マイクラアーカイブ   作:ハヤモ

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前書き
マイクラ実写映画に出たポテト銃や、ジャンプブーツ装備のアイアンゴーレムなどのオリジナル要素を出したい欲ありつつ。
今はSRT編再構築ですかね……文才のある方々が羨ましい……(ジェラシィ


鉄屑と本懐

 

 

「助けてくれぇ!」

「今度は何事ですか」

 

 

本と羽ペン越し、同志先生に頼まれるがままミユにステーキを与えていたら、豚以下の畑泥棒なデカルトがまろび出る。 肉の匂いに誘われたか。 残念だが鉄屑にやるステーキはねぇ!

 

 

「公安局が我々所確幸の暮らす廃墟を襲撃してきたのです! 子兎タウン再開発の邪魔だからなどと宣い、これまでに無い銃火器で一方的に排除しているのです!」

「公安局? 警備局じゃなくて……?」

「どちらにせよSRTは私的な紛争に介入しない。 不法侵入や滞在をしていたお前達が悪い」

「ご愁傷様。 じゃ、私らステーキ食うのに忙しいから」

「なんて羨ま……無慈悲な連中だ! それでも正義の味方ですか!?」

「連邦法や規範に則り行動します。 違反すれば無法者になってしまいますよ」

「そんな無法者を排除するのがヴァルキューレやSRTだ。 そしてお前達は無法者として排除された、それだけだ」

「なんて奴らですか! 暴力が許されて良い道理はないでしょうに……ぐはっ!?」

 

 

鬱陶しいから切り刻もう。

エンチャントダイヤ剣を持ち前に出た刹那、銃声と共に鉄屑が倒れてしまう。

音の方へ見やれば、ギザ歯狂犬と取り巻きの村人が群れている。 畜生らしいじゃない。 骨や腐肉を拒否しなければ懐柔していたのに。

 

 

「追い詰められた動物は、最も強い群れに縋る」

「お前は公安の狂犬!」

「カンナだ。 せめて公安局長と呼べ」

「公安局長、何の用で? また建築魔ですか?」

「SRTのRABBIT小隊が、建築魔や子兎タウンの浮浪者と共にテロの準備をしていると情報があってな。 いざ来てみれば、経済力が無いのに質の高い武器を持ち、こちらに来れば権限のあるシャーレの先生もいて職権濫用。 犯罪前の団欒ですか」

「酷い言いがかりですね。 私たちはただ、建築魔の好意を受けているに過ぎません」

「それで発砲して回ってると? 良い性格してんね局長さん。 SRTを消したい連中の陰謀かな?」

「良い武器を持って職権濫用はそっちだろ!」

「そ、そもそも治安関連は警備局の管轄では? なんで公安局が直々に動くのか分かりません……」

「そうだ。 普通の状況ならな。 建築魔への対応に追われて人手不足なんだ」

「……公安局への襲撃計画をカヤに勘付かれた? いや早過ぎる。 元々こうする予定だったのかもね。 ユメはどう思う?」

「難しい事は分からないけど、カンナちゃん達の武器装備、いつもより強そうだよ」

「それでデカルト達を襲撃したって? かなり強権的だ。 狂犬だけに」

「え、ええと先生? 何ていうか……」

「笑えば良いと思うよ」

 

 

知的なハァン合唱も、クラフターにはちんぷんかんぷん。 ただ暴力に訴えてくるなら応答する。 それ以上の暴力で。 やられたらやり返す。 倍返しだ。

 

 

「よく分からないが、中々SRTが潰れないから無理矢理排除しようって?」

「やろうっての? それで先輩達の留守を狙ったワケ? 1年だからって舐めてない?」

「風倉、言葉は選んだ方が良い。 聞けばSRTの装備の大半は建築魔に元の校舎ごと爆破されたそうじゃないか。 今では、その建築魔の作った武器装備に縋る始末。 予算も出ず食べる物にも困っている。 今もこうして恵んで貰っているほどだ。 違うか?」

「それは……」

「貴様達がエリートなのは知っている。 だが数的優位を覆すかは別だ。 それに公安にもスポンサーがついた事で、武器装備は潤沢だ」

「あ、あの薄ら輝いてる銃火器の数々……建築魔の息が掛かってるんじゃ……」

「建築魔とも取引したのか!? 節操の無い!」

「え、なに? もしかしてヤバい系?」

 

 

慌て始める兎村人。

始まるか。 いや始めるか。 今か。 いやまだか。

我々は血に飢えている。 イキる荒らしを殺すのもまた生き甲斐である。 文字で分からぬ無法者にはこの手に限る。

 

 

