの怒りを覚えていたものだ。
だがしかし、それでもいつも箒はその怒りを奥にしまいこんでしまう。というよりも、消えてしまうのだ。
なぜなら、それでも氷雨は勝つからだ。結果を残されてしまうと、何を言っても意味のないことに思えるし、それでも勝てる氷雨に少しの敬意を表してしまうからだ。
だが、今回は一夏が絡んでいる。その一夏の特訓に一週間付き合った箒だ。許せるわけがなかった。
「氷雨め、後で説教だな」
そんな中、試合は一夏優勢に変わろうとしていた。
次回、激闘決着!
ぶっちゃけ、激闘がほとんど書かれていないので、激闘なのか私にもわかりません!
決着のつき方が予想できている方、たぶんその通りです!
次回投稿は次の土曜の一時を予定しております。
書き溜め切れそう……