マルチ外から失礼します、先生。
ゲマトリアは壊滅しました。
色彩が遂に到来、狼の神に襲撃されました。
正しくは作り手の実験台にされたと申しますか。
色彩が到来し、狼の神がソレと接触したのです。
恐怖の領域へ反転した彼女は、命ある全てをあの世へと導く死の神アヌビスとなり、本質のままに、この世に終焉を齎す……そう、色彩は理解していました。
故にこの地に辿り着き、先ず彼女の崇高を確保したのでしょう。
ところが今の色彩は彼女を追って来た、昔の恋人に未練たらたら男の様相を醸し出しています。
謂わば世界を跨いだストーカーです。
色彩に意志は無いと考えていましたが、まさかここまで低俗に堕ちていようとは。
その低俗……マインクラフターの言葉を借りるならば荒らしと化した色彩は、鬱憤のままにキヴォトスに八つ当たりして破滅を齎そうとしています。
そしてキヴォトスに現れた6つの塔は、サンクトゥムタワーの1種といえるでしょう。
それも反転した。
アレは太古の昔、まだこの世界に記録が残されるよりも前、当時存在していた原始的な神秘……名も無き神が築き上げた技術の1つ。
アレが色彩の光を世界中に伝播させ、キヴォトスに存在する全ての神秘を恐怖へと反転させることでしょう。
あの狼の神のように。
その代わりの"彼女"をつくる為に。
そんな狼の神がゲマトリアを襲撃した理由。
それはクラフターに感化されたが故に、増幅した探究心がままの行動です。
恐らくは、我々にどこまでの攻撃が通用するか、集積してきた秘儀と検証結果の強奪が目的だったのかと予想しています。
その嚮導者となるは、彼女が出会ってきたクラフターだけでなく。
共に時空間を移動出来る能力があろう者。
その名をプレナパテス。
彼氏、いや旦那と対面する事となるでしょう。
その時、狼がビッチムーブをしようと、マインクラフターと化した業の深い真似をしようと、色彩が狂おうと、最早記録する事が敵いません。
先生。
もしまた会えたら、宴会の席か何処かで詳しくお聞かせください。
クククッ……今は、そう。 その為に。
先生方、主人公の勝利を祈りますよぉ?
「緊急速報です! 現在、D.U.で怪奇現象が発生しております! 突如として黒い謎の巨塔が落下、サンクトゥムタワーに衝突!」
「未曾有の大災害に行政は麻痺しております! カイザー及びクラフターと因果関係があるのでしょうか?」
「キヴォトス全域で大規模な通信障害! 各自地区でも怪奇現象! 一部治安維持組織は、これと既に交戦状態との情報あり!」
「各学園は避難指示発令。 マインクラフターの地下シェルターへの避難誘導が開始」
「タワーの正体は不明! サンクトゥムタワーが崩壊したことで、連邦生徒会とは連絡が途絶したままです!」
「あっ、今速報が入りました! 連邦生徒会が緊急声明を……訂正します、連邦捜査部シャーレからの声明です!」
「シャーレからの緊急声明が到着しました!! い、今、読み上げます……!」
"各自地区の生徒は、黒い塔の付近に近寄らず、すぐに避難してください"
『ここからは大人に、シャーレに任せて』
先生が謎のカードを取り出した!
ノノミのと似ている。 欲しい。 くれないだろうか。 なんだかレアカードな気がする。
「先生。 1つ、忠告しましょう」
何故か顔が崩壊しかけているエンダーモドキがハァンハァンと語り掛かる。
この個体もレアカードが欲しいのか。 そんなコイツも中々にレアスポーンだとは考えている。 どこにもいないし。
「そのカードを乱用すれば、あなたは私たちと同じ結末を迎える事になりますよ、先生」
あのジューク村人も、元はエンダーモドキだったのかも知れない。
どこかのバイオームに大量に湧いていれば実験も捗るというのに。 この手のモンスターは皆レアスポーンか。 ままならない。
「そうなったら、とある神様みたいにマインクラフターに転職するのもアリかもね?」
「クックックッ……くれぐれも色彩のようにはなりませんよう。 あのような力と絶望ばかりの、惨めで醜い姿は見るに耐えませんから」
しかし両者は何を取引しているのかサッパリだ。
額縁か絵画が欲しいのだろうか。
完全に顔面崩壊すればそうだろうと思った。