「さあ早く決めろ。 素直に連行されるか、粗悪な武器で戦うか。 ああ、そういえば先ほど、法や秩序について聞こえたな。 この場合、どちらが正しいのか改めて聞かせくれないか? 口でも、銃口でも良いが」

「やる気か!」

「武器が無くても、一泡吹かせられるけど?」

「で、でも勝てるかな? どうしよう……」

「私たちは……それでも……!」

「ちょっと待ってくれるかな?」

 

 

一触即発の空気を霧散させたは同志先生。

何してくれるの。 殺る気が不完全燃焼だ。

 

 

「シャーレの先生方? 防衛室長から彼女達を任されてるのは聞いています。 ですがコレは別件です。 子兎タウンの再開発は決定事項なのです」

「カンナちゃん、時間をくれないかな? あまりに突然過ぎたから……」

「時間なら今まであったかと思いますが。 まぁ良いでしょう、シャーレに貸しを作るのも。 今日のところは引き上げます。 ですが長くは待ちません。 もし此方に従わない場合、武力行使をせざるを得ません……撤収!」

 

 

先生のハァンで狂犬ら襲来者が去っていく。

クラフターは怒り混じりに荒ぶった。 やはり先生は村人誘導能力に長けていると評価せざるを得ない。 我々の思いのままに動かせるなら尚良いが。 今の場合は吶喊して欲しかった。 そうしたら返り討ちにして気持ち良くなれたのに。

やはり暴力は偉大……! 本能的欲求……快感!

 

 

「くそっ公安め! 偉そうに!」

「け、建築魔も怒ってるみたい……」

「ですが武装が強化されたのは事実のようです。 モエ、アレはカイザーインダストリーの銃器で間違いありませんか?」

「だね。 にしてもケチなヴァルキューレが、どうしてカイザーのを買えたんだか」

「スポンサーって言っていたね……建築魔の協力もあるみたいだし」

 

 

過ぎた事は仕方ない。

気持ちを切り替えようそうしよう。 どうせ狂犬は懐柔出来やしない。 リードをつければ無理矢理連れ回せそうだが、噛みつきそうで嫌だ。

 

 

「リベートかな」

「先生……?」

「割り戻しですか。 しかしカイザーと彼方側の建築魔に何の得があるのでしょうか」

「再開発って言っていたでしょ? 手がけるのはカイザーコンストラクション。 建築好きはクラフター。 武器を扱うインダストリーとは同系列のカイザー。 資金の移動は比較的簡単な筈だよ。 再開発によって得られるだろう利益をインダストリーが武器に還元、それを公安に流しているんじゃないかな。 その見返りとして公安は再開発地域にいる浮浪者を追い出しているんだと思う」

「なるほど。 しかしSRTに来た理由が分かりません。 再開発とは関係ない筈です」

「カヤの差金か、或いは……」

「カンナちゃんのメッセージだと思う」

「ユメ先生?」

 

 

いつの間にか鉄屑がコソコソと離れている。

倒れたままなら、かまどに放り込んで溶かして純然たる鉄屑にしてやれたというのに。

 

 

「水面下で会社が繋がっているように、クラフターさんも繋がっている。 きっとカンナちゃんも内心は苦しくて、助けて欲しいって言いたいのかも」

「ならそう言えば良いのにねぇ?」

「言えない事情があるんだよ。 法律どうこうって。 1人じゃ、正攻法じゃ解決出来ないからこそ、頼れる所を求めて来たのかも」

「曖昧ですね。 交渉が失敗するのも頷けます」

「ひぃん、ミヤコちゃん言わないでぇ」

「ですがまぁ、そう仮定しましょう。 その方が公安の金庫破りもやり易いですから」

「あ、それは結局やるんだね……」

「当然だ。 その為に肉を食ってたんだから」

「そうだね。 みんな、お願いするね」

 

 

まぁ荒らし共がいて良い理由はない。

そう改め直し……肉が根こそぎ消えている!

かまどの中にも無い! 盗られたくそっ!

 

 

「あれ、みんなの肉が消えちゃった!?」

「さっきデカルトが蹲るようにコソコソ退散していたけれど、まさか」

「撃たれたってのに元気で現金な奴だ!?」

「懐寒く現金は持ってなさそうですが」

「あれば持っていく側だね。 もうアイツ、助けなくて良くない?」

「……うぅ、私のお肉、御馳走が……」

 

 

鉄屑め、次は肉の代わりにかまどに葬ってやる。

様々に上手くいかない。 ミユと共に腹を立てつつ、アイテムスロットにある予備肉をかまどに放る。 クラフターは怒りの炎を目に宿しつつ、情緒を焼き直すのであった。




後書き
更新常に未定
暑さが増す中。皆様、ご自愛ください。
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