扉を開ける際、原作でモブが穴でも掘ったんじゃない?と言っているのでその通りにしてやりましたよ(暴論
目標に達した先は村人式チェストが並ぶ宝物庫であった。 整然と並ぶ様はクラフターの倉庫に通じるから、親近感が湧く。
違うのは重厚な丸鉄扉がある事だ。 角ばった扉やピストン式の自動ドアを作ってきた身としては新鮮に映る。 薄暗いのは減点だ。 僭越ながら松明を壁に刺しておく。
「本当に上手くいくなんてね。 防犯カメラやここの扉をハッキングする手間が無くて助かるわ」
「兎に角、急いでクローバーを、カイザーインダストリーと公安が取引した証拠を探します」
「建築魔の松明で明るい……助かります」
湧き潰し後、試しに1つのチェストを開けるも、あるのは封筒なる紙袋や紙そのものばかり。
紙を大量生産している場所なのだろうか、ここは。 サトウキビはどこで栽培している?
「あった、これじゃないのか?」
「先生の言っていた通りですね。 子兎タウン再開発の件が間に挟まっています」
「これで公安に一泡吹かせられるな!」
「RABBIT小隊は撤収。 証拠をリークします」
この扉の向こうか。
丈夫そうだがミレニアムで見かけた壁ほどじゃない。 ダイヤのエンチャントツルハシの障壁ではないのだ。 では早速叩く!
刹那、警報が響く。 音ブロックと連携しているのか。 折角だ。 壁の中も見ておこう。 どんな回路を使用している?
「ちょ、ナニしてんだお前らあああ!!?」
「建築魔がご乱心……!」
「えぇ……ここで奇行に走る?」
「最近丸くなったと油断しました!」
騒ぐな兎共。 シルクタッチだから安心して。
「兎に角穴の中へ! 退路はそこだけです!」
「兎らしく巣穴かな?」
「冗談言ってる場合じゃないぞ!」
「に、逃げなきゃ……!」
兎共が脱兎の如く穴に戻っていくから、すかさず穴を塞いでやった。 完璧だ。 いや完床だ。 元の素材で埋め直した。 これで綻びも抜かりもない。
「塞がれたぞ! 証拠隠滅も兼ねた……!?」
「わ、訳が分からないよ……」
「ヴァルキューレ全員と戦う気なの?」
「遅かれ早かれ侵入したのはバレた筈です。 とはいえ自ら残るなんて。 自己犠牲、尻尾切りをする事で情報が出回るまでの時間を稼いでくれた……!?」
「うぅ、建築魔さんの事は忘れないよ……」
「普段の行い的にも適任だな」
「狼少年、兎を守るって?」
「いや建築魔はそこまで考えてないぞ絶対」
ここを建設した人はどういう思考だったのか。
壁の向こうは畑ではなく通路だった。 その向こうからドタドタと武装村人が群れてくる。
銃はまぁ、キヴォトスの常識の範疇として、丸くて透明な盾を装備しているまである。 村人の流行りなのか、丸いのが。
「いたぞ侵入者だ!」
「建築魔だ、捕まえろ!」
「こんな所にも現れたか! 追い出してやる!」
撃ってきたので、丸石の壁を展開。
即席バリケードとして遮蔽物とし、此方も撃ち返す。 盾の癖に耐久値が無いらしく直ぐに砕けて散っていく。
見た目通りガラス製なのかも知れない。 デザインは好きだが実用性に乏しそうだ。 エンチャントや用途を選べば使えそうとは思うものの。
「ぐあっ!?」
「奴らにも高性能な銃火器!?」
「向こうにもスポンサーが? いやまさか」
「自分達で作ったの!? 銃を!?」
「剣や弓矢を使っていた癖に生意気な!」
「数で押せ! ここは私らの本拠地だぞ!」
だが数が多い。 ネザー要塞攻略を思い出す。
ゾンビピッグマン、ピグリン、ネザースケルトン、ガスト。 或いはブレイズのように何処かにスポブロがあるのかと疑うレベル。
バリケード越しにチマチマ撃っていても埒が明かないと判断したクラフターは、鈍化のスプラッシュポーションを投擲し牽制。
「うっ、何か液体入りのビンを投げられた!」
「か、体が上手く動かない!?」
村人の動きを鈍らせると、その隙に床に穴を掘り兎穴に繋げていく。
追手が来ないように元の素材で塞ぎながらだ。 マルチ対戦においてもしていた撤退方法だ。 丸石のように掘った痕跡を辿られる訳にはいかない時は手間を掛けたものだ。
「くそっ、手間取った挙句に逃した!」
「地面に消えた……何処に行ったんだ!?」
「とにかく、追い出せただけマシか」
そもそも村人に我々程の掘削能力は無い。
追跡は困難だ。 勝った! 兎物語、完!
「カンナ局長。 建築魔が証拠保管室に侵入、カイザーとの取引記録を都合良く持ち出しました。 急ぎ捜索します!」
「いや良い」
「局長……?」
「これで、良かったんだ」
あとギザ歯との取引も成功だ。
兎共との取引とも合致する良い機会だ。 一石二鳥。 1回で2度美味しい。
クラフターは勝利の余韻に歓喜する!
これで……これで対価のコォヒィが!
禍々しい黒々泥水の生成方法を教えて貰える!
あの白い取手付きの植木鉢に入ったポーションモドキは、苦くも深淵の深みと立ち昇る湯気越しの良い香りは、どことなく上品な雰囲気を演出してくれる。
そのクラフトが出来るのならば、これくらいの仕事は朝飯前、いや夕飯前の1杯だろう。
ゆくゆくは……ゲヘナの丸々紫モンスターのクラフトや謎の解明に繋がるかも知れない!
そう考えると楽しくて仕方ない人生であった。
後書き
更新常に未定