短め。SRTの兵站事情等。
軍事部の小銃についてや、食糧事情。
最終章を挟まず進んでいます。原作とは時系列に誤差があります。ご注意を。
※書き直し中……
日照りにも家畜村人の白目にもくれず、昼間の農作業に熱心に勤しむ。
石の鍬を振るい土を耕し、水路に水を引いて湿らせる。 種を蒔いて骨粉を撒き、急速な成長を促しては様々な作物を収穫した。
「うぅ……閉鎖の瀬戸際で予算が出ないからって、建築魔の作物を食べろだなんて……」
「やっすい豚の缶詰ばかりと、どっちがマシよ」
「確かにSRTの屋外戦で配られる食糧は、いつも塩漬けの豚肉でしたね。 宿営訓練で4日以上豚肉の缶詰だけだった時もありました……」
「朝っぱらからギトギトの缶詰を食べるしかなかったあの時か……あんな最悪な経験は懲り懲りだ」
「でもどうしてSRTの補給品には豚の缶詰ばっかりなんだろ……?」
「安いからだろ。 お偉いさんは数字ごっこが好きだからな。 補給品は常に最低入札価格で納品すべきである、なんて格言があるくらいだ。 安いだけじゃなく保存期間も長い。 だから昔から戦闘食として愛用されてきたんだ。 どれだけ愛用されていたかと言うと……とあるトリニティの小説家が、食事に出てくる豚肉の缶詰に飽き飽きして、自分の作品に登場する食べ物を全て豚の缶詰に変えて抗議したくらいだ」
畑もまたクラフターにとって作品だ。 農業や工業は自給率を上げる為に効率重視が第一だが、余裕がある今は趣旨を変える。
地下にも敷地を広げ、牛や豚も育て始めた。
本物の兎の養殖も始めている。 その内に村人に与えて共食いするのか見てみたい。
「その点、建築魔の作る物は凄いね……年中通して収穫が凄く早いし、腐らないし、味も良いし……」
「ミユ、懐柔されるなよ」
なにせ知識に住まう兎より雑食だ。
それが理由なのか知らないが発情もしなければ懐きもしない。 扉を並べても駄目だったし。
「けどさ、その点は否定出来ないね。 この間、建築魔が手製の小銃をウチにくれたじゃん?」
「ああ。 だが剣や弓矢を未だに扱う連中だぞ。 パイプやちくわ銃、良くて粗末な散弾みたいな出来じゃないのか?」
「それがかなりの高品質だって整備の子たちが褒めてたよ。 ブルパップ式だから、慣れがいるけど、排莢口は前側で、左右どちらかに方向を変えられるから、左利きでもイケるようになってる。 特殊な工具もなく整備が出来るようになってるし、弾薬も出回っているモノを使えるから補給もし易い。 まぁ予算が無い今、良し悪し関係なくそれも使うしかないね」
「左利き……FOX小隊の先輩方がそうでした。 職務上だとしても、そうした方々への意識があるのかも知れません」
まぁ時間はある。
狐諸共、実験台だ。 何を食うか食わぬか見てやろう。 そうした些細も貴重な記録だ。
作物に続きクラフト小銃も装備し始めたし。
この世界の村人も、いよいよゾンビのように我々の装備を鹵獲武装するときたか。 かつての我々のようだ。 流れで金林檎を与えれば兎にでも先祖帰りするのではないかと疑い始めている。 或いは落雷か。 逆に落雷を兎や狐が受けたのが村人形態か。 ゾンビピッグマンのような変化の仕方だろうか。 それかゾンビに噛まれた村人のような。
「それで、その先輩達はどうしたんだ?」
「防衛室長に掛け合っています」
「……まだSRTは大丈夫、だよね?」
「何とかなるでしょ。 建築魔の対処が大変なんだし、人員不足だし」
「だといいがな。 連邦生徒会も会長がいなくなってから悪い噂も流れてる」
ただ、林檎は栽培効率が悪い。
木の為に土地もいるし自然発生任せだ。
金インゴットもそれなりに貴重であるが……はて。 下位金林檎と上位林檎、どちらが有効であろうか。
「ヴァルキューレ警察学校公安局のカンナだ……その、ここはSRT特殊学園で合っているよな?」
「……何に見えますか?」
「農園だ。 立体式で先進的ですらある」
「言うな……! 全ては建築魔が悪い!」
「言わせたのはそっちだろうが!?」
クラフターが作業台を設置しようとした正にその時、獣耳ギザ歯村人が駆け込んできた。
コイツも狐か。 いや犬か。 獣は判断に困る。
「それで、その建築魔への対処の願いに来た。 子兎公園を占拠中の建築魔の排除に手を貸してくれ。 ヴァルキューレの部隊はほぼ壊滅、残ったのはシャーレのユメ先生と生活安全局で、余りにも頼りない。 君達の事はカヤ防衛室長からは許可を得ている」
「わかりました。 今は十分な装備もありませんが、これしきで正義を捨てる訳にはいきません。 何より建築魔は嫌いです」
クラフターは後を尾けた。
獣に誘引される日が来ようとは。 それも娯楽の予感がしたが故に。
後書き
更新常に未定